『やわらかな光』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
やわらかな光
光といっても太陽に月、電気に火といろいろあると思うけどやわらかな光でイメージするのは月の光かな。
最初は朝日をイメージしたけどやっぱり月の光のほうがやわらかい感じするな。というか太陽が強すぎるだけかもしれない。
そういえばやわらかな光ってなると森林浴なんかもありかもな。木の間から射し込む光はやわらかなイメージがある。森林浴したことないからわからないけど。
今日もちょっと疲れたからそろそろ終わりにしようかな。最近ちょっと通販で買い物を多くしたからその受け取りでちょっとね。
自分で買っておいていうのもなんだけど、宅配の人がいつくるかわからないからそれを待つのが疲れるんだよな。
じゃあ自宅受け取りじゃなくて自分で受け取りにいけばいいだろって話なんだけどそれはそれで、というかそっちのほうがめんどくさい。
通販の受け取りも一回二回なら別に疲れないんだけど最近はちょっといろいろ買いすぎた。おかげで金もなくなったし反省だな。
やわらかな光。暖かく、包み込むような印象を受ける。
しかし、真っ暗闇の中だったら?
*
「なんで灯りを回復魔法使った時のエフェクトで確保してるんだろう」
とある洞窟。行くなら暗闇で火属性魔法か灯り魔法、松明などを持っていけと近隣の街の酒場や武器、防具屋で物凄く念押しされるのだが、この馬鹿⸺失礼、この女は街によらずに洞窟に行ってしまった。
ちなみに余談ではあるが、女はいわゆる転生者でもある……Tと、もう一文字つくタイプではあるが。
「回復魔法で灯りを確保してるから無いよりはマシ程度だし、そもそも回復魔法を使う為に自傷行為に走ってんの明らかに奇行なんだけど……はぁ」
なお、女が通った道には血がポツポツと落ちている。回復魔法を限りなくゆったりと発動させているが、いかんせん回復していくのでいずれ治る。治り切る前に傷をつける……の繰り返しで洞窟の奥へと進む。
女が洞窟の奥へと向かう理由。
それは、女は気付いていないが、この洞窟の主に魅了をかけられているからだ……食料目的で、だぞ?
「そろそろ、最奥かな……?」
やわらかな光⸺否、この暗闇の中に対しては心許ないとしか言いようがない光では……昼間に見ても怖いとしか言われない洞窟の主の姿を見たら、恐怖心しか無いだろう
第三者こと書き手だって怖いし。実体験してる女はこれ以上に恐怖を味わっているだろうな、ははは。
⸺その後女は、死に物狂いで逃げ、二度と冒険に出ないことを誓ったとか、そのまま洞窟の中を永遠に彷徨ったとか……色々な噂が広まっている。
*
「唐突に物語を考えろと言われ、お題を投げられた側の気持ち、分かる?」
なはは、知らん。
「このクソ上司が……まぁアドリブって難しいってことは再確認できたから、いっか」
君のそういうとこ、嫌いじゃないねぇ。
【エフェクトで灯り確保って、実際どうなんだろうね?】
やわらかな光
朝のこのやわらかな光は好きだけれど、この誰もいない部屋に1人でいるのはとても寂しい
→短編・門出
神聖なチャペルで列席者に見守られながら、僕たちは指輪の交換を終えた。
ステンドグラス越しの陽光が、ウェディングドレスに身を包んだ彼女を美しく浮き立たせる。
パイプオルガンの控えめなBGM が流れてきた。これを合図にベールアップという進行。
「ベールアップってね、二人の間にある最後の壁を取り払うって意味なんだって」
彼女が式場選びの時に言った言葉が脳裏をよぎり、ベールに手をかけようとした僕の手が止まった。
動きを止めた僕のモーニングの裾がツィっと引かれた。固まった父親を心配した様子で見上げる幼い息子と目が合った。列席者に座る彼女の小学生の娘も緊張の面持ちでこちらを見ている。
僕は娘に微笑みかけ、息子の頭を撫でた。
色々あったこれまでが押し寄せる。順風満帆な交際ではなかった。お互いに疑心暗鬼になり、別れる一歩手前まで陥ったこともあった。それでもここまでやってこれたのは……――。
僕は彼女に向き直った。ベールの下、彼うつむき加減のまま微笑む彼女が、今までになく愛おしい。
彼女のベールを手に取る。わずかな重さ、すべらかな手触りが僕に強い覚悟をもたらす。
新しい人生の始まり。それはすなわち未来であり、希望であり、大きな責任だ。
最後の壁よ、さようなら。
神聖なやわらかい光に包まれて、僕たちは今日、皆で家族になる。
テーマ; やわらかな光
【やわらかな光】
一緒に歩いた遊歩道も、お弁当を作ったピクニックも。もうあなたには忘れたい過去のひとつなのでしょう。
私にとっては一生忘れない初めて叶った恋の話なのに。
それも全部白いドレスで塗り替えてしまえばいい。
私は今日、あなたなんかより良い人と結ばれるから。
「ドタキャンから紅葉狩り」
仮病なんてしないで、一緒に行けば良かった。
せっかく誘ってくれたのに。
ふたりきりではないことが面白くなくてドタキャンするなんて、最低だ。
幼い頃のように、自分の気持ちを素直に言えたら──
どうしていつもこうなっちゃうんだろう。
寝転がったまま出来ることは限られている。
意を決して起き上がり、カーテンを閉めた。
ついでに毛布を引き寄せ、ベッドに横になる。
カーテンの隙間から差し込んでくる光。
じりじりと照りつけていた夏の太陽は嫌だったけど、今はこれくらいがちょうどいい。
あいつに友達が多いのは昔から変わらない。
あいつの女友達に『そういう気持ち』が無いであろうことはわかりきっている。
それなのに、嫉妬心を抱いてしまう。
素直になれないのも、今日に始まったことではない。
それでも、あいつは私のことを大切にしようとしてくれている。
ずっと私の側にいてくれようとしていることも、わかってる。
起き上がり、カーテンを開ける。
すっきりと澄んだ青い空に、ぽこぽことした鱗雲が広がっている。
窓を開けてみると、少しひんやりとした風。
金木犀の香りと、どこかの家で薪ストーブを焚いている匂い。
季節は容赦なく冬へと向かっている。
「いつまでも甘えてたらダメだよね……」
このままでは愛想を尽かされてしまう。
それだけは嫌。
そうだ、埋め合わせとして紅葉狩りに誘おう。
子供の頃、一緒に行ったあの場所なら、あの頃のように振る舞えるかもしれない。
────やわらかな光
【お題:やわらかな光 20241016】
目を開けるとそこはやわらかな光で満ち溢れていた。
暑さも寒さも感じず、ただ明るいと感じる空間に、私は独り立っている。
ここがどこなのか、自分が誰なのか、そんな事はどうでも良かった。
ただ私という魂が、ここが特別な空間で、自分が幾度も転生を繰り返してきた者であると言うことを記憶している。
「ご苦労さん」
「⋯⋯⋯⋯また、ですか?」
「いや、本番だよ」
「本番⋯⋯」
幾度も繰り返してきた生で、私という魂は様々なことを経験し、学んだ。
それは人の感情であったり、世界の理であったり、自然のバランスであったり、命の重みであったり、軽さであったりした。
そして、その生が終わる度にこの場所で、この人物と出会う。
交わす言葉は多くなく、労いの言葉を貰い、次の生の簡単な情報を与えられ、そして送り出される。
だが、今回は違うようだ。
「ゼロベースじゃなくて申し訳ないけど、はい、どうぞ受け取って」
渡されたのは、掌に乗る大きさの球体と赤い表紙の一冊の分厚い本。
球体は宙に浮いており、球体の周りに3つの小さな球体が寄り添うように浮かんでいる。
私という魂は、それを自分の目の高さに浮かべる。
よく見れば球体の半分は全てが水で覆われてり、その上空には大小様々な島が浮かんでいる。
もう半分は同じく水で覆われているが、水の中に4つの大陸と無数の小さな島があるのが見えた。
「これは⋯⋯」
「創造主が島を半分落としたんだ、実験だと言ってね。おかげで世界は混乱し酷い有様だ」
「元のように島を浮かすことはできないのですか?」
「無理だね」
「では、全て落とす事は?」
「それも無理だ、世界の理に反する」
神という存在が有る。
今、私という魂の前にいる、この人物も神の一人と言える。
ただし、この人物もまた与えられた役割をこなしているだけに過ぎない。
私のような魂に、世界を与えるという役割だ。
「理は全てこれに書かれていますか?」
「書かれてる。けれど消せない」
「⋯⋯承知しました」
「キミの前の守護者も頑張っていたんだけどね、頑張りすぎて消滅したよ。でもおかげで、世界はまだ続いている。よろしく頼むよ」
「はい」
私という魂の中に、ふわふわと浮く球体と赤い表紙の本が吸い込まれる。
本に書かれた世界の理が、私の中に刻み込まれ、そして唐突に理解する。
私という魂が、二度とこの人物に会うことは無いのだと言うことを。
「⋯⋯今まで、ありがとうございました」
「うん、見守っているからね」
「はい」
やわらかな光の中で、儚く微笑む者がひらひらと手を振り、私という魂を見送る。
世界を守る者を、守護者という。
創造主が決めた理と、己が決める理で与えられた世界を未来へと導く。
守護者は『磨かれた魂』が担う。
様々な生を経験し、様々な知識と記憶を身につけた、神に育てられた魂だ。
世界を守るために、創造主が作ったものを守るために、何者かの愉しみを守るために。
やわらかな光の中で儚く微笑む人物の姿が徐々に薄くなっていく。
私という魂に手を振り続けるその姿を、私は心に刻みこんだ。
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(´-ι_-`) 春よりも冬の陽射しの方が優しいイメージがあるなぁ
薄曇りの朝、窓からやわらかな光が差し込む
。まさか年を重ねて、こんなにも朝の目覚めが良くなるなんて思いもしなかった。
若い時分は、朝、起きることが何よりも苦手だった、できれば朝は寝たいだけ寝たいタイプであった。なのでいつも朝、起きるのはとても遅かった。この時間に家を出ないと学校には間に合わない!
そんな時間を過ぎても起きることができずにいるくらいに
二軒目に連れて来られたお店は地下にあった。カウンターの後ろのお酒が並べられた棚が裏側から光っているような、そんな感じのバーだ。
店内は薄暗く、食事をおいしく食べるお店ではなさそうだ。私はこの店に連れて来られた人なら誰もが発する、月並みでありきたりなセリフを吐いた。
「なんか雰囲気のあるお店ですね」
連れてきた人はその凡庸な文句をたいそう気に入ったらしく、ニンマリとした笑みを浮かべた。
「マスター、2人。カウンターは?あ、空いてない。しょうがないな」
カウンターは2人並べる席が空いてないようで、男は渋々ボックス席に座った。こういうお店はカウンターに座ってこそなんだろうか。
間接照明のやわらかい光がいくつもゆらめいている。ぽつんと座ったテーブルで、私は落語の「死神」の場面を思い浮かべていた。
ろうそくがたくさん並んでいる場所って、このぐらいの明るさなのかな。
「ねえねえ、これから進めていく僕のプロジェクト、どのぐらいの規模だと思う?」
男は私の対面ではなく、上家側に座った。
「え、ちょっとわかんないです」
「50億だよ。50億!48億6,500万」
ほな50億とちゃうやんけ!…。はさすがに言いがかりか。
なんでそんな細かい端数まで覚えてんねん!そこらへん、為替でなんぼでも変動するやろ!…ぐらいかな。
「どう?ちょっとは僕に興味沸いた?」
んー48億6,500万はちょっとだけ良かったけど。ちょっと興味沸いたけど。いやそんなこと口に出すなよ!そもそもキモいねん。
「あ、ここのパテ、絶品だから!絶対食べて!」
ここではウイスキーをオススメしろよ!食いもん頼む店ちゃうやろ!お前がキープしてる極上のウイスキー飲まして来いよ!
「あ、この後ホテル予約してあるんだけど、どうかな?」
いやどのタイミングで行ける思たん?もともと予約しちゃってるから誘わなきゃ損だし、…で誘うなよ!
「ちなみにアパホテル」
絶っ対 いま そこじゃないよね!アパはないよね!事前にアパホテルって言われてて、やったーじゃあ行く〜、はないよね!ポイントいくら貯まってるんか知らんけど。
———
「っていうエピソードなんだけど。間接照明が好きな男ってどう思う?」
「んー、そんな肘とか膝とか光ってるやつ見たことないけどな」
「いや関節が照明のやつの話してないわ」
「あとお前がツッコミのときだけ関西弁になるのもキモいよ?」
「それは言わんといてー、もういいよ」
今日はスーパームーン。
今年最小の満月と比べると
見かけの直径が14%程大きく見えるらしい。
とは言え太陽光からすれば
グッとやわらかな光。
残念ながらうちの方は曇り予報だ。
見れるか見れないな微妙なとこだろう。
夜晴れる地域の人は羨ましい。
(やわらかな光)
夜の中1人佇んで好きなアニメ鑑賞やSwitchのゲームをやってる自分がいました♪
柔らかな光
柔らかで優しい香り
柔らかで優しい味
柔らかで優しい食感
柔らかで優しい…
心地良いクッションのよう
柔らかな光に包まれて
…
優しく…優しく…
癒される
お風呂上がり。体はまだほんのりほこほこ。
洗って乾かしただけのすっぴんの髪。
外に出て夜空を見る。
満月の明るいやわらかな光と、どこからか漂う金木犀の香りを、髪の毛に纏わせる。
「やわらかな光」
ちら、と目を開けると眠気が私を抱き締めている。
あの日から、随分と気が楽になった。傷元でじゅくじゅくと膿んでいた膿を取り除いた様な気持ちで、かなり気が楽で。しがみついていたものを全て忘れてみると、かなり気が楽だ。
休日に出勤しなくていい、休日にやるべきことをやらなくていい。だってやるべきことがそもそも無いのだから。
太陽があんなに輝かしく見えるのは何時ぶりだろうか。誰かの膝に優しく寝かして貰えるのは初めてだと思える。
嗚呼、素晴らしきかな、あの人。
無償の愛をくれるあの人の愛に答えるために、愛を貰うために、愛を求めている。その美しい姿と愛は今、自分だけが独占している。
………?
何故って、そりゃあきみ、求めたからである。
堕落していると言うなれば、少しだけならあの人の膝に寝かしてやってもいい。すぐきみもあの人の虜になってしまうさ。あの人の愛は底なしだ。働いている時も、何をしている時だって、あの人の愛を求めてやまないんだ。
きっとこれは運命だ。きみもあの人の愛を頂く権利があるのだろう。本来なら独占したいところだが、あの人の前で醜態は晒すまい。あの人は、きみも自分も愛してくれる。
もしかすると、きみを、きみだけを愛してくれる、聖母のような人をあの人が紹介してくださるかもしれない。
いいのかって、構わない。あの人の愛によって自分は余裕ができた。素晴らしいこの愛を、私は得た。
…あぁ、暫くしたらすぐ退いてくれ。その人はあくまで私の愛なんだ。奪おうとするならばきみがどうなろうと私の知ったことでは無い。
………。
どうだい?夢心地だろう。ひどく愛がこもった表情で微笑んでもらえて、ひどく愛がこもった口に褒めてもらえて、ひどく愛がこもった腕に抱きしめてもらえて、ひどく愛がこもった手で撫でてもらえて、ひどく愛がこもった声で愛を囁いてもらえて、望めばあの美しい唇に接吻も給われたんだ。
そうだ、きみも愛に飢えているな。あの人に頼んで、愛をくれる人を探すといい。きっとすぐ見つかるさ。そろそろ起き上がってくれ。愛しいあの人は私のものだ、そろそろ膝から退くといい。
………。
愛しい人、ようやく君の膝の上に戻ってこれた。はあ…なんて美しい。君の傍で眠りたい、君の傍で目を覚ましたい。君の微笑みは私の為だけにあればいいよ。明日が嫌だ。きみと離れなければならないから。私を考えていて。私の姿を覚えていてくれ。片時も忘れることは許されないんだ。
常に私を膝の上に乗せていてくれ。君の真実の愛は私の元にある。私が愛するのは君で、君が愛するのは私だ。どんな時も君は私を愛さなければいけない。愛しい君は私へ愛を囁くんだ。さっきの奴への愛は嘘っぱちだね。分かるよ。
何故って、それは君が愛しているのは私で、私が愛しているのは君だからだ。愛しい人、君の手を煩わせて申し訳ないがさっきの彼奴…彼奴にも、丁度良い奴を紹介してやってくれないか?勿論私の二の次で構わないから。
やめてくれ、やめてくれ。撫でる手を止めないでくれ、君の手に愛がこもっていないと私は生きていけないんだ。君がいないと私の存在意義はなくなる!君というものを失えば私はどうして生きろと言うんだ!なんて酷い!
………。
あぁ、良かった。君の柔らかな愛のなんと愛しいことか…
あぁ、済まなかった。他の者の話をした私が悪かった。抱き締めるよ、撫でようか、抱き締めようか、接吻しようか、愛を囁こうか、何でもしよう。
愛しい君、他のものなんて愛でないでくれ。私は君がいればそれでいい。ほら、私に顔を見せてくれ。接吻をして、共に眠ろう。私達はずっと傍にいるんだ。
ほら、愛を囁いてくれ。
私だけだと言ってくれ。
君だけだと言うから。
やわらかな光が私のトゲトゲを包んだ。
『棘なんて丸くしてしまえば良いものよ』
『だって無理に取ると傷がつくでしょ?』
やわらかな光が私のトゲトゲを包んだ。
❦
カーテンがオーロラのようにたなびく。
奥ゆかしささえ感じられる陽光は、スポットライトのように埃たちのダンスを照らしている。
瞼が眠気に抗えずゆっくりと上下する。まるで紳士がする拍手みたく尊大だ。
だがそんな微睡みを引き裂くように、ジャッと鳴きながらカーテンが左右へ開かれる。
容赦無く俺の顔を陽の光が照らす。まるで大怪盗がするみたいに俺は手で顔を覆った。
「いつまで寝てんのさ。そろそろ起きろー」
「まぶし……」
「天気いいよ。買い物行こ」
カーテンを避けながら彼女が掃き出し窓を開ける。心地よい風がカーテンをふわりと浮かせた。
振り向き微笑む彼女が背に光を浴びる。その姿がまるで後光の差す聖母のような—。
「……ぅえっくし!」
俺のくしゃみで埃たちが逃げ惑うようにブワリと舞う。
「風邪?」
「いや、急に眩しかったから…」
俺は鼻を啜りながら答える。眩しそうに顔を顰める俺に、彼女はハッとした表情をする。
「”光くしゃみ反射”だ…!」
「なんだそれ」
「太陽見るとくしゃみ出るやつ。知らない?」
嬉しそうに言う彼女に俺は呆れる。てっきり謝られるもんだと思っていたのに。しかし嬉々として蘊蓄を語る彼女に、俺は苦笑しベッドから起き上がる。
いつもそうだ。結局その笑顔に絆されるんだ。
やわらかな光が二人を包む午前九時。俺たちの一日がまた始まる。
≪やわらかな光≫
金木犀が咲き始めましたね。
そう、やわらかな匂い。
それに、包まれる幸せ。
紫雲英蒔く空の色めく滑走路
Happy Birthday 49
やわらかな光107
臨時
また来週月曜日
敵でいいじゃない、私は割り切った。
ハートが1000を超えました。
ありがとうございます。
越えました。
海の音がする。ごうんごうんと波打っている。
重たい瞼を開けてみた。やわらかな光で満たされる。
再び目を閉じた。生まれる前の懐かしい音がわたしを包み込み、瞼に残る砕けた白い波と、あなたの今にも泣きそうな笑顔が、美しい想い出となっていく。
記憶の中の世界は、今でも私を優しく抱きしめている。
だから安心して、あなた。
私を今、包むのは、やわらかな光。
遠くから聞こえる小鳥のさえずりと共に
朝日は、私を歓迎する。
秋空は、天高く
それでいて、案外小さい。
かと思えば、途方もなく遠かったり。
貴方と私をきっと祝福する、やわらかな光。
光のヴェールを纏い、今日も靡かせながら歩く。
秋の少し冷たい風に靡いたヴェールは、私の心を温かく包みこんだ。
やわらかな光
『終の住処』
昭子は引っ越しが終わった新しい部屋を見まわしてそう思った。
昨年の冬、夫が他界した。子ども達もそれぞれに家庭をもち、家を出て行った。孫たちも大きくなり泊まりに来ることも減ってきた。
残された家は昭子ひとりで暮らすには広過ぎた。家族との思い出の詰まった家と離れる事に寂しさがなかったわけではない。ただ、家族との思い出の詰まった家にひとりでいる事もまた寂しかった。
引っ越しを決めて、家の中の物を整理した。夫が使っていたゴルフバッグ、数回しか使わなかった一眼レフカメラ。息子の部活道具や趣味ではじめたギター。娘が若い頃に着ていた洋服やかばんたち。夫の物と子ども達のものばかり。自分の物はいつも使っている身の周りのもの程度だ。子ども達に連絡すると処分していいと言われたので、業者に依頼して全て持っていってもらった。
新しい住居に運んだ物は、昭子の身の回りの物と家族の思い出、それと夫の位牌くらいだ。大きな家具も家電もコンパクトなものに買い替えた。昭子の終の住処は静かで冷たい感じがした。
しばらくぼんやりしていると雲間からやわらかな春の陽射しが部屋に注ぎ込んできた。
「ここにロッキングチェアーを置こう」
昭子はいつか何かで見た海外のインテリアを思い出していた。
そこで本を読んだり、音楽を聴いて過ごそう。そばにはサイドテーブルと観葉植物を置こう。
この光に包まれて、日々を慎ましやかに過ごしていくのも悪くない。
やわらかな光が昭子の門出を祝福しているようだった。
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お題:やわらかな光