『やわらかな光』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
朝、光が差した。
手を握りしめた。
生きている感覚がした。
秋の気配がする。
底冷えの朝六時。
まだ少し早いかな。
いや、起きてしまおう。
小さなテーブルに食パンを並べて
今朝の夢を
紅茶にとかして飲み込んだ。
かけたままの風鈴が
夏の記憶を悼んでいる。
八月のままのカレンダーを
ぼうっと遠目に見つめながら
今日という日を夢想した。
カーテンを透過した木漏れ日が
僕の右手を往復する。
やわらかな光が、あたたかい。
(やわらかな光)
: やわらかな光
やわらかな光が肌に溶ける
ふと顔をあげると
朝の日が色を連れて覗いている
ピンクの秋桜が色を重ね
淡い艶を儚げに纏い
にっこりと微笑んでいる
やさしい風に揺らぐ細い体
愛おしそうに絡み合い
変わる朝の色味を眺めている
あの人はどうしているだろうか…
やわらかな光が風に溶け
私の心をするりとすり抜けた
桜月夜
お金と時間をかけて見ようとした景色より、徹夜明けのシャワーで浴びる、やわらかな光が一番美しく見える
【やわらかな光】
樹冠から届く光
雲間から届く光
やわらかくあたたかい
その光を浴びながら猫のように丸まって包まれたい
ふと、町で周りを見渡すと小さい画面にみんな夢中なんだ。
でも空を見上げれば あたたかいひかり 青色の空が私を包み込む
何で空はこんなにも青くて綺麗なのに
そんなに小さい画面に夢中なのだろう
見上げれば もっと大きくて 綺麗で あたたかい
そんな空が広がっているのに
みんな小さい画面ばっかりだ。
どうか損はしないでね。
やわらかな光
食卓を家族で囲む場所を照らしている
やわらかな光
中学校は辛かった。もともとコミ障なのは分かっていたが、友達もできず朝から誰とも話さない日なんてざらだった。だんだん僕の存在はクラスから消え、挨拶さえ返してもらうことはなくなっていた。僕は本当に存在しているのか、自分自身でも分からなくなってしまった。
学校に行かな日が増え、自分の部屋に引きこもり始めた頃、突然僕の部屋を叩く音がした。誰だろう。
でも、僕にとっては誰で関係ない。僕の存在を消すなら消せばいい。僕は本当に消えてもいいのだから。
コンコン。
「こんばんわ。私は北海道で牧場を経営している松田と言います。突然すみません。私の甥はあなたのクラスの松田啓人です。啓人からあなたのことを聞いて来ました。また来ますね。」
松田啓人。誰だっけ。でも何でその人の叔父さんが来たのかな。でも僕に関係ないこと。
コンコン。
「こんばんわ。松田です。僕の牧場では牛を50匹と羊30匹を飼っています。みんな手がかかりますが、どの子も可愛いですよ。でも、その子たちを私は出荷して生計を立ててます。またお話ししましょう。」
コンコン
「こんばんわ。松田です。寒くなってきましたね。北海道の冬はもっともっと寒いですよ。牧場で牛たちが私を待っているので
帰ることにしました。」
「あなたも行きませんか。空港で待っています。持ち物なんていりませんよ。全部手放して来て下さい。大丈夫。待っています。私も牛も羊もあなたを待っています。」
僕を待っている人がいる。
僕を必要としてくれる人が動物がいる。
僕を認めてくれるならここから出たい。
新たな自分になるために全てを手放しても構わない。
やわらかな光を浴びて、飛行機に乗る僕は生きるための一歩を踏み出す。
「やわらかな光」
私は見てしまった、
君はあの時、 一瞬 かすかに光って見えた。
私は、落ちてしまった...
すっかり迷ってしまった。
私は、柔らかい水蒸気の塊に触られている手をじっと見つめた。
やわらかい光が、私を包んでいる。
先の道も後の道も、やわらかい光にすっかり隠されている。
霧が立ち込めているのだ。
太陽のやわらかい光が霧の水蒸気に乱反射して、辺りはすっかり、クリーム色のやわらかい光に隠されている。
空気が冷たい。
一帯はしんと静まり返っている。
とりあえずで一歩踏み出す。
肩に触れていた霧が、後ろへ流れていく。
前方のアスファルトの道路が、一瞬開けて、また霧の中へ隠れる。
こんな状態で人を探すなんて、とても無理だ。
切実にそう思う。
だいたい、帰り道さえ見つけられないこの霧の中で一体どうやって探せと言うのだ。
バカなことだと、自分でも分かっている。
でも、諦めきれなかった。
私はどうしても、あの人を見つけて帰りたい。
それがどんなに困難でも。
それは私の意地だった。執念だった。
あの人が行方不明になってから一ヶ月が経った。
不思議な人だった。
優しくて、厳しくて、いつも嘯いていて。
根は、正義感が強くてまっすぐな癖に、言動は偽悪的で、戯けていて。
軟派で物腰は柔らかいのに、どこか頑なで芯は頑固で。
忖度や特別な関係などどこ吹く風で、誰にでも分け隔てなく、おんなじそっけない対応を貫いていた。
「どうでもいい」が口癖の、不器用な人だった。
冷たい空気を少しだけ深く吸い込んで、あの人を呼んでみる。
「先生?」
私の声は、冷たい霧の中にゆっくりと霧散していった。
辺りはまた、しんと静まり返る。
「先生!」
ちょっと高めに上げた声も、やわらかい光を纏った霧に抱きすくめ、埋られていく。
先生は、霧に似ていた。
ひたすらに、光も風も声も音も、みんな吸収していく霧を見て、私は思った。
人当たりもやわらかだけど、そのやわらかさは優しさではなくて。
儚げなのに頑固でなかなか消えようとはしなくて。
肝心なことは何一つ見せてくれなくて。
やわらかな光のような、そんな人だった。
霧は相変わらず、やわらかな光を抱いて、私の周りを包み込んでいる。
光も霧も何も答えてくれない。
ただ、周りのものを水蒸気の塊の中に埋めて、沈黙を守っている。
私は先生を探す。
このやわらかい光の中から。
だって、あの人はこの光に似ている。
ここに隠れるくらいできるだろうし。
「先生」
私は呟く。
やわらかな光が私を包んでいる。
一歩を踏み出す。
霧がゆっくりと後ろに流れていく。
やわらかな光は、何も変わらずに、沈黙を守って、私を見つめていた。
涙の影に光を落とす
まぶしいね
新しいね
叶わぬ想いは届かぬまま
寂しいね
哀しいね
窓辺に置いた花が揺れた
愛とは何かわかるかい?
Iとは何か知ってるかい?
あなたの光がもし陰るならば
ぼくはもう少し生きていたいんだ
生きてみたいんだ
やわらかな光。
それは貴方の笑顔を見た時、
私の心に照らされる光。
この真っ暗な世界に希望を与えてくれる
貴方の弾けた笑顔の光。
今日も貴方からもらった大切な宝物を
そっと胸の中にしまう。
私だけが見られるように。
忘れてしまわぬように。
『いつか、貴方の笑顔が私に向けられたらいいのに』
そう思いながら今日も貴方に恋をする。
柔らかな光が彼女の目に宿っていた。正真正銘、母の目。
これまで見てきた中で1番柔らかな目をしていた。
僕はこの人とは一緒にいてはいけないと思った。
なぜかって?
生に希望を持つ柔らかな目を持つ彼女と、死に希望をもつ僕とでは違うから。
彼女が羨ましかった。
柔らかな光なんて、もうどこにしまっておいたかも忘れてしまったから。
「起きてくださーい、朝ですよー」
安心する優しい恋人の声が、俺を呼ぶ。強く起こす声とは違った、どこか不安を覚える声。
「んー……」
なんだか重くて、身体はまだ眠いと訴える。俺はそれに従ってしまい、彼女の声に反応が出来なかった。
しばらくすると強い声で起こされるかもしれない。そんなふうに思ったのに、そんな気配はなかった。
そうこうしているうちに、俺は再び意識を手放していた。
――
あれからどれくらい時間が経ったのだろう。
カーテンも開けられていないからキツイ日差しを直接浴びることなく、輝度を調節されたやわらかい光が部屋を包む。
そりゃ、深く眠れていたわけだ。
意識を取り戻し、重い身体を動かすと節々が悲鳴をあげるように硬い動きをする。しかも痛い。
痛みを我慢して身体を起こすと、ぽちゃんと何かが落ちて頭が軽くなる。
なにこれ、氷のう?
「え……?」
状況がつかめなかった。
すると、小さく寝室の扉が開き、マスクをした恋人が入ってきた。
「あ、目が覚めましたか。身体は大丈夫ですか?」
彼女はトレーにタオルとペットボトルの水を持ってベッドの横にあるサイドチェストに置き、落とした氷のうをトレーに乗せた。
そして俺に近づいて、俺の額に手を当てる。
「熱、だいぶ下がりましたね」
その言葉で状況が飲み込めた。
「もしかして、朝起こそうとした時に俺の様子がおかしいって思ったの?」
「うーんと、私が起きる前から少し熱かったんですよ。声をかけても辛そうだったし、頭触ったら熱くて……。心配だからお仕事休みにしてもらうように連絡しちゃいました。勝手な判断でごめんなさい」
ゆっくりと諭すように話してくれるから、聞き取りやすいし、状況の把握が少しづつできてありがたい。
「ありがとう。心配かけてごめんね」
「いいえ、季節の変わり目もありますし、少し疲れちゃったんだと思います」
「医者の不養生ぉ……」
俺の仕事は救急隊員。ジャンルで言うなら医者だ。それなのに、自己管理が出来なかったんだなとため息が零れた。
「ふふ。先生たちも、そう言ってましたよ」
彼女は小さい声で笑う。それでも彼女の瞳からは心配の色が消えてはいない。
「食欲ありますか?」
「あ、うん。吐き気がある訳じゃないから大丈夫そう」
「なら、おかゆを用意しているのでお腹になにか入れましょう。あとはお薬飲んでしっかり寝てください」
彼女の言葉を聞きながら、ふと気がついてしまった。
「もしかして……ずっと看病してた?」
「はい」
さも当然ですという返答に、また熱が出そうだった。そういう言葉を当たり前に言えちゃうのが彼女なんだよな。
「仕事、休ませてごめんね」
「え、そんな。熱出た彼を置いて仕事に行ったら社長に怒られちゃいますよ」
そうやって笑う彼女だけれど、それが方便だって知っている。俺が気にするのを知っているから、俺が凹まないようにそう言っているんだよな。
「えっと……ありがとね」
「いえ。あ、食事、持ってきますね!」
そう彼女は立ち上がると扉を開け、出る直前で小さく囁いた。
「心配もしていましたけれど……私があなたのそばにいたかっただけなので……」
それだけ言うと、俺を見もせずに食事を取りに行ってしまった。
俺は再び身体が火照るのを理解して、身体を倒す。
俺、本当に愛されてる。
おわり
一五三、やわらかな光
真っ暗な世界から一変。眩しい世界に包まれる。
最初は刺激が強くて、怖くて、意味がわからなくて、ぎゃんぎゃんと大きな声でわけも分からず泣いていたけれど。
優しい、柔らかい、あたたかななにかに抱かれて。
「ああ、初めまして。私の光」
優しい声が、そう降り注いできて。
まだまともに見えやしない目でもわかる。
やわらかな光のような笑顔を、その人は自分に向けていた。
「やわらかな光/20241016」
やわらかな光、
これって人によって思い浮かべることは違うよね。
例えば
ぽかぽかとした日差しに照らされながら日光浴
傷ついてぽっかりと穴があいた心に差す優しい光
洞窟がでっかい岩で塞がれて絶望したときに差す光
こんな感じでさ、色々な考えがあるんだ。僕は今日かなりうつな気持ちをした日を過ごしたからこんな暗い感じの例しか出せなかったけど。たくさんの人がいればそんなことに困る、なんてことはしないんだ。だからこれからは僕は人を頼っていこうと思った。
2024年10月16日(水)ちだひろみ
やわらかな光が瞼に注ぐ。
うっすらと目を開けて、天井に焦点を合わせていく。
そのまま視線だけをずらして、
僕はぼんやりとカーテンを見つめた。
扇風機の首振りに合わせて、
隙間から漏れる日差しが揺れている。
毛布の小さな隙間から、温もりが逃げていく。
閉じ込めるようにもう一度深く被り直して、
深く、ため息のように息を吐いた。
眩しい、と。
勝手にカーテンを閉める君がいないこと。
二度寝を誘う声がないこと。
毛布の隙間を埋める、温もりがないこと。
やわらかな陽射しは、あの頃の彼女のようで。
僕は彼女に会うために、そっと、瞼を閉じた。
閉じたせいで溢れてしまった涙が、頬を伝って耳へ落ちる。
その冷たい感触が、彼女の触れる指先の温度に似ていて、
どうしようもなくなった。
やわらかな陽射しが、閉じた瞼を追いかける。
眩しいだろうから、目を開けたくない。
どうかこのまま、沈むように眠らせてほしい。
もう一度目を覚ました時、
君の指先の温度を思い出すものが
涙じゃなくて、やわらかな陽の光になるように。
「やわらかな光」 白米おこめ
光の存在について、私は深く考える。光は、私たちの生活に欠かせないものであり、さまざまな形で私たちに影響を与えている。電気の光もあれば、自然の光もあり、私が最初に思い浮かべるのは太陽の光。
太陽は、私たちの生命の源であり、その熱と光は地球に命を与えてる。太陽からの光は、私たちの目に届くまでに長い距離を旅し、その過程で私たちの心にさまざまな感情を呼び起こす。太陽に近づけば、その熱さに耐えられないかもしれないが、遠くから見ることで、その美しさを感じることができる。
太陽が昇る瞬間、空がオレンジ色に染まり、世界が目覚める様子は、まるで新しい始まりを告げるかのようで...。そして、夕暮れ時、太陽が沈むときの静けさは、心に安らぎをもたらす。このように、太陽の光は私たちの感情を豊かにし、日々の生活に彩りを与えてくれる。
私にとって、太陽の光は「やわらかな光」として心に響く。それは、私の内面を照らし出し、感情を引き出してくれる存在だ。この光があるからこそ、私は自分自身を見つめ直し、感謝の気持ちを持つことができる。
光の反射や影、そしてその変化は、私たちの心の動きともリンクしてる。光があるからこそ、私たちは色を感じ、形を認識し、感情を表現することができるんだ。だからこそ、私は太陽の存在に感謝し、その光がもたらす幸運を大切に思ってる。光は、私たちの心を照らし、人生を豊かにする大切な要素なのだと私はそう考えている。
2024年 10月16日(水曜日)
【テーマ:やわらかな光/私なりの見え方】
ドン💥
あーあ、これ私絶対死んだわー笑
そりゃそうだよ、歩きながらスマホしちゃってたんだから
「だぃ、、ぶ、、ですか!?ぃし、、あ、ま、、か?!きゅ、、、う、、ゃ、よ、まし、、、死なないでください!」
みんなの慌てる声、遠くから聞こえる救急車、
意識はあるけどさ
もう目の前真っ暗だよ
あー、やばい死んじゃうわ…イキタカッタナ…
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ん?なんだか光が、
「目が覚めましたか?○○さん」
久しぶりに見る光がなんだかやわらかい
感じたことの無いやわらかな光だ
それに見慣れない光景
あー、なるほどそゆことか
ホントいっちゃったわけだ、だから見たことがないんだ
やわらかな光
白くて黄色くて、
でも目に入れても眩しすぎないの
月明かりが、僕を照らした。
今日は満月。
雲もなく、空も綺麗だ。街灯の所為で星は見えないけど。
深夜ということもあって、車の音はさほど聞こえない。
歩行者もいないみたいで安心した。
僕は、いまマンションの非常階段の手すりに座っている。
本当は、最上階の10階がよかったんだけど、
怖かったから7階にしちゃった。
せっかくだから最期に音楽でも聴こうと思い、
無線のイヤホンを取り出すと、
そのうちの1つが落ちてしまった。
小さくなってくイヤホン。少し経ったとき、
__カンっ、と落ちた音がした。
あーあ、絶対壊れたな。まぁいっか。
どうせこれから、
『死ぬんだし』。
なんだかおかしくなって自嘲気味に笑った。
そうか。落ちるのか、ここから。
あのイヤホンのように。
夜中バレないように起きて、抜け出してきた。
1番のお気に入りの服を着て。
何回もあった。病み期なんて学生によくある事だし、
きっとすぐ回復するだろうと思ってた。
実際すぐに思い直して楽しく過ごしてた。
けど、不定期の結構な頻度で病み期、というかメンタルが沈む期間が多くあった。
友達もいる。部活がクソ楽しくて最高なんだけどさ。
4回の転校。家庭環境。親の離婚。受験勉強。
色々重なりすぎた。
なんの前触れもなく、_あぁ、もういいや。
死のう、と強く思ったんだ。
そう、端的に言えば衝動的な行動だった。
すぐ飛び降りればよかったのに。
ロマンチストに考えちゃうから。
「来年も勝てるといいね」「次の部長はどっちだろうな?笑」
いつも隣にいてくれるお前の事が頭によぎったんだ。
何分、何時間もわからない時間、
ぼーっと放心していた。
そして、気づけば泣いていた。
いつのまにか朝日が僕を照らして、
7階の住民さんが必死に声を掛けてくれてることに気づくまで、自分が何をしていたのかわからなかった。
見るはずのなかった、朝日を、
そのあたたかさを感じながら、
欠かさず行っている朝練に顔を出した。