朝、光が差した。手を握りしめた。生きている感覚がした。秋の気配がする。底冷えの朝六時。まだ少し早いかな。いや、起きてしまおう。小さなテーブルに食パンを並べて今朝の夢を紅茶にとかして飲み込んだ。かけたままの風鈴が夏の記憶を悼んでいる。八月のままのカレンダーをぼうっと遠目に見つめながら今日という日を夢想した。カーテンを透過した木漏れ日が僕の右手を往復する。やわらかな光が、あたたかい。(やわらかな光)
10/16/2024, 1:30:00 PM