『また会いましょう』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
うちの主様は暴君で、理不尽に怒っては私たち使用人をよく殴った。そういうわけだから、お屋敷の顔ぶれはほとんど毎日入れ替わっていた。耳をすませばどこででも主様の陰口が聞こえた。
だけど私だけは知っている。主様が殴るのは感情をうまくコントロール出来ないから。使用人を殴ったあとにいつも泣いていることも。ああなんと不器用で可哀想な主様!私だけが愛してさしあげます、永遠に。
ところがある日を境に主様は変わった。どうやら旧友に態度を改めるように忠告されたらしい。主様は見せたことのないさわやかな笑みをたたえながら、
「いつか恨まれて後ろから刺されるぞって言われたんだ。そんな死に方はつらいから、自分も努力してみようと思ってさ」
と言っていた。
使用人たちは初めこそ病気まで疑っていたが、今や優しい主様に敬愛まで示している。ああ、なんて素晴らしい素敵な主様!もう私からの愛だけでは生きていけないのですね……。
そんな生き方はさぞおつらいでしょう?
私は永遠に眠った主様をバラバラにして焼いて海に流してあげた。
「さようなら、私の主様。地獄でまたお会いしましょう」
#また会いましょう
少女の透き通った柔肌が、君とはまるで真逆である鮮やかな青色の病院服に馴染んでいるのは、僕は少しおかしな気がした。
山峡の地に生まれ、まだ海を見た事がない君へ。
僕は日に焼けた麦わら帽を脱ぐのも忘れて君の元にかけてゆく。
視界いっぱいに広がる海の大きさを、僕は両手を力いっぱいに広げて表現する。
君に伝わっているだろうかと期待と不安の狭間で揺れる。どうか君に伝わっていますように。
君の町には夏休みの期間しかいられないけれど、時間の許す限り君のもとへ参ります。
また会いましょう。
そしていつか必ず海を見に行きましょう。
海が今すぐ見たいと君が泣くのなら、僕は君のもとへ海水をバケツいっぱいに汲んでゆきます。
また、会いましょう。
(これは寺山修司の「海を知らぬ少女の前に麦藁帽のわれは両手を広げていたり」という短歌を元に書いた作品である。この短歌は山峡に生まれて昔から体が弱く海を見たことがなかった少女に、海辺の街で育ったわれが海の大きさについて語っているという歌である。)
――ゴルディアスの結び目。
誰も解決することが出来ないような、難題のたとえ。
「彼女」との関係性は、まさにこの結び目である。毎晩のように、僕は彼女と『初めましての再会』を果たす。
「こんばんは、初めまして」
「初めまして。良い夜ですね」
池のほとりに華奢な女性がひとり佇んでいたところへ、臆することなく僕は彼女に声を掛けた。ほんのり照れくさそうに微笑んで、彼女も挨拶をしてくれる。
「……ここ、私の一番好きな場所なんです」
「奇遇だなあ。僕も一番大切な場所です」
顔を見合せて、少しはにかんで、また顔を逸らす。
焦れったい両片想いの、それ。
「なんだか私たち、すごく気が合いますね。まるで初めましてじゃないみたい。――ふふ、私ったらおかしいわね」
そう言って、彼女は溶けてしまいそうな笑顔を向けた。
互いが恋に落ちた瞬間だった。
認知症による徘徊。
それが始まったのは、僕が定年退職をして、さあこれから君とのんびり余生を過ごそうという時だった。
「問題になる前に、早く施設にお世話になった方がいい」
僕も若くないこと、子供などの頼れる親族がいないことから、周りにはずっと苦言を呈されてきた。
この固い結び目が、自然に解けることはないのだろう。それでも僕は、このわずかな繋がりを、彼女との唯一の結び目を、乱暴に断ち切ってしまいたくなかった。
これは、僕の弱さが生んだ『馴れ初め』なのだ。
そう思いにふけっていると、彼女が何か伝えたい様子でこちらをチラチラと窺っていた。
言葉を促す意思で首を傾(かし)げると、仄暗い月光でも分かるくらいに頬を染めて、彼女はおずおずと口を開いた。
「あの……また会えるかしら」
――残酷だ。
僕が君をずっと愛し続けても、君が僕に繰り返し惚れてくれても、この想いが交わることはこの先ない。
この寂しさを悟られぬよう、月明かりから顔を背けて。
何度でも君と約束しよう。
君が忘れてしまっても、返事は最初から変わらない。
「ええ――また会いましょう」
2024/11/13【また会いましょう】
#10_また会いましょう_
また明日、また会えたら、その言葉が嫌いだ。
又って何時ですか、又会える日は本当に来るの。
そんな事が頭に過ぎる、考えたくも無いことを。
又って言ったのは貴方なのだから。
次に会えるのは、きっと天界。
『貴方は何時、帰って来れますか僕は永遠に。』
2024/11/14
『また会いましょう』
私の体はいつ大人になるのだろうか。私が幼子であるから神様は私に懸かってくれる。そのために力を使うこともできる。けれど、私はお役目から少しでも早く離れてあのひとと一緒になりたかった。
「戦に出ることになりました」
私に跪いて別れを告げるそのひとの顔は私が泣くのを耐え忍んている顔を見るとさらに悲嘆に暮れた。私にはわかっている。これが最期になってしまうことを。行かないでほしい。私を攫って逃げてほしい。そう言っても何も変わらないことを私も彼もよく解っていた。
私の力が消えてなくなる前にどうしてもまた彼に会いたい。そう思った。
「いつかまた会いましょう。私の体やあなたの体ではなくなってしまうけれど、また必ず」
抱擁を交わすことすら許されないまま、彼は旅立っていった。
その遺跡で見つかった土人形は古代にはなにかしらの儀式に使われていたという。もろく壊れやすい物のはずなのに時の重みなど寄せ付けぬように欠けや傷のひとつもないそれをハケで丁寧に土を払い、手袋越しに手のひらに載せる。奇妙な既視感と幻視がここをどこであるかを惑わせて、私は見覚えのある少女の前に立っていた。一目見て、あのひとだと判った。
「ずっと、待っておられたのですか」
「ええ、神様が離してくれなかったの。でも、見つけてくれたのね」
戦に向かう前、幼きそのひとのことをどれほど胸に抱きたかったのかを思い出して衝動に駆られるように腕を伸ばした。思いのほか小さく華奢な体におそろしくなって壊れないように抱きしめる。
「また会えました。あなたの言った通りに」
「そうよ。だから、また会いましょう。必ずね」
うれしそうに言ったあのひとは悲しげに儚く消えた。遺跡の跡にいたのは私ただひとりで、手のひらに載せていた土人形はもろく壊れやすいもののように砕けていた。知らず流れた涙を不思議な気持ちで拭いながら、私は胸に残った言葉を思い返していた。
「それじゃあ、また近いうちに会いましょう。」
その言葉が彼女から発せられたとき、僕は何故か自然と涙が溢れてしまうのをとめることが出来なかった。
彼女とは、お見合いで出会った。よくある、知り合い同士からの紹介というやつだ。
そして、それから何度か連絡を取り、今日が初めてのデートなるものだった。世間一般的にも多分普通の、近くの大きな動物園に行き、カフェでお茶をして…そうして解散するところで、彼女の言葉を聞き、僕が泣いてしまったのだ。
彼女は驚いた表情を数瞬見せたものの、すぐに僕を近くのベンチまでうながし、自販機でお茶まで買ってきてくれたのだった。
「……落ち着かれましたか?」
「はい。すみません……。」
時間にして数十分だろうか。彼女にハンカチまで貸してもらった僕は、あまりの不甲斐なさに顔も上げられなくなっていた。
情けないと思われただろう。男らしくないと思われただろう。もう、会ってはくれないだろう。マイナスな気持ちが、僕の心を埋め尽くそうとしていた時だった。
「何か…悲しい事でもあったんですか?」
「えっ…?」
「それとも…私が何か粗相をしてしまったでしょうか?」
「い…いいえいいえ!決してそんなことは無いです!!」
彼女に悲しい顔をさせてしまった。こうなったら、もうひとつふたつ恥の上塗りをした所で、失うものなどないだろう。僕は覚悟を決めた。
「実は…昔から、よく見る夢があって。」
「夢、ですか?」
「誰かと僕が一緒に居て…一緒にいる人が僕に言うんです。『また会いましょう』って。でも、夢の中の僕はそれが嘘であるとなんとなく分かっていて、でも去っていく誰かも止められない…そんな夢です。」
「……。」
「分かっているんです。所詮夢だって。でも…さっきのあなたの言葉を聞いたら、何故かその夢の光景を思い出して、悲しくなってしまって…。すみません。あなたには何も関係が無いのに。」
「いえ…夢は案外馬鹿に出来ませんよ。」
「えっ…?」
「私も昔…大好きなペットが死んでしまう夢を見たんです。その時は所詮夢だと思ったんですけど、それから丁度1週間後に亡くなってしまったんです。」
「それは…さぞ悲しかったでしょう。」
「そうです。だから…」
そこで彼女は言葉を切った。隣をこっそり伺うと、彼女は何かを考えているふうに見える。やがて彼女は思いついたように顔をあげた。
「ハンカチ…。」
「あっ、すみません。貸してもらって。洗って返しますから。」
「では、来週にでもまたここで会いませんか?」
「えっ…良いんですか?」
「えぇ。これなら、今日は笑ってお別れ出来そうでしょう?」
そう言って、彼女は微笑んだ。僕は彼女の笑顔に見とれたのと、泣いたことをまた思い出して、きっと顔が赤くなっていた事だろう。
「それじゃあ…また、来週に。」
「えぇ。また来週会いましょう。」
そう言って笑った彼女は、今日見た中で一番楽しそうに見えた。
「実はもう、あの時は会わないつもりだったのよ。」
彼女が唐突にそう言ったので、僕は驚いてしまった。
「それは…初めてのデートの時?」
「そう。」
「じゃあ…なんで、あの後も会ってくれたんだい?」
「それはね…あなたの涙が、とても綺麗に見えたからよ。」
「そっか…それなら僕も、あの時泣いたかいがあったのかもね。」
そうして僕達は、朝の玄関で顔を見合わせて笑った。あの時のことも、今となっては笑い話だ。
「今日は仕事長引きそう?」
「いいえ。今はそんなに切羽詰まっていないから。」
「じゃあ今日は久しぶりに、昔行ったカフェにでも行かないかい?」
「いいわね、楽しそう!」
「じゃあ決まりだ。そしたら、今日も気をつけて。」
「えぇ。また夜に会いましょう。」
そう言って笑顔で玄関の扉を開ける彼女は、やはりあの時と同じように綺麗だった。
さよならと言うのは好きじゃない
永遠の別れのようで哀しい気分になるから
だから「またね」と言って離れるの
また会おうねの意を込めて
また会いたいと視線を送り
貴方の優しさを感じながら
ひと時の寂しさを紛らわして
貴方の「またね」の約束を胸に
次会える日を待つの
電話やLINEもいいけれど
やっぱり貴方の温もりを感じたいから
また会える約束が欲しい
だから今日もさよならは言わないで
「またね」と言って電車に乗ってね
「また会いましょう」
また会いましょう
『あー。良かった。やっぱり来てくれたのね。ずっと待っていたのよ。約束を守ってくれてありがとう。うれしいわ〜。』
白い古びた着物を着た彼女は傾いたバス停のそばに佇んでいた。
「いいえ。貴方はもう亡くなっています。貴方が存在してもいい正しい場所に行きましょう。」
『私が死んでる?嘘よ。また会いましょうっていったでしょ!』
顔を歪め涙を流しながら彼女は叫んだ。
「いいえ。貴方が待っていた方は200年前に亡くなっています。あちらで貴方を待っていますよ。ここにいては貴方は悪霊のままです。苦しいでしょ。途中まで送ります。行きましょう。」
『200年…』
陰陽師に導かれ白い光が空から降りてきた。今までいた場所では感じることのない温かな光り。ああ。優しい。
その光りに手をかざすとふわっと体が浮き上がり、バス停から離れていく。
この光と共に行けばあの子のいる所に行ける。やっと会える。約束が守れる
ありがとう。
水が忙しく流れる音が聞こえる。川幅は50メートルほどだろうか。ゆったりと大きな弧を描いて曲がるあたりには堆積した岩石が磯を作っている。川床から張り出した岩に水がぶつかって大きな波音を立てていた。
川沿いのホテルに着いたのは昨日、日が暮れてからだった。出張で来ただけだから何もやることがなく、食事だけ済ませてすぐに寝てしまった。そしたら、朝早くに目覚めてしまった。せっかく通勤時間がないんだからゆっくり寝てしまえばいいものを、知らぬ土地見たさもあって起き出した。
珍しく長期滞在になる。周囲を知っておくのも悪くないだろう。
ホテルの窓から見えていた大きな川。川べりに散歩コースのような芝生の敷かれた区画が見えたから、そこに赴いてみることにした。
朝が川沿いの街を照らし始めた。
私は川を眺めながら、散歩道を歩いた。朝日のあたたかさと同時に受けるひんやりとした風が気持ちいい。少し歩いたところでベンチが見えた。長いベンチの片端に男の人が座っている。
端に杖を置いて、帽子を被った白髪の老人…いや、紳士だ。この出で立ちは紛れもなく紳士だ。私はちょっと休憩するつもりで紳士の隣に腰を下ろした。
「お隣、失礼します」
紳士は私を一瞥して、会釈を返した。
「こちらにはお仕事で?」
出し抜けに話しかけられて少し驚いた。
「ええ、出張で。なんでわかったんですか?」
「あ、当たりでしたか。なんででしょうね。ここで毎朝川の流れを見ていますから、この土地に流れてくる人のことは、雰囲気でわかってしまうのでしょうね」
「はあ。すごいですね」
ちょっと面白い人だ。もうちょっと話を聞いてみたいと思い始めた。
「川の音が聞こえますか?どんな音に聞こえます?」
「あ、思ってたよりいろんな音が聞こえました。えっと、ジャージャーとかザパザパとか、ですかね」
「いいですね。でも川とは、水が流れるだけの場所ではありません」
「え?それってどういう」
「もっと広く見て、広く音を聴いてください。川を形取るのに、鳥の存在は欠かせません」
私はベンチから立ち上がり、目と耳でぐるりを見た。いざ集中してみると川はいろいろな音が複雑に折り重なっていた。水流が岩を穿つ音、小さな滝がそこかしこで落ちる音、泡立つ音、飛び散る音。風が吹き抜ける音。水鳥が鳴き、羽を広げ、羽ばたく音。河川敷を人が走る靴音。息づかい、衣擦れ。遠くで列車が線路を軋ませている。
「ホントだ。すごい」
「川はいつもここにありますが、一度も同じ音を立てることはありません」
「そうなんですね。不思議な感覚です」
「まあ、それは生きることと同じですがね。あなたお時間は?」
「え、あ、いけないそろそろ」
最後の言葉に反応することもできず、時間が来てしまっていた。もう少し話したかったのに。
「しばらく近くのホテルにいるんですが、またお会いできますか?」
「ええ、きっとまた会いましょう。私は毎朝ここにいます」
いつ来てもここにいる。なんてこの川みたいだ。
「ですが次に会ったとき、あなたは私のことなど見向きもしないでしょう」
「そんなこと」
あるはずがない。こんなに楽しい人、そうお目にかかれない。
「私は毎朝ここにいますが、世界は毎朝違っています。案外子どもの方がそれをよく理解しています。いま楽しいことが明日も同じように再現できるわけではないことを直感としてわかっているのでしょう。だからいまオモチャを取り上げられることを嫌がるのです。いまと今度は違う世界のことだと、わかっているから」
妙に説得力がある。でもそれは子どもの認知能力の未熟さが原因であるはずだ。子どもの方が世界の理解度が高いなんて、それこそ飛躍している。
「それと同じことです。あなたが私に興味を持つような朝は、きっともう二度と訪れないでしょう」
この紳士は掴みどころがない。こんな人を無視することなんてできない。
「いいえ、きっとまた会いに来ます。あなたこそ、またここに来てくださいよ」
「ええ、必ず。私は毎朝ここにいますよ」
そう約束して私はベンチから腰を上げた。ホテルに戻って、急ぎ仕事の支度をしている間もワクワクが止まらなかった。誰かとの再会の約束が、こんなにも待ち遠しく思うものだなんて、初めて気づいた。すでに紳士の術中にハマっている気がする。
しかし翌朝、私は寝坊をした。いや、仕事のアポイントには間に合ったのだが、朝の散歩をするような余裕がなかった。やはり紳士はこれも予見していたというのか…。
気づけば1週間ほどが経っていた。忙しさにかまけて朝の散歩など頭から離れてしまった。
滞在日最後の朝になってしまった。私は前日の打ち上げも早々に切り上げて、万全の状態で朝を迎えた。そしてあの川べりの散歩道へと繰り出した。朝からランニングをする人たちがすれ違う。ゆっくり歩く人もいる。今日も川はいろんな音で溢れていた。
あのベンチに、紳士の姿はなかった。
「ウソでしょ。いるって言ったのに」
仕方なくひとりベンチに座り、だらっとしてみる。目を閉じると、また鳥の鳴き声が聴こえた。
何分経っただろうか、ふと目を開けてみる。相変わらず川とランナーが流れていく。
ん?え?あっ…
名前がわからない、でもあれは紳士だ。呼びかけようにも声が出ない。仕方なく大きく手を振ってみた。
向こうは気づいてくれたようだ。にやにやしながらこちらに向かって走ってくる。スポーツウェアに身を包んでいるが、短パンから見える細い足はしっかりと筋肉がついている。
「いやぁ、先ほどすれ違ったのに、見事に見向きもしなかったですね」
「え?すれ違ってたんですか?だって気づかないですよ。そんな格好」
「言ったでしょう。世界は毎朝違っているのですよ」
してやられた。深い意味があるような言い方してたのに。そんな単純な。
「あの杖は?この前、杖を持ってましたよね?」
「ああ、あのスタイルには杖が似合うでしょう?ちょっと紳士っぽく見えませんでしたか?」
やはり私は初めから紳士の術中にハマっていたようだ。
黒猫ってね、貰い手探す時最後まで残ってしまう事が多いらしいです。
頭が良くて穏やかで控えめな傾向があると思うので僕は大好きです。
僕の好きな人が飼っている猫も、最後の一匹をもらってきた黒猫だと聞いた時、優しい人なんだなあと思いました。
昨日、会わせてもらいました。
最高でした。
人懐っこくて、初対面なのにだっこさせてくれて、大事にしてもらってるのがわかりました。
名前はチョコ。
黒いから?って聞いたら、チョコレートは黒くないです。って。
そういえばそうだなと思い、それ以上名前の由来を聞けませんでした。
つやつやの毛並みはつるつるしっとり柔らかくて手が喜んでました。
出来るならまた会いたいです。
「また会いましょう」
おそらくサトウさん
- ̗̀⚠︎注意⚠︎ ̖́-
大変すみません!
この先、少々グロデスクがあります
無理な人は「みんなの作品」へお進み下さい
見たい方や大丈夫な方は、
そのままお進み下さい🙇♀️
↓
静かな公園、星々が輝く夜、
女性の瞳に映る悲しみ、
その奥に潜む安心感、
暗闇の中で小さな光が煌めく。
私は何故、この光景を見つめているのか?
ここは一体、どこなのだろう?
思考の中に漂う鉄臭い匂い、
その匂いに引き寄せられ、目を向けると、
信じられない光景が広がっていた。
女性は男性を抱きしめ、
その胸に包丁が突き刺さっている。
助けようと駆け寄るが、
自分は透けてしまい、手は届かない。
女性は男性を押し倒し、
虚ろな目をした彼を見つめ、
再び辛い表情を浮かべる。
「ごめんなさい…あなた…」
その言葉と共に、包丁を自らの胸に。
涙を流しながら、
「また会いましょう」と囁く。
静かに眠りにつく彼女、
納得したような表情の男性も、
その運命に従うように眠りに落ちる。
私はその光景を見つめ、
一体何が起きたのか戸惑う。
どうしてこうなってしまったのか、
思考は迷路の中を彷徨う。
そして、目が覚めると、
朝の光が差し込んでいた。
夢の中の悲劇は、
現実の中で何を教えているのだろう。
11月14日(木曜日)
【テーマ:また会いましょう/来世で…】
テーマ また会いましょう (*´-`)
ようちえん帰りを思いだすかも。
「また会いましょう、さようなら」だったなぁ
また明日ではなくて今思うと不思議。
ようちえん楽しかったなぁ笑
身体が動かせなくなってきているのが、自分でもわかる。
頭の中がぼーっとして、思考をしようとしても文字がほどけて考えがまとまらない。
目の焦点も、ちょっと気を抜いただけでぼやけてしまいそうだ。
俺達は、半獣と思い込まされていた傀儡だった。あの人工結晶のエネルギーで生かされていた、とっくに死んだ人間だった。世界の平和のためとかいう建前を刷り込まれた、人工結晶を集めるための道具だった。
俺達の主だった野郎のドロドロの私利私欲にも気付かず、利用されているとは夢にも思わない、さぞ使い勝手の良い駒だったろうよ。
結晶を巡って、アンタらとバチバチに戦ったりもしたな。
俺達の負傷のほとんどは、あの人工結晶さえあれば三日足らずで元通りだ。だが、人間の負傷は…そうじゃないだろ?
お互い利用されていた者同士で、最後は手を組んで真相を暴いたとはいえ…俺達は、アンタらの身体を傷付けた存在だ。アンタらが殲滅を行っていた「怪物」と、ほぼほぼ変わらない存在だ。
そうだってのに。
消えかけた俺達を前に、なんで悲しそうにしてるんだ?
人口結晶の殲滅がやっと完了して、居残ってた俺達もようやく消えようとしてるんだぜ?散々頭を悩ませていた危険因子が消えるんだから、もっとこう、喜ぶもんじゃねぇのか。
敵に情を移したら命取りだって言うだろ?あの人工結晶の作った怪物が相手なら尚更そうだ。怪物相手に戦っていたアンタらなら、一番わかってることじゃないのか?
…いや、殲滅を完遂したアンタらだ。俺がとやかく言うのは釈迦に説法だな。
あいにく輪廻転生は信じてないもんで、生まれ変わったらまたどうのってのを言う気はないが…。
だが、人間の夢が持つパワーは、アンタらもよく実感しただろ?なら、アンタらが俺達を忘れない限りは、夢枕に立つくらいはできるだろうさ。
俺達に見られても恥ずかしくない寝顔、体得しとけよ。
(『ドロモアレース』―最後の現―)
「また会いましょう」
この世で
夢で
また会いましょう
今日はとても楽しかった
またこのひとときを
共に楽しみましょう
約束はしないけど
きっとあなたとなら会えるはず
あなたが望み
私も望む
その時また会えるでしょう
その時を楽しみに今日を生きていきます
「ホントに去年は、ラクだったんだよ。事前に『この物語で行きましょう』があったから」
また会いましょう――どこで?誰と?いつ?
某所在住物書きは去年投稿分を参照しながら、しかしさすがに「それ」のコピペを今回貼り付けるワケのは難しいと、天井を仰いだ。
相変わらずだ。相変わらずの難度である。
「登場人物AとBが恋仲でした。
BがバチクソにAの心を砕いたので、Aは逃げましたが、Bが追ってきました。
CがAの背中を押し、応援してくれたので、Aは面と向かって、Bに言いました。『私はもう、あなたを愛してません。それでもヨリを戻したいなら、赤の他人として、また会いましょう』。
……それ以外のネタで『また会いましょう』?」
何書こう。物書きは小首を傾けて、カキリ。
相変わらずなのだ。相変わらずの途方であった。
――――――
最近最近の都内某所、某アパートの一室、夜。
部屋の主の名前を藤森といい、ぼっちでそこに住んでおるのだが、今日は客人が居る様子。
今年の2月まで同じ職場の同じ本店で仕事をして、今は諸事情で支店に異動となった後輩である。
彼女は神妙な面持ちで、藤森と相対し、テーブルを挟んで向かい合って座って、共に食事をしている。
「付烏月(つうき)から、大体の話は聞いている」
テーブルの上に並べられた料理のメインはパスタ。
レトルトミネストローネとツナ缶と、隠し味に少しのマヨネーズを使った、トマトツナスパゲッティ。
よく煮詰められたミネストローネは、ツナ缶とマヨネーズによくよく混ざり合って、
とろとろ、とろり。パスタとよく絡む。
「一応、お前の言葉で、経緯と要望を聞きたい」
パスタのソースを湯でといて、申し訳程度の野菜を足したスープに口をつけ、藤森が言った。
「で?」
「昨晩、私が走ってるソシャゲで、試験的アップデートが入って、ミニゲームが追加されたの」
「そうか」
「そのミニゲーム、私の推しキャラ2人の、新規収録ボイスが、バチクソに頑張れば聴けるの」
「そうか」
「どうしても聞きたくてちょっと課金しました」
「はぁ」
「更にミニゲームモチーフの、推しの新キャラ2人と、『鳥頭&駄犬タッグ』って界隈で言われてるタッグカードも、限定ガチャに初登場したので、」
「うん」
「最高レア選択可能確定チケットに課金しまして、
ガッツリ、完凸まで、済ませました」
「……」
「今週末の非公式イベントの、戦利品仕入れ費用5万に5000円だけ手をかけてしまいまして」
「それで」
「給料日までガチでお金キツいので、シェアランチとシェアディナーお願いします」
室内に、穏やかな、しかし長いため息が混じった。
「お前には、」
藤森が言った。
「去年の大きな恩がある。金の貸し借り以外であれば、私もお前の困りごとには原則、応じる」
だがな。と藤森。 勝ち確定ムーブで目をキラキラさせて握手を求める後輩の、手を一旦しりぞけた。
「ソーシャルゲームへの課金額を見直せば……」
課金額を見直せば、生活も楽になるのではないか。
言いかけた藤森の言葉を、今度は後輩が制した。
「じゃあ先輩は欲しい本が有ったら我慢できる?」
「ぐっ、」
「めっちゃ分かりやすい法律の本、めっちゃ分かりやすい医療の本、脳科学、心理学、植物、お茶。
買うでしょ。我慢できないでしょ」
「ちがっ、違う、私は、」
「嘘いつわり無く、真実を述べよ」
「……買います」
分かった。わかったよ。参った負けを認める。
静かな部屋に、再度、藤森のため息が混じる。
「今日の残り物でも良ければ、お前の明日の朝メシと弁当を、30分程度で用意する」
藤森が言った。
「給料日までの計画とメニューは、お前の今の冷蔵庫の中身と賞味期限、および消費期限次第だ。
場合によっては、『去年』の恩をこの数日で返す」
ということで、明日の終業後、また会いましょう。
3度目のため息の後で、藤森と後輩は双方、箸をトマトツナスパゲッティへ。
少し冷めた感こそあるものの、元々、熱々の皿。
唇に、舌に当たる分には、丁度良い温度であった。
さいごに
「また会いましょう」
その一言が言えれば良かった。
その一言があれば、もう一つの未来があったかもしれない。
そんな風に思えるから、切なくて。
あとひと呼吸の勇気があれば、なんて。
心にそっと傷をつけて去っていく、あの人に。
ほんの少しの幸せを願ってしまう。
お題『また会いましょう』
婚活で最初に会ったとき、目の前の男はずっとにちゃにちゃした笑みを浮かべていた。不躾にこちらの姿をわかりやすく上から下まで首を動かしてスキャンしているのが丸わかりだ。
それでカフェに行って席についたけど、向こうは喋らずずっとにやにやしたままこちらを見つめている。その空気が気まずくて、私はずっとしゃべり続けた。
それからふと、会話が途切れたタイミングで彼がようやく口を開く。
「綺麗ですね。カーディガンに花がらの膝丈ワンピース、よくお似合いです」
そして、デュフフフと笑い出した。
キモい、キモすぎる。鳥肌が立った。
私は一刻も早く帰りたかったが、彼はそれからもあまり言葉を返さず、彼から話を切り出すことなくニヤニヤしているだけ。どうにか話をつないで一時間くらい経った後に帰ろうって話になった。
「楽しかったです。また会いましょう」
喋らない分際でにちゃにちゃしながらそう言う彼に
「あ、はい」
とにこやかに返し、彼と別れ背を向けた瞬間表情を消した。
気持ち悪い。あなたとだけはないわ。と心で返した。
また、会いましょう
この地のどこかで 幼い日、果たせなかった約束が蘇る。
私の記憶に刻まれた、あの夏の日
空を見上げ、懐旧の念に駆られる
君と会えるのは
よくて年に数回
もっともっと
会えたらいいのに
でもね
僕と君の
それぞれの
いわゆる
大人の事情ってやつで
実現不可能なのは
分かっている
君にすがりたいわけじゃない
君を一人占めしたいわけじゃない
君との会瀬が非現実すぎる今を
君との会瀬が何でもない現実すぎる未来に
したいだけ
ただそれだけ
#また会いましょう
また、なんて来ないくせにね
進む君の足を止められない私にうんざりする。
どうかもう一度、彼の声を聞けますように。
「また会いましょう」