たった1つの希望』の作文集

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たった1つの希望』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

3/2/2024, 12:33:32 PM

「希望、キボウねぇ……」
バラの花言葉のひとつが「希望」らしいから、「たった1本のバラの花」とかに置き換えたらエモいハナシも書けるのかな。 某所在住物書きは己の過去投稿分を辿りながら呟いた。

去年から既に、エモネタや綺麗事系の不得意に苦しんでいた物書きである。お題の中の単語を類語、あるいは別の字に変換することは何度か試していた。
今回のお題を例とするなら、「たった」が平仮名であることを良いことに、「経った」にするとか、「建った」に変えるとか、「断った1つの希望」として絶望ネタに落とし込むとか。

「……でも希望を断つって、それはそれでムズいな」
ため息ひとつ。今日も物書きは途方に暮れる。

――――――

年度末、最後の1ヶ月。
長年一緒に仕事してきた職場の先輩の、里帰りに一緒に行って帰ってきたら、突然職場から
『明日からお前、別の支店で仕事してね』
って異動命令を出された。
先輩は藤森って言うんだけど、先輩も突然の異動を食らったらしくて、別々の職場になっちゃった。
メタいハナシをすると、前回投稿分だ。要するに、そういうことだ。

グルチャで異動先聞いても、先輩は「お前とは別の場所だ」の一点張りで、何も教えてくれない。
何か、おかしい。
何かがおかしいけど、それを調べる方法が無い。
ひとまず私は土曜日の、午前中だけの仕事をするために、昨日突然言い渡された同じ区内の別の支店に、ひとりで向かった。

「まさか君がウチの支店に来るとはなぁ」
支店長は知ってるひと。一昨年まで私の隣の隣の、そのまた隣の部署で課長をしてた。
名前忘れたけど、あだ名は覚えてる。「教授」だ。
「まぁ、この支店は万年、廃止が検討されては、なんだかんだ理由をつけられ残り続けている過疎支店だ」
ゆっくり羽を伸ばすつもりで仕事してくれたまえ。
教授支店長は、常連さんっぽいおばちゃんにお茶出しながら、私に言った。

と、突然。
「すいませぇん!遅れましたー!」
職員玄関をばたんと開けて、知らない人がご登場。
「ツウキです!俺、今日からこの支店にお世話になる、付烏月って言いまぁす!」
カップケーキ入れたカゴを手に持ったその人は、
どこかで、メタいハナシをすると先月の22日か23日あたりで、先輩から聞いたような名前だった。
でも本当に驚いたのはその先だ。

「『諸事情』で『呼ばれ慣れてない』ことになってるんで、『附子山』の方で呼んでくださーい!」

「附子山」。ブシヤマ。
藤森先輩が、恋愛トラブルという「諸事情」のせいで、捨てざるを得なかった「旧姓」だ。
なんでその「附子山」を名乗ってるんだろう。
何か、おかしい。
やっぱり何かおかしい。
昨日から全部、ぜんぶ、変なことになってる。
その日の業務は午前中で終わったけど、
付烏月さんの持ってきたカップケーキがバチクソに美味 of 美味だったってことしか、覚えてない。

仕事終わってすぐ向かったのが先輩のアパートだ。
あそこが私の最後の砦だ。散々「何かおかしい」を突き付けられた私の、たった1つの希望だ。
本棚にいっぱい並べられた難しそうな本、優しい香りを出す茶香炉、たまに遊びに来てる子狐、低糖質と低塩分に定評のあるシェアランチにシェアディナー。
5:5想定で私達は現金だの食材だの持ち寄って、2人分を一度に調理して、何度も生活費を節約した。

先輩に会ったら、付烏月さんのことを聞こう。
先輩の今の所属先も聞こう。
もしかしたら、私と先輩が離れ離れになった裏話なんかも、宇曽野主任から聞いてるかもしれない。
そう思って、いつもの先輩のアパートに行って、先輩から貰ってたスペアキー使って部屋に飛び込んだら、

「やっほー、『後輩』ちゃん!」
そこに居たのは先輩じゃなく、支店で先輩の「旧姓」を名乗った付烏月さんだった。
「藤森から話は聞いてるよん。これから多分数ヶ月の付き合いだろうけど、ま、ヨロシクー」

年度末、最後の1ヶ月。
私は長い付き合いの先輩と突然職場を離されて、
その先輩の「旧姓」を名乗るお菓子な、もとい、不思議な人と一緒の支店に異動させられた。
生活のあちこちから突然先輩が消えて、ともかく何がなんだかサッパリな1日だったけど、
ひとまず、付烏月さんが突然の来訪者な私に出してくれたレモンパイは、バチクソに美味 of 美味だった。

「付烏月さん、なんで先輩の部屋に居るの」
「附子山だよ後輩ちゃん。俺、ブシヤマ」
「ツーキさん、先輩とどういう関係なの」
「だからブシヤマだって」

「レモンパイ持って帰って良い?」
「マーマレードパイもあるよん」

3/2/2024, 12:29:37 PM

たった一つの希望

祈りを 込めた この 大空に
会いたい 気持ち 風に 伝えて
大声で 超えた 空は 儚く 
あれは まだ 君と 出会って 幾年の ことだろ?

君と いれば 思いは いつだって
あの頃の ように 素直な 気持ちの ままで

瞳の 奥に 映る  
世界が まだ こんなに
サイダーの 向こうで 弾ける 青春 みたいに
君に 会うたび はじめの 頃を 思い出すから

この世界が 誰の ものか?
物語は いつか 始まる だろう?
君は いくつ 明日 見せて くれる?
情熱を なくし かけた そんな ときでも
忘れない 君の 言葉 僕は 覚えて いるから

何年 経っても 僕は 君の 情熱や
あの 蒼い 空を 思い 出すから きっと
いつか 君に 言おうと してた 言葉の 数だけ

君が 眠る 深夜の 都会の 満月に 向かい
始めて あった あの日の ことを 
夢の 中で 何度も 呼んだ 君の 名前を
深い 眠りの 中で キスを するよ

何度でも 見つめ 合えた あのときの 情熱を
忘れ ないで いるよ
風が 凪いで 時が 止まって 君を 忘れ かけても
あの 空が いつか 押し寄せる この世界で
君が くれた ホントの ことを
僕は この空が 終わる 
その日まで 忘れ ないで いるよ

世界が 一番 蒼い 空を してた
草原に 吹いた 風を 追いかけ
君を ずっと 胸に しまって 行くよ 行くよ 
たった一つの希望を 持ち合わせた あの情熱が
くすぶる 胸に 残る 体温が まだ 謡う

3/2/2024, 12:29:19 PM

「たった一つの希望」


糸である。
触っただけで切れてしまいそうなほど細くて繊細な糸。
希望とは、そういうものだと教えられたのは9歳の頃であった。


母に言われ、父に教えられ、兄によって教え込まれた。
希望とは、ほとんどありはしない幻想、妄想の類であると。


私は生まれたとき確かに生きていたが、死んでいた。
兄の代わりに過ぎなかったのだ。私はいなかった。
思考を止めた、息をするのもやめてしまいたかった。
この世に、自分が自由に生きれるとは思えなかった。
口を開くのをやめた、感情を出すのもやめてしまった。
それほどまでに、私は幼子でありながら、諦めた。
ただ、それでも、やはり人とは哀しい生き物だった。

ずっと。
ずっと、ずっと、祈っていた。
自由に生きたいと、生きていたいと。
私は、自由に生きて良い、それだけを言われたかった。
誰かに救われるのをずっと待っていた。


細い、か細い、繊細な糸に縋り付くしかできなかった。

3/2/2024, 12:29:07 PM

「間違えるなよ」
「分かってるって」

 そんな会話が、何度も響く。今まさに、この宇宙船の酸素カプセルがパンクしそうになっている。

 なぜこんな危険な状況に居合わせているのか?答えは簡単、僕が宇宙飛行士だからだ。

 と言っても、初心者中の初心者で、操縦なども実際に動かした事も無い。

 そんな僕は今日、相棒の友人のミスで、酸素カプセルが地球に帰還前に切れる、いや、パンクしそうになるという事態に陥った。

 そんな中、勇敢にカプセルの修復をすると言い始めたのが、友人だった。その勇気に僕も心を動かされ、僕も修復を手伝った。

 正直言って、僕は焦っていた。みんなの命がかかっているんだから。僕は急かすように隣の友人を見る。

「間違えるなよ」
「そう何度も急かすなよ。緊張するだろ」
「でもさ、今のお前は、最後の希望なんだ」
「だから!」
「たった一つの希望なんだよ!」

 その一言で、友人は黙り込む。と共に、酸素カプセルが正常になった。

 後に僕はなんだか恥ずかしくなった。

3/2/2024, 12:28:56 PM

沢山のタスクがあると
頭がいっぱいになって
鬱々した気分になる

重要度でひとつずつ
こなしてきたけれど
今回は飛ばしすぎて疲れた

少し休ませてもらえませんか
時間の流れを止めて
それがたった一つの希望

3/2/2024, 12:25:35 PM

これは真面目な話だけど、小説のコンテストで賞をもらって書籍化されたい

そして、業界のほんの隅っこでいいから、プロの作家として活動させてほしい

それさえ叶うならば、愛も恋もなくてもかまわない

まあ、どっちにしても愛も恋もないんだけど

3/2/2024, 12:24:51 PM

【たった一つの希望】

 卒業すると、新しい生活・学校が待っている。
環境だけでなく、人だって変わってしまう。

 新しい人とまた一から友達作り。
違うところに行ってしまう友達が増えた。

 だから、いつまでも願っている。
 「君だけは変わらないで」と。

3/2/2024, 12:21:17 PM

愛してる
恋してる
愛する
恋する
愛せる
恋せる
愛して
恋して
愛さない
恋さない
愛したい
恋死体

3/2/2024, 12:21:06 PM

薄っすらと。
 たった1つの希望が潰えてしまうかもしれないという予感に、恐怖している。

3/2/2024, 12:20:46 PM

「ねぇ。きみの希望って何?」
「えー?難しい質問すんなよぉ〜」

たった1つの希望を
見出すためには
数多の絶望を
知らなければならない……気がする

「嫌だー。俺は絶望なんて1つも知りたくない…」
「わぉ!楽観的な希望だね」


#たった1つの希望

3/2/2024, 12:20:06 PM

学校でいじめられている幼馴染が居る
僕は、止めたくても止めることが出来ない
ある日、幼馴染が家にも、教室にも居ない
嫌な予感がして屋上へ走った
そこには、飛び降り数分前の幼馴染が居た
幼馴染は「来ないで!」と叫んでいた
けれど、僕は無視した
無視して幼馴染に近づいた
幼馴染は、不意に涙を零して「なんで?」と
呟いたから僕は「君に生きてほしいから」と
返した
僕は、あとから付け足すように「君が生きてくれる…それが僕のたった一つの希望だから」と
呟いた
幼馴染は、飛び降りを諦めたかの様子で
涙を零しながら、僕に抱きついて
ありがとうと耳元で呟いた
僕のたった一つの希望は、幼馴染が〇殺しないように、ずっと生きてほしい

3/2/2024, 12:19:55 PM

(※二次創作)(たった1つの希望)

 かつて、たった一つの希望はあの二人だった。
 プロクス族最強の戦士と名高いサテュロスと、そのパートナーであり姉であるメナーディ。二人は、数多の同胞を失った例の嵐も乗り越え、エレメンタルスターを奪取し、4つある灯台のうち2つを灯した。だが、敵対する年若い戦士たちに敗れ、その命を散らした。
 その日から、希望はメナーディの妹カーストと、そのパートナーのアガティオになった。
 全ての灯台を灯さねば、迫り来る虚無にやがて世界中が喰われて消えてしまう。故郷プロクスが滅んで終わりではないのだ。
 ――そして今、カーストは冷たい灯台の床に、仰向けに倒れていた。
 指一本、動かすこともできないほどの疲労に見舞われていた。それは、パートナーのアガティオも同じだろう。灰色の雪雲に覆われた空は、もうよく見えない。
 カーストたちは、負けた。気が付いたらドラゴンの姿になっていた二人は、何者かに斃されたのだ。竜に化ける能力なんて持ってなかったのに、無理に変身した挙句、負けて――もう命も、残り少ない。
 あと少しだったのに。あと少しで、灯台を登り切り、火を灯してみせたのに。だが、一方で、自分たちを斃したのは、ガルシアたちだったような気もしていた。
(あの子たちなら、きっと……)
 辺りはしんと静まり返っている。視界はいよいよ暗い。ただ最期の時を待つしかないカーストは、しかしあることに気付いた。
(あたしたちはダメだったけど、でも……!)
 たった一つの希望は、今やガルシアたちなのだ。自分たちは失敗したが、希望は潰えず、真に強きものに託された。もしかしたら、姉たちも、死の間際、自分たちに託したかもしれない希望は、確かに繋がった。
「アガ、ティオ……」
 感覚はなく、何も見えないが、声は出るし耳も聞こえる。
「最期まで、一緒だったね……」
 絶対に近くにいる男の、声がした。
「……悪くはなかった、ぞ」
 きっと、そうなのだ。カーストは何も映さない目をそっと閉じた。

3/2/2024, 12:16:04 PM

あなたの傷になりたい。

柔らかい心に小さく爪を立てて、



じくじくとした痛みになりたい。


ふとした瞬間思い出して感傷に浸って欲しい。

ずっとずっと忘れないで。

3/2/2024, 12:15:36 PM

題 たった一つの希望

住めなくなった地球

大気汚染と核戦争の末遺伝子異常を起こした生き物。

人間も例外じゃなかった。
遺伝子の異常をきたした人間の足や腕や目の数がおかしくなり、人類の選別が行われた。
遺伝子異常がある人間は地上に置き去りにし、異常がない人は地下へと隔離して、地下で子孫を残していた。

地上の汚染は深刻で、地上の物は食べられないのに地下では人口が増え続けた。そして慢性的な食料不足に陥っていた。
地上には遺伝子異常がありながら生きている人類がいたのに、遺伝子異常がない人々はそれらを人と見なさなかった。

人類は食料や資源確保の為に他の星に移住することを考えた。

約150年の長い歳月をかけて地下では遠くの星まで行けるロケットがようやく完成した。

悲願が達成されて祝福ムードに包まれた人類。
この頃には食料不足での戦争が頻繁にあちこちで起こり、略奪、強奪など、治安が悪化しまくっていた。

そんな中、選ばれた地下人類が住める惑星を探索する旅に飛び立つことになった。

地下の人々は、ロケットに希望を見出し、新たな安住の地を求めた。

希望を探索乗せたロケットは静かに飛び立った。

地下に住んでいたロケットの乗組員は久しぶりに地上に出た。
何百年も地上は死滅の灰の地と言われ、誰も出てはいけなかった。

地上に出たとたん、眩しい光がロケットの乗組員を襲う。
眼の前に広がった光景に、乗組員達は絶句した。

そこは核戦争の跡形もない美しい緑と水が溢れる惑星だった。

遺伝子異常を起こした人と生き物はいたものの、みな幸せそうな顔をして暮らしていた。

ロケットの乗組員は放射能の数値計スイッチを押す。

その数値は充分人類が住んでも問題がない数値まで落ちていたのだ。

乗組員たちは戸惑いの表情で顔を見合わせる。

希望の地として探していた場所は実は地上だったのではないか?

けれど、今地上に住むことは出来るのだろうかという疑念も沸く。

地上の住人は選別され、言わば捨てられたのだ。

地下の人間が地上に住むことで争いが起こるだろう。

乗組員達は再び顔を見合わせて頷く。

ロケットはそのまま計画通り安住の惑星を求めて飛び立つ。

地上の秘密を地下で打ち明けるのはまだ早い。

安住の地が他の惑星に見つからなかった時に考えても遅くない。

ロケットの乗組員達は皆複雑な表情で、遠ざかっていく緑の地球を眺めていた。

3/2/2024, 12:14:15 PM

長く、彼の隣を歩いてきて、その瞬間が来る時はハッキリとわかった。

覚悟とかいう名ばかりのものがなかった訳でもないけど、やっぱりそれは名ばかりと言うだけあって、現実を目の当たりにしてしまっては、そんな覚悟が私に安寧を与えてくれることはなかった。

隣に居続ければ、長年の願いが叶うなんて都合のいいことが起こることはなく、あっさりと彼は私以外の女性を選んで行った。

結局、私が長年持ち続けていた希望は、現実を目の前にしてあっさりと瓦解していくほどに、脆く愚かなものだった。

―――失恋

お題【たった一つの希望】

3/2/2024, 12:10:01 PM

「たった一つの希望」

余命いくばくもない
意識が遠のいていく瞬間
最後の
たったひとつの希望
妄想でいい
あなたに会いたい
会えるはずのない
愛しいひと

3/2/2024, 12:09:39 PM

たった1つの希望



君と出会うべきではなかった

願わくば

君と出会うずっと前に戻って

心の底から笑っていられた

自分に戻りたい

だから返して

君と過ごした時間全て

それが

たった1つの



僕の希望だ



なんて事言われたら
立ち直れないな
きっと


              end

3/2/2024, 12:09:36 PM

希望を持てるなら
人生捨ててない


《たった1つの希望》

3/2/2024, 12:07:27 PM

【たった1つの希望】

20X X年。

5年前に政治が崩壊してからの日本は、廃れていた。

物価高、政治家の暴走。

日本経済は地に落ちたまま回復することはなく、むしろ悪い方向へと進んでいった。

それでも国民達は知らないフリをし、顔すら見えないSNSで政治家を叩く。

そんな中、千葉県在住の1人の会社員は冴えない毎日を過ごしていた。

『はぁっ、、物価高でトイレットペーパーもろくに買えねえよ、、』

ベッドにダイブし、タプタプとスマホに何かを打ち込む。

"物価高で生活必需品もろくに買えねえ。世の中クソ。"

Twitterにつぶやきを投稿し、男は寝落ちした。

ピコンッ

深夜、彼のスマホが人知れず鳴った。
アイコンはTwitterだった。

ーーーーー

ピピピピッ

スマホのアラームを半醒半睡のまま止める。

『ぐああぁっ、、キツイ、』

何とか立ち上がり、布団を機敏に畳む。

目向け覚ましのコーヒーとニュースをつける。

今日も今日とて、政治家いじりか、、

コメンテーターの煽ったような口調に苦笑いを浮かべながら、パンとコーヒーを飲む。

そして満員電車に揉まれながらも会社へ。

俺は何気ない日常をすごすただの会社員だ。

そう、、会社員のはずだった、

朝、エレベーターに乗った瞬間からいやーな予感がしていた。

何か俺にとって良くないことが起こるのを肌で感じた。

案の定、いつもの席に座ろうとした時、上司に呼ばれた。

嫌な予感はMAXに達した。

会議室。

外の喧騒が微々聞こえ、鼓動音も増していく。

会議室はシンと静まり返っている。

1人仕事を普通にやっている会社員の俺と、1人人事部の上司。

瞬間、俺は全てを悟り絶望した。

ーー

1人、昼に会社を出る。

手にはダンボール。

最悪なタイミングとしか言いようがないだろう。

俺は会社を首になった。

経費削減のため解雇されたのだ。

『クソッ、、』

今あるのは、何で俺が!という自信ある人が言う言葉じゃなく、嗚呼やっぱこうなるか。みたいな客観的な思考だった。

俺は普通の会社員。

営業部のエースじゃないし、位が高い上司でもない。

切り捨てられるのは当然。

虚しくなり、公園のベンチでスマホを開く。

1件の通知が来てる事に気づき、Twitterを開く。

昨日投稿した何気ない言葉に、返信が来ていた。

"じゃあお前が世の中変えろよ。どうせできねえくせにネットでイキんな。"

よくあるコメント。

ネットではあるよ。こういう正義感ぶった人のコメントが。

わかってる、頭の中では。

でも、、見るタイミングを完璧に間違えた。

今じゃなかった。

心ないコメントは、俺の心にズッシリとのしかかった。

家に帰り、着替えずにスーツのままベッドにダイブする。

さすがにアパートだから暴れるのは良くない。

枕に顔を埋めながらバタバタと叫ぶ。

そして俺はそのまま寝落ちしていた。

ーーー

朝。

久しぶりに昼過ぎに起きた。

特にやることがなく、お風呂に入って昼食をとった。

突然の解雇に現実が受け入れられないのか?

いや、頭はいたって冷静。

テレビをつける。

あっているのは選挙報道だった。

もうやらなくていいだろ。

クソみてえな政治家しか集まらねえんだからよ。

そう思いつつ、頭の隅ではあのコメントがループしている。

日本政治を立て直すのは、今しかないのか?

かといって、俺にそれができるのか?

中はんかな気持ちで務まるわけがない。

でも、、やらないよりマシじゃないか?

中3の県予選大会、俺はバスケ部に所属していた。

点差は一向に縮まらず、スタミナももう限界。

そんな時、監督が俺達に言った。

『おいお前ら!もうへばるつもりか!出し切らないで負けるのと出し切って負けるのでは違うんだぞ!!』

結局、俺達は予選で敗退したけれど、高校受験の時も、
大学受験のときも、監督の言葉を胸に頑張って来た。

そうだ。

やらない後悔よりやって後悔だろ。

あのコメント主をギャフンと言わせてやる!!

俺の胸に、小さな炎が宿った。

彼は衰退してしまった政治を立て直す、たった1つの希望だ。

立候補してくる輩はおふざけ系YouTuberや真面目にやってない者ばかり。

彼が、希望だ。

そんな彼の波乱な第二の人生が、幕を開けた。

3/2/2024, 12:07:13 PM

たった一つの希望

心の奥底に眠っている
希望…深く掘り下げて…

たった一つの希望を
探す旅…

見えない隙間に引っかかって
わからなくなってるの

少しずつ…ほどいていく
丁寧に…

きっと見つかる…
たった一つの希望

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