きゅうり

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長く、彼の隣を歩いてきて、その瞬間が来る時はハッキリとわかった。

覚悟とかいう名ばかりのものがなかった訳でもないけど、やっぱりそれは名ばかりと言うだけあって、現実を目の当たりにしてしまっては、そんな覚悟が私に安寧を与えてくれることはなかった。

隣に居続ければ、長年の願いが叶うなんて都合のいいことが起こることはなく、あっさりと彼は私以外の女性を選んで行った。

結局、私が長年持ち続けていた希望は、現実を目の前にしてあっさりと瓦解していくほどに、脆く愚かなものだった。

―――失恋

お題【たった一つの希望】

3/2/2024, 12:14:15 PM