ずっと隣で』の作文集

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ずっと隣で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

3/14/2026, 2:51:40 PM

「明日は、学校の花壇の花が咲くよ」

微睡む意識の中、声を聞いた。
誰の声かは分からない、穏やかな声。確かめようにも、意識は半分以上夢の中に沈んでしまっている。
今日も誰かは分からなかった。ただ言われた学校の花壇を記憶に留めながら、眠りに落ちていく。



次の朝。
目が覚めて、辺りを見回した。
誰もいないことを確認して、小さく息を吐いた。自分の部屋に誰もいないのは当たり前だというのに、それがどこか悔しい。

「一体、誰なんだろう」

いつからか聞こえてくるようになった不思議な声。眠りに落ちる寸前に聞こえるため、誰が言っているのかはまったく分からない。
昨夜のように花が咲くことを知らせることもあれば、水たまりができる、虹がかかるなど、とても些細なことを眠りに落ちる寸前に伝えられる。恐怖はない。ずっと隣で囁く声の正体が気になって、怖いと感じている暇などはなかった。
欠伸をかみ殺しながら、身支度を整えていく。

「学校の花壇……」

声が伝える出来事が外れたことは一度もない。だからきっと、花壇のチューリップが咲き始めたのだろう。

「本当に誰なんだか」

ぼやきながら、いつもより早く家を出る。
正体の分からない声に思う所はあるものの、植えたチューリップが咲いたのならば早く見に行きたかった。



その夜に聞こえた声は、いつもと違いどこか険しさが滲んでいた。

「人間の手が入った場所で山が崩れる。切り開かれたために、他より弱くなってしまった」

抽象的すぎて、どこを指しているのか分からなかった。けれど今までとは違い、良くない知らせだということだけは理解できた。
閉じた瞼をこじ開けようとするが、ほんの僅かすら開かない。焦る気持ちとは裏腹に睡魔が思考を鈍らせ、そのまま夢の中へと沈んでしまう。

揺れる感覚がして目を開けた時、夜の空を飛んでいた。
正確には、誰かの肩に乗っていた。山より高い彼は月明かりの下で山を動かし、掬った水で湖を作っていく。
その作業を見守りながら、何故かとても嬉しくなった。笑みが浮かび、彼に擦り寄る。
ふと目についた山の中腹を指さした。示した場所を彼が整え、開けた場所ができる。

――ここにしよう。

そう思った。彼も同じように思ったのか、穏やかな笑い声が降ってきた。

瞬きの間に、時が過ぎていく。
作った場所に人が訪れ、生活が始まる。時折薪として木を切り倒すことはあるものの、それは微々たるもので山は気にすることはない。
時が流れ、次第に変化が訪れる。
木を切り倒す量が増えた。生活する人の数が増え、さらに広い土地が必要になっていた。
山に動きはない。静かに人々の営みを見守っている。
そしてまた時が流れ、今度は麓で変化が訪れた。
木々を根こそぎ倒していく。人にとっては必要なことなのだろう。
けれど微かに山から悲鳴が聞こえ始めた。
恐ろしくて、彼にしがみつく。見ていることしかできないのが苦しい。山の悲鳴は次第に大きくなっていくのに、誰一人気づかないのが、ただ悲しい。
悲しみが雨となり、山に降り注ぐ。強い雨だった。染み込む水の重さに、山が叫びを上げている。
その声に気づいた人は、どれだけいたのだろうか。
叫ぶ声は山を崩し、麓の家を襲う。
咄嗟に目を閉じ、深く俯いた。最後まで見届ける勇気はなかった。

「ごめんなさい」

気づけば言葉が溢れていた。見ていることすらできなかった後悔が、痛みとなって押し寄せる。
痛くて苦しくて、紛らわせるように強く手を握り締めた。


「――花が咲くよ」

どれだけそうしていただろう。
不意に、彼がそっと囁いた。その声に促され顔を上げ、目を開ける。
指さす先の木々に白い花が咲いていた。

「お前の愛した花々は、何度でも咲き誇る」

優しい声が降る。

「山も、人間も同じだ……大丈夫」

彼が柔らかく微笑んだ。
その後ろ。気づけば東の空がほんのりと明るくなってきていた。
夜が明けるのだろう。そろそろ戻らなくてはいけない。

「大丈夫」

別れを惜しんで抱き着けば、彼は目を細めて囁く。
何度でも繰り返し告げる。

「私はいつも隣にいる。ずっと一緒だ」

今までも。そしてこれからも。
伝わる彼の思いに、そっと手を離した。
寂しさが恥ずかしさに変わる。このやりとりが初めてではないと思い出してしまった。
何度も繰り返してきた。彼の肩の上から大地に降りると決めたのは自分だというのに、寂しくなって彼の元に戻ってきてしまう。

「いつもありがとう……行ってきます」

頬が熱を持つのを感じながら、彼の肩から飛び降りる。
風を浴びながら眼下に見える家々を見下ろした。その中から今の自分の家を見つけ、降りていく。
意識が揺らぐ。叩きつけるような勢いの風が、次第に全身を柔らかく包み込んでいく。
そっと目を閉じた。落ちていく感覚が、浮かび上がる感覚に変化していく。

彼に見守られている気配を感じながら、ゆっくりと目を覚ました。





ぼんやりとテレビを眺めながら、食パンを齧る。
今日は朝から外が騒がしい。ちょうど今テレビに映っている映像が原因なのだろう。
大雨の影響で、昨夜遅くに麓の街で土砂崩れが起きたという。けれどいち早く山の異変に気付いた誰かが避難を呼びかけ、奇跡的に巻き込まれた人はいなかったようだ。

「なんか見た気がするなぁ」

既視感、というものなのだろうか。テレビを見ながら思い出そうとするが、どこで見たのか思い出せない。逆に段々と霞んで消えて、溜息を吐きテレビを消した。パンを牛乳で流し込み、立ち上がる。
昨夜聞いた声を思い出しながら急いで片づけを済ませ、出かける準備を整えていく。
学校の裏山にある木蓮の木に花が咲いたらしい。何年も花を咲かせなかった木に花が咲いたのだから、見に行かなければ。

「誰なんだろうなぁ」

夜に聞こえる不思議な声。誰の声か気にはなるが、きっと知らないままでも大丈夫だ。

「これからもずっと一緒にいてくれたらいいな」

そんなことを思いながら、玄関を出た。
風に乗って、ふわりと花の香りがする。温かな日差しに笑みが浮かぶ。
春が来ている。色鮮やかな花の咲き乱れる、一番好きな季節が訪れている。
今夜もきっと声は聞こえるのだろう。今からその声を楽しみに、跳ねるように駆け出した。



20260313 『ずっと隣で』

3/14/2026, 10:01:08 AM

当たり前だと思ってた

一緒にご飯を食べて
一緒に寝て
一緒にこの先も生きていく


こんなこと綴って惜しんでる今も
一緒に居てくれてると信じてるから

この先もずっと隣にいてよね

#ずっと隣で

3/14/2026, 9:59:36 AM

お前が吐き出した二酸化炭素を一生独占したいとかいうキモすぎること考えてますが何か?



「…素直に一緒にいたいって言えばいいんじゃねえの」
「やだよ恥ずいもん」


【ずっと隣で】

3/14/2026, 9:57:49 AM

「フフッ。キミのこと、こうして『ずっと隣で』見てたいなぁ」

「いやあの、そろそろちゃんと神様の仕事してくれませんかね? だって聞けば、私の転生先だって決まってるって話じゃないですか? ってか隣もクソも、こんな精神だか魂だかな状態のままなんて……とにかく、肉体をくださいよ、肉体を!」

「……肉体? あ、そっか、そうだね。肉体はあったほうがこれから、いろいろと……」

「っ、えーい、そうですよ! どう転ぶにしても、このままなんて私、イヤですから!」

「うーん、でも……やっぱり先に、告白の返事を聞かせて欲しい、落ち着かないし! あっでも、断られちゃった場合は、どうしたらいい? その後のボクって、冷静に転生チュートリアル終わらせられるのかな……?」

「ちょっ、それ……私のこと、脅してます?」

3/14/2026, 9:55:35 AM

ずっと隣に居ますよ。
ずっと隣で見てますよ。

たとえあなたが気が付かなくても、わたしのことを忘れても、それでもずっと…ずうっと。

ずっと隣についていますよ。
ずっと隣で囁いてあげますよ。

貴方は悪くありません。誰も悪くはありませんよ。なんてったって、あれは事故だったんですから!

……それに。 わたし、恨んでなんか…

3/14/2026, 9:51:37 AM

あの人は誰にも興味を抱かなかった

けれど悲劇の人にだけは目を向けていた

あの人に恋焦がれていた貴女は

ずっと隣に立つことを望んで

運命を代償に願いを叶えた

貴女は幸せなのだろうか

あの人の愛を手に入れるために

自身の運命を破壊して

たとえ愛する人を手に入れても

それを幸せと言えるのだろうか

3/14/2026, 9:44:37 AM

どうしてずっと隣りに居れると思ってたんだろう。
どうして気持ちは変わらないと思い込んでいたのだろう。
どうしておれは…。

「きみは男だから」
目の前の男は視線を足もとに落としたまま誰に言うでもなくポツリとそう言った。
この人はおれの人間性が好きだと言ってくれた。
好きになる人は姿形には拘らないと以前話したときに言っていた。
何よりふたりで居るときの空気がおれは好きだった。
だから大丈夫だと思った。
いま思うとどこから来たのか分からないその自信を持って。
溢れ出して止まらないこの想いを思い切って言葉にした。
笑って受け止めてくれると思い込んでいたおれに突きつけられたのは拒絶だった。
「何かの冗談でしょう?」
ぎこちなく笑って視線を外す。
こんなこと冗談で言えるはずないじゃないか。
そんな雑な感情ではない。
彼の態度に失敗したと思った。
言わなきゃよかったと思った。
「そ…だよ。びっくりした?」
何とか笑って絞り出したその声は震えてなかっただろうか。
貼り付けた笑顔は歪んでいなかっただろうか。
その答えに目の前の男は、顔は未だ俯いてよく見えないもののあからさまにホッとしてる様子が見てとれた。
「驚かさないでください。びっくりしたじゃないですか」
少し笑って視線をおれの方に向けた。
そんな分かりやすく安心するなよと胸の奥に怒りが湧いてくる。
合わさっていた彼との視線を今度はおれが俯き加減に逸らす。
「そっちがウソだけどね」
その言葉に彼がまた動揺したような気配があった。
もう自暴自棄になってたのかもしれない。
どうなってもいいと思った。
一歩また一歩、彼の方に近付くと警戒したように身構えられる。
「そんなに警戒しないでよ」
表面上は笑っているのに泣きたくてたまらない。
「あんたのことが好きなんだ」
また一歩さらに彼の方へ近付く。
彼は固まったまま地面の方ばかり見て黙ったままだ。
そんな姿に腹が立つ。
「なんか言ってよ」
「僕たちは男同士で…そんなのありえない」
「あんたは姿形には拘らないと言ってたじゃないか」
「それでも男同士とは思いもよらなかった」
ポツリと消え入るような声で答える。
「だったら、おれがオンナだったらよかったの?」
近付いてその頬に手を添えると怯えるように身体が震えた。
逃がさないように視線を追いかける。
「オンナだったら付き合ってくれたの?」
言葉の勢いでそのまま彼のくちびるにそっと自分のそれを合わせた。
その瞬間に強い力で剥がされた。
心臓を鷲掴みにされたようだ。
痛くて堪らない。
どうしたらいいんだろう。
もう進むことも引くことも出来ない。
分かっているのはもう取り返しのつかないってことだった。
口に出してしまったら最後だなんてよく言ったものだ。
ただただずっと隣りに居たかっただけなのに。
それだけでよかったのに。
それ以上を求めてしまったのがそんなにいけなかったのか。
いまはただ一秒でも早くここから消えてしまいたかった。



                 (ずっと隣で)
        何か違う。短くまとめるの難しい。

3/14/2026, 9:44:13 AM

早朝5:30。
僕は目を覚ました。
普段は感じない温もりを覚えて隣を見れば、寝息を立てる君の横顔があった。
そうだった。昨日は君が泊まりに来たんだった。
ゆうべは初めて僕の部屋で手作りの晩ご飯を食べたんだ。君が青椒肉絲を作ってくれて、僕が炊いたご飯と作ったとうふの味噌汁と、副菜を少々。
僕の部屋の食器を囲んで君と食事をする。新鮮な気分だった。
その後は交互にシャワーを浴びて、甘やかな時間を過ごし、そのまま休んだ。

(幸せだな)

なんとはなしにそう思った。
ゆうべのことを思い出すだけで幸せなのに、今この瞬間すらも愛おしく幸せだ。
付き合いたてのカップルの見る幻想と言っても過言ではないこの夢を、僕は今見ている。幸せを噛み締めている。

(ずっとこうして、隣にいられるといいな)

付き合い始めて半年。
ケンカはしたが、まだ困難すら乗り越えていないペーペーのカップルだと周りから言われるだろう。
今だけだと笑われるかもしれない。

けれど今僕が感じている幸せは幻想ではなく本物だった。
幸せを感じると更に愛おしくなった君て、君の頭を抱え込むように抱きしめた。
君が微かに声を漏らし、身動ぎをした。


3/13『ずっと隣で』

3/14/2026, 9:36:39 AM

《ずっと隣で》

君がいる ただそれだけで いいからさ ずっと隣で 笑っていてね

2026.3.13《ずっと隣で》

3/14/2026, 9:32:45 AM

ずっと隣で

私のことだけ見ていてよ



笑っても泣いてもいいから

その顔私にしか見せないで



私しかいないって、ただそう言えばいいの















「ずっと隣で」



今日めっちゃお昼寝した〜😴✨️

3/14/2026, 9:29:55 AM

急停車した地下鉄はなかなか発車しなかった。広告のヴィジョンをぼんやり眺めていた先輩が、
「いっぱい喋ってたら喉痛なってきた」
 と鞄からポーチを取り出す。
「どっちがええ?」
 白い手のひらに、赤と緑の個袋が載っていた。赤はいちご、緑はマスカット。
「じゃあ、こっちで」
 礼を言ってマスカットを取ると、先輩がニヤリとした。
「そっちやと思た」
 満足そうに頷いて、先輩は赤い袋の封を器用に切った。
 私はいつも、この手の袋がなかなか開けられない。しばしの苦闘の末、ようやく黄緑の粒を口に放り込む。懐かしい甘さが口に広がる。
「ほんま不器用やんなぁ」
 手の中でポーチをいじりながら先輩が言う。ジッパーにプリンのチャームがついた、派手な柄のポーチだった。
「先輩やって——」
 私は反撃を試みる。
「どこからでも切れますってドレッシングの袋、よう失敗しとるやないですか」
「うっわ、見られとったんかい」

 降って湧いた私と先輩の時間を、優しい甘さが埋める。ドレッシングを開けるのが下手で、飴の袋を開けるのは得意。部長にもちゃんと意見するのに、小学生みたいな誤字をやらかす。ぬいぐるみが好きだとか、竹野内よりは反町派だったとか。知ってるあなたより知らないあなたのほうが、まだこんなにも多い。
 なあ地下鉄。もうこのままずっと停まっててくれへんかな。それが無理ならせめて、LINEでも交換できるまで。


『もっと知りたい』『ずっと隣で』

3/14/2026, 9:24:54 AM

【ずっと隣で】成長型アンドロイド25M873931の独白

 人の隣人としてアンドロイドが常にいる時代になって早百年。思考が人間にほど近く、しかし命令と任務に忠実で、ファジーな対応もできる、そういう形で売り出されたアンドロイドは、それなりに経済、社会に進出した。ここ二十年は特にリーズナブルな量産型のアンドロイドの普及が飛躍的に伸びた。
 中でも外見と機体の能力を七歳の子供程度に抑え、育児補助、つまり乳幼児から小学校入学までの送り迎えをはじめとした各種対応や、見守り機能による連絡を行える、チルドレンガーズと呼ばれるラインのものは大変に人気が出た。当初は見守りロボにも劣るとか、両親の代わりに医療を手配出来ないとか様々な誹りがあったようだが、私が生まれた頃には妊娠したら手配する、というレベルの、謂わば日常家電のレベルになっていた。あくまでも人間である両親の補佐がメインであり、子供の熱や嘔吐があれば、その場での対応はするものの、救急、警察への連絡は命の危険が迫っていない限り、両親からの手配を待つ。これによって両親の留守中の悲劇は減ったし、最近では自宅にいながら自家アンドロイドが代替で仕事をするシステムも確立しつつあり、子供は健やかに育っていく。
 ……はずだった。実は私は今、大変困ったことに直面している。この腕の中にいる赤ん坊の親、つまりマスターたる人間が、もう三日も帰ってこないのだ。乳幼児なので食事はミルクで済んでいるし、オムツや着替えは通販手配の許諾があるので何とかなっている。ただ、何の連絡もなく、またこちらの連絡も遮断されるというのは、最悪のケースではないかと考えている。ニュースはくまなく探したが、マスターの名前や人数と一致するものはない。マスターは妻との離婚の後、私と赤ん坊を引き取る選択をした。私が記憶している限り、彼と元奥方との仲はネガティブな反応をせざるを得ない。口喧嘩は絶えず、時々奥方は我が子を殴ろうとした。勿論私がそれを止めていたが、何度か奥方に殴られて、実は側頭部が少し凹んでいる。活動に支障がないので放っているが、メンテナンスのタイミングで直してもらおうとは考える程度のものだ。
 そんな奥方との別れの後、マスターは保育園を探していたが、時期が悪くどこにも入れられなかった。マスターは私がいるとはいえ不安だったのかもしれないし、私を廃棄したかったのかもしれない。何にせよ、マスターは帰宅すると一応子供部屋のベッドを覗いて、それから酒を飲むような日々だった。
 これは私がホームセクレタリーの許諾をもらっているので知っていることだが、彼の日々のストレス値は上がり続けていた。心拍数は不正な上下を繰り返し、体温も微熱が続き、睡眠の浅い日がずっとあった。しかしスマートフォンに送る私からの提言を確認した様子はなく、酒とどこかで買ってくる、塩分の高い食事を延々と繰り返していた。
 ニュースに名前が挙がっていないだけで、マスターがどこかで倒れてしまっているのかもしれない。
 赤ん坊を風呂に入れていると、その子は「んーま」と喃語を発した。本来なら父母に向けられるべきそれを、私が先に聞いてしまった。なんとなく、情報デバイスの過去ログを保存する。もしマスターが戻ってきたら、真っ先に見せなければならないからだ。

 あっという間に翌日になってしまった。結局マスターは帰ってこない。私がどうするべきか悩んでいるうちに、赤ん坊が熱を出した。これは不味い、と私はまたマスターに連絡を入れる。私は児童の安全を第一に設計されている。ただし、その判断は必ず保護者の許可を優先するのだ。
「おかけになった電話番号は、現在使われておりません」
 無情なる音声に、君もAIなら少しは弁えた対応をしろと言いたくなるが、AIなのだからするはずもない。
 私は困り果てて、最後の手段を取ることにした。
 赤ん坊の熱を測る。三十八度。脳の蛋白の凝固まであと二度。乳幼児のそれは乳離れした子どものそれより重たい。熱の数値の記録を取り、私は自分の販売元が契約している緊急医療受付に連絡を入れた。けぽ、と小さな音がする。レポートに嘔吐を即座に加え、口腔内に吐瀉物がないか確認し、水を流し込んで吐かせた。この命が危ないのに、マスターは、どうして。
 私はどうしてか分からないが、その赤ん坊を抱きしめていた。いつもより熱の高い体がぐったりとしている。この命は私が隣にいなければ失われてしまうのではないか。空恐ろしい可能性を極力シャットアウトして、平たい文章で最悪を読み上げていく。死亡、後遺症、高次機能障害、失明、難聴……早く医療チームの返答がほしい。
 と、思った瞬間に着信した。
「25M873931、よく連絡した。もう近くまで来ている。玄関まで出られるか?」
 人で言うなら、安堵だろうか。最悪が一つずつ消えていく。残るものもあるが、死ぬよりは絶対にいいものばかりだ。
「向かいます」
 けっ、とまた赤ん坊が吐いてしまった。それを軽くタオルで拭いながら、私はマンションのエントランスまで降りるのだった。

 という記録を、その時の赤ん坊だった、今のマスターが見ている。彼女の二十歳の誕生日に、今の両親、つまり里親となった家族からの要請で、マスターを彼女に変更の上、当時の記録を見せることになったのだ。
「マジだ〜……ハナサクいなかったら死んでたじゃん」
 うわ〜、と苦い顔をしているが、それでもマスターはすぐに笑みを浮かべた。
「命の恩人! ボディ寿命で引退とか言わないでよ、換装すれば一緒にいられるんでしょ?」
 おや、と私はつい口にしていた。
 私はあれからもずっと七歳の姿で彼女の世話をしていた。新しい里親夫婦の家はそれなりに裕福だったが、私に回す経済的余裕はなかった。メンテナンスと充電で十分、彼女が大人になるまで見守れれば、私はそれでよいと思っていた。
「お金、私頑張るから! ハナサクももうちょっと頑張ろうね」
 それを聞いて、両親が苦笑している。彼女は何を目的にしているかは分からないが、高校生の頃からバイトやお年玉で相当溜め込んでいた。私の換装くらい、余裕なくらいに。つまり、頑張るとは言ってるが、恐らくすぐにその日は来る。両親はもしかしたら、その貯金の意味まで理解しているのかもしれない。
「……ええ、待ってますね」
 と、私は知らない顔をすることにした。握手を交わした手が、ずいぶん大きくなった、と回路が記録を更新した。

3/14/2026, 9:14:09 AM

『ずっと隣で』


おじいちゃんが
猫と犬を飼い始めた
まだちょっと若いぐらいではあるけど

人付き合いが苦手で
動物には好かれやすい
寂しがり屋なおじいちゃん


飼い始めてすぐ
やっぱりその子たちは
すぐに懐いて行った

おじいちゃんはイキイキしていた
おばあちゃんが先に亡くなったから
しばらく塞ぎがちだったけど

ペットを飼うのを進めたら
しぶしぶ受け入れてくれた形
飼うのがイヤとかそういうんじゃない
ただとにかくおばあちゃんとの別れが
ものすごく寂しくて辛かったようで
飼うまでに時間がかかったのだ

そりゃ……無理もないよね


おじいちゃんは
少しずつ元気になり
その子たちもすくすく育って行った


おじいちゃんは
たまに小さくお願いをする

―――もし
君たちにお迎えが来たら
良かったら
一緒に行ってもいいかい?

―――と


その願いは、
僕は見届けることになった

最初は猫だった
歳をさかねていくうちに
腎臓の病気になり、
10歳をすぎたあたりから
おじいちゃんと僕たち家族は
順番に猫を病院に連れて行っていた

しばらく良かったが、
やはり歳と病気はゆっくり進み
そして―――
私たちに気づかない所に
隠れるように旅立った

猫が病気の時、
おじいちゃんも
ガンになってしまっていた
家族が気になって病院に連れていき
見つけた時には、
既に相当ステージが進んでいた…

これは、
おじいちゃんの願い―――
ずっと黙ってたおじいちゃん
自分で―――選んだのだ


そしてある日
猫が旅立った―――

おじいちゃんは病気の中
猫を見送ると、ほんの数日後に
追いかけるように旅立った


僕が驚いたのは 実は、
それまでずっとおじいちゃんのそばに
犬も離れずそばに居たことだった
片時も離れなかったほど
病院の検診に行く時だって
ものすごく暴れていた
まるで、離れるわけに行かないのだ!
とでも言ってるかのようで―――

おじいちゃんが旅立つのを
犬は黙って見送っていた
1度だけ悲しそうに
遠吠えをしたあの夜を
僕は今も覚えてる

その日から犬は、
何も食べなくなった
まるで、役目は終わったのだと
言ってるかのように

……いや、
次の役目を果たすためだろうか
人の静止も振り払い
犬は頑なに何も食べようのしなかった
この子は………選んでる
まるでおじいちゃんの魂を
少し分けてもらったかのように

僕達は、
苦渋の決断、断腸の思いで、
犬の気持ちを尊重した―――………

数日後、犬は旅立った


猫が先に行き
おじいちゃんがついて行き
犬がおじいちゃんを支えるように


僕は
今も覚えてる
みんなずっと隣に居ることを
心から望んでるようだった


もしも神様が
転生する権限をみんなに与えても
きっとみんなは、
その手段を選ばないだろう
もしも強制的にすることになっても
3人は一緒に逃げ出すか
またいつか3人一緒になるか
そのどちらかじゃないかな?

―――なんて、僕は思ってしまう


ずっと一緒にいたい人
おじいちゃんは、そんな人

僕ももしもお迎えが来たら
まずは3人に、会いに行きたいな―――


〜シロツメ ナナシ〜

3/14/2026, 8:59:48 AM

「お隣、いいですか。」
ベロベロに酔い潰れだした俺のもとに、そんな声がかかった。
法も何もかもが崩壊し、何もかもが無秩序になったこの街にしては珍しい声掛けだ。
静かで、落ち着いていて、ずっと聴いていたくなるような、心地いい声。
程よく低いその声に、俺は可愛い女の子かもしれない、と若干の下心と期待を込め、重たくなった首の関節を持ち上げた。
目の前に映るのは、後ろで緩く一括りにされた髪と、柔らかく下がった目尻、頬骨の上にある、涙ぼくろ。
そして、俺より10センチは高そうな長身だった。
「…………男かよぉ……」
酔っ払いの口に、蓋はできない。中性的ではあったが、肩幅も、身長も、体つきも、どう見たって男だ。期待した俺を落胆させるには十分だった。
「……はぁ……まぁ、男ですけど……」
若干困惑したような、拗ねたような声。当然だ。ただ声をかけただけで、勝手に落胆されたのだから。
そんなことは分かっていても、酒やら何やらでぐちゃぐちゃになった情緒の自分は、失礼を止めることはできない。
「男が何の用だよ……はぁ……可愛い女の子なら……」
ぐちぐちと文句が止まらない俺を放って、優男の彼は隣の席に腰を下ろした。
薄暗いバーの照明に濡れる彼の髪は、やはり綺麗だ。酔っ払った頭に、女の子ならなぁ、と何度目かも分からない理不尽な落胆がよぎった。
「……お兄さん、なんでそんな酔ってるんですか。昼間から。」
散々に言われて流石に腹を立てたのか、ほんの少しの棘を含んだ言葉が降ってくる。
友人である店主のやや冷えた視線を感じながらも、酔った情緒はやっぱり止まらなかった。
「うるせぇ〜……傷心中なんだよふざけんなぁ……」
ぐず、とみっともなく鼻を啜る音がした。
5年付き合った彼女に振られたのだ。少しくらい許せ。
「ふーん……」
カラン、とグラスに氷のぶつかる涼やかな音色に合わせて、琥珀色の酒がやたら似合う形のいい唇がガラスに押し付けられていた。
「傷心中なんだ。お兄さん。」
傷をえぐられたようで、余計ぐずぐずとみっともなく泣き喚く。酔っ払いに感情の制御なんて難しい芸当はできない。
「じゃ、僕が貰って行っちゃおうかな。お兄さんのこと。」
す、と彼が何かを差し出してくる。見れば、権力を失った警察の代わりにこの街を取り仕切る、いわば裏社会の人間の証しであった。
これがきっかけで、俺の人生は歪んだ。
だが、後悔はしていない。彼の隣で、裏社会なりの秩序を以てこの街を仕切るのは、案外悪くない。

テーマ:ずっと隣で

3/14/2026, 8:34:26 AM

ずっと隣でくらやみがこっちにこいと囁いていた。
自分に負けてくらやみに、逝ったが、
何も楽しいことなどなかった。
暗闇はただ暗いだけ、
逝った後に楽しいことなど一切なかった。
生きていれば、
そう思いながらただ暗闇の世界を彷徨う。

3/14/2026, 8:32:08 AM

『ずっと隣で』

いつもありがとうございます。
すぺーすのみです💦

3/14/2026, 8:31:05 AM

ずっと隣で



幕臣『今からこの者たちを死刑執行する』

豊臣秀頼『………』

豊臣国松『うぅ……』







今から1時間前
極めて異例な言葉が下された




幕臣『豊臣秀頼、豊臣国松2人は市中引き回し

のちに、斬首、晒し首。以上』






秀頼弔と国松転孤はレンジャー系、仮面ライダーの
登竜門出身である











死柄木弔『転孤、なんで豊臣国松を演じたいと
思った?』


転孤『僕は仮面ライダーより時代劇で登竜したかった
から!着物も着れるでしょ?それに国松を演じた歴代の子は』



死柄木『歴代俳優な』

転孤『そうでした!相澤消太先輩に憧れて!』

死柄木『初代の?俺も相澤に






[相澤消太は初代の豊臣国松を演じ豊臣秀頼を演じて
大ブレイクを果たして国民的世界的俳優だ]







17歳の志村転孤は若手俳優かつ、
雄英高校に通うヒーロー科生徒だ



33歳の死柄木弔はアクションや悪役演技が来る
ドラマ映画に引っ張りだこの国民的俳優になっていた




昨日と今日の夢を合体しています
途中です

3/14/2026, 8:29:04 AM

僕は日光のずっと隣で座っている。
暗闇に慣れた目に感覚をすませ、
日影の寒さを和らげる。
だが外の景色相変わらずは眩しかった。

3/14/2026, 8:26:38 AM

三人でゆっくりと朝食を摂ったあと、父はふらっと散歩に出かけ、母と私はキッチンで洗い物を片付けていた。

「明日からお父さんと二人きりになって、寂しくなっちゃうね」
「そうね…でも、お父さんを独り占めできるから、実は楽しみなのよね」
フフフ、と娘の前で惚気る母の手は食器用洗剤で泡々だ。

研究職として働く父は、よく一人で散歩に出かける。いつも難しそうな顔をしている父は、何故か無口な人に思われがちだが、普通に笑って普通に喋る。母のほうがよく笑いよく喋るから、敢えて黙っているんだと父はよく強がっている。

「お父さんはね、きっと…あなたと歩くバージンロードのことを考えすぎて、緊張しちゃっているのよ」
「お父さんの隣を歩いた記憶があまりないから、私はかなり嬉しいけどね」
私は明日、父のエスコートでバージンロードを歩く。
だから今日は、三人でゆっくり過ごそうと思っていたのに、父はさっと出かけていった。

私が小さかったころ、手を繋いで隣を歩いていたのはいつも母で、父はいつも後ろを歩いていた。
このころのぼんやりとした記憶を、彼との何気ない会話の中で少しだけ話したことがあった。

『隣にいないって物理的なことでしょ。お父さんの気持ちとしては、ずっとそばで寄り添って、ずっと隣で見守っていた、って思うよ』

彼が言ってくれた言葉を伝えると、母はずっと嬉しそうに頷いていた。

「じゃあ、私もとっておきのお父さんの話」
洗い物を終えたあと、父がいない隙に父の好きな緑茶を飲みながら、母が楽しそうに話し始めた。
「小さいころのあなたは、よく物を落とす子だったの」

小さな手で握りしめていたはずの、砂場で遊んだおもちゃのスコップやお気に入りのぬいぐるみをすぐ落としていたらしい。そして、それを拾っていたのが父で、渡したあともまたすぐに落としてしまうから、いつも父は私の後ろを歩いていたのだと、まるで昨日のことのように、母は鮮明に覚えていて、私に話してくれた。

「そうだったの?全然覚えてない」
「そのときのお父さんの顔が今でも大好き」
「どんな顔していたの?」
「まだ、教えない」
「えー、ケチ」

思わず大きな声で笑い合った瞬間、外のドアが開く音がした。父が帰ってきたようだ。

「明日…お父さんと手を繋いで歩こうかな、バージンロード」
「あら、いいじゃない。楽しみだわ」
「お父さんには内緒ね」
人差し指を口元に当てて、小さく笑ってみせた。

「ただいま。大きい笑い声が聞こえたけど何かあった?」
「別に何でもないわよ。それよりお父さんも何か飲む?」
父の答えを聞く前に、母はちゃっちゃっとキッチンに向かう。私たちと同じ緑茶を淹れるのだろう。いつものことだ。

やれやれという表情をしながら、父は私の隣のいつもの場所に座る。
父の肩越しに、少し開けていた窓から風がそっと舞い込んだ。レースのカーテンが優しく揺れて、その隙間からは泣けるほど青く澄んだ空が見えた。お散歩日和だ。
私は父の隣でずっとニコニコと笑っていた。

【ずっと隣で】

3/14/2026, 8:26:27 AM

『ずっと隣で』
幸せの価値は自分が決める
誰かを羨むのではなく
自分を卑下するのではなく
ただただ自分にとっての幸せを考え
今日の私を生きて欲しい
その隣りにある幸せを大切にしてほしい

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