『ずっと隣で』
僕、煌驥には好きな人が居る。
そして、その子は今、俺の隣に居る。最高だ。
1年ほど前に告白して付き合ってから、ずっと一緒だ。
そして僕は今その彼女とリビングのソファでテレビを見ている。
『なんか今日はいい番組やって無いね〜。まあ夕方だからかな。』
そう言葉を零す。夕方にもニュースだけでは無くもう少し面白い番組が欲しい。
テレビを消し、キッチンに行ってコーヒーを淹れようとする。
『コーヒー飲む〜?! 今入れるけど〜!』
そうリビングのソファに居る彼女に問いかけるが、反応は無い。
その子は付き合う前から無口な子であり、男嫌いでもあった。だから付き合った後も無視されたりはしていたが僕からすると悲しい。
『ねぇ、流石に少しくらい反応してくれても良く無いかな〜?!』
と言っても、変わらず返答は来ない。
と、そこで俺はある事を思い出した。
『ごめんごめん、忘れてたよ! もう喋れないんだったね! 『一年前みたいに』無口なツンデレさんなだけかと思ってたよ! あっはははは!』
そう言って1人で笑い、コーヒーを淹れて先程まで座っていたソファに座り、コーヒーを目の前の机に置いてから彼女を膝の上に乗せる。
『どうだい、僕との生活は? 中々に快適でしょ? 君がここに来なければ、この先君を苦しめる出来事が沢山あると思う。それを無くしてあげたんだから、褒めて欲しいな。頭でも撫でてよ。』
そう言って膝の上にいる彼女を見る。
そして『もう一つの彼女』が寝室のベッドの上にある事を思い出した。
『あ、やばい! 手が無いんだったね! 忘れっぽくてごめんね? 今持ってくるから!』
そう言って、僕は寝室のベッドにある『彼女』を撮りに行った。
ずっと一緒だよ? ずっと隣に居てね?
3/15/2024, 7:00:11 AM