『きらめき』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「きらめき」
初めて覗いたその筒の
木漏れ日のような
きらめきが
幼心を躍らせる
そろりそろりと一回し
二度とは見れぬきらめきと
出逢って別れる万華鏡
「惑わされずに、冷静に」
昨日まで、いや、ついさっきまでは、いつもと同じ。普通だった。たぶん、どこにでもあるような日常。
それが、どうして……
昼休み。校庭で友人たちとボールを蹴るアイツが、きらきらと輝いて見える。
目の奥が熱くなって、涙がこぼれそうなくらいに。
世間一般ではたぶん、たいしてカッコよくも悪くもない。ごく普通の、十六歳の高校生男子。
特記事項があるとすれば、幼馴染だということ。そして、私のことが好きだと告白してきたこと。
前々から気になっていた、アイツの好きな子が私だとか、なにそれ。どういうこと?
ずっと好きだったっていつから?
本当は言うつもりなかったって、どういうこと?
訊きたいことはいっぱいある。
だけど、もっと知りたいのは、私がアイツをどう思っているのか、ということ。
キラキラとドキドキに惑わされないように、冷静にならなきゃ……
────きらめき
きらめき
流れ星とは一瞬だ。
いつの間にか現れて、
瞬きする間なく過ぎ去る。
でも、その過ぎ去る瞬間までがまるでスローモーションの様に見える。
あの時僕達が出会ったときもこんなふうだったと思う。たまたま君は転校してきて、
たまたま君は僕の隣の席に座った。
そしてたまたま僕と仲良くなった。
全て偶然だったのかも知れないし、
必然だったのかも知れない。
君が何も言わず急に転校していったことも。
転校する前日、二人屋上で話をしていた時、君は急に言いだした。
「私、君のことが好きなんだ。」
その時はただただ嬉しかった。
だけど、君は
「返事はいらないよ、友達だから。」
と言った、泣きそうな顔で、言い聞かせるように。
君は、父親の仕事の都合で何度も土地を転々としていて、友達が居ないと言っていた。
だから僕はあの日友達になった。
僕は、友達という関係に甘えてたのかもしれない。
君だってそうだったと思う。
友達だって言い聞かせて、いつかまた転校する時が来ると分かったうえで友達ごっこを続けてた。
だけど、今考えたらそれで正解だった。
そうしてくれて、良かったんだと思う。
だってこの先一生会えなくなる相手に好意を伝えても、苦しくなるだけだろうから。
僕達は偶然出会っただけで、
ただ一瞬の一目惚れだっただけで、
いつかは流れる星に夢を抱いていただけだった。
そう言い聞かせて、心を捻じ曲げようとしても、涙だけは止められなかった。
本物を求める長い旅路の果てに
穏やかなひだまりを見つけた。
ここに暗い闇はもうない。
影に隠れず語り合おう。
この胸に宿る
素直な言葉で伝えよう。
ごめんなさい。
ありがとう。
嬉しい。
楽しい。
大好き。
この言葉の煌めきは
イミテーションではないよ。
そして、ずっと根幹にあり続ける
この言葉も。
貴方という存在の奇跡に感謝を──。
胸の内では貴方がくれた本物の光が
煌々と輝いている。
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きらめき
きらめき
夜の街に明かりが灯る
まるで宝石箱をひっくり返したような景色に
自然と心が躍っていた
たくさんの灯りに照らされて
行き交う人々は皆笑顔で
街全体がきらめいていた
この瞬間を記憶に刻んで
今のこの気持ちを忘れたくない
君の手を取って
僕は夜の街に飛び込む
きらめき
…才能。
欲しい。手に届かない。
なんで、あの子がは苦労せず初めてだというのにあんなにできるの?
なんで、僕は沢山の時間と努力をかけてずっと頑張ってるのにあの子に負けるの?
あの子みたいになりたい。
あの子になりたい。
あの子の才能が欲しい。
世界は本当に意地悪。
僕の本気は、君の適当に届きもしない。
こんなに頑張っているのに。
なんであの子はきらめいているの…?
才能の差。
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「…あ、」
僕が初めて見たあの子。
「絵描いてるの?」
美術室の鍵をぶら下げて、制服のまま来た僕を、あの子はじっと見つめた。
床に散らばっているぐちゃぐちゃにされた紙。
「そうだけど」
クラスメイトに囲まれながら話すあの子と同一人物か疑うほど冷たかった。
「もうそろそろ下校時間だけど、もうちょっとあるから描いとく?」
あの子は目をそらした。
「いい。もういい」
「そう……」
僕は床に乱暴に投げ捨てられた紙を手に取る。
「あっ、待って!」
その声とともに、紙を開いてしまう。
「岡崎せんせーだ」
僕に唯一、優しく接してくれる先生。
「好きなの?岡崎せんせー」
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「岡崎せんせーだ」
“完璧”がふわっと笑う。あ、完璧って笑うんだ…。
夕日の光が完璧の顔を照らしている。
「好きなの?岡崎せんせー」
「そうだったね」
「え?……」
「何その顔。失恋じゃないから」
「あーそうなんだ」
ばかにしてるのかと思ったが、完璧はほっとしたような表情をした。
「あたしってそんなに失恋してそう?」
「分かんない…」
なんだそれ。
「……岡崎先生ねー、好きだったの。今日まで」
「えっ」
「岡崎先生が嫌いになったわけじゃないのよ?」
「だよね!」
完璧は嬉しそうに声を弾ます。
「もっと魅力的な人見つけちゃって」
「岡崎せんせーより…?いないよそんな人」
「いるよ」
あたしの目の前にね。
「とってもきらめいてる人」
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数年後、少し喧嘩しながらも笑ってじゃれ合っている夫婦が歩いていた。女性の方のお腹には、未来の命が託されている。
これが本当の“きらめき”なのかもしれない。
きらめき
小さい頃、仕事で忙しかった親が
遊園地に連れていってくれた。
夕方眠くなってウトウトとしてきた頃に
お母さんが見て見てと指を指した。
その先には暗くなっていく世界とは別で優しい明かりを
いっぱいつけたパレードカーが列を作ってゆっくり進む。
その上でキャラクターが踊ったり、ピカピカと何色もの色が
交互に光ったりする光景は眠気を飛ばし今からもう一度
遊園地で遊びたいと思わせてくれた。
大人になった今でもあの日と似た夕焼けを見ると思い出す。
闇の中に優しく輝いていたあのパレードを、
親が忙しい中くれた思い出を...
あのきらめきは、一生忘れないだろう。
語り部シルヴァ
【光の鱗片】
不登校になってから3ヶ月が経った。
この頃、私の生活習慣は凝り固まっていて、とても退屈だ。
しかし、学校に居ることが苦痛な私にとって、退屈な日常のほうがマシに思えるのだ。
朝は10時ごろに起きて、お母さんが作ってくれた昼食を食べて、天井を眺める生活。
6時頃には友達―かのんちゃんのことだ―とLINEでやりとりをする。
最近は、私に気を遣ってくれているのかLINEでの会話は推しの話がメインだ。
学校での出来事を話すような空気ではない。
勉強せず、ストレスも溜まることがないので、良い生活だ。
とはいえ、こんな自分に対する焦燥も感じていた。
私は、これからどうなるのか。
どうやら、何かのきっかけで社会のレールから弾き飛ばされる人もいるらしい。
私は、どっちだろう。
さすがに何かしなければ。
そんな焦りが膨れ上がり始めたときのことだ。
私は、あるものを見つけてしまったのだ。
お母さんが仕事に行っている間、私はふと
「この家にはどんな物が眠っているのだろう」と気になってしまったのだ。
もしかしたら、お母さんの古い写真とか、絵とか、そんな珍しいものが出てきたりするのではないか?
お母さんの卒アルとか見つけちゃったりするのでは?
などという興味から、リビングにある棚の引き出しを開け閉めしていた。
その時だった。
ある1冊のノートを見つけた。
「きらめき」と書かれていた。
お母さんの字ではない。
私は吸い込まれるようにノートを開いた。
1998/04/13
新曲の製作を開始。
次は、明るい曲を作るつもりだ。
1998/06/02
僕の作りたい歌はこんなに悲しい歌ではない。
僕は、温かいスープのような愛に満ちた歌を作りたいのに。
1998/09/30
曲が完成した。
今回も納得のいく歌は作れなかった。
でも、完成形を作る才能があるのだから、上出来だ。
1998/10/10
今日は同じサークルの人達と日帰り旅行に行ってきた。
紅葉が綺麗だ。
ぜひ歌にしたい。
最初は誰のことか分からなかったが、読み進めるうちに「これはオトウサンの日記ではないか?」と思い始めた。
1998年ということは、当時のオトウサンは
20歳。
この頃から作曲していたのか。
1998/11/15
同じサークルの子とディナーに行った。
とても可愛らしい。
今までいろんな女の子を見てきたけど、この子は何だか特別だ。
1998/12/25
遥と一緒に駅前のイルミネーションを観に行った。
やっぱり、遥は可愛い。
ずっと埋まらなかった心が埋まっていくような感覚がある。
遥とは、お母さんの名前だ。
今まで知らなかったけど、オトウサンとお母さんは同じサークルだったのか。
こんなこと、お母さんは教えてくれなかった。
どんどん読み進めるうちに、日記の中での月日は4年ほど経っていた。
オトウサンは会社員、お母さんは薬剤師になっていた。
2002/05/24
遥との婚約を考えている。
でも、こんな僕でいいのだろうか。
僕はミュージシャンを目指していて、こんなの現実的ではないだろう。
こんな僕でも、遥は好きだと言ってくれるだろうか。
2002/07/24
遥にプロポーズをすると決めた。
どうやってプロポーズすればいいのかよくわからない。
2002/08/19
指輪を買った。
ドキドキする。
2002/08/26
遂にプロポーズした。
僕達は、これから恋人ではなく夫婦になる。
どうか、遥には素敵な人生を送ってほしい。
そのために僕が夢を見せてあげるし、夢を見せてほしいと、本気で思っている。
とてもほっこりした。
オトウサンって、意外と不器用というか、完璧な人ではなかったんだ。
オトウサンも悩んだり迷ったりしてて、でもそこには愛があるようだ。
私はページをめくる手を止めることができなかった。
オトウサンの鱗片がやっと掴めるようになって、私は嬉しかったのだ。
しかし、あるページでその手は止まってしまった。
「……」
そこには、知りたくなかったオトウサンの姿が、痛々しく生々しく綴られていた。
涙が溢れた。
こんなオトウサン、知りたくなかった。
そこには、私が今まで知らなかった数々の事実が書かれていた。
そして、オトウサンの鱗片を掴むヒントも。
私は決めた。
オトウサンの事を、もっと知ろうと思う。
今まで敬遠していたけど、これは私が知るべきことだ。
ここからの物語は、私がオトウサンに近づくための話だ。
物語は始まってすらいない。
きらめき
彼はいつでも主人公のような人だった。
私は彼に恋をしていた。したくはなかったがいつの間にか
目が離せなくなっていた。
それが私の初恋だった。
彼の周りにはいつも人がいた。男女問わずの人気者だった。
私は彼が嫌いだった。彼の丸わかりのつくり笑顔が嫌いだった。
なのにみんな気づいていないようで、彼が本当に笑っているのだと思っているようで、私は怖かった。
彼は誰にでも分け隔てなく話す人だった。
だから、彼と話した人は全員嬉しそうな顔をしていた。
私はそれが嫌だった。
彼に過度な期待をしすぎて、落ち込む人を幾人と見たからだ。
私は彼に期待しても意味が無いことを知っていた。
なのに、私は期待をしてしまった。
失敗だった。私は頑固な気持ちを持っていなかった。
逆らおうともせず、ただ流されるまま期待をしていた。
幾人も期待させておいて彼は死んだ。
彼は病気であった。誰もそのことに気づいていなかった。
私たちは彼のどこまで知っていたのだろう。
私たちは全員、彼のことを表すとしたら同じ表し方をするだろう。
誰にでも分け隔てなかったのは、彼がみんなに同じ印象を与えたいと思ったからなのではと思ってしまう。
彼は空でもきらめき続けるだろう。
「ほんとうに耐えられなくなったら一緒に死のう。」そう言った君の目は妙にきらめいていた。
私は『きらめき』という言葉が好きだ。
海が陽の光に反射してきらめいている。
真っ暗な夜を背景に街の灯りがきらめいている。
小さい少年の未来への希望に満ち溢れたきらめく瞳。
自分の将来に向かって努力している少女のきらめく夢。
『きらめき』という言葉はそれだけで自然の美しさやロマンチックでノスタルジーなじょうけい、人間の様々な感情まで的確に表現してくれる。この言葉を聞くと世界というものは広くて、自分はその中のちっぽけな存在で、少しの虚しい気持ちを抱きながらも悩んでいたことが全部吹き飛んでしまうような気がしてとても気持ちが落ち着くんだ。
きらめき
きらめき、という言葉でパッと浮かぶのは、15歳の娘。
小学校3年生から学校に行かなくなり、あーだこーだトライアル&エラーを繰り返してるうちに、いつの間にか6年も経ってしまった。
中学3年生になった彼女は今、学校ではない場所で大好きなことに熱中し、たくさんの仲間に囲まれて過ごしている。
仲間と一緒に泣いたり、笑ったり、夢中になって大きな作品を作りあげたこの夏。
彼女にとって宝物のような夏だったに違いない。
不登校という世界で、親も娘も悩んだり苦しんだりの6年間だったけど、今目の前にいる彼女はとてもキラキラと輝いている。
娘が変わったんじゃない。
親が成長したのだ。
小さな小学生だった娘も、今と変わらずキラキラした存在だった。
なのに「学校に行かない」という一点が、親の目を曇りに曇らせ、彼女の輝きが見えなくなっていた。
曇ったメガネを外すのに、6年もかかってしまった。
それがどれだけ娘を苦しませてきたのだろうと。
そう気づいた日から、決めた。
この先、ぜったいに曇ったメガネをかけない。
キラキラときらめいて輝く彼女を見逃さない、と。
まっすぐ生きる15歳の娘の存在は、とても眩しい。
「いらっしゃいませぇ」
時刻は、20:05を過ぎた頃。
私は、壁掛け時計下のレジ近くで
バラの手入れしていた。
いつの間にか枯れてしまっていた花や、
いつもより青々としていない元気が無くなった葉を
プチンップチンッと、丁寧に花切狭で切っていたら
カランコロンと、扉を開けて入ってきた事を
知らせるベルが鳴り、男の人同士のお客様が2人来店
1人は、スーツ姿の30代くらい?の
焦げ茶色の髪の色に右手には、買い物帰りであろうか?エコバッグを左手には、仕事用の鞄を持っていた。
もう1人は、明るい赤茶色の髪の毛にお洒落なカジュアル服姿の10代〜20代前半ぐらい?の男の人
身長は…ふたりとも大体同じぐらいの背だ。
「(…おや?こんな時間に男の人が2人…)」
私は、その2人を不思議そうに眺めつつ
右手に持っている鋏を動かしていた。
2人は、鮮やかな色とりどりの沢山の花に囲まれながら
あっちに行ったり、こっちに行ったり…2人仲良く
ウロウロと店内を見て回っていた。
15分ぐらい、たっただろうか?先程まで2人で
仲良く見て回っていたのだが…なんと
今度は、2人とも各々で見て回っていた。
スーツさんは、この店で1番日当たりが良い窓近くにある棚の中の観葉植物達を眺めていた。
「(観葉植物が好きなのかな…?)」
などと、勝手な想像をしながら私は、
切り終わった葉や花の後片付けをしていた。
これで元気になるね。心の中でこっそり呟いていたら
『…あの…。』
と、静かな声が聞こえてきて私はハッと我に返る。
「はっ…はい!」
私は、片付けを中断し声がした方に体を向ける。
そこには、赤茶色の髪のカジュアルさんがいた。
遠くじゃよく分からなかったが、近くで見ると
中々の美形さんでは無いか!
この人は、モデルさんか何か??などと
私は一瞬だけ思ってしまった。
しかし…私に声をかけてきた彼は、
口を開けたり閉じたりしているし、目がキョロキョロと忙しなく動いている。彼は、声をかけてきたが中々話そうとしなかった。
中々本題に入らないので私は、ついにしびれを切らし
「……何か…探している物でもあります…か?」
と、恐る恐る尋ねてみた。
彼は、目を見開き一瞬動きを止めたがすぐに
小さく頷いた。すると、少し顔を俯けながら
彼は小さな声で話し始めた。
『ぷ……プレゼントをしたいのです…
その…2人の記念日だから…。けれど…どんな花が
良いか分からなくて…それで…』
彼は、彼自身の髪の色にも負けないぐらいに
顔を紅くし、時折観葉植物を眺めているカレを
チラリと見て、話せないでいた理由を話してくれた。
「(なるほどね…。)」
私は、1人で納得していた。この2人の
関係性を知ってしまったからだ。
知ってしまったからには、私も
全力で応えようではないか!
「そうですね…。プレゼント用でしたら
……生花だと、すぐに枯れちゃうし
持っても3週間ぐらい。永く楽しめる物なら…
観葉植物?…うーん…でもなぁ…」
カレは、観葉植物を見ていたから
それをプレゼントするのは、何か違うカモ?
と、感じた瞬間。私はアレの存在を思い出した。
「(アレなら!2人とも、喜ぶかも知れない!!)
…お客様!ウチには、こういう物が!…」
✼✼✼✼✼✼
カランコロン…。
扉を開け、外に出ると辺りは車の通りが少なく
空気も夜空も秋の気配を感じていた。
肌で、秋の気配を感じつつ私と彼らは
和やかな空気が身体から出ていた。
『灯夜……ありがとう。花屋さんも…。』
スーツ姿のカレは照れくさそうに、アレを
まるで、壊れ物を持つかのように大事に胸の前で
右手で包んでいた。そこには、透明なケースの中に
色とりどりのバラの花が沢山敷き詰められた。
そう…私が提案したのは、ドライフラワー
2人が、これからも末永く居られるように
そして、今日という日が最高の日でありますように
と、願いも込めて提案をしてみたのだ。
……どうやら、成功したようだ。
2人は、幸せそうにドライフラワーを見つめていた。
それから2人は、三度
感謝の言葉を述べてから、人目を気にせず仲良く
手をつなぎ秋風と共に、この花屋を去っていった。
その後ろ姿が見えなくなるまで、
私は2人を見つめていた。
「…さて。店閉めますか!」
私は、再び扉をカランコロンと
音を立てながら開け店内に入っていった。
花屋の名前は《きらめき》
明日も、誰かの心にキラキラとした出会いと
幸せな1日が訪れますように
「貴方には、分かりませんよね」
目の前の白衣の男が、冷めた声でそう言った。視線は俺の目より僅か下を向いている。俺を直視する事すら躊躇われる程なのだろう。
「もう何もかも手遅れだ、貴方がこんな事さえしなければ」
彼は溜息を吐いた。思えば、俺は何度も彼にそうさせていた。微かに震えた指先も、怒りを孕んだ声音も、苦しそうに時折伏せる目も、全て俺がしてしまった事の結果をとてもよく表していた。
「貴方の所為で何人が死んだと思っているんですか?貴方の軽率な判断の所為で、僕も皆も、何もかも失ってしまった」
現場は正に惨状、という感じであった。仲間達…いや、もう既にそう呼ぶ資格も無いぐらい…の遺体が、誰が誰かも分からないぐらい熔け合って滲み出している。床は赤黒い液体に浸され、靴を汚す事を余儀なくされた。
「もう、どうしたら良いんですか、僕は、祖国に何を言えば良いんですか?“戦争”は終わったけれど、貴方を除いて誰一人守れずに、僕はどこに帰れば良いんですか」
彼はAI技術に携わる研究者だった。凄まじい才能で、仲間と共にアンドロイドを創り上げ、各国に兵器として“配布”した。だが、或る一つの国が使い方を間違え、暴走させてしまった。別にただの機械、壊してしまえばなんとも無い。しかし、これは兵器だ。人間は次々と無差別に惨殺され、開発チームの俺達が対処に来た訳だ。そしてその結果がこれだ。
「僕の気持ちが、貴方には分からないですよね」
いつの間にか彼は泣き出していた。大嫌いな俺の、今はもう赤黒く染まった白衣に顔を埋めて。
「アンドロイドが暴走した時、僕はもう死ぬかと思いました。使い方を間違えた相手が悪いなんてとても言えなかった、数え切れない程の批判を受けて、各国の偉い人達に意味の分からない言語で責められて、頭がおかしくなりそうでした」
兵器の暴走が国内ニュースでも大々的に取り上げられた時には、彼は呼吸をする事も出来ていなかった。鬱になっていたのかも知れない。まぁどうだって良い。どっちみち彼は死ぬのだから。
「どうして、貴方はアンドロイドに暴走を学習させたんですか?人間への反逆や暴行は禁止だと分かっていたでしょう?」
怒り、というよりも悲しみの方が的確か。俺の腕に抱擁されて、彼はそっと此方の目を見た。濡れた眼が何よりも愛しかった。
「……お前を、殺したかったから」
「え、?ッう、ぐぁ゙ッ!?な、なにして…ッ」
「ずっとこうしたかったんだよ」
「やめ゙ッ、はなして…息できな、い」
俺は彼の首を絞めた。アンドロイドに殺してもらう予定だったが、どうやら生き延びてしまったので俺が直々に手を下そう。
「は、ぁ……ッ、ひゅ…ぅ……」
案外早く息を引き取ったらしい彼の目を閉ざしてやる。アンドロイドなんて玩具に執着して、国に貢献しようだなんて馬鹿馬鹿しい。俺を差し置いて“仲間”なんてものと戯れる彼なんてらしくない。俺は親友だ。お前等とは違う、親友だ。やっぱり俺が殺せて良かった、軽々しく触れるなんて許さない。美しい人形となった彼は、俺だけのものだ。盗んだ技術でAIとして復活させて、生身の身体は思う存分使わせて貰おうか。他の奴等とは違う、綺麗なままで死体になった彼は、星よりも花よりもずっとずっと、きらめいていた。
今思えば、煌めく星のような人だった。はじめて話す割には、コミュ障の私でもよく話せた。一番と思えるほど仲良くなった。向けてくれる笑顔も好き。でも、最近は私と貴方の距離が遠くなっている気がする。察してた。あんまり話したくないんだなって。貴方は私とは違う。こんな私じゃ釣り合わない。他の子といたほうが笑っている。楽しそう。それでも、それに気づかないふりをしてまた、貴方に話しかける。
一時の『きらめき』がいつまで経っても忘れられなくて。
あんなにきらきらした夏は今までも、きっとこれからも無いんだと感じてしまって、少しばかり感傷的になってしまうくらいには惹かれていたのだろう。
今思えばもう少し素直になれば良かったと思うくらいには。
それでもあの夏があったからこそ、それからの僕も今の僕もいる訳で。
接点なんて彼が作って、繋いでくれなければ。
彼と出会わなかった未来は想像したくない。
それくらい深く根付いて、無理に引き剥がそうなんてもはや出来そうもない。
「きらめき」(一行詩)
ちっぽけな石だって磨けばきらめきを放つ
◆
キラキラ耀く世界には鋭い刃を隠している
◆
街のネオンカラーが誘惑魔になる
◆
ミラーボールのきらめきは君のココロに残っているかい?
◆
ドピンクな明かりはきらめきを通り越して
まだ小さい時に見たイラストメイキングの動画。
プロの道具みたいなペンで彩られていく宝石のような世界が綺麗で、私も描きたいって思った。
始めるのに大きなきっかけは必要ない。それを早くから実感した人生だと思う。そのおかげか、何かに取り組むのにあまり躊躇が無くなった。はずなのに。なんで私が本当にやりたいことはこんなに狭い道なんだろう。幼い頃から現実を知って大人ぶった報いなのか、神様はいじわるだ。夢だけ見続けてる、その方が子供みたいなのに。
あんたのそのきらめきがホントに大嫌いで憧れだった。
探す
2024/09/04㈬日記
ゲーム以外でなにか面白いアプリが
ないかなあと探してみる。
たまに探すと新しいアプリを知ることになる。
ちょっとだけ繋がれるSNSは
魅力的に思える。
でも、何か嫌な気持ちになるかも
知れないと思ったり、
逆に、ここより面白いまたは
使い心地が良かったら?
そんなに繋がりたいのか?と自問。
結局、インストしない。
Keshi君のアルバムが来週発売されるのを知る。
前にも書いたけど、彼は癒やしの人で
好きだけど、追いかけたりはしない。
時々、聞けたら良いなって感じ。
Keshi君は穏やかで可愛らしい
ベトナム人。
でもフィアンセには情熱的。
そこが魅力的。
ちなみに彼女は日本人で
親しみを感じる。
また、しばらく暑い日が続くみたい。
NHKの防災アプリを使ってるんだけど、良く眠れない、寝ていて途中覚醒と疲れが取れないのは残暑バテだと。
思い当たる。
食欲はあるから、何か安眠促進の
食べ物はないかなあ…
いや、そうじゃなくって探すより
早く寝なさい。
まだ眠るまで、日記を書いたり
本を読んだりするから遅い。
おやすみね。