『あなたとわたし』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「どうして私に構ってくるの」
学校での私は、親しみやすい良い子ちゃんに擬態している。
平均から外れないように。
みんなの輪から離れないように。
そればかり気にして、気を使ってる。
言いたいことを我慢してるし、やりたくないことをすることも少なくない。
だから、出会ってすぐに私の本音を暴いた、あの転校生の男子は危険人物。
近づかないようにしよう。
そう思っていたのに。
なにかにつけて私に絡んでくるのは、なんなの。
もしかして「おもしれー女」認定されてる?
いやいや、普通に接していただけだし、本音と建前使い分けるなんて誰でもやってることのはず。
鏡の中の自分を見つめる。
一目惚れされた可能性は……うん、ないよねぇ。
────あなたとわたし
あなたとわたし 詩
あなたと私、どこが違う?
認めよう人それぞれのいろんな個性
相手のことを理解し
相手のありのままを受け入れる事
そうする事で人は自然と分かり合える
相手の個性を尊重する事で
争いのない平和な世界に向けての
第一歩になりますように
「ひとを殺したって言ったらどうする?」
「通報する」
即答だった。一瞬の逡巡すら感じなかった。
「その場は適当に宥めすかして、逃げてから通報する」
やけに具体的である。なんというか生々しい。
「一緒に死体埋めてくれるか聞きたかったんだけど」
「免許持ってるやつに頼めよ」
それはそうだ。車がなければ埋めるとこまで辿り着けないだろう。だがそういう話ではない。
「誰に頼まれたら死体埋めを手伝うかって話」
「誰に頼まれてもやらないだろ」
お前もそうだろと言われるとなにも返せない。うぐぅとだけ呻いておいた。
「…脅されれば手伝うかも?」
哀れまれたのか苦し紛れの答えが返ってきた。未だそうじゃない感から抜け出せていない。
「少なくとも友達に頼まれたからって死体を埋めたりはしない」
面白みのない回答だったが収穫はあった。
コイツはわたしを友達と思ってくれているらしい。
「照れるぜ」
「急にどうした」
貴女と私は全然違う
趣味も好みも、生まれた環境も
だけれども惹かれたのは、きっと何かがあるからなんだろう
感性と倫理感、他にもいろいろ
違うところも認め合い、そうして繋がっていくんだ
毎晩のあなたからの電話でいつも励まされる。
悩み相談に乗ってくれるあなた。
あなたの会社の愚痴を聞くわたし。
二人の鉛のような重しを
毎日の電話という天秤に載せ、
互いに受け入れる事で釣り合う。
あなたが居てくれるから、わたしは前を向ける。
わたしが生きているから、あなたは支えられる。
あなたはこの詩を読んでおかしくて笑うかな。
でも、あなたがわたしの精神安定剤。
「見合い話というか……単刀直入に言うと、ムルに俺との結婚の話が来てる」
呼び出されて何かと思ったらそんなことを言われた。
「あーそうか。私ももう……21?だもんね本体は」
「本体って何だよ」
私は見た目を12歳くらいに固定しているので、あまり歳を取ったと実感することがない。
「でも、ユトが執事としてここに来たときから『そういう』ことだったって意味になるよね」
「だな……まあ近くに置けば勝手にくっついてくれるだろうしそうじゃなくても未来の結婚相手だぞ、ってことだろうな」
やはりそういうことらしい。
「それはいいけど……ユトが次の王になるって事だよね?」
「一応ムルが王権継承者だから、ムルの推薦で次の王、ってことにはなるだろうな」
「変な感じ。ずっと私ユトより地位としては上だったのに」
「へへこれからはお前が敬語で話すんだぜ」
「嫌だなあ」
そんなことを言いつつユトは敬語なんて使おうとしない。
「んじゃそういうことで、私と結婚して頂けますか?」
「ん。後で指輪買ってね」
「仕方ないな……」
拍子抜けだが、こんな感じで私とユトは結婚することになった。
理系と文系
和食と洋食
気長と短気
好きと大好き
「あなたと私」
テーマあなたとわたし
あなたとわたしの違い
種が違うことかな
しかしあなたは
原点にして頂点
人類はあなたの下僕
最強なあなたにメロメロ
まずはわたしから… 私にとってあなたはかけがえのない宝物である 一緒に住んで6年 毎日たくさんの癒しを貰っている ありがとう 次はあなたから… まあ想像でしかないが 一緒に寝ている姿を見ると満足してくれてるんじゃないかな?と思っている…
これからも どうぞ よろしく!
ポポヤ
【あなたとわたし】
真っ先に
踊るてんとう虫を思い浮かべる辺り
我ながら歳を感じる
わたし
それは良い
いつもの事だ
あなた
これは随分と限定的だ
これを誰にするかでその先がほぼ決ってしまう
流石に知らない人にはならない
君でもアイツでもあの人でも無くあなた
だいぶ絞られてしまう
熟考の末
今回は
好きだった作家さん
だったと言うのは
嫌いになった訳では無く
亡くなってしまったから
最近の事のように思うが
もう20年も前の話だ
もともとは別の大好きな作家さん?が居て
本に限らず
その人の作品を集めていた
その作品の中でちょいちょい名前が出るもんだから
気になって仕方ない
好きな作家さん?に影響を与え
間接的に自分も影響されてるに違いない
必然と思える好奇心から
その人の本を読んで
それは見事にハマった
歳も倍以上離れ
時代背景も文化も生活圏も性格も違う
そんなおっちゃんの紡ぐ
粗野で美しく痛快で儚い言葉達が
妙に心地良く
そこに乗せられた物を
余すことなく理解したいと
イメージを膨らませながら繰り返し読んだ
もう新作を読めないのが残念だ
気付けば自分も
おっちゃんの亡くなった年齢に近づきつつある
今度改めて読み直してみよう
当時の自分を思い出しながら
わたしはいつも絵本を読むの
あたまのなかにある本は
わたしの書いた物語だから
しあわせも
かなしいことも
どんなことも
きらきらしたものにできる
ひとを好きになるって
どんなきもち?
ハッピーエンドしか信じられないから
汚れたきもちは
恋愛って呼びたくないまま。
何も知らないまま 大きくなっていく。
ゆめのすがたと かたちだけ。
胸のなかのあなたは
こんなにもきれい。
きれいなほど わたしは何も見たくないだけ。
許せないだけ。
籠の中のおとなしい鳥が 私は好きなだけ。
あなたとわたしの間には何も無い。
私が今話している人は私に向けて嘘を話していて、その人と話していた人は嘘しかつかないとして、この人はあの人が嘘しかつかないことを知らないなら、今話している内容は何処からが嘘で何処からが本当なんだろう。
いいや、あなたとわたしの間には何も無いんだ。何も無い。けれど、あなたが嘘を話すなら、私は
これはまだ未完成の、途中の考え…。
マンガ『君たちはどう生きるか』で
コペル君が最後に言う。
「自分中心に回ってると思ってた世界が実は中心は自分だけじゃないと気づいた。じゃあ何が中心なのか?太陽のような存在が回してると思ってたけどそうじゃない、中心なんて無いのかも。皆それぞれが流れを作り出してる。」みたいなことを。
詳細は調べ直してほしい…。
これを読んで私は簡単なことだと気づいた。
答えは身近にあるじゃないか。
「宇宙」だ。
自分の世界は自分中心で回っている。
すなわち自転だ。
そしてそれは自分だけではない。
この世のもの全てが自転している。
つまり、それぞれ自分中心に世界が展開してる。
物語が紡がれている。主人公という意味だ。
それぞれ自転しているものが
空間にばらまかれている。
つまり宇宙だ。
自転するものの中には
周りをも巻き込む存在がいる。
つまり太陽だ。
そして、その太陽系をも巻き込む存在がいる。
つまり銀河だ。
宇宙の原理は見事に人間社会にも当てはまる。
だから、答えは『宇宙』なんだ。
宇宙の中に『宇宙』がある。
『宇宙』の外に宇宙がある。
『宇宙』の外に宇宙があるならば、
宇宙のさらに外側にも“宇宙”があるのだろう。
例えば宇宙が一つの細胞だとしたら
成長(拡大)していっているのも頷ける。
さらに外の“宇宙”の観測が難しいのもね。
『宇宙』と言ってしまうと
三人称的視点で(漠然と)
宇宙を観ることに慣れた人達は
振り出しに戻ってしまうだろう。
でも人間社会という『宇宙』を観る時、
三人称的視点にだけ戻ってしまってはダメだ。
それぞれ自転している。
一人称視点で(を意識して)観る。
相手から自分を観た思想行動考えもある。
二人称視点で観る。
つまり、『宇宙』を観る時は
一人称二人称三人称視点で同時に観て
その条件・環境で起き得る皆それぞれの言動を
そのまま受け入れることだ。
怒ったりせず。
何故なら
その相手と全ての条件が同じにされ
その環境状況に自分が投げ込まれた時、
相手とまったく同じ言動を
自分も取るはずだからだ。
なぁに簡単さ。
よく聞く言葉。
「相手の立場に立って考えよう」だ。笑
よく相手を観ることだ。
自分中心にしか観ていない人は
相手中心に。
相手中心にしか観ていない人は
自分中心に観る目も持つことが大切だ。
相手の感じる感情は自分でも経験してみないと
完全には理解できない訳だからね。
大切だよ自分視点も。
あなたは息子
あなたは娘
私はあなたたちによって形作られました。
今の自分が私は大好きです。
「あなたとわたし」と英語で言うとき
You and Iと書くんだよと中学生の時に習った。
I and youでは間違いらしい。
どっちでもいいじゃん、めんどくさいなあ
という気持ちになったのを覚えている。
今、なぜYouが先なのかを考えた時に、
相手への敬意とか謙遜とかそういうことなのかも
という思考になった。
せんせー、大人になりましたー
(あなたとわたし)
「あなたはあなたらしくやりたいことをしなさい。それが私にとっての幸せでもあるから。」
私があなたのそばから離れるとき、あなたは確かにそう言った。誰もが否定した私の夢を、あなただけは見つめて、背中を押してくれた。
わたしにとって、あなたは憧れ。
わたしが欲しかったものを全部持っているように見えたあなたを嫌いになりそうにもなったけど、次の日にあなたの顔を見て、声を聞くと、もやもやはどこかに消えていってしまった。
そんなあなたが、わたしの夢を知って応援してくれたとき、言葉にあらわせない何かがわたしの心に芽を出した。
あなたが背中を押してくれるなら、何だって出来そうな気がした。
数年後。
わたしはあなたの言葉を支えに、夢を追いかけて、そして叶えることが出来た。どれだけつらくても、あなたの言葉が私を支えてくれたんだよと伝えたかった。
でも、あなたがいた場所に、あなたはもういなかった。そして、もうあなたには会えないことも、なんとなく分かってしまった。
人伝いに、あなたがわたしに残した手紙を受け取った。
そこには、あなたの優しい文字で、たくさんの言葉が書いてあった。
あなたにも叶えたい夢があったこと。
でも、諦めてしまったこと。
わたしには夢を絶対に諦めないでほしいこと。
ずっと、応援していること。
ずっと、変わらずわたしが大好きであること。
そうして、最後にひとこと。
『あなたはこれからも、わたしの憧れです。』
…わたしだって、あなたにそう伝えたかった。
→短編・ミミック
新宿ゴールデン街のバーで知り合った、トムと名乗るアメリカ人とすっかり意気投合した。
聞けばトムはシカゴでバーを経営しており、ゴールデン街には視察の名を借りた観光で訪れたという。
そう言うことなら多く軒数を回ったほうが良いだろうと、狭い路地を行ったり来たり一緒に何軒かをはしごした。
僕の乏しい英語力と彼の僅かな日本語の単語を駆使して、僕たちは会話を交わした。完全な会話とはいかなかったが、とにかく大笑いをした。僕の人生で最も笑った一晩だと思う。
彼は幾つかの日本語を操って、コミュニケーションを楽しんでいた。挨拶は言うに及ばず、簡単な賞賛の言葉の「おいしい」や「ありがとう」、「イイね」「サイコー」その単語集には「ヤバい」もあって、彼の気さくな人柄をうかがい知ることができた。
彼の英語なまりの日本語は独特のニュアンスを持っていて、僕の頭で翻訳されるとき、すべて平仮名かカタカナで変換された。
別れ際にトムは叫んだ。
「あなたとわたし、サイコーのともだち!」
真っ直ぐに心に響くその言葉に答えて、僕は大きく手を振った。
トムも同じように手を振り、そのまま真夜中の路地に消えていった。
彼の背中を見送りながら、たった一晩の友情も面白いなと、その別れ際の言葉を僕は宝物のように感じた。
しばらく経って、ネットのニュースを見流しているとき、知った顔が目に飛び込んてきた。
トムだった。
その記事が伝えるには、彼は数十件にも及ぶロマンス詐欺の容疑者として逮捕されたという。
警察に連行されて顔をゆがめる彼の姿に、あの夜の面影は何処にもない。しかし、確かに彼だった。
さらに名前もトムではなかったし、日本に十年近く住んでいたらしい。
思えばあの日、彼は僕が何度言っても連絡先の交換をはぐらかした。写真すら撮らせなかった。チョイスされた単語は相手の気分を良くさせるものばかり。シカゴのバー経営も嘘だったのだろう。もしかすると僕を投資詐欺にかけようとしていたのかもしれない。
英語なまりのイントネーションも嘘だったのだろうか?
「あなたとわたし、サイコーのともだち!」
宝物だと思っていた言葉は、僕を騙し討ちするミミックだったのだろうか?
スマートフォン越しの容疑者の顔と、あの晩の好青年の顔が交錯して溶け合う。
僕はたまらずスマートフォンの画面を消した。
テーマ; あなたとわたし
あなたとわたし
基本一人だからこういう誰かとみたいなお題は俺には難しい。なのでダイエットの話をしよう。
トマトジュースを飲むようになってから健康意識が高まり本気で始めることにしたダイエット。問題はどうやって痩せるかだ。
実は俺は自分が太る理由を知っていた。理由はデザートの食べ過ぎ。俺は毎日デザートを食べていた。シュークリームとかね。
このデザートを冷凍保存できそうなものは冷凍しておいて家に貯えていた。だから毎日最低でも一つは食べていた。
このデザートによるカロリーが多いと千キロカロリーくらいあった。そりゃ太るわって話だ。
なので家にあるデザートは全部捨てた。これがダイエットを始めるためのスタートラインで俺の覚悟だ。
そして肝心の痩せるための方法だがこれは前にもやっていたあすけんによるレコーディングダイエットにする。
やっぱり数字でカロリーを管理することは大事だ。結局摂取カロリーが消費カロリーを下回ればいいだけの話なのだから。
そういうわけで俺は今後デザートを食べない。食事の記録をちゃんとする。これが俺のダイエットだ。
貴方と私の関係は、切っても切れないものです。日毎貴方は私に食事を与えてくれます。貴方は私に心地よい部屋を与えてくれます。貴方は私の顔を見つめて、にこっと笑ってくれます。私は貴方の目を見つめ、ノドの奥を鳴らすことしかできません。それでも貴方は「君がいてくれてよかった」と言ってくれます。「君がいてくれるから、私は生きていられるのよ」と。貴方がいなければ生きられないのは私の方なのに。貴方は時折、ニオイのない箱をのぞいては、哀しい顔をして私の部屋から去ってゆくのです。夜毎私は独りになります。
あなたとわたしの関係は、断ち切ることができないほどもつれて絡み合ってしまった。わたしはあなたに会いに行っては、涙を拭きながら帰っていく。あなたの酷い仕打ちに何度遭ってもあなたから連絡が来れば足を向けるのを止やめられない。これ以上あなたとの関係を続けても、想いの激しさに身体を灼かれて、生きているのが苦しくなるだけだと分かっているのに。
貴女と私の関係は、もう修復することができないところに来ていると思うのです。私が他所に女を作ったから? 冗談を言ってはいけません。貴女がそう仕掛けたようなものじゃあないですか。そうやって私の帰りを待つだけが貴女の仕事ですか? そんなことならその、ほら貴女が飼い始めたそこの犬っころだってできることですよ。もうよろしいですか?私はもう行きますよ。今夜も遅くまで宴席があるのでね。
その夜、貴方は私の部屋に厭な臭いの男を招き入れました。この臭いは貴方が朝に帰ってきた時に、貴方に付いている臭いと同じです。私はこの臭いが厭でした。男が貴方に触るのを見て、私は厭な気持ちになって低く唸るような声を出しました。男は私に向かって手の甲を向け、私を退けるような仕草をしましたから、私の部屋に入ってきた余所者はお前だと、大きな声で吠えてやったのです。それを見た貴方は狼狽することなく、しっかと私の顔を見て、男を部屋から追い出してくれたのです。
「アンタが私にしたことを、私は絶対許さない!」あなたを部屋から出した後、外からそんな悲鳴が聞こえた。そのすぐ後に、あなたの叫び声が聞こえてきたけれど、わたしはしっかりと鍵を閉め、部屋の奥に駆け戻った。わたしは君を抱き寄せて「大丈夫だよ、怖くないよ」と言ったけど、君の方が身体を柔らかくして、私のことを包み込んでくれたね。やっぱり私は君なしでは生きていられないな。
アナタはアタシの先輩で、この部屋の主あるじのように振る舞っているけれど、アタシはちゃあんと知っています。あの人の姿を追うアナタの目は尊敬に満ちていて、アタシが入り込めないくらい深い絆で結ばれているんだってこと。でもアタシだってあの人には大きな恩があるんだから。前のご主人様がいなくなって、捨てられそうだったアタシをあの人は拾ってここに住まわせてくれた。だからアタシもアナタと一緒になって、あの人を喜ばせてあげるんだから。
生き生きとした彩の華やかな都に奇しくも隣り合って、薄黒い半地下の街は冷たく横たわる。工場群が吐き出す煤けた空気がベールほどの薄い雲となって、空を仰げば堂々としている月から隠れ息を潜めているような後ろめたさがあった。
「なんか書いてや」
半地下街の男子校、その一角。囲碁将棋部と名付けられた密室から、今夜も元気に声が聞こえる。餓鬼共が起き出すのは月といっせいで、真っ暗な校舎の中で囲碁将棋部だけが立て付けの悪い扉の小窓から光を溢しているのだ。
「めし……やがれ」
「ギャハハ!あだろバカだなテメェ!」
「そんで字きたねぇ」
十七にもなる餓鬼共が先ほどから喧しいのが、オムライスの卵にケチャップで文字を書くあれで、
あなたとわたし