あるまじろまんじろう

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 生き生きとした彩の華やかな都に奇しくも隣り合って、薄黒い半地下の街は冷たく横たわる。工場群が吐き出す煤けた空気がベールほどの薄い雲となって、空を仰げば堂々としている月から隠れ息を潜めているような後ろめたさがあった。
「なんか書いてや」
 半地下街の男子校、その一角。囲碁将棋部と名付けられた密室から、今夜も元気に声が聞こえる。餓鬼共が起き出すのは月といっせいで、真っ暗な校舎の中で囲碁将棋部だけが立て付けの悪い扉の小窓から光を溢しているのだ。
「めし……やがれ」
「ギャハハ!あだろバカだなテメェ!」
「そんで字きたねぇ」
 十七にもなる餓鬼共が先ほどから喧しいのが、オムライスの卵にケチャップで文字を書くあれで、




あなたとわたし

11/8/2024, 1:10:58 AM