『高く高く』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
お題『高く高く』
部屋の隅に高く高く積み上げられる、
胴体と頭、手足がバラバラになったマネキン達。
だるまさんがころんだゲームの攻略がわかった俺は1体、また1体と次々に動いたマネキン達を指差していく。
残り1体になったマネキンと俺の一騎打ち。
もうすぐ勝負が決まる。
「だ〜るま〜さんが〜〜ころ〜〜んだ!!」
振り向くとマネキンは俺に近づきながら自らの左腕を外していた。
あのマネキン何をしようとしているんだ。
壁側に向き直しもう一度
「だ〜るま〜さんが〜……」
ビュン!?
言い終わる前に俺の横を何かが飛んできた。
そして壁に刺さっている。
「なんだよ!?危ねぇな!……う、腕」
振り向くとマネキンの左腕がない。
あいつ自分の腕を投げやがった!?
自分が最後だと理解しているのかマネキンはルールを無視してでも勝ちたいらしい。
「そっちがその気なら俺には奥の手があるんだよ!」
そう言いながら俺は高く上げた手をゆっくり下ろしてマネキンに向かって人差し指を差した。
End
《高く高く》
保全させていただきます。
いつも読んでいいねを下さっている皆様にはいつも本当に感謝しております。
この場をお借りして、御礼を申し上げます。ありがとうございます。
秋の空は高く。
澄んだ青空がだんだんと色付いて
建物の影と鳥の影とコントラストを生み出していく。
金木犀の香り。
高く高く、広がる空に感傷的になるのはどうしてだろう。
何か哀しい事があったわけではない。
何か悩んでいるわけでもない。
ご飯は美味しいし、日々は楽しい。
でも、駆け抜ける毎日の中、ふっ、と
見上げた秋の空の高さに
戻れない瞬間を想ったり
もう会えない人を望んだり
この空を見せたい人を思い浮かべたりしてしまうのは。
自分が大人になったからだろうか。
子供の頃はどこまでも続くような高い高い空が
冒険心を掻き立ててくれたものだけれど。
涼しい風が、ふわりと葉を巻き上げる。
高く、高く。
つられて視線を上げた空に浮かぶ大きな白い月。
繰り返す季節を思う。
もうすぐ星や月が綺麗に見えるようになるな
イルミネーションも始まるのか。
あっという間に春になって
桜が咲いたら夏が来て。
若葉が芽吹いたら…。
1年の終わりに向かう毎日の中、この高い空をあと何度見れるのか想像する。
あぁ、そうか。
季節が過ぎていくことそれ自体が寂しいのか。
秋の高い空を見て感傷的になる。
あまりに短い秋が過ぎ去っていく。
高く高く、月が昇る。
過ぎていく日々を愛おしく思う。
高く高く
僕はこれからも上へ生き続ける
俺が俺である以上たった一人の言葉いがい俺は聞かない
それはあなたの言葉じゃない。
あなたはクズだ
とんでもない屑だ生きてる価値のない人間だ幸せになってほしくない。心からあなたが幸せになることを拒んでる
自分を持つのはいいが観衆はそれを否定する
あなたはそれに耐えられるのか
もう早速他に行こうとして失敗したあなたが?
笑いが止まらないよ
俺にここまで言わせるお前の人間性の方が心から腐ってる
もし叶うならあなたに死んでほしい
ものすごい痛みをわずらって長く苦しみもがいても無駄で己の無力さを呪い死んでほしい
あの人に止められなければきっともう行動していたのに感謝してほしいねあの人に
ps僕はあなたを理解したくない
吐いた煙は何処へ向かうのか。
風に乗って高く高く舞い上がり、やがてあの雲と同化するのだろうか。
星を隠して、月を隠して、そして雨となり、再び戻ってくるのか。
なあ、どうなんだ。有害物質さんよ。
【 高く高く 】
人の世の遥か下、地底が生活圏の俺。
たまに堕ちてくるヒトをいたぶるのが唯一の楽しみだ。
ある時堕ちてきた奴は、変わり者だった。
恐怖に怯えるわけでも、パニックで喚くわけでもない。
自分の置かれた状況を理解しているのか、冷静だった。
「お前、何でそんななんだ?」
「長く生きてきたんだ、今更何を騒ぐというんだ」
興味が沸いた。
変り映えのない日常を彩るかのように、
博識なソイツとの会話は止まることを知らない。
だが、相手は所詮ヒト。
堕ちてきても、いずれは朽ちる存在だ。
「お前、もう死ぬのか? 俺がつまらなくなるだろ」
「人生最期にまで貴重な体験だった。ありがとう」
ヒトは、こんな生き物だったか?
俺から害を為さないからといって、
この状況で平然としていられるものか?
これほど魂の気高い生き物は、俺の永い生涯で初めてだ。
願わくは、俺もアイツと同じ高みに逝けますように…。
高く高く登る君
私の手の届かない所に
行かないで
君を見つめていたいから
君をなでていたいから
でも君はチョッカイ
されずに昼寝したいのね
今はないが以前ウチの最寄り駅の
バス乗り場まん前に斎場があった。
バス待ち中すごいものを
見させられることもある。
だいたい仕事帰りの時間帯は大抵
日が落ちてるので出来れば目を向けないのだか。
一度だけ箱に入ってない状態で
白い布だけかけられたご遺体を
運んでいるのを見たことがある。
なんでそんなことになったんだろう?
いけね、高く高くから遠退いた。
なんでこんな話を始めたかというと
斎場の前に見上げるほどのドデカイ男子集団が
たくさんいたことがあるのだ。一人二人ならともかく
あの集団には驚いた。
バスケかバレーボールの先生とかが亡くなったのか?
今思い出してもなかなか凄い光景だった。
(高く高く)
飛行機の音がする。距離は離れているのに、風を切ってごおごおと音を立てている。
同時に聞こえるエンジンのような音は、風を切る音よりも少し高い。エンジンの穴が空よりも小さいからだろう。
エイは今日も仕事のはずだが、暇でやることがない。一人きりの部屋で目に映るのはパソコンの編集されない表計算ソフトの罫線、だが心は上の空だ。
エイには1ヶ月後、飛行機に乗る予定があった。もともと旅行は好きだが、飛行機に乗るのはずいぶんと久しい。車や電車よりも持ち込み制限が厳しいので、慎重になってしまう。
そんなわけでエイはもう旅支度を始めていた。スマホのバッテリーや液体の持ち込みは問題なかったか。チェックインはどのくらい前に済ませておかねばならないか。休日はもっとゆっくりしたいのに、昨日はそれだけで1日が過ぎてしまった。
そして週が明け、相変わらず大きな仕事はないままだ。
カーテンに遮られて空は見えないが、エイはその先にある青空を想像する時間が好きだった。目に見えないから、どこまでも想像ができる。あの音は海外へ飛ぶのか、まだ高度を上げているのだろうか。
そんなことを考えているうちに、パソコンがもうすぐ会議の時間だと告げた。カメラ越しに無意味な時間が始まる。いや、そうすると飛行機について考える時間も無意味なのか?段々とカーテンの向こうが曇り空に見えてきた。
案の定、会議では新しく決まったこともなく、エイに振られる仕事もなく終わった。会議用の顔をやめて椅子にもたれ掛かる。
会議が終わると夕方だ。飛行機の音は変わらず聞こえてきている。カーテンの影には僅かにオレンジ色が落ちていた。
エイは自分の目標を見失っていることに気づいていた。目標がないから仕事が暇になってしまうことにも。
飛行機の目標は高く飛ぶことではない。客あるいは荷物を遠くへ運ぶことだ。エイもこの後運ばれる予定がある。
飛行機はこんなにも雄大な音を立てているのに、エイよりもはるかに速く動いていて、1日何本も忙しなく往復していた。そう思うと、ふとカーテンの向こうを見たくなった。
午後の空は眩しい。雲はなく、遠くに飛行機が見えた。飛行機は決して速くは見えないが、間違いなく動いていた。
エイも全く仕事をしていないわけではなかった。日々淡々と同じような業務をこなしてあとはやることがないだけだ。
飛行機と自分、違うのにどこか似ている。エイは自分も動けているはずだと勝手に結論づけた。
明日も仕事をする。それでいい。どんなことでも、経験は高く積み上がっていくはずだ。
飛行機に生きる意味をもらったような気がして、エイは少しだけ前を向いた。
★高く高く
高い場所に行きたい
全身に風を感じたい
この世界を見渡したい
特別になりたい
自由になりたい
私は鳥になりたい
目標は高く高く、成績も高く点数も高く、なんて高く高く言われちゃうから辛くなる、期待もプレッシャーも高くなるほど自分は低く惨めになる
朝、家を出ると外の空気が肌寒く感じるようになった。
歩く途中、何本も続く街路樹がある。何気なしに見ている木だけど、何ていう木なんだろう。イチョウなら葉の色形ですぐ分かるけれど。この木の葉っぱは何だかカエルの足に似ている。
後で調べたらトウカエデという木だった。名前を知ればより愛着もわく。よく見渡せば街にも色んな木があるんだな。高くそびえ立つあの木とか、白い花をつけるあの木とか。この木なんの木、気になる木。
まずは明日もトウカエデさんに挨拶して行こう。
高く高く
どれほど嬉しかったか。
わたしは間違っていなかったんだと、ちゃんと救えていたんだと言われた気がした。
『先生は私の恩師です』
なぜ?と茶化して問いかけると、彼女は常識だとでもいうように答えた。
『ぜんぶ』
わたしは何かを出来ていたらしい。彼女を助けられていたらしい。
わたしは、彼女が欲する言葉を持っていないのに。
わたしは知らない。彼女がどれほど高くわたしを見ているのか、それは本当にわたしなのか。あるいは幻想ではないのだろうか。
しかし彼女の視線はいつも背中に感じていた。高い高いわたしの理想が、壊れてしまいそうなほどに。
『彼女と先生・おまけ』
『高く高く』
書の先生には息子がいて、私が教室に入った時から教室の中では誰よりも書が上手かった。先生の書が大好きで教室に入った私からすると同じ屋根の下で誰よりも長く先生の指導を受けられるそのひとのことは妬ましく羨ましい存在だった。
「君はいいね。先生に褒められて」
彼が少し寂しげに言ったことを聞いてから教室をよくよく見てみると、書の上手下手に関わらず生徒を褒めがちな先生は彼のことを一切褒めてはいなかった。彼のことを見ていると先生の背中ばかりを見つめているようだった。
「お父さん、って呼んだことないの?」
「もう10年以上は呼んでない」
「書を書くのは、好き?」
「……嫌いになりかけてる」
洗い場で俯きながら筆を洗う彼をこのままにさせてはおけない。
「私、これからはもっと高みを目指す。あなたより書が上手くなってみせる!」
洗いたての筆を突きつけて宣言すると、彼は何言ってんだこいつという目で私を見た。
「だからあなたはいつも私より上手い存在でいて。ずっと私の上にいて」
「何それすごい勝手」
呆れながらも少しだけ笑った彼は、それ以降先生に言われるだけだった姿勢をあらためて書に取り組み始めた。どこへたどり着いても先を行く存在の彼には引き離されてばかりな気がしてこちらの気がめげそうになったりしながらも、私は追いつくことをやめようとはしなかった。
私が見上げているところにいる彼は今日もどこかでもっと高くに向かって走っている。立ち止まっていては彼に追いつけない。
「やるか」
真白い紙の上に墨を含んだ筆が躍りゆく。心の揺れもそのままに、私の軌跡はさらなる高みを目指し続けていた。
がむしゃらに高みを目指すとき、
他人の幸せを踏み台にしていないか、
気にかける余裕を持とう
「高く高く」
小さな子供が誤って手を離した風船のように
空へ向かって高く飛ぶ日が来たら
私は自分が染めた色をさらに濃くしていきたい
誰かの好きな色になったと知ったら
その人を大切にして
その幸せを鳥に割られないように高く高く飛ぶ
母親のオユンは今年初めて卵を産んだ。
卵を産んで約一月、オユンのお腹の下で卵の中の雛たちが動き出している。オユンはどきどきしながら卵の様子を伺っている。そばでは父親のバトも雛たちの誕生を今か今かと待ち構えている。
コツコツと内側から殻を叩く音が聞こえる。殻の一部分にヒビが入る。小さなかわいいくちばしが覗く。続いて頭。つぶらな瞳がオユンを見つめる。オユンが優しく微笑むと雛は殻から這い出してきた。オユンはこの雛に『リグジン』と名前をつけた。
隣の卵も微かに動き出した。全身で殻を破ろうとしているのか卵全体が激しく動いている。バトは卵が巣から飛び出してしまうのではないかと気が気ではない。パリッと音を立てて殻が割れた。元気な雛が動いている。バトはこの雛に『ジグメ』と名前をつけた。
もうひとつの卵はなかなか動かない。リグジンは卵の様子をじっと見守っている。ジグメはなんとか卵を動かそうとしている。バトとオユンも心配になって外側から殻を叩いてみる。しばらくすると内側から弱々しく叩き返す音がする。
「大丈夫。この子も元気に出てくるわ。みんなで見守りましょう」とオユンは言う。
それから数時間、殻にヒビが入った。みんなが見守る中、そっと外の様子を伺うように顔を出す。
「早く出ておいでよ。一緒に遊ぼう」ジグメが大きな声で呼びかける。その声につられて、3羽目も殻から抜け出した。バトとオユンはこの雛に『ミカキ』と名前をつけた。ミカキの右の翼は左の羽に比べて小さく弱々しかった。
雛たちの誕生から2ヶ月が経った。子どもたちは両親近くてすくすくと成長している。
餌も上手にとれるようになったし、沼での泳ぎも陸の移動も素早くなった。ふわふわだった羽毛もしっかりしてきた。
「そろそろ飛ぶ練習をする時期じゃないか」とバトとオユンは相談している。
天気もよく風もない日を選んで子どもたちの飛行練習が始まった。
まずはバトが飛び立つ姿を見せる。
1番気合いが入っているのがやんちゃなジグメだ。これまでだって羽ばたきたくて仕方がなかった。羽ばたきに必要な筋力トレーニングにも余念がない。
「ぼく、飛んでみる!」
そう言って思いっきり羽を動かす。だが、父親のように空へ飛び立つ事ができない。何度も何度も羽を動かす。ふと身体が水から離れる感覚があった。「あ、浮いた」そう思ったのも束の間はまた身体が水についた。
「今できたよ。見た?」
興奮してバトに話しかけてくる。バトは力強く頷く。
「さあ、飛んでみましょう」オユンの掛け声と共にリグジンが羽を動かす。やはり最初はうまく身体が持ち上がらない。
「もう少し羽を前に向けるといいわよ」オユンのアドバイスに従うとふわりと空に浮いた。驚いているリグジンにオユンはにっこりと微笑んだ。
ミカキは、両親や兄弟や他の仲間たちの飛ぶ姿をじっくりと観察している。力いっぱい羽を動かしたり、羽の向きを変えたりいろいろな工夫をしている。バトとオユンも代わる代わるミカキのそばに行きアドバイスをしたり、飛ぶ姿を見せたりした。
結局この日、ミカキは空に飛び上がることができなかった。
夜、寝床についてもリグジンとジグメは大興奮だ。
「すごかったよね」「飛ぶって楽しいね」
隣でミカキはぎゅっとくちばしを閉じた。
自分だけ飛べなかった。飛べる気が全然しなかった。もし飛べなかったらどうしよう。不安で押しつぶされそうだ。リグジンとジグメが眠りについてもミカキは眠れなかった。そっと起き出して羽を動かしてみる。仲間たちが飛び立つ様子を頭の中で何度も何度も思い返す。
翌日もみんなで飛行練習だ。
リグジンとジグメは要領を得たようで昨日より長く飛ぶ事ができるようになった。両親の合図に合わせてタイミングよく飛べるよになった。
両親や兄弟たちはミカキのそばで何度も飛ぶ様子を見せている。
ミカキは昨日に引き続き仲間たちの動きを観察している。
仲間たちを見ていると空に浮かび上がるタイミングがあるようだ。風を読み、自分の身体に耳を澄ませる。
「今だ!」
ミカキはそう思うと力強く羽を動かした。
身体が宙に浮く。もう一度、もう一度とミカキは無我夢中で羽を動かす。身体どんどん高くなる。
「やったー」「ミカキ、飛んでるよ!」
ジグメとリグジンが下で歓声をあげている。
「飛ぶってなんて気持ちいいんだろう」
実際にはほんの数秒の事だ。それでもミカキにとってはとてつもなく長い時間に感じた。
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お題:高く高く
『高く高く』
美味しいごはんに美味しいビール
飲み過ぎたかな 食べ過ぎたかな
そして やってくる激痛
動けないもどかしさ
高く高く上がったんだろうな 尿酸値
高く高く
高く高く
もっともっと
高くから落とす。
ボキリという音は飽きた。
それ以上の物を求める。
高く高く
高く高く
もっともっと
高くから落とす。
グシャリという音も飽きた。
それ以上!!!
高く高く
高く高く
地面がひっくり返る
あの瞬間。
歪む顔が忘れられない。
なんと美しくなんと誇らしい物か、
私の死に方は貴方によるの、
貴方の生き方は私によるの、
さあ、私の為に、◯◯◯。
❧✡
彼は今あいつが憎くて憎くて仕方ないだろう。殺したいぐらいだろう。
思い出が詰まった大切なものを壊されたのだ。そりゃそうだ。憎んで当然だ。
「大丈夫?」
帰り道、僕は彼に声をかけた。少しでも心が楽になるようにと背中をさする。
“泣いて大丈夫なんだよ” “よく耐えたね”
さすりながらそんなありきたりな言葉をかけた。
彼は笑って言う。
「うん、大丈夫だよ。」
いつも通りの笑顔に一瞬心が惑わされる。
そんなことをされても手を出さないなんて。怒鳴らないなんて。
「優しすぎるんじゃない?」
おもわず声に出してしまった。
焦った僕はすぐつぎはぎに言葉をつけたす。その間の彼は黙ったままでさらに僕を慌てさせた。
次の言葉を頭の中で巡らせていた時、やっと彼が口を開いた。
「優しいんじゃない。」
今にも泣き崩れそうな表情。小さく震えた声。
初めて見るその姿に僕は唖然とする。
「勇気がないだけだ、弱い人間なだけだ、優しくないんだよ、」
苦しそうに言葉を連ね続ける彼。
「そっ…」
“そうだよね” “辛かったよね”
僕はすぐに声を飲み込んだ。声を出せなかった。
今の彼に何を言っていいのか分からなかった。
何を言っても彼にとったら醜い毒なような気がした。
僕は理解した。
彼は今あいつを責めてるんじゃない。自分自身を責めてるんだ。自分が憎くて憎くて仕方ないんだ。
いや、違うかもしれない。
勝手にそう解釈してまた理解したふりをしているのかもしれない。
僕は結局何も言えなくて、小さく鼻のすする音だけが聞こえた。