高く高く
どれほど嬉しかったか。
わたしは間違っていなかったんだと、ちゃんと救えていたんだと言われた気がした。
『先生は私の恩師です』
なぜ?と茶化して問いかけると、彼女は常識だとでもいうように答えた。
『ぜんぶ』
わたしは何かを出来ていたらしい。彼女を助けられていたらしい。
わたしは、彼女が欲する言葉を持っていないのに。
わたしは知らない。彼女がどれほど高くわたしを見ているのか、それは本当にわたしなのか。あるいは幻想ではないのだろうか。
しかし彼女の視線はいつも背中に感じていた。高い高いわたしの理想が、壊れてしまいそうなほどに。
『彼女と先生・おまけ』
10/15/2024, 7:32:18 AM