秋の空は高く。
澄んだ青空がだんだんと色付いて
建物の影と鳥の影とコントラストを生み出していく。
金木犀の香り。
高く高く、広がる空に感傷的になるのはどうしてだろう。
何か哀しい事があったわけではない。
何か悩んでいるわけでもない。
ご飯は美味しいし、日々は楽しい。
でも、駆け抜ける毎日の中、ふっ、と
見上げた秋の空の高さに
戻れない瞬間を想ったり
もう会えない人を望んだり
この空を見せたい人を思い浮かべたりしてしまうのは。
自分が大人になったからだろうか。
子供の頃はどこまでも続くような高い高い空が
冒険心を掻き立ててくれたものだけれど。
涼しい風が、ふわりと葉を巻き上げる。
高く、高く。
つられて視線を上げた空に浮かぶ大きな白い月。
繰り返す季節を思う。
もうすぐ星や月が綺麗に見えるようになるな
イルミネーションも始まるのか。
あっという間に春になって
桜が咲いたら夏が来て。
若葉が芽吹いたら…。
1年の終わりに向かう毎日の中、この高い空をあと何度見れるのか想像する。
あぁ、そうか。
季節が過ぎていくことそれ自体が寂しいのか。
秋の高い空を見て感傷的になる。
あまりに短い秋が過ぎ去っていく。
高く高く、月が昇る。
過ぎていく日々を愛おしく思う。
10/15/2024, 8:45:39 AM