『高く高く』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
あー、あの祠壊しちゃったの?
それじゃもうダメだね。
君、たぶん死ぬ。
あー泣いちゃった。
泣かすつもりは無かったんだけどなあ。
どうしよう。
ゴメンけど泣き止んでくれる?
君のお父さんとお母さんに怒られちゃうんだよね。
僕、怒られたくないから――
え?
助かる方法?
知ってるけど……
どうしようかな。
はあ!?
言わなきゃ、『僕のせいだって言いつける』だって!?
待ってくれ!
姉さんは――君のお母さんは、怒るとそれは恐ろしいんだ。
え、知ってるだって?
まあ、君のお母さんだもんね……
まあいいや。
ちょっと意地悪したかっただけだから教えてもいいよ。
だからお母さんには言わないでね。
マジで。
約束だぞ。
……うん、約束してくれるのなら教えようか。
死なない方法は、ズバリ『一週間、小さい子供のように振る舞う事』
絶対とは言えないけど、これでいけるはずさ。
なんでその方法で大丈夫なのかって?
それはあの祠に奉られているモノが子供好きだからさ。
ん?
悪い神様っぽくないって?
いいや悪い神様じゃないよ。
この辺りの子供を守護するめっちゃくちゃ良い神様
じゃあなんで殺されそうなのかって?
それは君、どんなにいい人でも家を壊されたら怒るでしょ?
あの神様はいい神様だけど、家を壊されたら怒るよ。
うん、分かればよろしい。
でもこの方法、だいぶキツイと思うんだよね……
え?
死ぬよりましだって?
それはどうだろう……
だってさ君、高校生になったばかりでしょ。
それが小さな子供のフリをするんだよ。
分かる?
あー、ピンと来てないな。
例えるなら、あの小っちゃくなった高校生探偵かな?
そう、見た目は子供、頭脳は大人のやつ。
あの反対。
見た目は大人、頭脳は小学生を演じなければいけないんだよ。
想像できたか?
キツイだろ?
周りの目線が……
社会的に死ぬのと、物理的に死ぬの、どっちがいい?
究極の選択だよね。
あはは、急にやる気失くしてやんの!
俺に八つ当たりすんなよ!
自業自得だからな。
まあ順当に風邪と言うことにしたらいいと思うぞ。
風邪だったら、一週間部屋に籠れるし、幼児退行も珍しいけど無い事じゃない。
だからダメージは少ないはず、多分な。
決意は決まったかい?
そう、小さい子供のフリをするんだね?
ははは、死ぬ気で頑張ってね。
じゃあね。
……
…………
………………
行ったね。
じゃあ、神様出てきていいよ。
どう今の演技は?
迫真だったでしょ?
おー褒めてもらえた。
神様に褒められると気分がいいねえ。
それはそうと、なんで許してあげないのさ?
神様、高校生までは守備範囲だよね
祠壊したくらいなら、全然気にしないでしょ?
確かに物壊した子供にはお仕置きが必要だけどさ。
痛い目に会えば反省するだろうけどさ。
でも、やりすぎだと、僕思うわけよ。
死にたくなければ、小さい子のフリをしろだなんて……
え?
『厳しくするのも親心』
一理あるけど、本当にそう思ってる?
本当はからかって楽しんでいるだけでしょ
だって神様ってば、子供のように笑っているよ
大昔から人は
高い建物が好きだ
墓を作り 城を作り
今では塔やビルを作る
見上げる程の建物は
皆があこがれるから
作られるのに違いない
法外な料金を払い
展望台に登ってみる
エレベーターに乗り高く高く
車も家も小さく見える
私は何も変わらないのに
なんだか偉くなった気分
私は何も変わらないのに
高く高く
瞼の奥
闇を突っ切った
向こう側
ひ弱な思念の先も
小さな願い事も
許されない出来事も
泡沫を浴びながら
届かない所へ
たかくたかく
晴れた日の縁側。たまにはこう言うのもいいだろう。
水をいっぱい、食器用洗剤を水の半量、砂糖を少々。
よくかき混ぜればシャボン玉液の完成である。
「ほれ完成」
「おおお…うぇ、美味しくないです」
「吸うな。絶対やると思ってたけど」
吹くんだよ、と自分用に持ってきたストローで手本を見せる。
緩やかに送られた空気が洗剤液を纏って丸く膨らむ。
ぷぅ、とストロー先に出現した楕円形に目を輝かせるお嬢チャン。
「大きいのつくります、負けません」
「無理すんなよ」
「そう言って余裕なのも今のうちです、3分後には負けを認めさせてやります!」
「気合いがすごい」
「『ギエピ〜!負けを認めるでヤンス!』って言わせるんです!」
「それ本当に俺?どう言うキャラ?どこで覚えてきたの?」
「やると言ったらやります!」
「頑張って…」
これなら俺は縁側から庭を眺めていればいい。
目の届く範囲で好き勝手してくれ。
端から端までエンドレスファストランみたいなのは無理。
体力無尽蔵魔神とは違う。20代ならまだしも…いや10代かな。
だらりと縁側に寝転ぶ。日向ぼっこ最高。
一息ついたらお嬢はいそいそと俺を跨いで廊下の奥に消えた。
いやなんで?
「ドライヤー持ってきます!」
「やめろどこからコンセント引っ張ってくる気だ!!」
「…じゃ、じゃあ扇風機を!」
「一緒だバカタレ」
息でいいのよ息で。
少女はぷうっ!と勢いよく吹き込んで、液を弾けさせていた。
パワーオブ力だもんなお嬢チャン。知ってた。
「わたしに、力がないせいで…こんなっ…!」
「力みすぎ」
「大きいのを作りたいんです」
「とりあえず小さいのからやんのよ」
「大きいのがいいです」
「頑固〜」
夕暮れまでずっとかかって、彼女が綺麗な丸が作れたのは結局一つだけだった。他はすぐ破れた。なんであんなに吹くん?
繊細なんだぞ洗剤って。いやシャボン玉がか?知らんけど。
特別な配合とか人によって秘伝のレシピがあるとは聞くけど。
「難しいですね、シャボン玉」
「ははは」
「勝てるのはまだまだ先ですねぇ…」
「すぐだよ、すぐ」
「本当ですか?明日ですか?」
「明日ではない」
絶対に明日ではない。
知らなかったな。この子って割と馬鹿で不器用だったんだ。
たったひとつ、綺麗にできたシャボン玉を見上げる。
「がんばれ〜!とんでけ〜!です!」
どこまでもどこまでも、たかく、たかく、とおくとおく。
夕暮れにとけるシャボン玉を見送る。
「ご飯ですよ、おふたり。手を洗ってきてくださいな」
「はーい!」
「りょうかいす」
とたとたとお嬢チャンが洗面所に向かうのを確認した後で、もう一度シャボン玉を探す。まだわれていないのを見つけた瞬間、ぱちんとわれた。
″高く高く″
「俺さー、ちょっと前まで鳥になりたかったんだよね」
「へーそうなん」
「でも今は違うの」
「ふーん」
「なんでか聞いて」
「なんで?」
「飛ぶのってめっちゃ大変なんだぜ」
「というと?」
「まず飛ぶためには体重を極限まで軽くしないといけないし、羽をパタパタさせるのってめちゃくちゃ疲れるらしい。しかも着地めっちゃムズい」
「へーそうなん」
「鳥って骨とか筋肉めっちゃ軽いらしいよ、あんま知らないけど」
「あーらそうなん」
「まじで興味無さそうだな」
「だって今僕ら飛んでるんだよ?」
「それはさー、」
実体ないからじゃんよ
「わっと危ない!」
転びそうになる彼女を先回りして、咄嗟に腕から背中に手を通し、恋人の体重を支えた。
「セーフ!」
「ありがとうございます……」
青年はそのまま彼女の両脇に手を添えて、軽く身体を持ち上げ、足が路地から離れる。
「わっ」
そして、ゆっくりと路地に着地させた。
「怪我はない? 脇、強制的に引っ張っちゃったけど、痛くなかった?」
「あ、それは大丈夫です。でも……」
「でも?」
「重く……無かったですか?」
青年は頭にクエスチョンマークを飛ばしながら、少しだけ首を傾げる。青年にとって重いなんて思えなかった。
むしろ、彼女より重い人間を持ち上げることだってよくある。青年はそんな事をしているのだ。
「軽いほうじゃない?」
「いや、私、重いですから!」
さっき、持ち上げた時。そんなに重かったっけな?
青年は眉間に皺を寄せながら考えたが、そんなふうに思えず。分からなくなっていた。
瞳を閉じて考えていたが、パッと目を開けて彼女を全力で腕を伸ばして高く高く持ち上げる。
「わあっ!!」
そして、彼女の膝の裏を掴み、座るように抱き上げた。
「伊達に救急隊で鍛えてないよ。余裕だから!」
彼女には言葉にしないけれど、青年は考えていた。
いつか、真っ白なドレスを着ている君をこうやって持ち上げたいな……。
おわり
一五一、高く高く
高く高くもっと高く飛んで、天の神様に手が届いたらいいな、そしたら私のちっぽけな悩みなんて消えてなくなるのかな。
『高く高く』
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「ねーねーちょっと来て!」
新聞を読んでいた夏の昼間、視界の外から声が聞こえる。姪っ子の声だ。
一昔前の話。あの頃の夏は、確かに暑けれど暑すぎず、外で遊ぶのにちょうど良かった。まあ、大人の体力でも出れるほどの気温ではなかったので、私は家の中でこうして新聞を読むことになったのだけれど。
姪は今年で4歳になった。もう歩けるし喋れるし、何より可愛い自慢の姪だ。女の子なこともあり、引きこもりがちにならないか少し心配だったが、外で遊ぶのが好きな子に成長している。
はいはい、と返事をして、声のした方へと向かう。ついた先は縁側で、空を見上げる姪の姿があった。
「あっきた!見て見て!」
促されるまま見上げると、かなり近いところに大きな入道雲がある。
「あれ、おっきくてわたがしみたい!手を伸ばしたら取れないかな?」
ああ、そろそろ大雨が降りそうだ…と思った瞬間、姪は続けてそう言った。やけに現実らしい考えをしてしまった自分が少し恥ずかしく感じるとともに、姪の純粋さに感心する。
「うーん、大人になったら取れるかもしれないね」
雲をとるという考えは、私も幼い時に考えたことがある。何故だか分からないが、頑張れば取れるものだと思い込んでいた。今考えたら無理に決まっているのだが…子供の夢は壊してはいけない。壊すものでは無いはずだ。こういう時、話に乗ってあげる方がお互い得である(子供も喜ぶし、子供の可愛い反応が見れてこちらも嬉しいからだ)。
「えー、大人になるまでなんて待てないよ…今取りたいの!」
…大人になるまで待てないところも、なんだか私に似ている。まあ、こういう時は…
「じゃあ、僕の肩に乗ってみるかい?そしたら、少し空に近づくかもしれないね」
これがおそらく最適解。
姪を肩車して、ほら、こう手を伸ばしてみたら取れないかな?と声をかけたり。うーんと言って頑張って手を伸ばす姪が、姿は見えずともとても可愛らしい。
「ふふっ、取れそう?」
「んー…まだ届かないよ!もっと高くして!」
急な無茶振りだ。さすがに、私に身長を伸ばす能力はない。
でも、取れないとは絶対に言わない。そう、子供の夢は壊してはいけないから。
結局、姪の中で「まだ子供だから雲をとることが出来ない」という結論になったようで、30分ほどしたら大人しく私の肩から降りた。
降りた後に姪を見ると、悲しそうな感じは一切なく、何かしらの決意を抱いたような顔をしていた。そして、それは直ぐにどんな決意なのか判明する。
「私、いつかおっきくなって、あのわたがしを食べるの!絶対!」
「そっか、じゃあいっぱい遊んでいい子にしないとね」
微笑ましい夢だ。
目を輝かせながら私にそう宣言した姪。その成長が、少し楽しみになってきた。
また会う時は、一体どんな夢を持ってくるのだろう。
高く高く、もっと高く。まだ足りない。まだ届かない。
空高く伸ばした手が空を切る。どれだけ伸ばしても、雲には届かない。
...そんなふうにぼぅ、っとしていると、不意に何かが僕に触れた。
「うぁぁっ」
思わず声が出た。
「ふふっ......あははっ...」
笑う君を見て、少し安堵する。不審者じゃなくて良かった。...それと共に、急に顔が熱くなった。恥ずかしい。こんな声を出してしまうなんて...正直聞かれたくなかった。
「えへへ、ごめんって。驚いた?」
...言わなくてもわかるでしょ......そう思いながらも、可愛い質問に、反射的に答えてしまう。
「びっくりしたよ......もうっ」
「ごめんってぇ...ねぇ、何してたの?」
「空、見てた。」
できるだけ、そっけなく答えた。その方が、かっこいいし。...雲をつかもうとしてたなんて、恥ずかしくて言えっこないし。
「へぇー、そうなんだぁ、、、え、なんか赤い?」
...思い出してたら、なんか恥ずかしくなった......なんて言えるはずがなく。
「なにがだよっ!?べ、別に赤くないだろっ!」
思ったより大きな声が出た。つい怒鳴ってしまった。...指摘されたせいで、さらに顔が熱くなっているのを感じる。
「あっはは、なんか可愛いかも...」
「お前はまたっ...ほんとに、そんなこと言ってて逆に恥ずかしくないのかよっ!?」
「事実だしねぇー」
また、顔が熱くなった気がする...もう、ゆでダコみたいになってると思う。
...そんなふうに思ってたら、彼女が不意に言った。
「...そうだ、見てよこれ!」
彼女に差し出されたものをまじまじと見つめる。...なにこれ、モクモクしてる...吹き出し、てきな?
「なに、これ?」
「雲!」
...なんでこんな嬉しそうなんだ?...反応に困る。
「...おお」
そんな、適当な言葉が口から出る。
「...なにするか、わかってないでしょ」
「...まぁな」
「見といてよ...!ほら!」
そういった彼女は、雲を握りしめて手を上に伸ばした。
「...?」
まだ俺がわからないままでいると、彼女は
「みて!雲、つかめたよ!」
そう言って、ニッと笑った。
「...!?まて、お前...俺が雲つかもうとしてるの、見てたのか!?」
「さぁ、どうだろうねぇ?」
「お前っ!!!!」
「あははっ...w」
君は、太陽みたいに笑った。その笑顔が、何よりも眩しかった。
ブレスレットを右手首にはめる。
控えめな紐ブレスレット。
母親から貰ったブレスレット。
ブレスレットに一つだけ嵌った石の、黄色と褐色の筋を撫でて、心の中で、おまじないの言葉を唱える。
「高く高く」
「高く高く」
机の向こうの窓の外は、黒い夜空色に染まっている。
開いたノートはもう、黒字の数式と赤い文字で埋め尽くされている。
明日はテストだ。クラス替えの。
自称、進学校であるうちの学校は、進路先の自由度が高い、というので有名だ。
うちの学校の場合、年度始めに発表される学年クラスは、総学や学校行事、HRの時にしか使われない区分だ。
それ以外の時ーつまり、普通の日の授業の時は、各教科、定期テストのクラス順位の結果で細分されたクラスで、少人数体制で、それぞれ授業を受ける。
理由は簡単。進路が人によって違うからだ。
進学を目指す生徒は必死で勉強するから、クラス順位は上がる。だから、上位クラスで、受験対策クラスの、ガチの勉強をする。
中位くらいなら、専門学校への進学か就職を目指している層になるから、面接や社会常識やそういう対策を含めた勉強をする。
下位なら下位なりに、進路を見据えた無理のない勉強をする。とはいえ、部活推薦を狙う子や特定の科目が苦手な子がこのクラスに入ったりもするので、結構しっかり学校の体をなしている。
私は今、Aクラスにいる。
うちのクラスでもトップ10の、一番高いクラスにいる。
でも元々、そこまで勉強は得意じゃない。
毎回、Aクラスギリギリだ。特に理数教科は。
だから頑張らなくてはいけない。
だからもっと高みを目指さないと。
私はこの家から出たい。
勉強をして、しっかりとした将来を勝ち取りたい。
もっと、高く、高く。
もっと広い世界を見る。そのために、私はもっと高く高く登らなくてはいけない。
うちの両親は、大学には行っていなかった。
父親は、勉強なんかできなくても良いと言った。
でも、それは父親のように地方の自営業で、仕事を生きがいとして楽しみながら生きていくつもりの人にだけ、適応される理論だと私は知っていた。
小学校高学年で、既にスマホを持たされていた私は、世の中には色々な人がいて、色々な常識があるのだと知っていた。
私は仕事を生きがいにするつもりはなかった。
もう生きがいがあったから。
推しという生きがいが。
私は推しのために生きたかった。
だから両親のように、地方で勉強もそこそこに生きていくわけにはいかないのだ。
推しのグッズを買うためにたくさん稼ぎたいし。
推しのライブやイベントに出るために都市圏で暮らしたいし。
脳は推しのためだけに使いたい。
私は早くここを出たかった。
ブラック企業とか、仕事のあれこれとか考えずに出来る仕事に就きたいし、お金を余裕を持って使える生活を目指したい。
そのためにはまず受験。次に就職だ。
うちはたくさんお金があるわけではないから、進学するなら奨学金もいる。
私立に行くことも考慮するなら、特待生を目指せるくらいの勉強はできないと。
だからAクラスから落ちるわけにはいかない。
私は今のところ、そう思っている。
全ては推しのため。推しのためだ。
高校生で、何事も両親のお金でする今の私には、半端な応援しかできない。
だから、私は今頑張ることにした。
頑張って、いつか、自分の全てを推しに捧げる。
そのために高く高く登っていきたい。
天然石が有名な観光地へ遊びに行った時、母親が、お土産に何か買ってあげるから、一つ選びなさいと言った。
私は迷わず、このブレスレットを選んだ。
タイガーアイ。成功と金運をもたらしてくれるという石。
紐のブレスレットなら、スクールカバンにもつけられる。
だからお守りにしよう。
私が、高く高く登れますように、という思いを込めて。
ブレスレットのタイガーアイは、鈍く輝いている。
ノートを閉じて、カバンにしまってから、ブレスレットをそっと、優しく、撫でる。
ぴかぴかの石の、ひんやりとした丸さが、私の心を落ち着けてくれる。
高く高く。
私なら頑張れる。大丈夫。
ブレスレットを外して、カバンの持ち手に付け替える。
タイガーアイが、つややかにきらり、と輝いた。
突然だけれど、僕は虹が大好きなんだ
え、それはどうしてか? んー……色々理由はあるんだけれど雨上がりの空って綺麗な青でしょ?そこに 7色の架け橋が掛かる…そう、その架け橋こそが虹なんだ!
それでね、雨が上がった後に僕は自転車を漕いで小さな公園に行くの。漕いで来た自転車を邪魔にならない所に
止めて ブランコがある場所まで走って行くんだ
それで、ブランコに乗って漕いで 高い高いあの綺麗な虹に手が届く様に漕ぐの! けれど、僕は知ってる 虹に手が届かない事を…… でも、僕は高い高い場所に綺麗に輝く虹が大好きだから雨上がりの公園でブランコを漕ぐの
高く高く遠ざかる風船に、無性に不安になった
【高く高く】
※高く高く
商人は、少し大きな街で秋の収穫祭に遭遇した。
村で仕入れた物が良い値段で売れる。
しかしアコギをしてはならない。
それは商人だけでなく、村の信頼にまで及ぶから。
それを知らぬ年若い商人や、
知っていて陥れようとする商人もいる。
だが自分は決してやらない。
自分と村の誇りと生活のために。
ああ。だが、思ってしまうのだ。
高く高く売りつけて
この地から新天地へと商売場所を変えてみたいとも。
地上は汚らしいから。親は私にことあるごとにそう言って聞かせた。
だから、こんな仕打ちにも耐え忍ばなければならない、とでも言いたいのだろうか?地上の汚染のせいだからと?馬鹿馬鹿しいにも程がある。
そんな事でも言って私が騙せるとでも思ったのか?嫌、守る為の善意からの嘘だったのだろうか。笑止、それは正義のふりに過ぎない。稚児の頃は騙されようともやがて身も心も大きくなり、力と頭脳を持つ。その様なことすらも理解出来ないはずは無いでしょう?
地上は汚染されていのよ。貴方はいつもそう言った。まるで大きな独り言。そう言って身体の内側から消毒した。嫌な事など見て知らぬふりをした。どす黒い何かをゴミ袋に詰めるみたいに。
でも、私にはそんなものは無いから。処理されずに腹にどんどん溜まっていった。私の腹の、胃の断面はどうなっているのだろうか。黒くて、触れただけで手が爛れてしまいそうな何かが隙間なく詰まっているのだろうか。
悪魔はそれを見てどんな顔をするだろう。なんて色だと嘲笑うだろうか。それとも仲間だと地底の世界に歓迎されるのだろうか。
天使はなんと思うだろう。透き通った涙を流し、慈悲の瞳を向けるのだろうか。それとも穢れた子めと突き落とされるのだろうか。
世の中そんな上手くはいかない。天使にも悪魔にも見放され無となり、虚空となり、万物と化し、大気を彷徨うのだろうか。
物音で意識は現実に引きずり出される。聞きたくない声が、音が脳に直接響く。
いつから始まったのだろう。いつから家が恐ろしくなってしまったのだろう。これは世の中で言う普通では無いはず。普通の家庭の母親は春の様な微笑みを浮かべ時には叱り、子を導く存在ではないのだろうか。
普通ではない。地上が汚らしいのではない、我が血族が穢れているのだ。そうでなければ説明がつかない。只の不幸な娘になってしまうではないか!では地上の何処かに逃げればいい。出来るだけ遠くに、瘴気の届かない場所まで。
でもそんなお金も場所も無い。なら何処に?どこに?どこにも行けない。行く場所がない。頼れる人がいない。誰も。だれも。なら天使か悪魔か?出来れば天使が良い。天使様に頼るしかない。縋るしかない。惨めな小娘をそっと掬い上げてくださいませ。救済を直ちに求めます。
両手の指を絡ませ、喧騒を背後に天を仰ぐ。何も起こらない。当たり前だ。誰も、救済者は居ないのだから。自分から行動しなければ誰も助けになんて来ないさ。ここは何階だ?そんな事はどうでもいいか。今は夜。外は暗いから時期に血が足らなくなるだろう。
天使様、今からそちらに参りますので後のご案内を宜しくお願い致します。
空を切る。意外に心地がいい。これから天にあがるのに、地上に向かうなんて少し不思議な感覚だ。悪魔が地面に見える。厭らしい笑みを醜い顔に張り付けている。天使様、あの悪魔どもの手に、爪に触れられる前にお願いしますね。そろそろです。高い、高いところに小さな赤い屋根のお家を建てて欲しいです。出来るだけ、高いところに地上から離れた場所に。だって地上は汚らしいのですから。
最近は、ナンプレにハマっている。
1度やり始めると止まらなくなるあの魔力はなんだろうか。1マス埋まる毎に達成感を感じ──
気づいたら1時間2時間と時間が経っていたりする。
ナンプレは、1から9の数字を9ブロック全てに被らないように入れるというパズルだ。
いたって単純なルールなのだが、その実とても奥深いものとなっている。
難易度が高くなるにつれ、1つの視点でなく多角的な視点を持つ必要がある。それだけでなく、視点を高く高く保ち、何手も先を読んでようやく1マスが解けるということもある。
1つの数字或いは、1マスを見ているだけでは決して解けないパズルであり、解くためには他のマスの推理が必要となってくる。
なかなか頭を使うのだが、それすらも楽しいと思ってしまうのは、やはり数字が埋まっていくあの感じが魅力的だからだろう。
私は難易度の低いナンプレ(初級が好ましい)をしている時、ちょっと面白い癖がある。
手は数字を記入し、頭の一部はパズルを解いているのだが──パズルとは全く関係のない別のことを考えたり思い出したりしている。
何故かわからないが、そういうことをしていると考え事のアイディアや別角度の視点等が浮かんだりする。不思議なものだ。
簡単なパズルは、片付けと似ているようなところがある。もしかしたらその流れで思考も整理されているのかもしれない。
暫くナンプレ漬けになってみるのも一興──
高く高く視点を保てば解けるパズルのように
現実も案外そういうものかもしれない。
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高く高く
渾身の一作だった。
私の画家人生を二年費やした、会心の出来。
それは、部屋の天井まである縦長の和紙に描いた、黒々した竜の絵だ。
墨汁を染み込ませた筆で一本一本線を描く。
時には手のひらの大きさあるハケで大胆に。
時には糸のような細さの筆で繊細に。
墨の濃淡で色をつけた竜は、雲ひとつない快晴の日に完成まであと一歩まで漕ぎつけた。
あとは目を描き入れるのみ。
私は大きく深呼吸してから、そっと墨汁に筆を浸し、十分に染み込ませてから、竜の目を黒く塗った。
その時だった。
竜が和紙の中でうごめきだしたのだ。
「あっ」と口に出した次の瞬間には、開け放っている窓から竜が逃げ出していた。
あまりの速さに突風を起こしてめちゃくちゃになった部屋の中から、私は青空へと昇る竜を見ていた。
私の作品を、見ていた。
昇れ、竜よ。
高く、高く。
『高く高く』
希望や夢を持て!
的なことを割りと幼いころから
植えつけられがちじゃない?
将来の夢とか
絶対書かされるけど
この風習あんまよくないと思う
別に夢や希望を持つことが悪い訳じゃない
発表とか文集とかに書く必要性のはなし
なんか大きくなるに連れて
子供なりに見栄はり出すじゃん?
それって
本当の夢や希望なの?
高い目標を持つことで頑張れる人もいるけど
小さな希望の積み重ねで頑張れる人だっている
『高く高く』の必要は
ないんじゃないかな?って最近すごく想うんだ
今の私はさ、明日の希望で生きてるから
だから、そこまでの人間にしかなれないんだよ!
って言われたら、そうなのかもしれないけれど
それのなにがいけないの?
人によって価値観や考え方が違うんだから
誰かに発表したり、宣言する必要はない
言うことで頑張れる人は言えば良いし、
ぶっちゃけ、小さい頃の夢って
本当のこと書けなかったなって
みんなが聞いたり、親が見るってなったら
不細工でデブな私は
「女優になりたい!」とは言えなかったもんね
いまは多様化の時代
でも私の頃はそうじやなかった
『高く高く』も良いけどさ
「低く低く」でも毎日
希望を見いだして歩むことも
そう悪くはないよ
みんな違っていいと想う
立派じゃなくてもいいじゃない?
自分の幸せは自分で選んでいい
11/14加筆しました。
🌱 #31 高く高く
──いつか、空にだって手が届く。
金髪を靡かせながら風を操る姿を、羨ましく思うことがある。
もちろん魔法に優劣がつけられないことは知っている。習熟度に差はあれど、魔法そのものに価値の違いがあるわけじゃない。そんなの子供でも理解していることだ。
恥を忍んで言えば、たぶんこの感情は魔法云々に抱いているんじゃなくて、使い手本人に向いたものなんだろう。それが羨望なのか、嫉妬なのか、憧憬なのかはわからないし、むしろ全部ごちゃ混ぜになっているのかもしれないけれど。
あの魔法は、美しくて、自由で、朗らかで、優しくて。気ままで、掴みどころがなくて、たまに意地悪で。使い手のすべてを表しているような気がするから。
***
「あ、今操作乱れた」
「うわ、なんでわかるんだい」
「見てればわかるよ。ほら、集中」
「うーん」
ただいま、練習場で魔法の特訓中。溢れんばかりの才能を持つくせに感覚で使っていたという彼の魔法は、効率も悪ければ制御もおぼつかない。よくこれで一年時を乗り切れたなあ、ってくらいのレベルだ。
「ねえ、風をうまく操れたら空を飛べるかなあ」
「箒無しでってこと?」
「そう。下からびゅーって」
「難しいと思うけど、出来るんじゃない?」
「やってみても良いかな!?」
きらきらした紫の瞳で見つめられて、言葉に詰まる。普段の飛行で使う箒は、飛行魔法と安全装置が組み込まれた専用の魔法具だ。自力で飛ぶのと箒とでは訳が違う。
「取り敢えず、先生に相談してみてからだね。飛行に関わる魔法は危険度が高いから」
「そうなの?」
そうなのって言った、今?
「えっ、なんか怒って」
「魔法安全学基礎」
「あっ、あー……うっすら記憶があるような」
「昨日やったばっかりでしょ」
「そうだっけ……?」
目を逸らしても無駄だからね。成績上げたいって相談してきたのそっちなんだし。
「え、飛行? あー、まあ、二人でやるんなら良いんじゃない?」
二人で緊張しながら訊きに行った魔法安全学の先生は、コーヒー片手にあっけらかんとそう答えた。ぽかんとする自分たちをよそに、笑いながら話を続けてしまう。
「ただし、第三練習場でやること。あそこは安全装置があるからな。それ以外のとこでは絶対やるなよ」
「あ、はい」
「はーい」
練習場の使用申請書をその場で書いて提出すると、先生はざっと目を通して魔法印を押した。
「はい、これでオッケー。気をつけて練習しろよー」
「……つまり、魔力の供給が途絶えたら落ちるの。絶対杖を離さないこと!」
いまいち飛行の危険性をわかっていないらしい相手に、第三練習場で何度も念を押す。
「わかった」
「良い? 飛行関連は魔法事故が起こりやすい魔法だからね、激しい動きは厳禁。安全装置も万能じゃないし」
「うん」
「本当にわかってる?」
ぼんやりと空を見ている姿に心配になってくる。いくら天性のセンスを持っているといえど、危険性が低くなるわけじゃない。
「ねえ、もう飛んで良いかい?」
「……気をつけてよ」
「大丈夫だよ」
不安を拭えないまま数歩離れると、シンプルな杖が振られて風が吹き始める。そよ風ほどだったのが徐々に強まっていき、彼を中心に渦を巻く。煽られた髪を押さえながら渦の真ん中を見つめれば、これから空を飛ぶとは思えないほど凪いだ表情をしていた。
「あ……」
飛ぶ。
ローブがふわりと空気をはらんで、羽のように膨らんだ。それと同時に音もなく靴が地面から離れる。危なげなく上昇していく姿に、少し肩の力が抜けた。
「大丈夫ー?」
「だいじょうぶ! 楽しいよ!」
遠いせいで顔までは見えないけれど、どんな表情をしているかが手に取るようにわかる。きっと満面の笑みを浮かべているはずだ。
──かつて太陽に焦がれた少年は、その光に近づきすぎた為に空から落ちたという。
でも、あの輝かしいひとが太陽に近づきすぎて堕ちてくる事はないだろう。あれは紛い物なんかじゃない、生まれついての美しい翼だ。手を伸ばそうなんて思わないし思えない。自分がどう足掻いても届かない場所に彼は居る。
高い空を自在に飛び回る姿がひどく眩しく見えて、眼を細めた。瞳が痛んでもその姿を視界に入れていたい。金色は青空に良く映えるらしい。もうひとつ太陽が生まれたみたいだ。
「ねえ、見て!」
ふいにローブを靡かせる身体がくるりと前回りをしながらこちらに手を振った。ああもう、あれだけ言ったのに!
「何してるの!」
「ははっ」
文字通り空から笑い声が降ってきて、ローブがだんだんとこちらに近づいてくる。……近づいて来る? は!?
「なにっ……」
「ほら!」
風の発生源が近づけば、風が強くなるのは当然で。暴風とも言えるそれにふらつきかける足に力を込めて、吹き飛ばされないように地面を踏み締める。
「ねえ、手出して!」
「手?」
「いいから!」
声のままに片手を伸ばすとしっかりと掴まれる。強く引き寄せられて、練習場の土の地面から踵が浮いた。
「え、え?」
「一緒に飛ぼう?」
「なっ……」
自分の白いローブの裾が翻る。靴が地面に接する感覚がない。視界の大部分を青空が占めている。それでようやく身体が宙に浮いているのだと気が付いた。
「う、わ」
飛んでいる。箒を使わず、魔導飛行機に乗らず、体だけで空を舞っている。
「ね、楽しいでしょ!」
「うん……」
手が届いてしまった。絶対届かないはずの眩しいひとが手を伸ばしてくれたせいで、空を飛べてしまった。
「手、離さないでね」
「わかった」
ローブを握った手に力を込める。大きな手が背中に回って、不安定だった体勢がようやく落ち着いた。
きっと離してしまえば、もう一度手を伸ばすことはできない。眩しすぎて明るすぎて、自分から求めれば灼かれてしまう。
「どうしたの? ぼうっとして」
「んん、眩しいなあって」
「ああ、今日は良い天気だからね」
「うん」
どうかそのまま輝いていて。何にも遮られることなく、何にも曇らされることなく、周りを照らしていて欲しい。自分だけを照らせなんて言わない。そんなことをされたら、御伽話の怪物のように灰になってしまうから。
見ているのは自分からだけで良い。一方通行で良い。手を伸ばしてもらえたら奇跡と思う。
「また飛ぼうね」
「眩しすぎるからやだ」
「帽子でも持って来るかい?」
「それじゃ太陽が見えなくなっちゃう」
「?」
「ふふ」
わからなくて良いよ、太陽みたいなひと。光で眼が灼けてしまっても、君を見ているから。
初めて道具を使わずに飛ぶ広い空は、ずっといたいと思うほどの明るさだった。
高く高く
高く高く昇って行くんだ。何時までも高い高いしてもらってママに「よしおちゃん」「ぼくちゃん」なんて、まあ呼ぶ方も呼ぶ方なので、そんな親の子はこの親にしてこの子ありの鬼の子なのだ、だいたい高く高く昇って行く人は、人がみな最初子供だったことを知っているので、「子供のままいたいよぉ」なんて狡賢いことは言わないのである。自分より先に生まれ自分より先に歳を取り老いてヨチヨチ歩く子供に返り、やがて記憶さえも朧気になる、自分を産んだ人を守りたいと思うから、いつか自分がしてもらったように。
だから、子供のままでなんかいやしないんだ。
その日暮らしの自由な子供は幸せか?うん?いや、きっと一生涯永遠にそれならきっと寂しいと言おうか寂しいという感受性さえ幸せの何かさえ分からないはずだ、不自由があるから束の間の休日は嬉しく、不自由があるから自由な小さな仕合わせは守られ、その1片に自分がいるということに気づき、守るべきものを自分の力で守り抜いた時、気分は高く高く高揚し生かされている生まれてきた喜びを知るのだろう。
それが大人になるということ。
日がな寝て、遊んで暮らす、それが幸せと思うなら、いつまでも子供のままで親に大人に社会に寄生し続ける、傷つきやすい何時も被害者の子供のままでいるがいい、けれど子供のままでいれば、子供のようにあどけなかった日の気持ちを美しいと思い寄せる感受性も育ちはしないだろう、大人になったからこそ子供時代を懐かしむことが出来るのだから。
高く高く伸びて行け
高く高く昇って行け
呑気者で怠け者で
自称ナイーブで繊細なジャックという少年がいました。
お母さんは貧乏暮らしをしているのに、お構いなしに、呆けていて好きなことだけ自由にやっているジャック、好きなことが出来るのはお母さんのお陰なのに、他の子供比べてうちは貧乏で、ぼくちゃんはやりたいことが出来ないよと文句ばかりを口にしていた。
ある日、不思議なお爺さんがミルクが出なくなった雌牛を売りに行くジャックに話しかけました。お爺さんは奇妙な形をした豆を持っていて、ジャックがそれを欲しがると「不思議な魔法の豆だ」その雌牛となら交換してやろうと言いました。ジャックは不思議な豆が欲しくて欲しくて雌牛と豆を交換してしまいます。
帰宅すると、母親に酷く叱られました、当たり前です、明日食べるお金に換える為に雌牛を売る決心をしたのに、小さな豆ひと粒と息子が交換してしまったのですから。
お母さんに叱られて、悲しくなって
ジャックは、外に豆を捨てたのでした。
すると、あくる朝、豆は巨大な木になって天の雲まで貫いていたのでした。
それを見たお母さんは、驚いて木に登ろうとするジャックを危ないからと止めましたがジャックは、「待ってて、お母さん僕天まで登って行って、何か珍しいものはないか探してくるよ、見つけたら必ず、お母さんのところに帰るから待ってて」ジャックはどんどん高く高く登ってやがてお母さんのいる場所から見えなくなってしまいました、お母さんは心配で心配でハラハラしていましたが、あの臆病で何時までも僕ちゃんのジャックが、自分から進み勇ましく木を登って行く姿に圧倒され見つめていました。
ジャックが木を登ると、雲の上には人喰い巨人が住んでいて、大きな屋敷かありました、丁度巨人は昼寝をしていて、その庭先には金の卵を産む雌鶏がいるのを見つけました、ジャックはその雌鶏を盗み出し、逃げる途中、中庭のあずま屋にある珍しいハープを見つけそれも盗み出そうとしましたが、突然ハープは喋り出し、人喰い巨人は目を覚まし、ジャックを追いかけ回して巨体を揺らし走り出しました。
ジャックは大慌てで木を下りて逃げることに成功し、まだ怠惰な生活で肥えた巨漢の人喰い巨人がモタツイテいるうちにジャックは斧で木を切り倒してしまいました。やっとこ巨漢を揺らし木を下りて来た人喰い巨人は落ちて空に呑み込まれてしまうのでした。
その後、金の卵を産む雌鶏を飼育したジャックは、母親に新しい家を創ったのでした。
人喰い巨人の庭に忍び込み金の卵を産む雌鶏は盗むは、果ては自分を追いかけ回す人喰い巨人を木から落としてしまうジャックなのでした。
その教訓は…
人生を変える勇気を持つ時は、他の大勢がやらないことを、自分を信じて自分の意思に従ってやるが良い、結果の責任は誰を問う必要もないということ。
自分の居場所を自分の意思で決めることが出来て責任も自分で取ることが出来るそれが大人。
高い高いのその後は、自分で自分の意思に従って高く高く登って行くのだ。
令和6年10月14日
心幸
身長を伸ばすんだと、意気揚々に宣言する君。僕は、腕を前に伸ばせばちょうどそこにある君の髪を撫でた。
「なんだか、頭、押されてる気がするんだけど」
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ-高く高く