『飛べない翼』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
飛べない翼を、人に例えるなら
あとちょっと、今だ!
…って時に躊躇して踏み出せない
そんな人かも知れないね…
人生には、何度も分かれ道があって
チャンスも必ず巡ってくる
その瞬間を掴めるか掴めないか
あの時、思い切って良かった!
そんな風に思える事が、1つでも
多い人生になるといいな…
皆、見えない翼を付けて
毎日、一生懸命に頑張ってる
羽を広げ「今だ!」と感じたら
自分を信じて飛ぼうよ
私は生まれつき翼が生えていた。
ただみんなの想像する翼とはちょっと違うかもしれない。
私の翼は右側にだけ生えている。翼は自分の思ったままに動かせるが、右側しか生えていないため空を飛ぶことはできなかった。そんな翼でも私は私の翼のことが誇らしかった。
他の人とは違って特別という感じがして嬉しかった。
でも今はそんな翼のことが嫌いだ。
妹が産まれてから私は自分の翼が嫌いになった。
なぜなら私の妹は右側にも左側にも翼が生えていたからだ。
私の翼より少し小さいが空を飛ぶには十分な翼が生えていた。妹が10歳になり、空を飛べるようになってからはたくさんの人が妹の翼を褒めていた。
だが私の翼はそれから逆に虐げられてきた。
何でなの?妹が産まれる前まではみんなあんなたくさん褒めてくれてたのに。私より優れた人が出てきたらその人にしか興味がなくなるの?妹の翼は私の翼よりも貧相なのに?
なんで?なんで??なんで???なんでなの????
空を飛べるからすごいの?
じゃあ私も飛んでやるよ。
そんなことを思い返しながら私はただただ地面に向かって進んでいく。こうなることははじめからわかってた。でも私でも出来るんだって皆のことを見返したかった。
あぁもうそろそろ地面にぶつかりそうだ。
次産まれるときは絶対今よりも立派な翼を両側に......
私の意識はそこで途絶えた。
みんないい人。
僕なんか達を心配してさ。いらないものなのに。
いったって本当に心配してるかなんて知らないけれど。
僕は汚いから。だめなやつだから。ちょっとやそっとの事ですぐ泣きたくなる。辛くなる。
変な感情だって周りの人に向ける。それ以外向けられないから。
生きたくないなんて簡単に口出してさ。
かといって死ぬとなると怖くなって。
勉強しているとさ、自然と嫌になる。
最近特にやる気が出なくなって。新しい勉強道具、買えば少しはやる気出ると思ったんだけど。
なかなか上手くいかないね。あんまりやる気が出ない。
テストが近いみたいでさ、頑張っていきたいって、うちが言ってたんだけどね。
彼奴らがいる限り無理だよ。どう頑張ったって僕らが苦しむだけ。
才能のある奴らになんて勝てない。どう足掻いても、どれだけ努力しても。
だって彼奴らだって努力してるから。元々欠片があって、それを伸ばし才能に変えたやつが、まだ努力するだなんてさ。
無理でしょ。僕らに勝ち目なんてない。
彼奴らを飛び越えるなんて無理。飛べない翼みたいだね。
隣にいるからこそ辛いんだよ。周りが、みんなが、彼奴らを褒めて。
僕らは一度も見てもらえない。その子しか視界にないから。
誰からも認められない。
愛されたい。満たされたい。認められたい。そばにいて欲しい。
承認欲求だけが強くなってさ。なんで、こうなったんだろ。
考えたって意味ないか。
ぽつり、ぽつり。
樋の裂け目から滴り落ちる雫を眺め、胸の内でリズムを合わせる。降水確率30%とは思えないほど堂々たる降り。これは線状降水帯が到来した場合をMaxとしての数値なんだろうか。天気予報が何と言ったところで結果は変わらないのだから、責めるべきはそこじゃない。分かってはいるけれど、今日は先週から待ち焦がれていた日だってのに。朝から期待させておいてこれかよ、と今朝のお天気キャスターに文句の1つもぶつけたくなる。
「おーい、アップさぼんなよ」
振り向くと、体から湯気が立ってそうなトラと目が合った。
「終わったんだよ」
我ながら不機嫌丸出しだなと呆れる。でも、仕方ないよな。トラなら分かってくれるはず。
「速すぎね?考えろよ」
ホールの出窓に放り投げてあったタオルを拾い、トラはガシガシと顔を拭いた。ついでに頭も。切り過ぎたって恥ずかしそうにしてたけど、トラは短髪が似合う。
「あー、晴れねーかな」
恨めしく空を見上げる俺のケツをトラが蹴りつけた。特に意味なんかない。目の前にケツがあったから蹴っただけ。俺達のコミュニケーションスキルなんて、この程度だ。
「次の記録会は出れるんだろ?」
俺の反撃を身軽にかわしたトラが、ファイティングポーズをとってみせる。俺は自分のタオルで適当に攻撃を仕掛けながら、出るよ、と清々しく答えた。やっと言えた。ほんとにさ、こんなに長くなるなんてな。
「無理すんなよ。逆足切るとか笑えねーから」
トラはそう言って笑ったけど、俺がアキレス腱をぶっちぎってから今まで、トラは1度もそのことを笑わなかった。むしろちょっと泣いてた。
ズン、と腹の辺りが重くなる。それは、俺を笑った顔を思い出したからだ。あの日から俺は、あいつと口をきいてない。でも、もう逃げられない。委員会で遅れてくるらしいあいつは、そろそろこのホールに来るはずだ。
「あ……」
トラがファイティングポーズをやめた。すうっと俺の後ろに流れる視線。振り向かなくても分かる。
優しいトラは俺の肩をポンと叩いてから、あいつの方へ駆けていった。たぶんまたケツを蹴りに行ったんだろうけれど、その結果は分からない。ただじゃれ合う声だけが聞こえていた。
あの時、あの声で、あいつは俺を笑った。ギプスの足をぶら下げながら登校した俺を指さして、
「飛べない翼」
って笑ったんだ。
ふざけたつもりだったんだろ。「卜部」っていう俺の名字は小学生の時から「とべ」ってあだ名に変えられていて、高跳びにハマって以来、下の名前と合わせて「飛べ翼」って上手い具合に呼ばれてたから。
「飛べない翼」
背が高くて、練習しなくても俺と張るくらいに跳べるあいつが、俺を指さして爆笑したのが許せなかった。ぶっ飛んだ松葉杖はあいつの額にアザを作り、俺達は口をきかなくなった。
「とべっち、ほら見ろよ、捕獲成功ー」
チャンスをくれるトラ。トラに免じて……俺は、ゆっくり、振り向いた。
トラにガッチリ押さえ込まれたあいつ。俺と目が合うと、あいつはスッと口角を下げた。あれ?と違和感に眉が寄る。それが何なのか、数秒経って気がついた。背が高いと思っていたあいつが、トラとほとんど変わらない。ってことは、俺ともきっと……。追いついてたんだ、離れていたうちに。
そして瞬時に理解する。あの時、トラが「飛べない翼」って笑ったって、俺はキレたりしなかったはず。でも、あいつが心配そうな顔で手を差し伸べてきたって、俺は松葉杖を投げたかもしれない……。見上げなきゃいけないあいつのことが気に入らなかったんだ。「飛べない翼」は言い訳でしかなくて。
「……とべっち……」
あいつはトラを引き剥がし、俺の前までやって来た。やっぱり目線はほとんど同じ。
ごめん、を言い出せない俺達はしばらく向かい合ったままでいた。呆れるコミュニケーションスキル。でも、ここで終わりにしないとな。
「飛べない翼、じゃねーからな。もう。」
言えてしまったら、気恥ずかしさの混じる苦笑いが浮かんだ。あいつも同じ。
「……飛べ翼」
ごめんも言い訳もどうでもいい。どうしようもなく低いコミュニケーションスキル。俺達はさっきのトラとあいつみたいに組み合ってから、雨のグラウンドに駆け出していった。そして、あっという間にずぶ濡れにしていく雨に心から感謝しながら、互いのケツを狙って大騒ぎで転げ回った。
《飛べない翼》
「飛べない翼は意味の無い」と思う人が多いだろう。でも、意味がないわけはないと思う。たとえ飛べなくたってあるだけで意味はあると思う。例えば、綺麗な翼だとしたら多くの人から羨ましがられたり癒しになると思う。さらに、モデルなどにもなれるだろう。翼が綺麗ではなくても自分の努力で変われるところもあるだろう。翼がない人からすればあるだけでも恵まれていると思われるはずだ。ネガティブに考えてしまうことだって誰だってあると思う。そこで視野を広げて見方を変え、少しポジティブに考えてみよう。そうすると少しでも気持ちが楽になるはず。
『飛べない翼』というテーマについて…
鳥→羽という素晴らしい翼がついてるから自由に飛べる。
人間→人には翼がついてないからもちろん飛べないけど、立派な足がついて歩けている。
当たり前の事だけど人間と鳥は生き物でも違う生き物…
鳥は翼が傷ついてしまうと飛べないね…
鳥はどんな気持ちで大空を飛んでいるのかな??
鳥にとっては翼は必要だね…
傷つくと飛べない鳥になってしまうからね…
人が大事にしている事と同じぐらい鳥にとっては翼は重要な物だね…
飛行機…飛行機も翼がないと飛べないね…
人の命を預けている大切な乗り物だね…
私たち人間には出来ない事を鳥や飛行機はしてるね…
飛べない翼を深く考えた事ないから、貴重な時間になったかな…
自分が思う『飛べない翼』っていうテーマなのかもしれないね…
飛べない翼
ツバメ
君は美しい
飛べるかどうか知らぬまま
その翼羽ばたかせ飛べぬ才のない翼は
朽ち果て底へと落ちてゆく
飛ばぬが救いそんな訳もなく
飛ばぬ根性知らずは寒さに凍てつき
落ちてゆく
飛べない翼は落ちてゆく
だが落ち行く先が地獄だ
なんて誰が決めただろう
飛べなかろうと
飛べたかろうと
あるいは、翼が無かろうと
幸せか辛いかなんて決めるものじゃない
人も同じ
裕福だろうと貧しかろうと
天がどれ程優しかろうと
今がどれ程厳しかろうと関係無い
どんな肩書きがあろうと
幸か辛なんて定められる事などないのだ――
《籠の鳥》
(刀剣乱舞/蜂須賀虎徹)
長曽祢虎徹の真作。
それが蜂須賀虎徹である。
しかし、あの浅葱色の羽織を着た男が振るったのは贋作の虎徹だった。
真作以上に贋作がその名を、その斬れ味をもって広めることがもどかしく思えた。
「何故真作の俺が使われず、贋作が虎徹の名を広めているのだ....」
どうか、この俺を振るってくれ。
大事に仕舞われるだけなんて御免だ。
飛べる翼を持ちながら、飛ぶことを許されぬ籠の鳥のように。
俺は誇れる斬れ味を持っているのに、刀の役割を果たすことなく、平和な籠の中で生きてゆくのだろうか。
「飾られるだけの刀では無いのに....」
真作であるが故に、大事にされすぎた名刀の話。
[飛べない翼]
人間生まれてから色々な道ができている。
自分の好きなこと得意なことでもみな翼をつけて飛んでゆく。でも、僕には、鎖がついでいる。飛ぶにも飛べないとても固くて外せそうにない鎖…皆が羽ばたいていくのに僕は、行けない。決められた道を鎖と共に行かなければならない。鎖を外して羽ばたいて行くことが出来ない…怖い、勇気がない。僕以外にもいるかもしれない、一本道にそって飛んでいる人達が…自由に『飛べない翼』になっているかもしれない。でも頑張って少しづつ、少しづつでもいいから自分の好きなほうへ羽ばたいて行ってみて、失敗してもそこから挫けずに頑張ってみて下さい。少しずつ努力という羽をつけて行って、いつかは、『飛べない翼』から『飛べる翼』になるかもしれない。
ずっと空飛ぶ翼が羨ましくて
あんな風に飛べたらなぁと羨む日々、
どんなに、飛ぶ努力をしても
飛ぶための翼がなかったら飛べないのだ。
そして、翼は生えてこない、
あぁ、僕にも翼をください…なんて笑
【飛べない翼】
2010/9/27
最近は小児患者が増えてきたらしい。
今朝、看護師さんから聞いた。
だから子どもの笑い声がよく聴こえるようになったのか。
前は、まだ元気だった頃は、中庭で弾き語りをすることもあった。
今はといえば、体が重くてそんなことできない。
ああ、自由に歩きたい、
「空を飛べたらいいのに」という願いは、前にも増して夢のまた夢となってしまった。
今は歩くことさえも、夢となってしまったのだから。
2010/10/22
僕は今日、死のうと思った。
僕の病気は進行していくばかりで、ある日急に病気が治ったら、そのカーテンが少しでも翻ったならば、なんて考えていた。
だけど、もうそんなことを考えても無駄なところまで来てしまった。
だから僕は決めた。
もう死のう。
全て終わらせようって。
屋上から飛び降りて、何もかも無かったことにしようって。
あの日の歌も、ギターも、全て僕には関係なかった。
あの日の喜びは、僕にとって何の糧にもならなかった。
それで屋上に向かった。
少しだけ高い所に立って、手を広げると鳥になったような気分がして良かった。
あとは身を委ねて前に倒れるだけだった。
だけど、急に誰かに呼ばれたような気がして振り返った。
だめ、やめて、消えないで、って。
だけど、誰もいなかった。
きっと空耳、気の所為だ。
だけれど、不思議と「今日は死ぬの延期にしよう」なんて思ってしまって、それでこんな日記を書いているんだよ。
2010/10/25
今日も死のうとしたけど、どうしてもからだが動かなくてできなかった。
曇天の空に枯れ葉が舞うのを眺めながら、「今日も駄目だった」と無気力な脳はかんじていた。
なにもできない無力感、
翼はあるのにとべないなんて。
僕には足がついていて、
あるくこともはしることも、
屋上から身を投げることだってできるのに。
あと一歩のところで、どうしても出来ないのだ。
飛べない翼なんて、無意味だと思う。
「飛べない翼」
僕は、飛べない翼を持っている。
でもいつか、挑戦し続けていたら、きっと飛べるようになるだろうと信じている。
足掻いて足掻いて、理想の自分になれる日まで。
『飛べない翼』
スズメやカラスなどの鳥、蝶やトンボなどの虫は翼があって飛べる
それを例えとする
人の心情は翼があったとしても飛べる訳では無い
翼の大きさはどれぐらいだとか
翼があるかないかだとかは関係ない
人によっては飛べない翼がある
不安と感じる時や少し悲しみにくれた時
その時は、高くは飛べない
怪我したカラスやスズメと同じでね
楽しみ、嬉しさが感じられる時
その時は、高く飛べる
元気な蝶やミツバチに似てるようなものと同じでね
飛べない翼があるなら
休めばいつかは治ってまた飛べるようになる
飛べない翼があるなら
ちょっとした支えをしてもらえば
不安定ながらも飛べるようになる
飛べない翼があっても、治らないとは限らないから
飛べない翼から飛べる翼になるまで待てば良い
イカロス?
ヤンバルクイナー?
ぺんぎん?
決めちゃだめだよ。
飛ぶからちゃんと
白衣の天使。いわゆる、看護師。
白衣の天使の羽は、どうやって生えているのか。
ある人は、大学生。ある人は、高校生の時に。
人は天使になろうと決意する。
そうして、人は理想と現実を学ぶ。
その間に、沢山の苦痛を感じて生きる。
その苦痛が、理想が、
その身の肩甲骨を引き上げ、背中の肉を破る。
肋骨が剥がれ、曲がり、羽根のように背を突き破る。
その痛みに耐え、血を落とし骨を清め、
痛いままずっと頑張った、その先。
背中に飛べない翼が生える。
床に跪き、患者の手を下から下から掬う。
羽が汚れても気にせずに笑う。笑顔をみせる。
床に伏した人に、自らの羽をちぎり、分け与え、
天へと繋がるようにする。
白衣の天使は、飛べない。
白衣の天使は、人である。
だが、確かに、その背には飛べない翼が生えている。
「飛べない翼」 白米おこめ
全世界の看護師さん、いつもお疲れ様です。
もう二度と飛べなくたって。
情けなくたって、笑われたって。
意地でも生き延びてやる。
どんなに惨めで、他人に見下されようとも、最期に笑えれば僕の勝ちだ。
#飛べない翼
車とぶつかりそうになって
死にかけた今日、
直後は怖かった。
死を恐れた。
でも段々、
死なせてくれよなんて思ってきた。
みんな見えない翼を持ってる。
大きさは違うけど
ちゃんと飛べてる。
気づかないだけで
ちゃんと羽ばたいてる。
私はどうか。
大きさは普通だけど使えない。
自分のものじゃないみたいな感じ。
翼って
夢中になれて
自分を高めることができるものがある
証明になるんだと思う。
だから私は
夢中にはなれるけど
高めれないものなんだ。
する事する事全部が
他と変わらないというか、
そこから何も広げられないというか。
そんな自分を嫌ったり、
人と比べたり。
勝手に生まれてくる思考は
泣きたくなるほど惨めで。
だから今日は
翼を気にしないように過ごしていたんだ。
レンガの道の右側を歩いて、
チェック柄の傘で落ち葉を受け止めて、
少し冬っぽさを感じてくる空気を
肺いっぱいに吸って。
そんなちょっとの間に
曲がり角から車は来ていて、
あと数cm前に行っていたら
吹っ飛んでいたかもしれないほど
車はスピードが出ていた。
今日くらいは
お気に入りの服を着て
幸せに過ごそうと思っていたのに。
ドクドクと早くなる鼓動に合わせて
早歩きで家に帰る。
布団の上では愛犬が寝ていて、
いびきをかいていた。
背中をそっと触ると
暖かくて
ポロポロと涙がこぼれ落ちてきた。
それから夜まで
ずーっと愛犬の隣にいたんだ。
"Good Midnight!"
飛べない翼はただの飾り。
まだそう思っているこの少女は
車とぶつかりそうになった時
翼が守ってくれたこと、
前から危ない時は
翼が少女を包み込んでいたことを、
これから先も知らないまま。
誰もがどこかに飛べない翼を持っている。
顔に、身体に、心に。
もっと細かく言うと、頭、目、鼻、口、肌…
沢山ある。だから誰もがどこかに飛べない翼を持っている。
頭の良さもそうだし、運動神経など、人には必ず自慢できないところがある。
でも、欠点だらけでいいんだよ。
そう思えたのもあの子のおかげ。
だから、またあの時の私みたいに苦しんでる人をあの子みたいに助けたい。
飛べない翼をどのように活かすかで変わってくるよ。後悔はないようにね。
翼は飛ぶためにある。
飛べない翼はただの飾りだ。
だけど、その飾りのおかげで自分に自信が持てるのなら、飛べなくたっていいじゃないか。
精一杯大きく広げて、世界を威嚇してやればいい。
飛べるか飛べないかなんて、他人には分からないことだ。
自分には翼があるんだという希望を、心に抱いて羽ばたけばいい。
その翼はいつか誰かの心を優しく包み、暖める。
そのために存在しているのかもしれない。
そう信じて、今夜も羽を休めよう。
飛べない翼
私には生まれつき片方の翼しかなく、周りのみんなのようにうまく飛べなかった。すると周りの子達は自分よりもできないやつを見つけて、避けず踏むようにして笑っていった。時には「汚れ者」と呼ばれ奴隷として働かされたこともあった。でもそんなところをこっそり抜け出して、路地で倒れていた私に優しく手を差し伸べてくれたのは、私と同じ片方の翼しかない少年だった。私はその少年となら空を飛べそうな気がした。だから少年の手を取って「一緒に手を繋いで飛んでみよう」と提案した。すると、少年の目がパッと輝いてその瞳には無数の星が写っていてとても綺麗だった。少年と手を繋いで地上で軽くジャンプをしてみた。すると思ったとおり体が浮いて飛べるようになった。それから私はあの少年と共に暮らしている。手を取り合いながら、自分たちのペースで。