静寂に包まれた部屋』の作文集

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静寂に包まれた部屋』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

9/29/2022, 11:56:44 AM

時刻は深夜と呼んで差し支えない時間帯になっていた。

「何も起こらないじゃないか……」

思わずこぼれた独り言が、静寂に包まれた部屋の中で虚しく空に溶けた。

先日、引っ越したばかりの友人宅で、夜毎怪現象が起こるというので、それを確かめるために見張り番をしている最中だ。

友人の話では22:00くらいになると窓を叩く音がするのだという。

ただしここはアパートの2階。そしてバルコニーはない。
つまり、誰かが外から窓をノックする──という可能性は限りなく低く、友人はそれを怪現象と捉え、怯えているというわけだ。

22:00はとうに過ぎているが、それらしい怪音はしないし、他に怪しい現象もない。

多分ノック音というのは、間抜けな甲虫かなんかが窓に激突して発せられるものなんだろうと考えている。
というのも、このアパートが建つ場所はかなり自然豊かだからだ。当然、そこを住処にしている虫はかなり多い。

怪現象など起こらないし起こる気配も感じられない。
部屋は深々とした静寂に包まれたままだ。

深夜ということもあって眠気を感じる。
馬鹿馬鹿しいと心で悪態をつき、照明を消そうとリモコンに手を伸ばした時であった。

押し入れから何やらごそごそと蠢くような音が聴こえてきた。

ネズミ……だろうか?
しかし音の感じから察するに、ネズミよりも大きなものが蠢いている気配がする。

正体を暴くべく押し入れの襖に手を伸ばすが、果たして開けてしまっても大丈夫なのか。
もしもその正体が変質者などであったら危険だ。

さすがに身の危険を感じ、この部屋から離れようと判断する。
玄関に向かおうと押し入れに背を向けた直後だ。

ゆっくりと押し入れの襖が開く音がした──


テーマ【静寂に包まれた部屋】

9/29/2022, 11:53:03 AM

荷造りは終わった。
ブランケットにくるまり最後の夜を過ごす。

生活を始めたときの
ワクワクと不安の混じっていた部屋は
いつの間にか
たくさんの思いの詰まった空間になった。

目を閉じれば
友人たちとの笑い声が聞こえる。
失恋して泣き枯れた声が聞こえる。
仕事の愚痴を漏らす声が聞こえる。
仕事帰りの晩酌、ビール開栓の音が聞こえる。

そんな空間もあと一日で
また無機質な空間に戻る。

この空間は
誰かの思い出の詰まった空間になるのだろうか。

楽しかったな。
寂しかったな。
辛かったな。
充実してたな。

色んな思いが混ざった気持ちが
「懐かしい」なのかな。

もうこの部屋に戻ることはない。

ありがとうございました。
7年間おせわになりました。

ふとした時に思い出して
懐かしさが心にあふれるときまで

9/29/2022, 11:48:52 AM

#静寂に包まれた部屋

長女を産んだ翌日の明け方
私は少し薄暗い静寂に包まれた部屋にいた
ゆっくりと起き上がり赤ん坊の様子を見ようと
小さなベッドに近づく
ハッと気がつくとベッドの向こう側に天国にいるはずのおばあちゃんがいつもの深みどりの割烹着をかけ佇みこちらを見ている
あーおばあちゃん!見守ってくれていたのありがとう
と心の中で呟いた

9/29/2022, 11:28:32 AM

ほんとうは ... やっぱり妻を愛しているんです ... .. ..... 。

♂AB型にとっての♀O型はネバエンディングテーマ ... なのです ...

宇宙。そしてAB型はミクロ。

でもね ... AB型は嫌われもので孤独好き ...

O型はその真逆なんだよ ....... ... ね。

砂利道の凡一が見上げる太陽だったり月だったりが所謂血液型O♀なんだよな。

愛してなんかくれなくていい。

気付きすらしないでいい。

ただ ... 常にきらきらしていてほしい。

きらきらして居れない時のO型♀は泣いているから。

きらきらしていなければ生き続けられないはずだから。。。O型♀は。

そういうの、ぜんぜん平気なABだからそんな灰色のABと真逆のきらきらでラブリーなOが大好きで放っておけないんだけど近寄ると邪魔をするだけだから離れて ...

あゝ ん ... 妻 ... 女房 ... O型なんだ。冷戦中の妻、女房ね ... O型♀なんよ。

だから金だけ稼いでやってメシは作って貰ってる、洗濯、家の掃除 ... ま専業主婦させてるけどね ... 手取り年収480万でゴミ扱いされても言い返せないわな ... ... ... ..... 。

早く死体になりたいけど、

今回生命を過去にしたあとを用意しなきゃな。

は ぁ 。

女房の余生。ランディング。むすめふたりの辿る路にある誰もの路にも必ずある落とし穴に蓋してかなきゃな ... 。

時折見上げる青い空や真っ白い雲が灰色にならないように。

去る前に ... 去る前に ... 猿前に ... 🦀。

9/29/2022, 11:25:53 AM

お題 静寂に包まれた部屋

迷い探し続ける日々に

二人とも疲れてきて

今はため息つく時間だって

感じていたい

もう一度愛を確かめたいと思った私に

あなたは悲しい横顔見せてきて

静寂に包まれた部屋には

溢れ出す想いがこぼれてる

9/29/2022, 11:16:12 AM

静寂に包まれた部屋

家族におやすみと伝え、自室に向かった。
部屋のドアを開き、明日の荷物を準備した後はそのままベッドに倒れ込んだ。

静かな部屋に柔らかな毛布は、騒がしい1日に揉まれた心身を癒してくれる。
今この時は、穏やかに過ごしなさいと伝えてくれるようだ。

静けさに身を任せ、私は夢の世界へと旅立った

9/29/2022, 11:16:10 AM

お題「静寂に包まれた部屋」

真っ白く、まるで体に布が被せられているような感覚
誰の声も遠く、今自分がここにいるのかも危ういほど

全てに疲れてしまったんだ。
呼吸さえ煩わしく、重力も恨めしい。

そんな自分にとって、今この空間は、とても楽なんだ

自分の中に創り上げた、自分だけの部屋。
誰も、ここに入ることはできない。

9/29/2022, 11:16:06 AM

静寂に包まれた部屋で、愛をかわす。




俺は、もう一年近くあいつの笑顔を見たことがない。
それもそのはずだ。
あいつは、ショックで魂のない脱け殻みたいな状態になっているのだから。
そのショックとは、親の死である。

いつかは、誰しもあの世へ旅立つが、あいつ『ミカ』両親の死は早すぎた。

交通事故だった。

それから一年間ずっと、部屋にとじ込もってミカは現実を受け入れない日々を送っていた。

困り果てるミカの祖母。
幼なじみの俺はそれを見かねてミカの家を訪ねることが増えていった。

『ミカ、夜ご飯置いとくぞ』

そういうといつも帰ってくる言葉は。

『うっさいバカ、早く帰れ!』

そういう日々が、続いていた。そんなある日、いつものようにミカの祖母が作るご飯をミカのもとへ持っていこうとした時の事だった。

ミカの祖母が勢いよく倒れた。
『おい、大丈夫ですか?救急車呼ばなきゃ!』
ミカも何事かと珍しく部屋から出てくる。

自分の祖母が倒れている姿を見て、呆然とするミカ。

しばらくして、救急車がやってきた。
運ばれる祖母を見て、涙を流すミカ。

病院に行き着く前に、ミカの祖母は息を引き取ったとの知らせが入る。
すると、ミカは、自分の部屋に走り去った。
泣き声が、聴こえてくる。
たった一人の家族がいなくなったんだ。
悲しいに決まってる。

俺は、なんて声をかけるべきかわからなかった。そっとしとくべきか。迷った。でも、ミカの祖母から言われたことを俺なりに今からミカに伝える。

ミカの部屋の前に着いた。少しドアが半開きだった。

『ミカ入るよ』
そう言って、中に入る。
すると、泣き止んだ、ミカの姿があった。
ミカが、俺に抱き付いてきて言うのだ。
『独りぼっちになっちゃた。怖いよ!』
俺は、その言葉を聞いてミカに言うのだった。
『俺がいるよ。あのさ、俺、ミカのばあちゃんからミカのこと頼まれたんだ。何かあっても、守りきれってだから俺なりにお前を守る』
ミカは、顔を赤くさせ。
『それって、告白してんの?』
俺は。
『こんな俺、ダメかな?』

そう言うと、ミカは黙って、俺にキスをした。





『俺らは、この後静寂に包まれた部屋で、愛を交わした。』

9/29/2022, 11:13:06 AM

静寂に包まれた部屋で僕は何を思う?
静寂に包まれた部屋で僕は何を書く?
静寂に包まれた部屋で僕は何を謳う?
静寂に包まれた部屋で僕は君を見つける。
でもそれは僕の妄想で、幻覚で。
静寂に包まれた心を僕は思い出す。

静寂に包まれた部屋で僕は何を無くした?

9/29/2022, 11:12:14 AM

曇天に月も寝静まって、間接照明も消した。
スマホを持つ腕は布団に落ちて、思考だけが堂々巡る。
明日は、もはや今日に化した

9/29/2022, 11:02:21 AM

『静寂に包まれた部屋』

寒い冬の日、静寂に包まれたへやで、亡くなった人に対面した

穏やかな顔だったと記憶する

ご家族は涙を堪えて、慰問客に
対応していた

そこへ、息子夫婦が現れた
60代半ば位に見えた

静寂の空気感の中に異様な空気が流れるのを感じた
それは私だけだったのだろうか

息子の嫁にあたる女性は、
真っ赤な口紅をさして
現れた,-----
そして、手にしたコートは
赤のタータンチェックであった

何かに抵抗しているように見えた

亡くなった義父に対して?
それとも、この家人達?

お悔やみの言葉も一言も発する
ことなく、自分だけ帰って行った

静寂は続いたが、それからの
部屋の中は違和感のような
香りが残ってしまった

化粧は薄く、身につけるものは
通夜の席ではないにしろ、黒に
近いものが亡くなった人への
気配りのように思っていた

葬儀の打ち合わせに来ていた
葬儀社の男性の驚いた顔が
目に浮かぶ

60代らしき女性は、なぜか
とても美しい凛とした佇まい
であった

音のない静寂への抵抗は
以外にも効果的であった

不思議な思い出になった

9/29/2022, 10:57:43 AM

静寂に包まれた部屋。

静寂に包まれた部屋は
少し
肌寒く
なってきた。

静寂に包まれた部屋で
「キミに逢いたい」と
いつもオモウ。

9/29/2022, 10:54:21 AM

形にしたらまぁるいような、そんな温かな、柔らかい夕陽が部屋全体をオレンジ色に染め上げている。

ソファーでうたた寝をしていた彼の上に寝そべって、胸に頬を寄せる。
頬に感じる彼の暖かさと、心音。
トク、トク、トク。
その音は私を安心させる。
彼の生きている証の音を子守唄に私も深く沈む感覚がした瞬間に、ふわりと頭を撫でられて意識が浮上した。

「.......」少し顔を上げて彼を見る。
「.......」彼は私を見て目尻を下げて、頬を撫でる。
「.......」私は彼の手に擦り寄る。
「.......」優しい力で抱きしめられて、そのまま彼はまた寝ていった。

なんて幸せなんだろう。
この幸せが続きますようにと、願いを込めて彼の頬にキスをして、それからまた彼の上で遅い時間のお昼寝することにした。
きっと2人とも変な時間に起きてしまって、夜寝れなくなるだろう。
でもたまにはそんな夜があっても良い。


#静寂に包まれた部屋

9/29/2022, 10:45:15 AM

【静寂に包まれた部屋】

思い出すのは高校時代のテスト時間
白いシャツが眩しい7月の静かな教室
そこに響き始める1匹のセミの鳴き声

 今年も夏が始まるんだな

わくわくする気持ちを抑え、緩みそうになる口元をキッと引き締める

特別な予定もイベントも持たなかったあの頃
それでもただ夏が好きだった


                 2022.09.29
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夏ほどキラキラして見える季節はない
実際には予定もなくダラダラと暑い日々を送るだけなのに
7月は活力みなぎる空や海の青、全てが輝いて見える
8月は西陽のようなオレンジ、じりじりと焼きつくような暑さ
昔からこんなイメージを持っていた

いくつになっても夏が好き
人間関係が変わり、役割が変わり、
そしてまた、昔のような夏を過ごした気がする2022年
また来年もセミの声を聞いて口元を綻ばせるんだろうな

9/29/2022, 10:36:55 AM

題 静寂に包まれた部屋

今、私の部屋は

東は親子の話し声、西は電車の音

南は鳥の囀り、北は犬の鳴き声

それらに囲まれている

静寂からは程遠い

スイッチを切るみたいに

ピタッと止まる瞬間を見てみたい

同時に、日常の音が消える

そしたら、自分はどうなるのか知りたい

そんな、危ない好奇心に掻き立てられる



犬が吠えた。高い声、仔犬が産まれたようだ

9/29/2022, 10:33:06 AM

「私とあなたじゃ住む世界が違う 三十一話」

スモークとスプライトの二人は、残党の饅頭を追っていました。
「オイ、あの二人追って来るぞ」
「逃げろォー」
饅頭達は、追って来る歌い手達から、必死に逃げようとしました。
「饅頭だから、追いかけるの楽だねー」
「饅頭は、この世界じゃ一番弱いモンな」
「数は一番多いけどね」
スモークとスプライトの二人は、興味本位で饅頭達を追っていました。
「巻くぞ」
饅頭の一人がそう言うと、饅頭達は多岐に分かれて逃げ出しました。
「あれ?」
スモークは、分かれて逃げ出した饅頭達を見てきょとんとなりました。
「どうしたんだろう?」
「スモーク、攻撃とか仕掛けて来るぞ!」
スプライトはスモークに注意すると、
「食らえ、煙玉!」
饅頭達は、煙玉を二人に目掛けて投げつけました。
「うわっ!」
「前が見えない…」
煙が周りに立ち込めて、饅頭達を見失ってしまいました。

「くっそー、逃げられたか…」
「大丈夫、足跡があるから」
地面には、饅頭の通り道がくっきりと残っていました。
「石化した饅頭を引きずった跡だね」
「スモーク、やるな!」
「追ってみよう」
「…追ってみるか?面白そうだけどな」
「饅頭達が何探してるのか気になるしね」
スモークとスプライトは饅頭達がどこに行くのか気になったので、好奇心で追う事にしました。
「俺達、まるで探偵みたいだな!」
「探偵ごっこってやつ?」
「スモークが、一番探偵って言葉似合うぞ!」
「褒めても、何か出る訳じゃないけどね」

スモークとスプライトの背後に、木の上で二人を見ている、薄いベージュの肌、茶色い大きな目、金髪のウェーブ掛かったロングヘアで、両側をツインテールにしている髪型、中肉中背でグラマー体型のガーリーファッションの愛らしいお姫様の様な女性がいました。
「私、セラフィちゃんの試作品、試してみようかなー…?」
スモークは背後の気配を感じ取り、とっさに後ろを見ました。
「…誰か居たのかな?」
スモークが見る限り、誰も居ません。
「気のせいかな?」
「…うーん、灰色の子は気づかれそうだなぁ…金髪の方にしーよーおっと」
セラフィは、試作品の回帰光玉をスプライトの方に投げつけました。
「何だ?光か?」
スプライトは後ろを振り向くと、回帰光玉が自分目掛けて飛んで来ました。
「危ない!でも、眩しすぎて見れない…」
回帰光玉は、庇おうとしたスモークにぶつかりそうになったので、スプライトは、わざと自分に当たるようにスモークを庇いました。
「だ、大丈夫?」
「俺は、ドッチボールの玉、食らっただけで大丈夫だぞ?」
スプライトの姿は、冒険服から私服の姿に戻っていました。
「スプライト、ソレ…グループ結成前の姿じゃん…」
スモークは、青ざめていました。
「俺が食らったのって、回帰光玉か…?」
スプライトは呆然としていました。
「…でも、この姿って、個人のみで活動してた時の姿だから、完全に一般人に戻った訳じゃないよね?」
スモークは、スプライトをフォローしました。

「…何とか逃げ切ったな」
「一時はどうなるかと思ったぜ」
饅頭達は、アジア建築の古びた塔へ逃げました。
「傷付いた仲間達を手当だ!」
「…この方角だと、あの建物がある場所に逃げたっぽいね」
「ああ、そうだな…」
二人は、饅頭達が逃げた塔の方を見ていました。
「多分、敵の本拠地の様な場所だから、応援は呼んだ方が良いと思うんだけど…スプライト、どう思う?」
「その方が良いかもな…」
スプライトは、元気が無い状態でした。

「…スモーク、一度、サンダーウイップ使うけど、良いか?」
「良いけど、どうしたの?いきなり」
スプライトは、木に向かってサンダーウイップの電気を放ちました。
「やっぱりな…威力が大幅に下がってるな」
「……」
スモークは、沈黙してしまいました。
「スモーク、グループの皆に伝えてくれ。俺は、これじゃあ足手まといになるだけだ。皆には、迷惑がかけられない…」
「つまり…フロンティアウォーカーから去るって事…だよね?」
スモークは、涙目になっていました。
「俺だって、こんな去り方は納得出来ないぞ?…でもな、俺はグループの力を失ったんだ…後は、健闘を祈るぞ」
涙を流しながらスプライトはそう言うと、スモークの前から姿を消しました。

9/29/2022, 10:27:57 AM

僕はいつもどうり部屋でニュースを見た。そしたら
「昨日の午後、〇〇市〇〇で制服を着た男の子が遺体で見つかりました。警察は……………」
またそんなニュースか、最近そのようなニュースが多くなっている気がする。そして、そのニュースと自分の過去が重なる。
静寂につつまてている部屋で僕はそんなことを思いながら、今日も日記をつけた

9/29/2022, 10:26:54 AM

時計の針の音、車が走る音、筆を走らせる音。


1人の部屋では、どんな音も激しく聞こえる。


時報、クラクション、人が話す声。


街中では、どんな音も小さく聞こえる。


どっちが静寂に包まれているんだろう。

9/29/2022, 10:23:09 AM

静寂に包まれた部屋で
静かに瞑想していると
心の中に詰まっていたがらくたが
徐々に解き放たれてくる

私はそれを紙に書くことで解き放つ
解き放つ 解き放つ
解き放つ 解き放つ
痛みを感じながら

そして徐々に浮かび上がるのは
この世の実相
私の心の鏡に映った真実
見まいとしていた姿

誰かの思惑で 真実から遠ざけられ
傷を負って私は
この部屋にくることにしたのだ
真実を受け入れるために

泥水をこれでもと解き放った心は
やがて静まっていき
冗長なリズムをかなで始める
疲れて動きを緩めた私の心拍に合わせて
徐々に 徐々に
湧き水のように

踏みにじられていた心に
頼りない若葉のような
生命力が芽生える

9/29/2022, 10:22:14 AM

アナログ時計を置いているわけでもないのに、秒針の幻聴がする。
締切まで後1時間。これを提出しなければ留年の危機となるレポートを前に、私の手は完全に止まっていた。何度も何度も文字数カウントを開いては、変わらない数字に絶望するばかり。

「書けないんだから留年した方が良いんじゃないか」「でも留年したくない」と思考は回り、バタンとソファーに仰向けに転がった。このまま寝てしまえば終わりだ。
裏返しにしていたスマホを確認すると、通知が一つ。
推し俳優のブログ更新のお知らせだった。
そういえば来週は舞台だ。

留年したら素直な気持ちで楽しめなくなるかも、と思った私は、よし、と近くに置いていたコーヒーを飲み干す。
人間のやる気なんてそんなもの。

留年回避できたらお礼にメールを送ろうと思いながら、残り50分で書き上げるべくキーを叩いた。

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