千明@低浮上

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形にしたらまぁるいような、そんな温かな、柔らかい夕陽が部屋全体をオレンジ色に染め上げている。

ソファーでうたた寝をしていた彼の上に寝そべって、胸に頬を寄せる。
頬に感じる彼の暖かさと、心音。
トク、トク、トク。
その音は私を安心させる。
彼の生きている証の音を子守唄に私も深く沈む感覚がした瞬間に、ふわりと頭を撫でられて意識が浮上した。

「.......」少し顔を上げて彼を見る。
「.......」彼は私を見て目尻を下げて、頬を撫でる。
「.......」私は彼の手に擦り寄る。
「.......」優しい力で抱きしめられて、そのまま彼はまた寝ていった。

なんて幸せなんだろう。
この幸せが続きますようにと、願いを込めて彼の頬にキスをして、それからまた彼の上で遅い時間のお昼寝することにした。
きっと2人とも変な時間に起きてしまって、夜寝れなくなるだろう。
でもたまにはそんな夜があっても良い。


#静寂に包まれた部屋

9/29/2022, 10:54:21 AM