『雫』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
泪の雫をためている瓶
強く蓋をして
ある日
蓋を外し
天に掲げた
泪の雫たちは天にむかい
キラキラ輝いて
やがて雨となり
しかし空は晴れ
やがて
青空に虹が輝いた
お題
雫
性格上、立場上、泣いてる子を慰めたり落ち込んでる子のそばにいることが多い。悩みを聴いたり愚痴を聴いたり。
必要とされることはありがたいし希死念慮に取り憑かれてる身としての処世術や生き方みたいなのもわけることができるから友だちみんな幸せになればいいと思ってる。
だけど私の話は誰が聴いてくれるんだろう。私の涙は誰が拭ってくれるんだろってふとした瞬間思っちゃうんだよね。
ありがたいことに話聞くよーって言ってくれる友だちはいるけどいざ話すと困らせちゃうから話そうにも話せない。
搾取、なんて冷たい表現はしたくないけど私は多分一生与え続ける人生なんだろうなみたいな。
インターネットとかいうクソデカごみ箱に捨て続けよう~
(雫にするとあまりにも詩的になって恥ずかしくなっちゃうから涙にしたよ^^)
子供の頃、窓につたう雨を飽きずに見ていた、遠出をした日、高速道路の灯りに照らされて、車窓に吹き付ける雨の雫がひかり、したたり、幾筋も川のように流れ落ちていくのをずっと見ているだけの時間があった。夏の日に親戚の家で注がれたジュースのコップにいつのまにか滲み出て、表面の花柄を歪ませながらするりと滑りおち手を濡らした雫を、大人たちの話を聞き流しながらぼうっと眺めていた。降ってくる雨の雫を見るのが心地よくていつも透明のビニール傘を選んだ。最近そんなにじっと何かを眺めたことがない気がして、雨など今でも別にめずらしくないのに思い出すのは昔のことばかりで、同じ眼でも見えるものは随分変わってしまうのだと思った。クープランの墓をきくとき音が雫のようになることがあって思い出すのは昔見たものばかりだ。ありふれたしかしいつまでも飽かず眺めていられる美しい雫で視界が満ち満ちていた時の。
(雫)
「雫」
あなたの目から
雫が落ちないように
私が
ずっと側で守ります
お母さんはいつも元気で活発で泣くところなんて見た事なかった。
お父さんが浮気したその日
初めてお母さんの涙を見た。
垂れてる垂れてる!
思い出すなぁ
我が息子は
大変なよだれくりだった
よだれかけを
毎日毎日取替えて
そして
あの笑顔!
もう見ることは出来ないけれど
遠く都会の空で
頑張るあなたを
いつも応援しています
幸あれ
雫
目を開けてすぐ見知らぬ天井が目に入ってきて驚いた。
たしか先程まで会話をしていたはずだが、と体を起こしてここがメディカルルームだということに気がついた。
おかしいな、メディカルルームに来た覚えはない。
後輩と別れ際ノ冗談を言い合ってそれで。
それまでの記憶しかないな、と首を傾げたところで室内に誰かが入ってくる。
「先輩~! 大丈夫ですか? 意識ははっきりしてます? 記憶に変なこと起こってないですか? これ何本に見えます?」
入ってきたのは後輩だった。指を三本立ててこちらに見せてきたので一応「三本」と言っておいた。
「よかった~じゃあ取り敢えず先生呼んできますね!」
「おう」
後輩の目には涙が滲んでいた気がしたがつっこむのは止めておいた。
「心配かけたのかね」
一人呟くと後輩の「当たり前でしょ!」という声が聞こえてきそうだった。
「結論から言うと脳内チップの劣化からくる機能停止だね」
医者が言うには予想通りの言葉だった。
「なるほど……」
「破損寸前だったからチップは新しいのに変えてあるけど、ボディはどうする? そろそろ新しくしてもいいと思うけれど」
「じゃあボディも新しくします」
ついでだ、ついで。だから医者の後ろで不安そうな雰囲気を醸し出さないでくれ。
「ヒューマノイド型にして貰ってもいいですか」
「了解、3日くらいは入院ね」
「うへぇ」
そう話した医者は後でボディのデザイン持ってくるからと言って立ち去っていった。
「先輩しっかり休んでくださいね! 自分お見舞いにも来るんで」
「いや、そこまでしなくても」
ただのボディの交換だし、と言うが後輩は聞く気は無いらしく「じゃあ帰ります!」と言って立ち去っていった。
「ボディの交換終わったら酒でも奢るかあ」
ベッドに再び寝転びながらそんなことを呟くのだった。
葉に滴る雫を意味もなく眺める。
そこだけ時間がゆっくり進んでるみたい。
普段は人と話して無意識に疲れてるのかも
こういう一人の時間があってもいいね
なんだか悪い気持ちが無くなるみたいで
落ち着くな
─────『雫』
雫
心が痛んで苦しくて、冷たくなっていくのと裏腹に
目からこぼれ落ちるのは温かい雫
意識などしていないのにほろほろと頬を伝う
弱い象徴だと後ろ指をさされてるのを感じる時ほど
悔しくて恥ずかしいものはない
だけど、それは恥ずかしいものなんかじゃないと。
時にはすべてをさらけ出して大声を上げてもいいのだと。誰かに縋ることだって必要な事だと教えてくれた。
我慢して偉い。だけど無理はしないで、僕を頼って。
ぎこちなく頭を撫でてくれた。
こんなに温かい雫なんだから。
雫は空から落ちれば命を宿すこともできるんだよ。
_____
きっとあなたが辛くて雫をこぼしたのなら、その雫はあなた自身を犠牲にしたものだから。誰かを傷つけないように、優しいあなたは我慢をして。温かい心から生まれたものだから。
だけど抱え込まないで、次は私が支えてあげる。
無理に雫を零す必要などないのだから。どうか幸せな雫で溢れますように。
そろそろね。
旨味も出てくる頃なのよ。
私の人生、ダッチ式。
#24「雫」
「どうした二宮」
俺が部長との話を終えて、自分の席に戻ろうとした時、異変を感じた。
グスン
というオフィスではあまり聞かない音を聞いたせいだ。不意に向かいの席の二宮を見ると、顔は無表情だが、液体が顔から溢れていた。
「うん? どうした」
もう一度聞く。二宮のパソコンには
「しずく」という文字が溢れていた。
「先輩、しずくってこんな綺麗な漢字なんですね」
その文字の羅列の最後には
「雫」
と、書かれていた。
こいつは結婚して3年。子供が生まれてもうすぐ一年だ。
「何かあったか?」
「僕、食器拭き担当なんです・・・」
聞けば、育児ノイローゼ気味の奥さんに、食器の拭き残しのしずくの事で、毎晩怒られているらしい。
「頑張ってるんだな」
「しずくって、こんなに綺麗な漢字なんだ」
今の俺には何も出来ない。肩を叩き、自分の席に帰ろうとした。
そこで、ふと二宮のパソコンにしずくが落ちている事に気づき、ティッシュで拭こうとした。
「やめください!! こいつだって、こいつだって、僕の目から溢れた雫なんです! 大事な大事な雫なんです!」
二宮はすごい剣幕だ。
「わかった、わかった」
俺は慌てて、自分の席に戻った。
あいつはやっぱり疲れてる。
だって、あのしずくは目からじゃなく、鼻からたれたものなのだから・・・
はらはらり。
「泣いているの?」
「どうだろうね? きいてごらん」
幼い私の問いに、母は微笑み答えた。
公園で見かけて、止めどなく流れている姿を見過ごせなかった。
母と繋いでいた手をほどいて、公園の一番奥に佇む姿に駆け寄って尋ねた。
「ねぇ、桜の木さん。どうしてそんなに泣いているの?」
純粋だった私は、散る花びらが泣いているように見えたのだ。
もちろん桜は何も答えなかった。代わりにひらりと花びらが一枚、私の鼻先に落ちてきた。
あの頃よりずいぶん小さくなった遊具に囲まれて、〈あなた〉はまだ公園の奥にいる。
今年もまた泣き出す頃だと、公園の入口のベンチに腰かけてその姿を見に来た。
今日は寒の戻りか風も冷たい。ストールを取り出したところで、強い風が肌を撫でた。
煽られた髪を整えている指先に、〈あなた〉の涙がひとつ、ふたつ。
また風に煽られて、〈あなた〉は涙がこぼれ続ける。
(桜の木さん、どうしてそんなに泣いているの?)
声に出さぬまま問う。大人になった私は、それを悲しいとも寂しいとも、嬉しいとも訳すことが出来るようになった。
桜の木はもちろん何も答えない。
/『雫』
ボクの目から落ちる雫は真珠になって下に落ちる。カツンと乾いた音を立ててどこかへ行った。
「あくびの涙も真珠になるんだね」
足元に転がった真珠を拾い上げた信乃が言った。
「うん、そうみたい。それを見るたびボクは人じゃないことを痛感するよ」
「仕方ないよ、体質なんだから」
真珠をいじりながら笑った。長袖の隙間から包帯が見える。また……。とボクは思った。
「また機嫌が悪いんだね。お父さん」
「うん。少し手首を痛めただけ」
「どこかに相談しないの? ボクも……」
信乃は手に持っていた真珠を握ってボクの顔を見つめた。
──余計なことはするな。とでも言いたげな瞳で。
ボクがこの学校に転入してきたのは3ヶ月前のこと。海からやってきたボクは足を手に入れ、肺で呼吸をすることを学んだ。
ここは特別で海から来た者を受け入れてくれる変わった学校だった。
転入して早々ボクは保健室の住人になってしまった。クラスで挨拶を済ませたあと、学校集会のため体育館に向かっているとき、予期せぬ方向からボールが飛んできたため顔面でキャッチしてしまった。仲良くなった友人擬きは半笑いし、ボールを飛ばした本人は簡易な謝罪で元の場所へと戻って行った。
当の本人(ボク)はと言うと、初めて“鼻血”を経験したことによって途方にくれていた。
その時助けてくれたのが信乃だった。
ティッシュを渡してきたと思ったら、手を引いて保健室へ連れてきてくれた。テキパキと戸棚からワタを取り出し「鼻に詰めて」と言い、冷凍庫から氷を取り出し氷のうへ詰めていく。
「慣れて、いるんだね」
「わたし、いつもここにいるから」
信乃は小さな声で言った。振り返った彼女は先程作っていた氷のうを差し出した。
「冷やして、それで止まらないなら先生呼んでくるから」
「うん、ありがとう……」
ボクが頷いたときカツンと乾いた音がした。
手についていた血が床に落ちたからだ。目の先には血のような赤いルビーが落ちていた。
これがボクの体質。海の者によって個体差は出てくるが、体液が毒の性質の者、血肉が不老不死の性質を持つ者、歌声が命を奪う性質を持つ者など様々。ボクの性質は涙と血が宝石になること。人ではない部分。
「──綺麗」
信乃は笑って言った。
その言葉でボクは自分の性質がこれでよかったと思った。
「そう、かな?」
「うん、とても」
「じゃあ、あげるよ。キミが嫌じゃなければ……」
信乃はルビーを拾い少し悩んだあと、微笑しルビーを自分のポケットへしまった。
「ありがとう、大事にするね」
彼女はそう言い保険室から出ていった。
それからすぐ彼女が何故保健室にずっといるのか知ることになった。
下校時、裏路地に面した場所で、中年男性と言い争う信乃を見かけた。
──お父さん、待ってよ、待って! それは大切なものなの! 返して、返してよ!
保健室で聞いた声よりも大きく切羽詰まった声だった。
──うるさい! と中年男が怒鳴り信乃を突き飛ばした。その手には保健室で彼女にあげたルビーが握られていた。
しがみついてくる信乃を振り払いながら男は足取り確かにどこかへ向かって行った。
「信乃」
ボクが声をかけると信乃は戸惑ったような顔をした。
「……風海(かざみ)くん、ご、ごめんなさい」
信乃は顔伏せ震えていた。自分の拳に力がこもる。
「…ボクが取り返すよ」
「だめ!」
信乃は叫んだ。ボクの腕を掴み、ボクの目を強く睨んだ。
「…絶対にだめ」
ぼやくようにもう一度言った。震える手は彼女の可弱さを物語らせた。
その後からボクたちは保健室仲間として仲良くなった。保健室で彼女は本を読んでいた。日本文学から海外の作品まで沢山読んでいた。
「桜の木の下には死体が埋まっている」
信乃が呟いた。
「え? どういうこと」
「有名な文豪の一文なの。桜の花があまりにも美しいから何か理由があると不安に思った主人公が想像したのがこの一文なんだって」
「へー、変なことを言う人もいたんだね」
「そうだね。でもわたしこの言葉好きだな……」
信乃は呟き、視線を本に戻した。
彼女は言った。辛い、苦しい、死んでしまいたいと思ったとき本の世界に行くと現実世界の嫌な部分を忘れることができると。
1頁、1頁、わたしではない誰かになれる──と信乃はアザのついた腕をさすった。
──ボクがどうにかするよ
──ボクが君を守るから、どこかに逃げよう
──キミのためならなんだってするから
だから、信乃(キミ)に生きていてほしい。幸せになってほしかった。
彼女は絶対に首を縦に振らなかった。
例えどんなに傷つけられても、虐げられても、それでも家族だからと、見捨てられないと彼女は涙を流した。
ボクの涙は真珠になるのにキミの雫(なみだ)は水滴のまま下に落ちる。
人は無力だ。人と魚の半分ずつのボクも。
信乃の抱えた苦しみも痛みも悩みも救えない。
それでもボクの歌を聴いて涙を流し笑った顔、ボクの体質を綺麗だと言ってくれた声、小さな震えた手、ふわふわとなびく顎元で切りそろえられた髪、ボクは彼女の全てが愛おしく思っていた。
苦しいのならボクの息をわけてあげたい。
痛いなら痛みをわけてほしい。
寂しいのならキミのそばで歌うから。
どうか、どうか、一人で泣かないで。
キミの「助けて…」にボクは全てをキミに捧(あ)げたいと思った。
【ロスト】
雨上がりの花の
雫💧美しいですね
雫が キラキラしている
キラキラ光る ダイヤモンド
美しい
誰の心の中にも、その雫は零れ落ちる。
毎日、無理矢理笑顔を作っていてもその先には泣いている自分がこちらを見てる。
ずっと、笑顔で居られたら周りに嫌われる事も無かっただろう。
もっと早くから自分自身の心に耳を傾けて居れば、君の事を傷付ける事も無かっただろう。
心臓は破れ喉が引き裂ける程、叫んで泣き続けた。
嗄れて掠れた声で、ただ君の名前を叫んだ。
君に届く事は無いと解っていても、その時はただ叫び泣き続ける事しか出来なかった。
君に
「好き」
だと、伝える事が出来なかった。
一晩中独りで泣き続けて、気が付けば朝が来た。
「朝か、、」
体が重い。
ニュースを見ながらバターを塗りトーストを齧る。
「行ってくるよ。」
そう言って、家を出る。
ある日、僕は悪夢を見た。
それは、僕が君の名前を叫びながら一晩中泣き続けているというものだった。
あなたは自身の心の叫びに気が付いていますか?
ぽたり ぽたりと私の頬を濡らす。
ずっと一緒だって誓ったあの日から、私の心はずっとあなただけのもの。
「大好きだよ」「愛してるよ」
あなたの口から紡がれるその言葉に、どれほど私は虜にされたことだろう。
毎日が輝かしくて、一緒に居る時間は幸福そのものだった。
そう…" だった "
あんなに一緒だって言ったのに、、、
私にたくさんの愛をくれたその口から溢れる鮮血
私の頬を濡らす赤い雫
真っ赤に染まったあなたの心臓
真っ赤に染まった私の手のひら
この赤は愛の証
猫が窓の結露をなめる。
新鮮なお水を器に用意していても、
そっちのけで窓をぺろぺろする。
それはそれは、とてもおいしそうに。
何度もやめさせようとしたけれど、もう諦めた。
何か特別な味がするのだろうか。
「雫」
ピチョン。ピチョン。「あぁ、雨樋が歪んでるなぁ」この長雨が上がったら直そうかと昨年の梅雨も思ったか?これはデジャブか?今年こそは覚えておかないと。でもさらさらと降る雨の中にピチョンという音は可愛いな。うんうんやっぱりこのままでいいということにしようかな。
2023/04/22
ひとりでしゃかしゃか手足を動かして
あばばば
突然ピタリと動きを止めて
そして真っ直ぐにこちらを見て
うぶぶぶ
にへらっ と無垢な笑顔
ただそれだけで口周りの大惨事も許せてしまう
このよだれ星人め!
『雫』
【雫】
無機質な雫を垂れ流す。舐めたらなんかしょっぱくて、心が少しだけ痛くなった。これは汗だからなんて言い訳。負けたんだ、賭けに。試合に負けた。
「負けたらご褒美、約束でしょ?」
癪に障る。声をかける時を選べよと言った顔で見つめてみると少し笑われた。
「泣いてんの?」
お前に負けたから。あと一点とかじゃない。ぼろ負けだった。こいつだけには負けちゃダメなのに。約束したから。
「分かった、付き合うだけね。」
罰ゲームでしょ。好きな人となはずなのに。ちゃんと告白したかった。