『雨に佇む』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『雨に佇む』
ざあ、ざあと雨が降りしきる。予報外れの雨で、同じクラスメイトは非難の声を上げる。
傘持ってきてないよー、とか、電車止まっちゃってる。そんな喧騒の中、俺はただ校門で灰色の空を見ていた。傘も持ってないし、帰れそうにない。
まだまだ止む気配は無さそうだ。しょうがないし、俺は教室に戻ることしよう。特にやる事もないし、自習でもしているか。
ーーと、ついさっきまで思っていたのに、今はどうだ。
彼女からひとつの傘、しかも折り畳み傘に2人で入ってバスを待っている。
雨はひどいし、しかも折り畳みだから体がより近くなる。
俺の体は少しはみ出るから、制服は思いきり濡れるし、
挙句の果てにバスは雨の影響で遅れている。
勘弁してくれ、そう思うのと同時に。
「……」
より近くで感じる彼女の体温。恥ずかしさを誤魔化すために話す他愛もないこと。
そんな事が、非日常的で。
もう少し、このままでいたかった。
まだ、バスが来ないで欲しかった。雨の中に、小さな屋根で肩をすり合わせていたい。
雨も、たまには悪くない。
題:雨に佇む
最近ずっと心の中が雨なんだ。
一昨日も
昨日も
今日も…
きっと明日も雨に佇むんだよな。
「3月24日に『ところにより雨』、5月25日に『いつまでも降り止まない、雨』、それから6月1日が『梅雨』で、今回『雨に佇む』か」
3月は「『ところにより雨』、ピンポイントに自分の所に降りがち説」、5月は「『止まない雨は無い』って励ましのセリフがあるけど、実際絶対止まない雨は有るよな説」、6月は日本茶の茶葉「あさ『つゆ』」で書いたわ。過去投稿分を振り返る某所在住物書き。
外ではさらさら、ざーざー、雨が降っている。
「……ところで別に気にしてねぇけどさ。最近、某ソシャゲのリセマラしてたの。
気にしてねぇけど、1週間くらい粘って、結局、大妥協して絶対条件1枚だけ揃えたわけ。
……今日その絶対条件キャラ厳選のピックアップのガチャ始まってさ。1週間、何だったのって」
気にしてねぇよ。ホントに気にしてねぇけど。
唇をきゅっと結ぶ物書き。外の雨は止まない。
――――――
昔々、まだ年号が平成だった頃のおはなしです。前回投稿分にまつわる、平凡な恋愛のおはなしです。
都内某所、某自然公園。
雪国の田舎出身であるところの自称捻くれ者、今は諸事情で姓が変わり、当時は附子山と言いましたが、
深い群青の傘をさし、白いリネンのサマーコートを羽織り、さらさら、ざーざー、雨に佇んでおりました。
田舎出身の附子山は、雨を好み、雨に歓喜する花を草を好み、つまり、自然を愛しておりました。
花に季節を見出し、雨とともに歩き、落ち葉を喜々として踏んで、ドカ雪と路面凍結を憎みながらもその美しさだけは認める。
附子山は、口では人間嫌いの捻くれ者と言っておきながら、その実心が優しくて、真面目で、草と花と風と水を愛するひとでありました。
「本当に雨好きだよね。附子山さん」
それが心底気に入らないのが、附子山の顔に一目惚れした恋人。加元といいます。
元カレ・元カノの、かもと。分かりやすいですね。
「濡れちゃうよ。良いの?」
「あなたが濡れるのは、良くないと思う」
都会と田舎のあらゆる違いに、揉まれ擦られて、一時期、本当に人間嫌いになっていた附子山。
「私のような物好きの捻くれ者に、無理して、合わせてくれなくても」
加元の知らぬ、顔も分からぬ、唯一の親友以外は誰も寄せ付けない、静かで鋭利な野性の敵意と、
加元好みの、やや細身な容姿。
それらがバチクソ気に入って、懐に入り込み、初恋の心を奪ってみたは良いものの、
いざ附子山の人間嫌いが癒えてくると、見えてきたのは解釈違いな内面ばかり。
実は優しい?
あなたは野性を失って人慣れしちゃった犬ですか?
スマホで自然を撮るのが好き?
自分の趣味を一切見せない、完全フラットで無色なあなたは今何処ですか?
群青?白?
いやいやそこは、赤か黒でしょう?
不一致、不一致。
公式の解釈相違とは、まさにこのこと。
「大丈夫だよ。附子山さん」
けど悲しいかな、附子山の顔は、スタイルは、加元のドチャクソ好みなのです。
そしてなにより、加元は恋人というアクセサリーを、それを所持している自分のステータスを、絶対手放したくないのです。
気分落ち込む雨が嫌い、虫に刺される草が嫌いな加元は、それでも「恋人」が欲しくて欲しくて、わざわざ、笑顔で嘘を吐きます。
「私も、附子山さんと同じく、雨が好きだから」
「そう。それは良かった」
表情に左右対称性が無い。
特に左側が右側ほど笑ってない。
加元の偽証の軽微な可能性を、「加元さんがそんな、まさか」の盲目な恋煩いで、知らんぷりする附子山。
加元が自分の某旧呟きアプリの別アカウントで、
『雨が好きとか違うでしょ。解釈不一致なんだけど』
なんて呟いているのも知らないで、
さらさら、ざーざー。
静かに、草花濡らす雨に、佇んでおりました。
後日、ようやくその呟きに気付いた附子山。
名字を変え、住む区も移し、加元との縁を「すべて」バッサリ切ったつもりでしたが、
附子山が想定していた以上に、加元の執着はバチクソに強かったらしく……
唐突なゲリラ豪雨にて雨に佇む私。
昔もこんなことがあった気がする。
雷が酷く鳴り響く放課後、傘を二人して忘れた友だちと一緒に喋って恐怖を和らげてたあの日は、何年も前の事だろう。
今は会社で一人、コーヒーを飲みながら静かに雨が少しでも収まる事を待っている。こんな雨の日は折りたたみ傘ではあまりにも心許ない。
時間が経てば経つほど酷くなり、戻ることのないのは雨だけだろうか。
私はまだ濡れてる。
ゲリラ豪雨が過ぎても雨に佇む私。
#1#雨に佇む
雨に佇む
歩いていたら急に雨が降ってきた。
とりあえず屋根があるところまで走っていった。
そしたら、同じ考えをしてる人が隣に入ってきた。
「雨降ってますね」と声をかけれられ、
そうですねと返した。
お題「雨に佇む」
アニメやドラマのように、
土砂降りの雨の中で泣くなんて、
そんやロマンチックなものではない。
悔しさ、自己嫌悪、絶望感、不安感。
ポツポツと歩く僕の背後には、
そういった感情たちが付いてくる。
止まない雨はないとはよく言うが、
きっとこの空の雨が止んだとしても、
僕のこの感情たちはきっとまだついて回る
嗚呼、雨よ。どうか一刻も早く 洗い流してくれ。
アスファルトに染みゆく この血飛沫を。
そして一刻も早く ここから立ち去らねば。
山道の急カーブ。見渡す限り木に覆われた晦冥。
鹿でも轢いたか。あるいは猿か。
そんな期待はフロントドアを開けて 間もなく散る。
嗚呼、人だ。自分と同じ形をした生き物が そこにいる。
どうか一刻も早く立ち去りたいのだが 足が動かない。
絶え間なく降る小雨が しっとりと肌を潤す。
濃い土の香りに紛れ 這い回る赤黒き鉄の匂い。
「……ずっと、ここにいたのか」
朽ちたガードレールと木陰の隙間に 人影ひとり。
嗚呼、[また] 轢いてしまった──否、これは[警告]か。
なおも穏やかに降り続ける小雨。
その静穏さに隠された 確かな殺意を全身に浴びて。
そいつと、私と。
見つめ合い動かぬまま 雨に佇む。
2023/08/27【雨に佇む】
雨に佇む
図書館から出ると大雨が降っていた。この時期は夕立があるから仕方ないよね。
「はぁ〜…」
仕方ないとは思うけど、ため息はでるよね。だって、傘持ってきてないんだよ!!!借りた本あるのに!!!
これはもう本借りるの諦めて、濡れて帰るしか無いかなぁ。全然やみそうにないし…。
しょぼーん、と踵を返したところでポケットに入れてたスマホがブブブと震えた。
「ん?…フェルディナンド?」
画面には忙しいのにマメに連絡をくれる恋人から届いたメッセージが表示されていた。
『どうせ図書館だろう?今から迎えに行くから本を借りずに濡れて帰ろうとは思わないように。』
げ。なんでわかるんだろう…私より私の事詳しいんじゃない?…でも迎えに来てくれるんだ〜、うふふん!会えるの自体久しぶりじゃない!?
ウキウキな気持ちで今いる図書館の名前を送信して、そのまま雨の当たらない場所でフェルディナンドを待つ。
暫くすると見慣れた黒い某高級車が現れた。浮き足立ったまま駆け寄ろうとすると、運転席から傘をさしてフェルディナンドが出てきた。
「待て!その場から動くんじゃない!」
いや、私は犯人ですか?ちょっとムッとしたけど、私を濡らさないようにフェルディナンドが必死になってると思ったら、笑いが込み上げてきたから慌てて俯いて顔を隠す。
「ふふふ…」
「君は何故そうもすぐに駆け出してくるのだ。…何を笑っている。」
「だって、フェルディナンドが私を大切にしてくれるのが嬉しいのですもの!迎えに来て下さってありがとう存じます!」
顔を上げてぎゅっと腰に抱きつきながらお礼を言うと、フェルディナンドは眉間に皺を寄せて私を見ながら傘を持っていない腕を身体を支えるようにまわした。そして流れるように私のカバンを持って車までエスコートしてくれる。
「私に大事にされている自覚があるなら大変結構だが、濡れるのはいただけない。なぜ私が来るまで館内で待っていなかったのだ?」
「だって、すぐに気が付けないじゃないですか。フェルディナンドに1秒でも早く会いたいのです。」
「…全く君は。」
未だに少し険しい顔をしてるが、赤くなった耳が私からはよく見える。目は口ほどに〜っていうけど、フェルディナンドの場合は目と耳は口ほどにものを言うだね。
「それで?君のこれからの予定は?」
車を発進させたフェルディナンドが問う。やっぱりこの助手席は特等席だね!
「はい!今日借りてきた本を読む予定です!」
「では、このまま食事に行こう。そのまま泊まっていきなさい」
「え!いいのですか!?いやっふぅ!」
「…随分聞き分けがいいな。読書はよいのか?」
「え?せっかくフェルディナンドに会えたのですから、長く一緒に居たいと思うのは当たり前ではありませんか。しばらく会えてなくて、フェルディナンド不足です!」
ふんぬぅ!さっきは私の事詳しすぎるって思ったけど、まだまだだね!ぜーんぜん分かってない!
頬を膨らます私をチラリと横目にみてフェルディナンドはフッと笑う。
「そうか。そうだな、私もローゼマイン不足かもしれない。」
「!!!!ではまずはお腹を満たしてから2人で充電し合いましょう!私、今日はお魚が食べたいと思っていたのです!」
「ふむ。ではあそこの店か…それとも…」
車にあたる雨の音に、フェルディナンドの低い声が混じる。
声に集中したくて目を閉じる。こんな風に過ごせるのなら夕立に感謝だね!神に祈りを!雨に感謝を!
テーマ“雨に佇む”
天気予報では雨だなんて言っていなかったのに
突然バケツをひっくり返したような雨が降ってきた。
周りがワーキャー言いながら
雨宿りしたり、折りたたみ傘を開いたりしている中
私はただ、その場に立ち尽くした。
あー…雨だ。
早く帰らないと。
家まで、1.5キロ。
車は無い。折りたたみ傘も無い。
そんな事を考えながら、ただただ佇む。
周りの人は、おかしな人を見るような目で見ている。
雨宿りしたとしても、雨が止むまで
其処に居られるほど時間は無い。
何処かに行くわけでもなく
ただ帰るだけだから、電車やバスに乗る訳でもなく
ただ歩いて帰るだけだから
家に帰ったら着替えられる。
此れが冬だったら、流石に濡れて帰ろうとはならないけれど
夏の暑い日、炎天下からの土砂降りだから
何も気にせず家へと向かう。
漫画やドラマみたいに
下着が透けて見えることは無い。
肌に纏わり付く嫌な感じはするけれど
そもそも、夏とは言えど
そこ迄薄い素材の服は着ない。
人通りが少なく、誰に見られるでも無い道を進む。
途中、立ち止まる。
雨は止む気配はない。
虹が見られるわけでもない。
ただ、周りから見たら
憐れな人間が雨の中、佇んでいるだけ。
雨の中、ひた進むだけ。
ひっそりと暗い草むらの
間で産まれたわたし
兄妹も居た気がする
お腹がすいたら
各家を転々と
雨の日は
そのままわたしは佇む
ごくごく普通のこと
ビロードのような漆黒の身体は
わたしの体温を優しく包む
そう、わたしは路地裏の影
泣いたらいい
思う存分に
声を上げて
泣いたらいい
子供みたいに
感情を荒げて
泣いたらいい
大人だって
いいじゃないか
泣いたって
いいじゃないか
我慢しなくて
いいんだよ
無理に笑わなくて
いいんだよ
雨が教えてくれたんだ
『雨に佇む』
私の趣味はランニングだ。晴れの日も雨の日も毎日欠かさず続けている。
ランニングコースの途中には墓地がある。人気のない場所だが、心を無にして走るのにはうってつけの場所だ。
ある雨の日のこと。
私は墓地に男性がいることに気がついた。彼は傘もささずに墓石の前に佇んでいる。
こんな時間に、傘もささないでお墓参り?
少し不思議に思いながらも、私は墓地の前を通りすぎていった。
次の日は昨日とはうってかわった快晴だった。
私はまた墓地の前を通る。今日はあの男性の姿はなかった。
それからしばらく、彼の姿を見ることはなかった。
私が再び彼を見かけたのは、また雨の降る日のことだった。
やはり彼は傘もささずに、墓石の前で佇んでいた。
気になった私は、墓地に入っていくと男性のもとへ向かう。
彼はずぶ濡れになりながらも墓石の前に立っていた。
40代くらいだろうか。体は引き締まっており、体格もいい。
「大丈夫ですか?」
私は声をかけた。
彼は少し驚いたようだったが「お気遣いありがとうございます」と丁寧に答えてくれた。
「以前の雨の日もお見かけしたので気になってしまって…。どうして雨の日にだけいらしてるんですか?」
初対面の人に対していきなり込み入った質問をしてしまったが、彼はやはり答えてくれた。
「ここには私の相棒が眠っているんです。雨の日に来れば、泣いても雨のせいだと自分を納得させられるんです」
それを聞いて、私はここが軍の人の墓地であることを思い出した。彼もきっと軍人なんだろう。
「悲しいなら、泣いてもいいんじゃないでしょうか」
私の言葉に彼は小さく首を横に振る。
「命を落としたのは相棒だけではありません。私の部下も敵兵も同じです。死を悼んで泣くなら、全員のために泣かなければなりません。しかし、彼は私にとってかけがえのない存在でした。だから『これは涙ではなく、雨だ』と言える雨の日にだけ会いにきているのです」
私はそれ以上、何もかける言葉が見つからなかった。
それからしばらく経った雨の日、私は彼の姿が見当たらないことに気づいた。
墓地へ入っていくと、彼がいつも立っていた墓石の近くに真新しい墓石が増えていることに気づいた。
私は雨の中、その墓石に向かって手を合わせた。
雨に佇む
長いミルクティー色の髪から、雫が滴り落ちる。ゆるく巻かれていた髪は巻きがほとんど取れてしまい、湿気を含んだそれは広がって見えた。
せっかく着てきた服も雨に濡れて、ピタリと肌に張りつく。少しばかり不快なそれを減らすためにハンカチで軽く拭いていた。
突如降りだした雨にやむを得ず、佇むことになり、その女性は不安そうに空を見上げた。
「間に合いそうにないわね……」
小さく呟いたそれは雨の音にかきけされた。
あなたが恥ずかしそうに、でも真剣な顔で誘ってくれたとき、思わず、雨にならなかったら行くと答えた
あなたの気持ちはわかっていたけれど
天気予報の通り、午後から雨が降り出した
ほっとしたような、少しがっかりしたような
でも、雨は意外に早く止んだ
迷ったあげく、カフェに向かった
約束の時間はずいぶん過ぎていたけれど
カフェの手前の横断歩道にたどり着くと、再び雨が降り出した
赤信号のむこうに、傘をさして佇むあなたが見えた
テーマ:雨に佇む #287
雨に佇む小さい女の子がいた。
傘を持っていなかったようで、
お店の屋根で雨宿りしていた。
会社帰りに折り畳み傘が何故か2つ、
カバンに入っていた。
私は一度そのこの前を通り過ぎた。
その時雨の音に紛れて歌が聞こえた。
通り過ぎ際に見ると女の子は歌っていた。
雨で濡れているのに輝くような笑顔で。
私は思わずその女の子に近づき、
傘を渡した。
女の子は戸惑っていた。
私だってこんな行動をした自身に驚いている。
「あの……」
女の子は私をまっすぐ見ていた。
「ありがとうございます」
雨が降っているのに憂鬱だと感じなかった。
それは私にとって雨に佇むその子が
太陽のような存在だったからかもしれない。
雨に佇む君を見て、僕は守らなければと思った。
君を、故郷を、平和な生活を。
失ってはいけないと、この手で守らなければいけないと。
もう君を悲しませないように。
雨に佇む
雨は嫌い。
濡れると気持ち悪いから。
でも夏の夕立の後のアスファルトのなんとも言えない匂いは好き。
雨に佇む
しとしと降る雨は嫌いではない
時にそれは1つの絵画のように、
風景のように見えることもある
一瞬にして景色を変えてしまう自然の魔法
雨に佇む
激しく降る雨は好きではない
けれどそれは時に一瞬にして周りを白く染め
霧のように街を覆ってしまう
一時の罪滅ぼしにも見える自然の魔法
雨に佇むときは
一時別世界に入り込んでしまったような
自然の魔法にかけられる
雨に佇む。
雨の日の匂いが大好き。
雨ってぽつぽつ落ちる音がまたいい。
でも私は晴れ女でわなく雨女だ。きっと
晴れていたのに私が家から出たときに雨がふりだした
こーゆうときに私が出たときに雨ふるのよっ、!
雨が私の前で佇む___。
少し日本語おかしいかもですが暖かい目で見たくださると嬉しいです。
「あぁーあ、凄い濡れちゃったよ」びちょびちょに濡れた髪をタオルで拭きながら僕は呟いた。
6時間目の最後の方に大雨が降ってきて今は下校中
の途中にある公園で雨やどり中。最悪な事に今日は傘を持っていない。こりゃしばらくは帰れないな。
そう思っていた。しばらくやってると、こちらに猛スピードで走ってくる女子が見えた。彼女は僕の幼馴染。「もうびしょびしょじゃん!」彼女は少しイライラしながこちらに来た。「あ、翔君じゃん」。彼女もこちらに気づいたようだ。「よう」僕はそう返す。「すっごい雨だね」彼女が言う。「そうだな」「翔君も傘持ってないの?」「まぁな」「へぇぇ。用意周到なのにー、珍しいね」「誰だって忘れることはあるっ」「まぁー、そうだよね」「お前はいつも忘れてるけどな」「なっ!、そんなことないもん!!」僕は昔から彼女との会話が楽しくて、普段喋らなくても彼女とならたくさん喋れる。彼女とは会話が弾む。いつもは嫌な雨の日でも、こういう日はいいかもしれない。僕はそう思った。
雨に佇む