H₂O

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雨に佇む


長いミルクティー色の髪から、雫が滴り落ちる。ゆるく巻かれていた髪は巻きがほとんど取れてしまい、湿気を含んだそれは広がって見えた。
せっかく着てきた服も雨に濡れて、ピタリと肌に張りつく。少しばかり不快なそれを減らすためにハンカチで軽く拭いていた。
突如降りだした雨にやむを得ず、佇むことになり、その女性は不安そうに空を見上げた。
「間に合いそうにないわね……」
小さく呟いたそれは雨の音にかきけされた。

8/27/2023, 1:46:40 PM