『閉ざされた日記』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
この日記はかぎ付き。
べつに
大したことは書いてない。
楽しかったこととか、
むかついたこととか、
どうでもいいこと。
だから
開けなくていいの。
なのに
みんな中を見たがる。
勝手にページをめくって、
勝手に笑って、
勝手に決めつける。
だから
かぎをかけた。
守るためじゃない。
これ以上、
傷ついてないふりをしないため。
黒いカバーの日記があった。
それは鍵をかけられたように固く開かなかった。
日記の隣には、日記を腕でかばうように倒れた女がいた。
その口からは、日記のカバーと同じ色をしたカケラがあった。
女のそばには小瓶とメモがあった。
薬学を少しでもかじったことのあるものなら分かる紫色の小瓶。
瓶の底のラベルには『猛毒により取り扱い注意』の表示。
メモには『もう何もかも無駄だ』の文字。
日記は、開けようと思えば開けられたが、のどをかきむしったような女の様を見た者は誰も日記を開けようとしなかった。
1/18『閉ざされた日記』
『閉ざされた日記』※自殺表現が含まれます。
4/13
新生活を祝して日記を書いていきます。別に誰にも見せるわけじゃないから不定期にね、気楽に〜書くよっ!
4/14
今日も今日とて大学に行った。まだまだわかんないことだらけだけど、まぁ結構楽しい!高校デビューは大失敗したからね、良かったね!!!
4/16
今日は本屋に行った。なんか専門書?みたいなのが必要らしくて買いに行ったんだけど途中で漫画コーナーに入っちゃってお金が溶けました。金くれっ!!
あ、専門書はオンラインで買えた。
4/20
念願の初バイト決定!高校は禁止だったからね、やっと金稼げる!億万長者になるぞ〜
案外面接は緩くて、仕事中もストレス少なそ〜!頑張るぞー!
5/1
最近忙しすぎて久々に書く。大学もバイトもきっつい。必修が多いし、バイトも覚えること多すぎて。てか店長キレすぎな、まじでだるいっ!早く給料くれぇ、発散してぇ!
5/8
やばーい!友達が、少ないよーー!なんでぇ?誘ってもみんな予定あるし、避けられてるの?えぇぇ!死ぬぅ!
バイトでも友達できないし!誰とも連絡先交換できてないし!なにこれ孤独!!!
5/17
大学休んじゃった。みんなキモいもん
5/18
一気に暇になった。笑
5/20
バイトは週一くらいで行ってるけどさ、結構自分いらないよな。ていうか迷惑なんじゃね。もう潔く首にして欲しき
5/25
うわ、バイト代入ってた。なんか努力の結晶みたいでアツい。我が子みたいに可愛がるわ
5/26
ゲームの課金に消えて草
6/2
やば、大学サボってるの親にバレてブチギレられた。そんで今カラオケに篭ってる。もう金カツカツだってのに。
流石に大学行くか。家入れてもらえないのは困るし。
6/3
しね
7/15
外蒸し暑くなってきた。今死んだら早く腐りそう。家から出たくねぇ
7/25
すっくないバイト代をもらっておさらば。もう働きませーん。ニートでーす。
7/30
また教授に怒られた。さいてーひどいしねよ
まぁ課題出してない私が死にまーす✌︎
8/4
もー金が尽きそう。
8/7
尽きた
どしよ
8/8
単発バイト入れた。がんばりゅよ
8/10
孤独
8/10
同じ日に二回書くってありなんかな。
それだけ
8/11
希死念慮がぁ、すごぉい!
8/12
微かなバイト代でロープを購入。当たり前だけど普通に売ってた
8/13
もう私の話聞いてくれるのこの日記しかない。草
8/[黒い塗り潰し]
[黒い塗り潰し]
8/20
死ぬ日決めた。お前ともあと少しだな
8/25
死ぬのミスったぁーーーー!意外と死ねないね。まじで苦しいだけだわ。
8/26
ロープの結び方とかあるんだ。てきとうにやってた
9/1
やっぱね、二度目となると慣れてくるんですよ。ほいじゃあ逝ってきまぁす!また来世で!
閉ざされた記憶
人生を変えてしまう程の恋をした
その記憶も想い出も
永遠に忘れる事はないけれど
永遠に日の目を見る事もない
閉ざされた記憶の中
わたしの中で静かに眠り続ける
閉ざされた日記
10代の頃、病気や事故や自殺等様々な理由で亡くなった人の日記をよく読んでいた…
遺族は、どんな思いで出版したのか、日記を綴った本人は、どんな思いで日々生きていたのか…様々な事を思いながら、共感したり、涙したり…
日記と言う、本来は、自分としか向き合わない世界が、他人の目に目に触れた時、世界は変わると思う…
何処にでもいる、誰かの想いの詰まった日記…日々の自分の記録と共に、時代(とき)の証人とも言えるかも知れない…
「閉ざされた日記」
心の記憶は
時間が経つ程
不確かなモノになる
記録は限りなく確かなモノ
確かなモノを
思い出すのが怖くて
閉ざされた日記
思い出を
良い思い出に
するために
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「閉ざされた日記」
あなたへの溢れる想いを綴った日記。伝えたくて、でも怖くて伝えられなかった想いや、恋をすることの辛さや苦しさが凝縮して詰め込まれている。
そんな日記をパラパラとめくり、懐かしい気持ちで眺め、引き出しにしまう。
結局は実らなかった恋だけど、今は不思議と晴々としている。
いつかまた、恋をした時に、あの日記を開こう。それまでしばらくは閉ざしておこう。
彼女は筆まめな人だった。
僕とは遠く離れているというのに、もう先生と生徒という間柄でもないのに、毎月はがきを送ってきた。
『こちらは桜が見頃です』や『最近こいのぼりを上げるお家も少なくなりましたね』など、季節のことから始まって彼女の近況が綴られている……毎回そんな感じだった。
そのはがきが来る度に僕は絵はがきを買って、同じように近況を綴っていた。
だけど、ある時からパタリとはがきが来なくなった。
丁度その頃僕も仕事が忙しくて気にはなりつつも何もしなかった。
そして、仕事が一段落した頃だった。
彼女の訃報が届いたのは。
僕は急いで有給を取って新幹線に飛び乗った。
棺の中で眠る彼女は最後に会った時よりも痩せてたけど、いつもの優しい笑顔を浮かべていた。
告別式が終わった後、彼女の娘さんから分厚い本を渡された。
それは十年日記だった。
娘さんは言った。この日記をあなたに贈ります。母もそれを望んでいるだろうから。と。
最初はもちろん遠慮した。だけど押し切られる形で受け取ることになった。
……あれから数ヶ月経つけど、未だに開く勇気が持てない。
僕なんかが彼女の思いを覗き見しても良いのだろうか。
そもそも僕なんかが受け取っても本当に良かったのだろうか。
そんな思いがグルグルと巡る。
引き出しに眠る閉ざされた日記はそんな僕を見て何を思ってるのだろうか。
あなたらしいわといつものあの顔で笑っているだろうか。
……それすらも僕の思い上がりかもしれないけど。
閉ざされた日記
日記をしまった 過去の日記
閉ざされた日記
久しぶりに開いた
こんなことあったのか。
過去を振り返る
閉ざされた日記がある。
中学の頃の記憶がすっかり見当たらないのだ。
ページを破ったわけではないし、燃やした訳でもない。せいぜい水分でふやけた紙が乾いた程度だろうから開こうと思えばきっと開くのだろうけれど、ちょっとでも触ろうとするとどこからともなく白いペンキがなだれてきて見失い、見つけた頃にはまたカピカピになっている。
なんだかやんちゃをしていたような気もするし、大人しかったような気もするし。ただ思い出そうと思うとセーブが掛かるように僕はできているらしいので、まあいいか、となる。
思い出そうとしていない時にふと、ポロリと口をついてでる昔話には驚くことがあるけど。
思い出せないのなら大したことでは無いだろう。
思い出さない方がいいことだってあるし。
多分。
思い出せない。
思い出したくもないのかも知れない。
深層心理とは己の知らない所を担っているけれど、ぼくだろうから、放っておいてやろう。仕方の無いやつだ。
ぼくは。
明日も過去を忘れて生きていくんだろう。
日記を閉ざしたまま。
初恋の人に彼女ができた日、ふと手に取った日記帳。こんなところにあったんだ、という思いと共に、あの日の頬の熱さが蘇る。ヒロインはおろか、負けヒロインですらないのに、この複雑な気持ちを書き留めておくべきだと思ってたオメデタイあたし。
「ばか、ばか。私の気持ちも知らないで、あの人はきっと笑ってる。私が見たことない顔で。」
なんだこれ。思った以上に詩的な。ズボラなあたしとしては意外にも、翌日の筆跡が裏から透けて見えるじゃないか。小さな字で、こう書いてある。
「でも、失って初めて気づいた。好きだった。サヨナラ、私の恋。」
絶句。正直なんだ。意外と。
あたしは日記帳を棚の元の位置にしまって、ルーズリーフを取り出す。ーー天気はくもり。
それは
窓を開けたつもりで
ずっと排気口に顔を近づけていた、
そんな感じだ。
Xは、
スケジュール帳でもなく、
広告の掲示板でもなく、
元々、昔は
声に出すほどでもない言葉の避難場所だった。
今日あったこと、
今浮かんだ違和感、
まだ整理されていない感情。
完成させる気のない文章を
息の延長みたいに置いていく場所。
あれは主張じゃなく、
記録でも宣言でもなく、
思考が自分の形を探す途中の音だった。
私は書いていなかった。
掲げてもいなかった。
他人の日記の頁を、延々とめくっていただけ。
でも、そのうち、
あの呟くような日記は、掲示物に変質した。
読む前提、評価される前提で言葉が歪んでいく。
そうなると、
もう
呟きを置く場所じゃなくなる。
風のつもりで吸い込んだものが
実は
誰かの焦げた言葉や
未消化の怒りの粉塵で、
肺の奥に
静かに積もっていく。
最初は
「少しむせるだけ」だった。
目も冴えるし、
世界をどう誘導したい人がいるのかを、
感じられる気もした。
でも
気づくと
心拍が一拍早くなり、
思考は常に
警報音の横に置かれるようになっていた。
だから目を伏せた。
ページを閉じた。
言葉の洪水から
視線だけを引き上げた。
逃げたわけじゃない。
酸素濃度を
自分の体に戻しただけ。
今は
静かな場所で
呼吸がちゃんと
胸まで届く。
世界はまだ騒がしい。
でも
その全部を
吸い込まなくていいことを
思い出しただけだ。
題 閉ざされた日記
閉ざされた日記(長めです)
好きな子の家に遊びに行った。
そりゃあ、もう心臓バックバク。部屋に入った瞬間、その子の香りに包まれたような、そんな感じがした。そんな気持ち悪い感想を抱いた自分に嫌気がさす。
「ジュース入れてくるね!少し待ってて」
そう言って、僕は一人その子の部屋に残された。
しばらく、もうしばらく待っても帰ってこない。
すると、整頓された机の上に1冊の日記帳を見つけた。
…見るべきか?
理性と好奇心が戦うが、人の好奇心とは恐ろしい。最終的な結果は言わずもがな好奇心であった。
ぺらり、と1枚紙をめくる音と自分の心臓の鼓動がやけに耳に届く。
『○月✕日 水曜
今日は好きな人と話せちゃった!嬉しすぎる…。また明日も話せますように!』
可愛らしい文字で書かれたその短文を見た時、世界から音が一瞬消えた。…分かりきっていた、彼女に好きな人がいることも、それが自分でないことも。
涙が出そうだった。彼女の帰ってくる気配はない。
自分の目頭が熱くなるのを感じながらも、紙をめくる手は止まれなかった。
『○月✕日 木曜
今日は話せなかったけど目が合った気がした!でも、最近話しかけてくれないよー…』
次の日記も、その次の日記も、惚気話で溢れていた。相手の詳細は全く書かれていない。だが、それが自分では無いことは察しが着いた。
めくり続け、やがて『明日告白しようかな…!』という短文を見つけると、続きは読まずに日記を閉じた。
涙が一筋頬を伝う。その涙を、袖で強引に拭った後、心が落ち着き始めるとともに、彼女は帰ってきた。
「ただいま〜ごめんね、遅れちゃって…」
「…あのさ、母さんに急いで呼ばれちゃったから帰るね。ごめん」
真っ赤な嘘だ。これ以上、ここに居れる気がしなかった。これ以上ここにいれば、精神が持つ気がしなかった。
「え…?…ぁ、…うん…わかった。じゃあね…!」
ここで彼女に片思いのまましがみつくより、こうして嫌われてしまった方がマシだ。そう思いながら帰路についた。
そして、僕は知らなかった。いや、気づけなかった。
あそこで閉じたあのページが、最新のページであったことも、彼女が僕以外にその日会う約束をしていなかったことも。
…そして、彼女の想い人が僕であることも。
その日、淡くて酸っぱい両片思いの物語は、そこで蓋が閉ざされた。
閉ざされた日記
昔は書いていたのよ
今日の夜ご飯とか散歩で見つけた花とか
けど、ある日からペンで引っ掻いた跡をつけてたの
なんかあったんでしょうね、昔だから覚えてないけれど
それから、数十ページ無駄にしていたわ…
でも、急に物にあたらないようにしようって思ったのよ
そして、引っ掻くのをやめたの
だけれども、引っ掻いたあとはなんだか消したくなくてね
引っ掻いたページは捨てなかったの
もちろん今も残しているわ
だからね、時々見るようにしているわ
苦しくなったときとか、泣きたくなったときに
全部まとめて閉ざせるようにね
閉ざされた日記は開かれることを知らない。
とっくに過去は封印してしまった。
見たくもない自分が赤裸々に拙く綴られている。
怖い。
その感覚は、日記を書くときにもある。
自分を記すことが怖い。
後で将来の自分に見られたときに、引かれたりイタい奴だって思われたりするのが怖いからだ。
だから日記はなかなか長続きしなかった。
書いたほうがいいというのは分かる。自分で導き出した結論だ。
でもいざ書こうとすると苦しくなる。手が止まる。書けなくなる。
だから今日も、日記は閉ざされたまま。
閉ざされた日記 #250
「閉ざされた日記」
それは、誰の目にも触れずに
そっとそこにある
誰しもが持つ心の日記
書き綴りるものは
私の心
心のあるままに
雨に打たれ濡れた日も
嵐に吹かれ荒れた日も
花のように色づいた日も
業火の焼かれ塵となった日も
そっと閉じて錠をして
私だけのもの
だからその日記を
こじ開けないで
雨が降ろうとも
槍が降ろうとも
雷にうたれようとも
吹雪に見舞われようとも
私は私を離さない
入ってこないで
見ないで
お願い
優しくしないで
ずっと閉ざされた日記を
守って来た
私を守って来た
なのに
柔らかい陽射しに
芽吹く花たちに
囀る小鳥に
奏でる歌声に
涙が溢れて
震える両手で
この日記を
私はあなたに…
閉ざされた日記が
今開かれようとしている
#7
『閉ざされた日記』
高校2年生のときの日記を見つけた。
何を思ったのか、読んでみた。
思い出したくない記憶しかなくてつらくなった。
あまりのつらさに捨ててしまおうかとも思った。
もう3年も経つけど、
まだ消化できていないんだとわかった。
いつかこれを読んで笑える時が来るまでは、
鍵付きの引き出しの奥の方に入れておこうと思う。
そのまま読まずに捨てるかもしれないけど、
それは未来の私が判断するということで。
『閉ざされた日記』
それは分厚く ホコリを被り
主(あるじ)の帰りを 待っていた
恋に悩んで 命を削り
書き込んだ宝が 眠ってる
逃げているのか あきらめたのか
再び開けば 動き出す
魔法みたいな 運命があった
あなたを書き込めば 事実になる
それは日記で 小説みたいで
閉ざしているけれど 終わってない
狂うくらいに 恐れるほどに
「大好き」が暴れて 傷ついて…
追っているのか 抱きしめたいのか
言葉は道となって 残るだろう
そしてあなたは 封印を解く
愛する人生から 逃げられない
それは続きで 人生とも言う
死ぬまで愛したい 書きたい…人に出会う
書いてる瞬間が大事なだけで、私にとっても誰にとっても、わりとどうでもいい話なんだ。
【閉ざされた日記】
恋人と一緒に住むために引越しをしている時、荷物のはしに小さなノートが出てきた。
少し色褪せているけど綺麗な形をした水色のノート。
俺と恋人が好きな水色。
俺に記憶がないものだから、きっと彼女のだ。
そう思って彼女の元へ持って行った。
「ねえねえ、このノートは君のであってる?」
何気なくそう伝えたけれど、そのノートを見た彼女の表情は固くて胸がチクリとした。
「あ、ありがとうございます」
どこか不安を隠したまま、ノートを受け取る。
そして寂しそうな目をしたまま、ノートを抱きしめた。
「大事なもの?」
すると首を横に振った。
「私には、もういらないもの……です」
ゆっくり俺を見つめると彼女は嬉しそうに笑ってくれた。
「あなたがいてくれるなら、もう大丈夫なノートです」
その笑顔は晴れやか、とは言えないものだった。
安心を滲ませた表情でホッとしたけど、彼女を抱きしめたくなって強く抱き締める。
「うん。私、もう大丈夫」
その声に力強さを安心して、心の底から嬉しくなった。
おわり
六一二、閉ざされた日記