箱庭メリィ

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黒いカバーの日記があった。
それは鍵をかけられたように固く開かなかった。
日記の隣には、日記を腕でかばうように倒れた女がいた。
その口からは、日記のカバーと同じ色をしたカケラがあった。

女のそばには小瓶とメモがあった。
薬学を少しでもかじったことのあるものなら分かる紫色の小瓶。
瓶の底のラベルには『猛毒により取り扱い注意』の表示。
メモには『もう何もかも無駄だ』の文字。

日記は、開けようと思えば開けられたが、のどをかきむしったような女の様を見た者は誰も日記を開けようとしなかった。


1/18『閉ざされた日記』

1/18/2026, 2:45:22 PM