お酒も飲める
タバコも吸える
自由が増える年、20歳
その分責任も増えていくので
ハメを外しすぎないよう
この盃に誓いましょう
乾杯
1/10『20歳』
空を見上げれば
あの猫が笑っているような
月が光っていた
細く細くニヤリと歯が見えている
真っ白で細い三日月
今度は私を最後までまさらっていってね
1/9『三日月』
明るい色もあれば
暗い色もある
気持ちを色づければ
それは色とりどりのキャンバス
1/8『色とりどり』
リッカという冬にだけ活動する怪盗がいた。
いつも空から現れては獲物を攫っていく変装の名人だ。
今日も予告状が送られた美術館には、たくさんの警備員と警察が張り込んでいた。
今日の獲物『氷の美女』と呼ばれる宝石を守るために。
『氷の美女』のケースの前で張り込んでいる2人の男が、周囲を警戒しながら私語をしていた。
「先輩、知ってます?リッカってナイスバディの女らしいですよ」
「それくらい知ってらぁ。変装の名人だろ?男にも変装出来るなんて、その胸ニセモノなんじゃねぇか?」
「どうでしょうね。あいつがなんでリッカって呼ばれてるか、先輩知ってます?」
「空から降ってくる姿は同じなのに、毎回顔が違うからだろ?リッカといや六花、雪のことだろ」
「さすが先輩。御名答」
後輩の男がニヤリと笑ったかと思うと、その手の内から煙が噴き出した。後輩のいた場所からもうもうと煙が湧き出たかと思うと、バチンと美術館内の照明が落ちた。
「なんだなんだ!?」
「リッカだ!リッカが現れたぞ!」
どよめく美術館内。
バタバタと人々が駆け回る靴音が響き渡る。
そんな中、『氷の美女』のケースが割られる音がした。
「確かに、『氷の美女』いただきましたわ!」
涼やかな女の声がホールに響き、シュンシュンと何かが高速で巻き取られる音がした。
誰かが頭上を見上げ、声を上げる。
「天井だ!リッカが天窓から逃げるぞ!」
垂らされた鉄線を、蜘蛛の糸で引き上げられる人間のようにリッカが引き上げられていく。
「うふふふ。では皆さま、ごきげんよう!」
リッカが高らかに笑い、警備員の帽子を地上へ投げた。
その帽子が「先輩」の手元に落ちる頃、リッカの姿は星空の向こうへ消えていた。
1/7『雪』
雪が降った。
雪が積もった。
森の奥で一人で住んでいる僕は、友達を作った。
「君」は白いからだにニンジンの鼻をした、冷たい友達だった。
木の枝の手と僕の手を繋いで山を駆け回る。
時折山の木の枝で削れてしまう「君」のからだを、ときどき僕は「修復」した。
一緒にご飯を食べる。
火のそばは溶けてしまうから、君は寒い窓辺が定位置だった。
あと、あたたかいスープは一緒に食べられなかった。
となりで手を繋いで眠った。
布団をかけると熱くなるから、僕は手だけベッドから出して、「君」の枝を握った。
ひとつの季節を越えて、こもれびが温かくなる頃。
「君」のからだを「修復」できなくなってきた。
材料が足りないんだ。
「君」のからだがどんどん小さくなっていく。
鼻はとっくの昔に取れていたし、手の位置も高くなっていく。
「君」が小さくなっていく。
とうとう木の枝の手も支えられなくなってきて、「君」は僕の手にすっぽり収まるくらいになってしまった。
もう限界だろうか。
寒い家の外に出て、僕たちはいつも座っていた木の下に行った。
森の奥深く、細いこもれびだけが辺りを照らしている。
「君」のからだが僕の指先ほどになってしまった。
これ以上は保てない。
僕はとうとう諦めて、「君」をぎゅっと僕の手の中に抱きしめた。
(大丈夫。
「君」を一人にはしないよ)
小さな雪男の「僕」も一緒に、ひとつ、短い季節を終えた。
太陽がじりじりと木の枝からさし込み、白いからだを溶かしていった。
1/6『君と一緒に』
淀みのないコーヒーのような、スッキリとした雲ひとつない青空。
気温の低いのを忘れさせるような、ほのかな温かみのある太陽。
冬晴れの空を眺めながらベランダで飲むハーブティーは、私の心を落ち着かせてくれる。
視界の端で何かが揺れるのが見えたのでそちらを見てみれば、彼女がドーナツの紙袋を持ちながら嬉しそうにぶんぶんと手を振っていた。
僕は持っていたマグカップを少し上げて応える。
さて、もうすぐ帰ってくる彼女のために、新しい紅茶の準備でもしようかな。
1/5『冬晴れ』
幸せとは、お布団に包まれること。
お布団に包まれる君を見ること。
猫のように丸まって、安心しきった顔で僕のほうを向いて眠る君の、なんて安らからことか。
(こういう普遍的な時間を『幸せ』と呼ぶのだろう)
1/4『幸せとは』
朝日が昇る頃
神様の声を聞いた気がした。
1/3『日の出』
今年の抱負は
なるべく溜めないこと
まとめてでなく
日毎に更新が出来ますように
一本上がりますように
1/2『今年の抱負』