箱庭メリィ

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5/22/2026, 6:38:36 AM



「おかあさん」

見上げてくる視線のなんとまっすぐなことか。
その瞳は綺麗で穢れを知らない。
伸ばされた手を掴むことに躊躇するほど、今の私は汚れてしまった。それでも母になった。

「どうしたの?どこかいたいの?」

丸い瞳が私の顔を覗き込む。
黙り込んだ私を心配してくれているこの子の心は美しい。
まだ何も知らない、透明なまま。

どうかそのまま育ってほしいという傲慢な願いを心に秘めながら、私は子どもの手を取った。


5/21『心は透明で』


髪が長くて、サラサラしていて
長身で痩せていて
でもほどよく肉はついていて

優しくてユニークで
皮肉も言うけど棘はなくて
私のことを一番に考えてくれるの

私の理想とは真逆のあなただけど
それでも愛することをやめられないの


5/20『理想のあなた』



はらはらと桜の舞う夜。
私は樹の下でたばこをふかしていた。

「残念だよ。君みたいな優秀な人を見送ることになるとはね」

隣に差したスコップに足をかけて力を入れた。
スコップは少し地面に沈んだ。

桜の樹の下に死体を埋めたあとのたばこは、苦くてうまい。


5/19『別れ』

5/19/2026, 9:23:31 AM

君と目が合った
君の頬が火照った気がした

僕の頬も熱くなった

僕たちの恋物語の始まりだ

5/18 『恋物語』

5/17/2026, 1:00:59 PM


甘い甘い君との時間

手をつないで
肩を寄せ合って
同じベッドで溶け合って
熱に身を任せる

熱くなったあとは
ふわふわに焼き上がったケーキの出来上がり


5/17『sweet memories』


愛があれば何でもできるかって?

出来るよ。
きみを抱きしめることも
身の回りの世話をすることも
ずっと愛してあげる

そうだな
きみが望むのならば
きみを◯◯ことだってしてあげる

僕は悲しいけれど
だって愛してるからね

愛するきみの願いならば
なんだって叶えてあげる

5/16『愛があれば何でもできる?』

5/16/2026, 10:09:09 AM

あの時マスターを行かせなければよかったのだろうか。
それとも無理してでもついていくべきだったのだろうか。

秘匿性の高い会議があるからと、ボディーガードは会議室に入れなかった。
私たちアンドロイドや守衛の人間は、いくつかの重厚なドアを隔てた向こうの部屋に主人が消えていくのを見送った。

会議が終わると告げられていた時刻が近づいた頃、微かに破裂音がした。
人間の耳には届いておらず、アンドロイド達には聞こえるような小さな音だった。
間もなく、銃声が聞こえた。
弾けるように私たちは部屋を飛び出した。
3枚ほどの分厚い扉を破壊しマスターたちがいる部屋のドアをこじ開けると、そこには凄惨な景色が広がっていた。

黒いスーツや白い部屋に飛び散る血しぶき、銃弾、人間だったもの。
床に転がっていたり、机に伏したりしている黒いスーツを着たもの。
赤黒く染まるその物体を主人だと認識した瞬間、各々はそれぞれ自分の主人に飛びついた。
私のマスターは、高級そうな椅子の背もたれにぐったりともたれかかり、右腕を下ろして息絶えていた。
全員、死んでいた。一人を除いて。
会議の主催者だけが、その部屋にいなかったのだ。

あの時、部屋で待機を命じられた時。嫌な予感はしたのだ。
いや、本当はもっと前からだ。マスターが会議があると言って、護衛に私を選んだ時からその予感はしていた。
人間で言う『虫の知らせ』というやつだろうか。
それに従ってマスターを会議に出さなければよかったのだ。

後悔してもしきれない。
主人を失ったものたちは、自害するものもいれば、自我を崩壊させるものもいた。呆然と立ち尽くすものもいる。
私はそのどれでもなかった。帰らなければ。
マスターの可愛い娘が、私たちの帰りを待っているのだから。

私はマスターの亡骸背負って、慟哭する部屋から静かに退出した。


5/15『後悔』


背中を押されたような風が吹き
僕はそこから飛び立った

ふわふわと風に身を任せ飛んでいく

今まで同じ場所にしかいなかった僕に
その光景は新鮮だった

色とりどりの緑や花々が咲いている
僕と同じように風に任せて飛んでいる虫がいる
空は本当はこんなにも広かったんだ
どこまでも広がる世界
どこまでも飛んでいきたい

でも僕には鳥や蝶のように羽がない
風を失った僕は地面にふわりと着地した

コンクリートと呼ばれるそこで
僕は果たして咲けるのだろうか

来年の春 お母さんみたいに
立派なたんぽぽになれるだろうか

5/14『風に身をまかせ』

5/14/2026, 7:00:41 AM

僕らがきみを見送ってから、どれくらいが経っただろう?

きみはまだ僕らを覚えているのかな?
終わらないレースに決着が着いた
​花々は色を失って萎れ、芋虫は煙を吐くのをやめて縮こまった。
帽子屋とネズミは、お茶会を開く理由すら忘れてしまった。

猫は消えたまま
みんな元気がなくなった

とうとう女王様さえクリケットの試合すら
やらなくなってしまって、
どうしようかと思っていたそんな折――

少し大きくなったきみが、また穴に落っこちてきた

こんにちは、アリス

今度は逃してあげないからね

5/13『一年後』

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