『鋭い眼差し』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「鋭い眼差し」
一回り以上年上の人が好きになって、それを話すとすごい目で見られる。
やっぱり一回り上の人をすきになるなんて異常なのかな。
その視線で恋しずらい世の中だよ
『鋭い眼差し』
今まで練習会場や試合会場で何度も戦う姿を目にしていた。
その相手の強さは手を合わせていなくても自分より
遥かに強いのは一目瞭然だった。
その相手が今目の前で私を鋭い眼差しで
今にも命を奪えるぞと語っていた。
私だってこんな所で負けるわけにいかない。
私は精一杯睨みつけた。
相手はそれを嘲笑うかのように
目元にほんの少し笑みを浮かべていた。
今から本当に命を懸けた戦いが行われるのだ。
油断したら負ける。
そう意気込み、私は最初に力強く踏み込み一撃を与えた。
その一撃で戦いは始まった。
"鋭い眼差し"
「お前の眼差しは鋭いな」
珈琲が入った紙コップを口に含んで中身を啜ると、突拍子もなく言われた。思わず口から離して、次の言葉を待つ。十数秒の沈黙が降りた。だが一向に次の言葉が来ない。
「…そうかよ」
何故急に…、ていうかそんな事言われてもどう反応しろと…。とりあえず相槌を打って、再びコップに口をつけて啜る。
──けど、お前の眼だって鋭いだろ。
常に鋭い刃物のような、『油断も隙も与えない』と言うような眼で見るこいつには冗談も嘘も通じない。いや、そもそも言う前に相手を自然と黙らせて、眼で真実を述べるよう促す。その眼は遠近関係なく、こいつの視界すべてが間合いのように錯覚する。まるで裁判長、検事、弁護士。三つの異なる役割の、真実を見抜こうとする人間が目の前に同時に存在するような、見つめられると息苦しさを覚え、思わず眼を逸らしてしまう眼差し。
──…まぁ、二人きりの時は、嘘のように穏やかな眼をしてっけど…。
それでも限定的だが、いつも以上に鋭い眼をする。そういう時は俺も色々といっぱいいっぱいで全然反応出来ない。いや、『反応すらさせて貰えない』と言う方が近いし、正しい。…どういう時か、って?…言えるわけねぇだろ。
「どうした?」
「へっ!?」
不意に声をかけられ、思わず変な声を出す。
「な、何がだよ」
すぐに通常運転に戻す。…無駄だが。
「急に顔が赤くなったから、この頃急に寒くなってきたから、ここに来るまでに体を冷やしたり、外との寒暖差で具合を悪くしたのかと。」
心配そうな眼で体を労わる言葉をかけてくる。
「仮にそうだとしても、時間差すぎるだろ。俺がここに来たの五分位前だぞ。流石の俺でもそんな器用な事出来るわけねぇだろ」
「あぁ…そうか」
──前々から思ってたがこいつ、俺の事ちょいちょい怪(あやかし)か何かだと思ってんな。
「…それに、来た瞬間ロビーで会ったんだから、そういうのてめぇが一瞬も見逃すわけないだろ」
「それもそうだな」
正論を言ってやると、ふっ、と笑って短い言葉を返す。少し冷めた珈琲を啜ると『そろそろ行くか』と、椅子から立ち上がる。
「行くのか」
「聞きてぇ事あるし、早いに越したことはねぇだろ。てめぇは後からゆっくり来いよ」
「いや、共に行く」
「けど打ち合わせの後だろ。もう少しここで休んでから来いよ」
「平気だ。それに、面と向かって説明した方が早く済む」
涼しい顔でそう言うのを見て、短く笑う。
「そうだった。てめぇはどっちかって言うと効率を取る奴だったな」
そう言って空の紙コップをゴミ箱に捨てると「行くか」と声をかけ、廊下に出て並んで歩いた。
鋭い眼差し
お願い…
私を見ないでっ!
自分が勝手に見られていると思いこんでいるのか
実際に見られているのかは分からないけど…
多分みんな軽蔑した目で私を見ている。
私はいわゆるトランスジェンダーだ。
生まれた性は男性だが、現在は女性。
服もレディースを着ている。
子どもの頃から女性になりたかった。
両親はその気持ちをちゃんと理解してくれたし、
やっと夢が叶った…と思った。
…思っていたのに。
なんで、みんなから批判されて
無視されなきゃいけないの…?
この高校には中学生の頃の私を知っている人なんて
いないはずなのに
「もう嫌だ…」
泣きながら家に走った。
ベットに倒れ込む。
意味もなくSNSアプリを開いていた。
「え…?」
そこにはかつて友達だった奴のつぶやきがあった。
そして昔の私の写真と隠し撮りらしき今の写真。
『こいつ最近女になったんだぜ〜まじで草』
友人のページには何万もの人がコメントを返していた。
【ありえねーわ】
【男が女子トイレに入るってこと?】
バタッ
ー「そろそろご飯よ〜」
「……。」
一階からの母の言葉なんか耳に入ってこなかった。
もう何も感じない。
体も動かなかった。
心も体も氷のように冷たい。
あぁ、私の遺影には
どっち性別の私が使われるのかな…?
人は真剣になると鋭い眼差しになる
何かに熱中することは素晴らしい事だ
鋭い眼差し、
ってなんのこと?
そう思っていたけれど、
これは確かにそう言われても仕方ない。
夜中、電車の窓に映った自分の顔にため息をつく。
(菩薩のような顔で日々を過ごせたら良いのに)
【79,お題:鋭い眼差し】
「出てって...もう出てってよ!!!」
バチンッ
「かぁ...さん...?」
「...ッ!その声で私の名前を呼ばないでちょうだいっ!」
ドンッ...
静かな部屋に、僕と母さんの呼吸音だけ響く
母さんに殴られた右頬が、ジクジクと熱かった
「アンタのせいよ!アンタがいるせいでッ...あの人は私を愛してくれないじゃない!」
髪を捕まれて激しく揺さぶられる、強い衝撃が何度も背中を殴り付けた
何で怒られているかなんてわからない、だがこんなに母さんが怒ってるんだ、また僕が何かしてしまったんだろう
「ごめん...なさい...母さん、ごめんなさいッ!」
泣きながら床に頭を擦り付け必死に謝る
大きな怒鳴り声よりも、殴られる痛さよりも、母さんに嫌われてしまう恐怖のほうが何倍も強かった
それしか言えないロボットのように、ごめんなさいを繰り返す僕を
母さんは肉食獣が小さなウサギを見るような、鋭く冷たい眼差しで見下ろした
「...アンタなんか産まなきゃよかった」
そう吐き捨てるように言うと、もう一度僕の体を強く蹴って母さんは奥の部屋に引っ込んでしまった
その日から、って訳ではないと思うけど、今でも僕は人の視線が怖い
今にも飛び掛かって、肉を食いちぎらんばかりの獣の目
劣った物を選別していく鋭い眼差し
みんながみんな僕を嫌ってる訳じゃないんだろうけど、それでもやっぱり
「生きづらい...なぁ」
時たま感じる鋭い眼差し
その持ち主は誰だってわかってる
私の事が憎くてたまらないんだろう。
「好きな人を取られた。」
そんな言葉が出たのは貴方の口からじゃなかったね。
貴方の周りにいる取り巻きからだった。
別に取り巻きでもないか。 友達?って感じだよね。
いいと思う。そんな感じでふわふわ生きてられるの羨ましい。
だからこそだよね。
貴方が欲しいの。
貴方の全部が欲しいの。
好きな人も、友達も、家族も。
全員私の知り合いになれば、貴方はもう逃げられないでしょう。
「助けて。」
どうして? 私は貴方が欲しいだけで、貴方はそれに応えなかった。 当然だと思うわ。
「出して。」
ここから出たら貴方は全く知らないところで全く知らない人にどこかへ連れていかれてしまうかもしれないわよ。そんなの嫌でしょう?
「なんで。」
なんで?その言葉の意味が分からないわ。 貴方の事が愛しいからよ。私の愛しい人。
「私も貴方が好きよ。愛してる。」
そう。 私もよ。
鋭い眼差し
真昼のジリジリと照りつける太陽から逃げるように
手足が震えてまともに走れない
呼吸も疎かになってきた
覚束ない足元を狙うように
ズサっと受け身などとれるはずもなく転んでしまう
身体中から血が絶え間なく流れ出す
このままでは格好のエサだ
太陽に向けている首元はジリジリと熱くて
息を整える暇なんてなく
視線を上に上げて必死に足を上げる
眼の前には
鋭い眼差しで僕を突き刺すアイツがいた。
走る
「頭上にご注意ください」
と、アナウンス
そばにいるのに。
怖くて、勇気もなくて手が伸ばせない。
一緒 にいることはできても。
一生 叶わないかもしれない。
いつでも貴方の近くにいたいよ。
抱きしめたいし、頭を撫でてあげたいし、
一緒に楽しいことをして、たくさん話して、毎日幸せを感じながらさ。
あぁ、貴方でよかった。会えてよかったってずっと思っていられたらな。
私は貴方より、頭も良くないし 面白いこともあんまり言えないかも。ちょっと頼ってしまう時、甘えてしまう時もあるかも。
私にはもったいないくらいの人で、もっと先に行ける人。
分かってるんだけど、愛しい気持ちが溢れてやまなくて。
真っ暗な夜を ポツポツと照らす無数の提灯に、いつもより多い人の声。
小さな女の子がフワフワの甘いお菓子を片手に目の前を駆けていった。
押し寄せる人の波に不覚にもよろけそうになったり。
今頃、神社は参拝客でいっぱいだろうか。
湿った空気。 肌をゆるりとなでるような 頼りない風でも 今の私にはありがたかった。
一際 静かな屋台の裏側で、二人パーキングブロックに腰をおろした。
私の隣には 愛しいひと
友人が多い貴方を、二人きりで と誘うには 少々骨が折れたけど、
頑張ったご褒美が想像以上で…
苦労したことなんて 忘れちゃう。
さっき買ってきた焼きそばと、既に溶けかかっている かき氷とかで少し遅めの夕飯にしようかな。
「長いこと まわってたからお腹すいたよね。」
「うんー。食べよ。」
はーい、箸。 ありがとー。
二人で、焼きそばを 食べ始めた。
残された かき氷といえば…
忘れてるわけじゃないよ。二人とも溶かす派なだけだから。
貴方の食べてるとこも可愛い。
あ、食べ物 お互いに食べてると無言になるよね。
その場の賑やかな雰囲気にあてられた私は 唐突に口をひらいた。
「いつか結婚する?」
「えっ……。結婚!?えっ?」 私と!?
よほど、驚いたようで…今頃 口の中にいたであろう焼きそばが勢いよくフードパックに戻った。
反応が見てみたくて…ほんの少しの悪戯心が助長して…。
つい 思い切ったことを言ってしまった。
「いや、いつか 誰かと結婚するかなって、お互いにさ。貴方と結婚する人がどんな人か気になるな〜って。」
とっさに つくった私の言葉で 貴方が落胆してくれたら嬉しいのに。
まぁ、気になっていたのも嘘ではないけど…。
ちょっとは 意識して欲しいって、自分の願望が少し顔を出してしまったのも、まぁ あるよね。
「よしっ、嫁に来るかい?」
ニヤニヤした顔で、いつもの調子でたずねてくるものだからさ、
「え、逆じゃない? ははっ、毎日楽しく過ごせそうだね。」
私も いつもの調子で返す。 あー 幸せ。
それから また色んな話をしてさ、
貴方と過ごす未来を考えてしまって、幸せな妄想に さらにまた花を咲かせて。
こうやって 話してる 今が一番幸せなんだって、改めて 複雑な気持ちになった。
しばらくして、まだ隣で花を咲かせ続ける 愛しいひとを横目に、
「君にはもっと 素敵な人がいるはずだけどね。」
って。
極めて 小さな声で さらっと言った。
これもまたいつもの返し。
ただ、今日くらいは にぎやかな祭りの音で掻き消されてはくれないかと 神様に願ってみたりして。
鋭い眼差し
ーRたちの番外編ー
俺に大切な人が出来た。
とても大切な人彼女だ。
可愛らしくて、優しくて、俺より才能に溢れてる。
その彼女...Rは俺に釣り合わないぐらい、いい人だ。今日も今日で俺はRと散歩をしている。
Rは俺といる事が楽しいのか、ずっと笑っている。
俺は、その笑顔を守りたいとずっと思っている。
俺は公園に着くとRにトイレに行きたいと伝え、トイレに行っていた。Rは「ゆっくりでいいからね。」と言ってくれた。その間Rは、公園のベンチに座り本を読んでいた。
俺がトイレから出てくるとRは見知らぬ男と喋っていた。その時のRは困っていたように見えた。
俺はその男に、殺意が漏れるぐらい"鋭い眼差し"を送ってやった。男は俺の殺意に気づいたのか、少し怯えていた。Rは俺に気づき、急いで俺の元に来た。Rは少し困っていいのか、笑っていいのかよく分からない表情をしていた。「俺の大切な人になんか用?」俺はドスの効いた声で男に問いかけた。
男はRに助けを求めるかのような表情をしていた。
Rは慌てて俺に言った。
「ごめん!この人僕のお兄ちゃんなんです!」
Rの言葉に俺はポカンとした。
「え...?お兄ちゃん...?」俺の問いに男は答えた。
「ごめんごめん。覚えてないかな?Rの兄だよ。」
男の声で我に返った俺は、今すぐ穴があったら入りたいぐらい恥ずかしくなった。
すっかり忘れてた...。Rにお兄ちゃんがいた事に。
「ごめんね。あの時以来だもんね。笑髪染めたし、ピアスも開けたから分からなくても当然だね。笑」
俺はすかさずフォローした。「いやいや!お兄さんの事忘れていて、ガン飛ばした俺が行けないんで!」Rとお兄さんは、笑っていた。
「でも良かったじゃんR。こんなにR想いの彼氏が出来て、俺ふわんだったんだよ?笑。ずっと好きって言ってたのに告白しなかったんだから笑」
Rは顔を真っ赤に染めていた。
俺はそれが可愛くてつい頭を撫でてしまった。
Rのお兄さんはそんな俺らを見て言った。
「こんな素直じゃない妹を、これからも愛してあげて?」俺は「はい!」と答えた。
お兄さんは、何が面白いのか分からないが笑っていた。俺が「??」となっていたら、お兄さんはこう言った。「Rは独占欲が強くてね。まぁ簡単に言うと、かまってちゃんだから笑」
俺はまだまだRの知らない一面があるんだなと、思っている横でRはお兄さんを見てムスッとしていた。
ここまで読んでくださり
ありがとうございます。
今回でRと俺の物語は終了(?)となります。
これからもRは何回か出てくるかもしれません。
ですが、それは違うRだと思ってください。
俺くんも出てくるかもしれません。
俺くんもRと同じです。
※この物語はフィクションです。
鋭い眼差し
全身で鼓動を感じるアディショナルタイム
疲労困憊の全身が時間を遅く感じさせる
流れる汗、駆け抜ける風、轟く声援
スローモーションに見えるそのボールを
しっかりと捉えて一蹴り
「一蹴入魂!いっけぇーーー!!」
ベンチの監督は鋭い眼差しでこちらを見て
腕を組んで静かにうなづいていた
吠えたキャプテンの想いは真っ直ぐに
終了直前の逆転ゴールを決めたのだった。
危機管理能力が低い 。
精神年齢が幼い 。
書類仕事が苦手 。
寝てばかり 。
まるで犬 。
こんな特徴ばかり連ねられる人間が
とある組織の首領だなんて夢にも思うまい 。
それでも彼にも " 首領 " らしい所はあるのだ 。
「 んで 、 今日はどこ ? 」
組織の一室 。
1つの机を隔て 、 向かいに立つ親友に尋ねた 。
親友は軽くため息を吐いて 、
「 6丁目の最近噂立ってきてる所ですねェ 。 色々とやってくれてるらしいですよ 。 」
と呆れ気味な表情を見せた 。
「 あ〜 ………… あそこかぁ 。 」
頬杖をついて 、 少し物を考えた 。
「 よし 、 早いとこ片付けよう ! 」
『 ここに来てから1週間 、 順調に事が進んでる 。 』
『 ああ 、 だが油断はするんじゃねぇぞ 。 』
「 そうそう 。 いつ敵が乗り込んでくるか分かんないからね 。 」
ふわり 、 音も立てずに静かな部屋に現れる 。
小さなグループの人数はそう多くない 。
その全員が 、 声を発するまで " 敵 " の存在に気が付かなかった 。
『 ッ!? 』
「 あれ 、 ようやく気付いた ? 」
椅子に座ったまま立ち上がろうとしない男に 、 グループの人間は戸惑いを隠せないでいた 。
しかし 、 頭の 『 何してる ! やれ !! 』 という声を合図に 、 一斉に動き出した 。
……… だがそれも 、 一瞬であった 。
「 君ら俺の存在にも気付けないくせに俺らの縄張り荒らそうとしてた訳 ? 目障りなんだけど 。 」
その真紅の鋭い眼差しを受け 、 再び動けなくなる 。
動けなくなった者共を見て 、 男 …… 首領は大きなため息を吐いた 。
「 はぁ〜 …………… つまんな ! もういいよ ! 」
その声を合図に 、 首領の右脇から大量の銃弾がグループの人間を襲った 。
_______________
「 文句言う訳じゃ無いですけど 、 何で自分でやんないんですかァ ? 」
「 だって 、 俺がわざわざやんなくたって明来くんで充分だったじゃん 。 」
血溜まりに這い蹲る1つの気配を
銃弾が貫く音が響いた 。
- 鋭い眼差し
- 紫檀極 、 明来 ( 友情出演 )
鋭い眼差し
こわいです…
でも
それだけの愛…憎しみ…
真剣さ…嫉妬色々隠されて
いるように感じました
真剣な、今に集中している眼差しは鋭い。
そんな眼をしているときは、この瞬間に意識の集中力が凝集されている。
何をするにしても、アクションを伴う真剣さを発揮している人の眼差しは鋭いものだ。「気迫」とか、「眼力」とか、表現も複数ある。
今この瞬間に集中し、持てる全てで臨む人たち。
鋭い眼差しには、その人の信念や何かへの想い、活きゆく心的態度、心の底流にある愛するものまでが率直に顕れることも多々ある。
まあ、眼差しだけじゃなくて、その人の全体から放つ雰囲気もあるけども。
私は、鋭い眼差しをしながら何かに取り組む人たちを見ると、ある種の清々しさを感じるのだ。濁りのない鋭さならば。まっすぐに、真剣に、切実に、まさにその瞬間を生きる姿のひとつだと感じる。
「鋭い眼差し」
刺すような視線を感じる。
あたたかいけど冷たい。
痛いけど心地よい。
先生はいつも厳しい。
褒めたり、優しくしたりは一度もなかった。今ならそれが愛情だと理解できる。
ねぇどうして一人で行ってしまうの?
なんで私を置いて行ってしまうの?
「あなたはひとりでも大丈夫。私はいつも厳しいことを言ったけどいいところが沢山あるからね。自分で可能性を潰してはいけないよ。辛くても苦しくても腐らず前に進むんだよ。」
…大丈夫なわけないじゃない。
でも先生がたくさんの厳しさと愛情を残してくれたから少しずつ進んでるよ。
緩みそうに、怠けそうになるけど
あなたの鋭い眼差しを忘れないように。
鋭い眼差しは嘘を見破る眼差しだ
言い逃れはできない
「お前、俺のこと好きなんだろ?」
「…。男同士でしていい会話じゃないと思うけどね」
「俺は好きだ」
大通りの交差点、信号は青
通り過ぎる歩行者は驚愕の眼差しを向けていく
居た堪れなくなって立ち止まった
「そこらへんはさ、鈍いと思っててくれない?」
#鋭い眼差し
300字小説
狸和尚
和尚の鋭い眼差しが苦手だった。人に化け、見習として住み着いた私を見透かすような眼差し。内働きをしているときも、読経中も、その研ぎ澄まされた視線を感じる度に、毛並みが毛羽立つような思いをした。
『……絶対に正体がバレている……』
しかし、妖狐とのなわばり争いに負けた間抜けな狸の私には、もうここ以外、どこにも行くところは無い。和尚も私を追い出すことはせず、寺において僧侶としての修行を続けさせてくれていた。
『この寺はお前に譲る』
和尚が亡くなり、四十九日の法要がすんだ後、私は檀家総代から、彼の文を渡された。
「……良き跡継ぎが出来たと喜んでおられましたよ」
総代の言葉に私は本尊に向かい、深く深く頭を下げた。
お題「鋭い眼差し」
鋭い眼差しで見つめてくる金髪の彼のことを私は知らない。知らぬ間に恨みを買ったのか、ただ彼の目が悪いのか、元々あんな目つきなのか……。
恨みを買ったのならばいつだ?バイト先のカフェは高校生も利用している。最近、何かやらかしたってこともないはずだ。はじめたての頃は良く商品を間違えたり、お釣りを間違えたりと何かとやらかしていたけれど、2年以上になればミスも減る。それに彼のように目立つ髪色の客なら覚えているはずだ。きっとバイト先ではないだろう。ならば、学校か?とはいえ、学校では眼鏡陰キャで通っている私だ。だいたい友達も少ないし、揉めるほど学校に馴染んでない。悲しいけれど……。
「なぁ……」
声をかけてきたのは件の彼だ。
結局、何をしでかしたのか思い出せなかった。
とりあえず、謝るか。
「ごめっ……」
「お前、2駅先にある男の娘カフェの櫻子ちゃんだよな」
「えっ?」
なんでバレたんだ。店の私は今の私とは全く違っているし、ウィッグもメイクも日々頑張っているのに。
いや、それ以前に私は男の娘姿で店外に出たことはない。
パニクっている私に続けて彼が放った言葉はさらに私を混乱させた。
「俺、実は常連なんだ」
#鋭い眼差し
生きることは
容易くはない
思いもよらぬ
言葉の礫
心無い仕打ちが
自分に向けられる時がある
どうして?
そんな思いにかられる時もあるだろう
誰も信じられない…そんな日もある
でもそんな時こそ
一旦 自分を見つめ直して
少しだけ厳しめに
そして歩み寄る方法を探してみよう
自分が穏やかに生きてくために
その苦しみから少し
離れられたならその時は
自分を思いきり甘やかしてあげよう
鏡の中 あなたを見るあなたは
どんな目をしてるの