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危機管理能力が低い 。
精神年齢が幼い 。
書類仕事が苦手 。
寝てばかり 。
まるで犬 。

こんな特徴ばかり連ねられる人間が
とある組織の首領だなんて夢にも思うまい 。

それでも彼にも " 首領 " らしい所はあるのだ 。


「 んで 、 今日はどこ ? 」

組織の一室 。
1つの机を隔て 、 向かいに立つ親友に尋ねた 。

親友は軽くため息を吐いて 、
「 6丁目の最近噂立ってきてる所ですねェ 。 色々とやってくれてるらしいですよ 。 」
と呆れ気味な表情を見せた 。

「 あ〜 ………… あそこかぁ 。 」
頬杖をついて 、 少し物を考えた 。

「 よし 、 早いとこ片付けよう ! 」


『 ここに来てから1週間 、 順調に事が進んでる 。 』
『 ああ 、 だが油断はするんじゃねぇぞ 。 』
「 そうそう 。 いつ敵が乗り込んでくるか分かんないからね 。 」

ふわり 、 音も立てずに静かな部屋に現れる 。
小さなグループの人数はそう多くない 。
その全員が 、 声を発するまで " 敵 " の存在に気が付かなかった 。

『 ッ!? 』

「 あれ 、 ようやく気付いた ? 」
椅子に座ったまま立ち上がろうとしない男に 、 グループの人間は戸惑いを隠せないでいた 。

しかし 、 頭の 『 何してる ! やれ !! 』 という声を合図に 、 一斉に動き出した 。

……… だがそれも 、 一瞬であった 。

「 君ら俺の存在にも気付けないくせに俺らの縄張り荒らそうとしてた訳 ? 目障りなんだけど 。 」


その真紅の鋭い眼差しを受け 、 再び動けなくなる 。
動けなくなった者共を見て 、 男 …… 首領は大きなため息を吐いた 。

「 はぁ〜 …………… つまんな ! もういいよ ! 」

その声を合図に 、 首領の右脇から大量の銃弾がグループの人間を襲った 。


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「 文句言う訳じゃ無いですけど 、 何で自分でやんないんですかァ ? 」

「 だって 、 俺がわざわざやんなくたって明来くんで充分だったじゃん 。 」


血溜まりに這い蹲る1つの気配を
銃弾が貫く音が響いた 。



- 鋭い眼差し
- 紫檀極 、 明来 ( 友情出演 )

10/15/2023, 11:13:30 AM