暗い青に雪が降る 。
広場のイルミネーションが窓に反射する 。
「 世はくりすますだなぁ ……… 」
特に深い意味も無く 、 小さくそう呟く 。
そんな彼女の呟きに軽く笑った 。
「 正確にはまだイブだよ 。 」
「 でもそんなのほぼ誤差じゃない 。 」
視線を彼に移し 、 小さく頬を膨らませた 。
一際大きく賑やかな夜の街とは対極の 、
小さく静かな空間で幸せな笑い声が響く 。
「 そうだ 、 ルナ 。 これあげる 。 」
彼らの包む衣服と真逆の 、
白い袋に包まれた物を差し出した 。
彼は笑顔だ 。
「 これ 、 ぷれぜんと ? ルナが貰っても良いの ? 」
笑顔の彼を見つめながら 、 小さく首を傾げた 。
彼女はクリスマスの習慣を知らないのだ 。
「 勿論 。 ルナのためだよ 。 」
これはそういうものだから 。
彼女は雪のように白い袋を受け取った 。
開くと中には 、 マフラーが入っていた 。
ふわふわの 、 とても暖かそうな 。
「 ふわふわしてる …… ありがとう 、 ミル 。 」
彼女もまた笑顔になった 。
これがクリスマスっていうものなんだ 。
「 ルナ 、 メリークリスマス 。 」
「 めりー …… なにそれ ? 」
「 クリスマスを祝うための言葉だよ 。 」
「 そうなんだ … ! めりーくりすます ! 」
こうして1日はまた過ぎていく 。
メリークリスマス 。
( 思いつき次第 。 )
- 哀愁をそそる
-
朝日を浴びて目を覚ます 。
健康的なんじゃないかと思う 。
窓の前に立って 、 軽く太陽光を浴びれば
もう眠気なんてこれっぽっちも無くなる 。
洗面所で 、 顔を洗って歯を磨いて 。
部屋に戻って 、 鏡の前に座る 。
前までは 、" 彼 " に似合うと言われた三つ編みを
未練がましく 、 毎日していた 。
けれど今はもうしない 。
手入れの行き届いたブラシで 、 髪を梳く 。
毛の間を綺麗に通り 、 その度に
私の髪を整えてくれる 。
髪を結わない代わりに 、
アクセサリーを手に取る 。
お洒落で小さな宝石のあしらわれたネックレス 。
飾りは付いていないけれどとても輝くピアス 。
今までしていなかったネックレスを着けるのは 、
最初は慣れなかった 。 今はもう慣れたけれど 。
ピアスの穴も 、 この輝くピアスを着けるために
態々空けた 。 ちっとも痛いと思わなかった 。
これらは全て 、 過去に " 彼 " から貰ったもの 。
さっき 、 未練を断ち切ったかのような言い方を
したけれど ……… もしかしたらまだ 、 全く
断ち切れてなんてないのかもしれないね 。
それでも私はこれを未練だなんて思わない 。
だって 、全て彼から貰った
大切な大切な思い出だもの 。
鏡に映る自分の表情は 、
どこか妙に澄んでいた 。
- 鏡の中の自分
- ?
・ 軽い作者語り
とあるホラー小説の一文である 「 鏡の中に映る自分の顔が笑っていた ( 意訳 ) 」 という文を読んだ直後に通知として送られてきた今回のテーマを見たので 、 流石に鳥肌だった 。
こんなに熱狂的にハマるなんて思ってなかった 。
ライブの雰囲気も 、 観客の声援も 、 何もかも
身体の芯から震える迫力だった 。
だから俺も 、 その熱に流されてみたくなった 。
いつもと同じ作業 。
掘って 、 運んで 、 また掘って 。
ただ嫌ではなかった 。
無駄に体力はあったから耐えられたし 、
あまり人と関わらなくて良いから気が楽だった 。
けれどそれをずっと続けているうちに 、
少し飽きてしまって 。
だから 、 業務外時間に浸れる何かが欲しくて 。
携帯で流してみた曲に 、 心を奪われた 。
ロックだけど 、 和風 。
和風だけど 、 すごくかっこいい 。
強い声とかっこいいギター 。
そこに合わさる琴もすごくいい 。
こんなにかっこいい曲を 、 バンドを 、
今まで知らなかったなんて 。
俺はすぐにハマってしまって 、
その日は夜通しそのバンドの曲を聴いた 。
おかげで次の日は寝不足だったけれど 、
心做しか作業は捗った …… 気がする 。
励まされた 、 ような 。
いつか 、 あの人たちのライブに行ってみたい 。
なんてことを考えてたら 、 職場の先輩から
一緒に行かないかと誘われた 。
人と話すのはやっぱり緊張した …… けれど 、
行きたい気持ちが強かった 。
「 い 、 いきたい …… です ……… !! 」
「 す …………… すごい ……………… 」
言葉を失った 。
たくさんの観客の先に 、 あの人たちはいた 。
やがてライブが始まって 、
観客の声が大きくなっていって 。
でもそれに負けないぐらい 、
あの人たちの声は強く響いていた 。
声が枯れてしまうのではと心配するほどに 。
携帯でよく聴いたその曲を生で聴けるなんて ……
覚えていないけれど 、 その時の俺はもしかしたら
泣いていたのかもしれない 。
こんなに熱狂的にハマるなんて思ってなかった 。
ライブの雰囲気も 、 観客の声援も 、 何もかも
身体の芯から震える迫力だった 。
だから俺も 、 その熱に流されてみたくなった 。
「 っうおおおおおおおおっ !!!!!! 」
すごく楽しかった ………… けれど 。
大声を出すのは 、 今になってすごく
恥ずかしいことに思えてきた 。
あの時 、 周りの人もびっくりしていたし 。
これからは 、 控えようかな ………
それに ……… 普段からあんまり大声を
出さないものだから 、 声が枯れてしまった 。
先輩にも笑われた 。
けれど 、 この枯れた声は思い出だ 。
ひょっとしたら大したことの無いものと
思うかもしれないけれど 、 俺にとっては
すごく大切な思い出になった 。
またライブに行きたいな 。
- 声が枯れるまで
- 黒立葵
( 思いつき次第 。 )
- 忘れたくても忘れられない
- 未定