暗い青に雪が降る 。
広場のイルミネーションが窓に反射する 。
「 世はくりすますだなぁ ……… 」
特に深い意味も無く 、 小さくそう呟く 。
そんな彼女の呟きに軽く笑った 。
「 正確にはまだイブだよ 。 」
「 でもそんなのほぼ誤差じゃない 。 」
視線を彼に移し 、 小さく頬を膨らませた 。
一際大きく賑やかな夜の街とは対極の 、
小さく静かな空間で幸せな笑い声が響く 。
「 そうだ 、 ルナ 。 これあげる 。 」
彼らの包む衣服と真逆の 、
白い袋に包まれた物を差し出した 。
彼は笑顔だ 。
「 これ 、 ぷれぜんと ? ルナが貰っても良いの ? 」
笑顔の彼を見つめながら 、 小さく首を傾げた 。
彼女はクリスマスの習慣を知らないのだ 。
「 勿論 。 ルナのためだよ 。 」
これはそういうものだから 。
彼女は雪のように白い袋を受け取った 。
開くと中には 、 マフラーが入っていた 。
ふわふわの 、 とても暖かそうな 。
「 ふわふわしてる …… ありがとう 、 ミル 。 」
彼女もまた笑顔になった 。
これがクリスマスっていうものなんだ 。
「 ルナ 、 メリークリスマス 。 」
「 めりー …… なにそれ ? 」
「 クリスマスを祝うための言葉だよ 。 」
「 そうなんだ … ! めりーくりすます ! 」
こうして1日はまた過ぎていく 。
メリークリスマス 。
12/24/2023, 10:28:38 AM