『部屋の片隅で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
テーマ:部屋の片隅で #387
部屋の片隅で佇む少年が見えるようになったのは
ここに引っ越して間もなくのことだった。
またかよ……。
俺はそう思いながらも見ないふりをした。
「あまりそういうものに干渉しないほうがいい。
あんたも連れて行かれるよ」
母がよく口にしていた言葉だ。
たしかにそうかも知れないと思い、
20になるまで守り続けてきた、母の言いつけ。
やっと一人暮らしができると思ったのに。
俺はそう思いながら大きいため息を付いた。
それからというもの何事もなく日常が続いた。
少年は部屋の片隅に未だにいるが気にしなくなった。
そんなある日だった。
俺は仕事に疲れフラフラしていた。
気がついたら病院にいた。
信号が赤なのにも関わらず渡ろうとしたらしい。
ただ俺は無傷だった。
それからいつものように家に帰ると
少年がいなくなっていた。
部屋の片隅で少年が座っていた場所には
切れたミサンガがあった。
―部屋の片隅で―
『私を、助けて......』
部屋片隅で私はそう言い放つ。
窓からは、太陽の光が差し込み、私は気分が重くなる。
きっと、
今日も
明日も
明後日も
明明後日も
その次の日も
1年後も
この繰り返し。「死にたい」と願い続けるだけで、死ねない人生。
死ぬのが怖いのか、なにかやり残した事があるからなのか
死ねない理由は、私にもよく分からない。
そんなことを考えていると、もう出勤時間。
重い足取りで家を出る。
『いってきます』
end 2023/12/07
「部屋の片隅で」
この6畳のボロ家。隙間風に凍えて薄っぺらい布団に包まり、邪魔にならないよう部屋の隅に縮こまって母の帰宅を待つ。大抵は雑にドアを開けて、そのまま布団に倒れ込む。すぐにいびきが聞こえてきて、ようやく隣に寝転ぶ。たまに機嫌がいいときは塩っぱい焼きそばを作ってくれる。知らない男がやってくることもある。慣れた男は私のことなんて見やしない。初めての男は汚らわしいものを見るように睨む。仕事の顔の母と女の顔の母。この狭い部屋の片隅から見える薄っぺらい母の人生。それにすがるしかない私。ここから出ていく術を知らない
部屋のかたすみで。
昼間とは違って
笑顔もない。
通知音に
ほんの少しの期待して。
来るはずのない返信。
心の中にほんの少しだけだけでも
私がいたら…。
寂しさも
悲しみも
全部吹き飛ぶのにな
小さなひかりもないままの部屋で
やっぱり期待しながら眠る。。
「部屋の片隅で」
いつもは甘えて来るのに
今日は部屋の片隅で
じーっと見つめてくる...
確かに実家に行ったし
そこに猫もいた...
だからって
そんなに怒るなよ!!
彼女か...笑
愛猫の全てが
いちいち可愛い♡
部屋の片隅にあるもの。
それは円くて黒いロボット掃除機。
大枚はたいて買った甲斐があったと思う。
まず部屋が片付く。床に物があると(よける努力はしてくれるけれど)作業効率が落ちるので、撤去したり棚にしまわないといけない。
つまり自分が片付けモードに入らないと稼働できない。
そもそも基地となる場所を作り出さないといけない。無事使えるようになるまで数日かかった。
フローリングをきれいに掃除してくれる。
ただし我が家のラグとは相性が悪いようで、自分でこまめに掃除機(従来の)をかけるようになった。フローリングとの対比でラグのゴミが気になるからだ。
怠惰な自分をちょっと成長させてくれた気がする。
こちらの指一本で黙々と、いや音を立てながら掃除する姿を見ていると健気にすら思えてくる。
今日も部屋の片隅で従順に待機している。
『部屋の片隅で』
部屋の片隅で
一日の終わりに
たった数分の一人の時間を楽しむ
乱雑なダイニングテーブルで
食事をしながら
お気に入りのドラマを観て
家計簿をつける
撮りためた写真を見返して
郵便物を確認して
ネットスーパーを頼む
こうして時間があれば、ここへ思いの丈を書きなぐる
我に返ると、昼間、歌い聞かせた童謡が
壊れたオーディオのように
頭の中で無限リピート再生
こんなことが唯一の自分の時間
たったこれだけで
明日も向き合ってく
何もかも、なかったかのように
誰も、私以外いないかのように
笑い声も泣き声も消えた部屋の片隅で
久しぶりに実家に帰った。
日が暮れてきたため部屋は薄暗い。壁にあるスイッチで灯りをつける。近所はほとんど和風の造りだが、祖父が生粋の英国人のためこの実家も西洋造りにしてあるのだ。
シャンデリアの光が届かない部屋の片隅で、ぼうと暗い影が動いた。
「やぁ、姉さん。久しぶりに来たよ」
影は返事をしない。
「そんな隅っこにいないでこっちに来たら?」
声掛けに俯いていた顔が上がった。
人形のように美しい顔。
太陽の光に当たれば白く輝く美しいプラチナブロンドが揺れた。血の気のない頬……無表情のままこちらを見る瞳は宝石のような綺麗な金眼。
「今日は罵らないのかな? 鞭で叩かないのかい? 私が……いや、ボクが来てあげたっていうのに」
姉は途端にたじろいだ。にっこりと笑ってみせれば、怯えたように闇に溶けて消えて行った。
「つまらないな」
ソファに座って天井を見上げる。
私を虐待していた美しい姉は、僅か十歳でその生涯を終えた。義理の弟──私に惨殺されて、食べられた……そんな話を誰が信じるだろうか?
不義の子である私が憎かったのだろうが、私は彼女が心底美しいと思っていた。好意すら寄せていた。それが気持ち悪かったのなら、仕方ない。
部屋の片隅に現れる彼女は、私の作り出した幻想なのだろうか?
もし化けて出ていたのなら、また掴めるのなら……
「また、食べてみたいな」
姉とひとつになった私の金眼が、鏡に映って楽しそうに笑った。
【部屋の片隅で】
「エッジランナー」
テーマ「部屋の片隅で」
サスペンス
ナイトシティ。母親。サイバーサイコ。エッジの向こう側。身体性の呪縛を超越した存在。アダム・スマッシャー。伝説。デイビッド。ルーシー。エッジの向こう側に触れて精神が耐えられず発狂した成れの果て。アラサカ。
最高級品の和紙に文鎮を置き、硯で墨を磨る。
墨汁は便利だが、硯で磨った墨には敵わない。
筆に墨を吸わせ、硯の端で墨を拭う。
一文字、一文字、集中し過ぎないよう意識しながら、文字を書き連ねる。
そして、和多志の名を署名し、筆を置く。
最後に、玉印に朱肉を付け、署名の下に玉印を押す。
之で終わり。
重要書類を書いた後は、どっと疲れる。
之ばかりは、未だに慣れない。
窓から外を見ると、日は沈みかけ、空を朱く染めていた。
『たまには早く帰って、家族と過ごせ。そう云う時間は、無限では無いよ。』
上司に云われた言葉を思い出す。
今日は、早く帰ろう。
私は、今日もひとりぼっち。
本当の友達を見つけるために努力する。
たとえ、親に差別されていたとしても。
【132,お題:部屋の片隅で】
部屋の片隅で、鳶色の塊が丸まっている
なんてことのないマンションのワンルーム、一人暮らしには十分すぎる部屋だ
その部屋の片隅、もっと言えばバルコニーのすぐ横の太陽の光が降り注ぐスペース
ピョコッ、その塊が動いた
ごろんと派手に寝返りを打って伸びをするのは、鳶色の猫だった
その猫の目は気持ち良さげに細められていて、耳を澄ますとゴロゴロとかわいらしいモーター音が聞こえてくる
白いお腹を太陽にさらけ出し、また横に転がって今度は鳶色の背中を日に当てる
ごろんごろんと転げ回り、ようやく気が済んだかのように起き上がると
ぐんと伸びをし、欠伸をし、少し離れた日陰に移動すると、ごろんとまた横になった
はぁ~お昼寝は最高だにゃ~
まるでそんな声が聞こえてきそうな光景である
何分そうしていただろう?
うとうとと船を漕いでいた猫は、ふとある音がして起き上がった
小さな音だ、人間ならまず聞こえない
遠くから徐々に近付いてくる、カラカラと回る車輪の音
ピルルッ、と耳を震わせて音を拾う、コンクリートの段差を乗り越えガタンと車体が揺れた
だんだんと疑念が確信に変わる
軽いブレーキ音がして、トントンと大股のゆったりとした足音
帰ってきた...!
一目散に玄関まで走ってストンと座る、足音が階段を上がる
この感じは、何か持っているんだろう、途中で狩りでもしてきたのだろうか?
...ガチャ
にゃああっ、にゃあ~
「...ただいま、ルク」
おかえりにゃあ~
鍵を開けて入ってきたのは、特徴的な白い髪をした青年だ
右手に鍵、左手にはハンドバックを持っている
「ルク...お土産買ってきた...」
へへ、と不器用に笑って見せる
ハンドバックから出したのは、いつもとは少し違う柄の猫缶
「今日のご飯はちょっと豪華だね」
そうなのにゃあ~
青年の足に纏わり付きながら、撫でろと要求する
青年は困ったように笑いながらも、しゃがみこんで猫のふわふわの毛を撫でた
帰ったらまず、手洗いうがいと決めている彼だがこれでは全く進めない
まあそれでも良いか、戯れに猫のお腹に顔を埋め猫は満更でもない顔をする
ありきたりな日常の切り抜き、幸せな1コマ
当たり前の小さな幸せを大事にしたい
部屋の片隅で
部屋の片隅で佇んでいる
それはとっても儚げで
それでいてどこかたくましい
今にも消え入りそうなのに
ずっとその調子で光ってる
何度も倒れかけているのに
いつも絶妙なバランスを保ってる
今日もお疲れさま
また明日ね
「部屋の片隅で」
部屋の片隅で今日ずっと考えてた事があるの
死ねなかったゎ
あんなに批判浴びて
私も人間なのにさ
以前6条飲んで 頭痛くなった
今日は8条飲んで 気絶しなかった
ムカついたゎ
全てに
何もやる気しないし
ずっとメールしてた
くだらない日だった
泣けてきたゎ
そう簡単にいかないものょ
人間は
人はいつか死ぬ
私も死ぬ
私が苦しんだ2年分
関わった人達苦しめばいぃ
今日ね 夢のお守り燃やしたゎ
燃えて皆無くなれば
笑えょ
それで不幸になれ!
そんな事言っても通用しないか?
面白い考えでしょ
それで好きと言われても
未練なんかないし
逆に嫌い
迷惑
それだけ嫌な所見せてきたんだし
メッセージ見たら訴えてくるんだもん
死ねと 言われてきたから
嬉しいでしょ
結果が全て
満足ですか?
貴方が描いた夢の世界は
貴方がそぅさせたんだから
苦しめば
#部屋の片隅で
私の部屋の片隅には、窓がある
いつも日が沈むのが美しくみれる
でも、ある日窓の下にある物が落ちていた
落ちていた物は、埃をかぶっていたがあの太陽のような
温もりを感じる物だった
私はそれを拾い上げた、上の部分を開けると
懐かしいメロディが流れ始めた
そのメロディを聴いていたら何故か涙が溢れ出た
これは幼い頃に今亡き母に貰ったオルゴールだった
部屋の片隅で、サックスを吹いた。
いい音が出たような、出ないような。
ドレミファソラシド。
何か日々上達するものが欲しくて、サックスを始めた。
月に一度、レッスンを受けている。
最初は、音を出せなかったけど、少しずつ、音を出せるようになってきた。
下手くそだけど、きらきら星を吹けたときは、
ちょっと感動した。
50年は、吹き続きけたい。
白髪のおじいさんになって、みんなの前で吹くのが、
僕の夢。
マンションの公共の部屋で密かに泣いていた男の子が居た。
「ねぇ、どうして泣いてるの?」
その男の子は、こっちも見ずに質問に答えずにずっと泣いている。
「ねぇ、泣いててもわかんないよ。教えてよ、なんで泣いているの?」
そして、答えた
「お兄ちゃんが(僕を)殺そうとしてきたんだ」
俺は当然びっくりした。だって喧嘩なら分かる、が
"殺そうとしてきた"は、誰でも驚くだろう
「どうして、殺そうとしてきたの?」
「わかんない」と答えた
はぁ、困らせるなぁ...
「お兄さんは?どこなの?」
まずは、親に知らせないといけない。それは当たり前だ。
「お家の中.....」
「何号室?」
「011」
そして、俺と男の子はその部屋に向かった
ピンポーン
ガシャン!
荒い音と荒い声が聞こえた。多分虐待だろう
ガチャん
1人のパッツンで怪我が多い男の子が現れた
「はい、なんですか」
声もそっけないし、なにより目から分かる
"死にたくない"という目をしている
けど、声からして死にたいと思っているかもしれない。死にたくないけど生きたい...子供がそんな考えを持つことでは、ない。
「お兄ちゃん!」
「ごめんなさい。俺の弟が迷惑かけて」
あ、そうだ。
俺は怪我が多い男の子の方に紙を渡した
「はい、これ」
男の子は目を大きく開けて何かを言おうとしてたけど、なにも喋らず。静かに少し口角をあげて目を緩めた、まるで『ありがとう』と言ってるみたいな____
5.部屋の片隅で
がらんとした僕の狭い部屋は
僕の狭い心を表しているようで
本当になにもない
虚しい部屋だ
机にベッド、物置棚
ありきたりの家具が並ぶ
一見普通に見えて
愛のない冷たい部屋だ
机のとなりに小さなごみ箱があった
丸められた紙で溢れかえって
僕の心の中を表しているようで
嫌なこと悲しいこと
全部ごみ箱に放り込んで
忘れようとしていた
忘れられなかった
でもね
僕の心にだって
隅っこのほうに愛が残っている
それは温かくて
なによりも気持ち良い
だから僕は
部屋の片隅で空想にふける
部屋の片隅で]
無くしたと思っていたピアスが3個が発掘される
同じピアスでしかも左耳側だけか片隅で
300字小説
曰く憑きの部屋、その後
部屋の片隅には盛り塩。床の間の掛け軸の裏と押し入れの天井には魔除けの札。
高級旅館なのに格安で泊まれるという部屋は完全に曰く憑きの様相を醸し出していた。
「……これ、絶対に出るヤツだろう……」
結論から言うと何も出なかった。帰ってからも肩が重いとか、体調が悪いとか、不幸な目に遭う……なんてことも無い。ただひとつ変わった事は……。
「おかえりなさい。今日の晩御飯は寄せ鍋よ」
帰宅した翌日、俺に一目惚れしたという女の子が押し掛け女房のごとく住み着いただけで。
「良い匂いだな。でも本当にここに居て良いのか?」
「ええ、あなたの側にずっといたいの」
彼女がゾロリとした黒髪をなびかせて笑う。俺は思わず照れて頭を搔いた。
お題「部屋の片隅で」