名無しのきんつば

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マンションの公共の部屋で密かに泣いていた男の子が居た。
「ねぇ、どうして泣いてるの?」
その男の子は、こっちも見ずに質問に答えずにずっと泣いている。
「ねぇ、泣いててもわかんないよ。教えてよ、なんで泣いているの?」
そして、答えた
「お兄ちゃんが(僕を)殺そうとしてきたんだ」
俺は当然びっくりした。だって喧嘩なら分かる、が
"殺そうとしてきた"は、誰でも驚くだろう
「どうして、殺そうとしてきたの?」
「わかんない」と答えた
はぁ、困らせるなぁ...


「お兄さんは?どこなの?」
まずは、親に知らせないといけない。それは当たり前だ。
「お家の中.....」
「何号室?」
「011」
そして、俺と男の子はその部屋に向かった

ピンポーン

ガシャン!

荒い音と荒い声が聞こえた。多分虐待だろう

ガチャん

1人のパッツンで怪我が多い男の子が現れた
「はい、なんですか」
声もそっけないし、なにより目から分かる
"死にたくない"という目をしている
けど、声からして死にたいと思っているかもしれない。死にたくないけど生きたい...子供がそんな考えを持つことでは、ない。
「お兄ちゃん!」
「ごめんなさい。俺の弟が迷惑かけて」
あ、そうだ。
俺は怪我が多い男の子の方に紙を渡した
「はい、これ」
男の子は目を大きく開けて何かを言おうとしてたけど、なにも喋らず。静かに少し口角をあげて目を緩めた、まるで『ありがとう』と言ってるみたいな____

12/7/2023, 11:39:25 AM