『過ぎ去った日々』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
当時はこれが当たり前だと思って過ごしてた日々
今思うとなんてまぶしい日々だったんだろう
羨ましい
「過ぎ去った日々」
キミと出会ってから早数十年。
ボクは色んなことを一緒に経験した。
美味しい温泉たまごの作り方。布団の柔らかさ。一緒に遊ぶゲーム。キミの心の傷を癒せたかどうかはわからないけれど、精神的に危なっかしいところがあったから、正直言って色々心配だったよ。
でも。キミはちゃんと自分の幸せを掴み取った。
ボクは心底安心したよ。本当に良かった。
命が尽きるまで、キミの心は満たされていたと信じたい。
色んなものをくれたキミ。一緒に宇宙を救ってくれたキミ。
ボクはキミと出会えて、とても幸せだった。
でも、それはとうに過ぎ去った日々の話。
ボクの髪もいつの間にやら色褪せてしまった。
そのうちもっとこの身体も少しずつ機能を停止して、やがて動けなくなる。
その時が来るまで、ボクはキミのことを忘れないよ。
本当に、本当にありがとう。
⚠︎微BL
「過ぎ去った日々は、もう戻ってこないのですね」
やけに大人びた声。同じ歳のはずなのに、いつも敬語を使って話す俺の友達は、何かのアニメの影響でも受けているのだろうか。俺はずっとそう思っている。頭が良くて、眼鏡をかけていて身長が高いクラスメイト。変な奴。クラスメイトからはそんな薄っぺらい印象である。
現に近くにいたクラスメイト数名が、こちらを不思議そうに見つめた。
「ああ、そうだな。…よく分かんねえけど」
三月なのに、指先が凍えるほど寒い。三月の一番初めの金曜日、高校で行われることは卒業式。その前日に卒業生をさりげなく祝うように降った雪は少し積もって、革靴を汚すので俺は酷く嫌な気持ちになった。
俺は制服の裾を握りしめる。女子に告白されてボタンを全部持っていかれる?──馬鹿な。そんな漫画みたいなことは起きない。実際、式が終わったあとこうやって、立派な立て看板がある三年間通い詰めた高校の玄関口で、親の迎えを俺は待っている。
彼は、何故いるのか?俺に聞かないで欲しい。多分彼も親の迎えを待っているのだと思う。分からないけど。
周辺では、女子生徒が「写真撮ろ」なんて言って、女子同士で楽しそうにはしゃいでいたり、部活の後輩から花を受け取って両目に涙を浮かべていたりするクラスメイトも見かけた。俺にはそんな青春は、この三年間存在しなかった。平凡で、楽な三年間、だったと記憶している。
彼と無言のままだとどうしても気まずくて、「大学どこ?」なんて聞いてみようとしたけれども、落ちたと言われたらどうしようというところまで考えて、口を固く噤む。ひゅうと風が横切って、前髪を揺らした。
俺はどうしようか、そろそろ本格的に気まずいので一人になろうと違う方向に歩き出すと、焦ったように彼は、丸めて脇に抱えていた卒業証書を突然両手で広げた。
「何してんの?」
「見ていてください」
ビリビリ。
「────は?」
「破りました」
「は?」
「破りました。見ましたか?」
「い、いや見たけど…お前…何して」
「………要らないと思って」
「え?」
彼の手は、震えていた。寒いから?怖いから?緊張しているから?震える理由なんてそんなものだろう。
「あはは、お前、どうしたの。卒業証書だよ、それ」
「君が居なかった三年間は、要らないと、思って」
「……………」
「過ぎ去った日々は戻らないけれど、でも僕は、君と卒業したかった」
彼の手には、もう一枚卒業証書が握られていた。そこに書かれた名前は、正真正銘俺の名前。
「クラスで浮いていた僕に優しくしてくれたのが君でしたね。…でも、君はあの夏に、死んでしまった」
「…お前、ひとりで話してるって、意味悪がられてるよ。………ごめんな、二年と、半年間も。気味悪いよな、幽霊が見えるだなんて、さ。」
「君が居なかった三年間、僕は要らないんです。今までも、これからも」
ビリビリ、粉々に砕かれた彼の卒業証書が冷たい風に舞う。それは昼間の煌めく太陽に当たり泥と一緒になって溶けた雪の上に落ちた。みるみるうちにそれは紙の硬さを失い、溶けていくみたいに地面に舞い散った。
「……じゃあ俺のもさ、破ってよ」
「ダメです」
「え、なんでよ」
「君のお母さんに渡すって約束したでしょう。君が居なかった三年間の証、僕は要らないけれど」
彼は、一歩こちらに近づいた。やめろ、やめろって。これ以上、俺の心に触れないで。
「君が僕の瞳の中だけに居た三年間は、消さないで欲しいから」
腕がぎゅっと背中に回された。確かに、彼の体温は存在している。悴む指先が湯気に触れてじわじわと暖かくなっていくみたいに、俺の肌は熱くなった。でも彼は、体温なんて感じられていない。俺のことが見えていたとしても、俺の肉体は、そこにはもう無いから。
あからさまに変な態勢なんだろう。彼が空間に向かって抱きついている絵面を見たクラスメイトは、「あいつ最後まで変な奴だな。幻覚見えてる?」なんて悪口を言う。
「…ごめんね」
「謝らないで欲しいです」
俺は、そっと彼の背中に腕を回した。彼は、その体温を、感触を感じることが出来ていないであろう。それでも僕は、僕にだけしか分からない彼の体温を、そっと胸の中に抱きしめた。
過ぎ去った日々
前のスマホのカメラロールにはあの人との
思い出がたくさん残されていた。
「私もこの頃はたくさん笑えていたのにな」
過ぎ去った日々を懐かしく思い戻りたい
あの人にもう一度だけ会いたい
報われぬ願いばかり溢れていく。
私の中にある恋心は、あの日のまま
止まってしまったのかもしれない。
いただきます
パンっと軽快な音を立てて、まずは胃酸のスープから。ビリッと酸の刺激が食堂を通って、彼女にビリビリペンを仕掛けられたドッキリの日を思い出した。あの時は婚姻届を書こうとしたんだっけ。
お次は大腸のウィンナーを梅肉と一緒に葉野菜でくるむ。少しの皮の反発を噛み切るとジュワッと中に詰めたミンチが肉肉しかった。
初デートでホットドックを食べてウィンナーを落としたな。彼女が吹き出して、恥ずかしかったけどちょっと気が緩んだんだよな。
.過ぎ去った日々
『まやかしの杜』
陽葵ちゃんぎ、れいん君歩き過ぎて疲れているみたいだか眠そうだヨ〜。と言ったので、ちょっと仮眠を取ることにした。
みるみる、と、月の輪郭が覆われてきた。スヤスヤと、寝息を立てていた、れいん君。(会場が沸いた(笑)】
1時間、ぐらいたった頃に、れいん君は起きた。木田太一君の背中にいた。陽葵ちゃんは、『れいん君、おはよう〜。』と、言った。
れいん君は、ここ何処?!と言った。月の輪郭が無くなる前にまやかしの杜へ行かなくてはならなかったから、陽葵ちゃんの膝の上でスヤスヤ寝ていたのを、そっと、木田太一君の背中におぶした。い『楽勝!!』と、木田太一君は、言った。頼もしい(^_^;)
まやかしの杜の入口に立ち、、更にひんやりとした温度に感じた。『れいん、降りるか〜?!』と木田太一君は、言った。れいん君は、寝たをしたのだ。
『リハトさんのお師匠さまに、訊いたら人間の煩悩の数だけ階段は、あるそうだ。』夏音ちゃんが、『108ね。』と、言った。高橋悟君は、『ご名答👍』と、称えた。
『行くぞ〜❢、みんなもついてこい〜❢』と、高橋悟君の炭治郎の羽織りが冷たい風をはらんだ。LiSAさんの歌の『紅蓮華』のようだった。
もうちょっとで、月の明かりが消える。私たちは、必死で、階段を上がった。ーー遠くで烏が鳴いていて、霧が出てきた。
巫女さんらしい方が、庭園をほうきで掃いていた。『まやかしの杜へ、ようこそ。と、静かに言った。私が、『あの〜、すみません。天使見習いのリハトさんに頼まれて来たんですが、桜かすみさんは、いらっしゃいますか??』と訊いた。『かすみ、お客さんだヨ〜🎶』と、言った。其処の本殿にかすみはいているから案内するね☺と、言ってくれた。『私は、坂野あんず。高校生。です。』で、みんな挨拶をした。『斉藤しのぶです。』と、挨拶をしてくれた。『で、そちらは、と?』と、言った。谷川れいん君、保育園の年中さんで、5歳なの。陽葵ちゃんが言った。
しのぶさんの表情が曇った気がした。
本殿の中にある大きな鏡の前に、白いドレスを着た長い髪の毛をした。私たちと同じぐらいの少女が、シクシク泣いていた。
『大丈夫ですか〜??』と、夏音ちゃんは訊ねた。返事は、なかった……。れいん君が、木田太一君の背中から、降りた。
月が消えた。
『お姉ちゃん、大丈夫〜??お目々がうさぎさんのようだよ〜。お姉ちゃんキレイだから、きっと、大丈夫^_^♫お姫さまみたいだもん〜^_^🎶』と、れいん君が言った。
『……そう、かしら??』と、かすみさんは微笑んだ。
『うん、元気出してネ(*^^*)🎶ーーそうだ、お姉ちゃんも、サンタクロース🎅さんの所に会いに行って元気をつけてあげようよ〜🎶』と、れいん君は言った。
『いいでしょう??高橋先悟生〜?』と、れいんは、訊いた。『いいよ~』と高橋悟君は、言った。
斉藤しのぶさんは、何か言いたそうだけれども、かすみさんが制した。
『お姉ちゃん、ドレス👗着ているか足もとに気を付けてネ(*^^*)🎶』と、れいん君は、言って、れいん君は、木田太一君の背中にまた帰った。木田太一君は、
やれやれあせと言った。斉藤しのぶさんとかすみさんは、『カワイイ〜🎶』と、言って、肩を竦めて微笑った。
ーー月が、だんだんと明かりを取り戻していった。🌓
ーー私たちは、無事にサンタクロース🎅さんを何時ものエビカニクス🦐で元気を取り戻した。サンタクロース🎅さんは、元気いっぱいになった。
リハトと、夏音ちゃんは、『ロメオ』を歌った。🎶リハトの魔法で、白いタキシードに変身した。
夏音ちゃんが、『悩んでいるのお嬢さん。浮かない顔似合わないよ〜🎶耳をかしてョ〜。さぁ~。』と、歌って、夏音ちゃんとリハトは、手を二人でかすみさんに差し出した。
私と陽葵ちゃんは、王子さまが二人だあ〜(*ノェノ)キャーと、燥いだ。
夢のようだったーー。
サンタクロース🎅さんは、お礼に、ソリで星空を案内をしてくれた。夢の続きネ⭐✨
私たちの冒険の物語は、これでおしまいです。『ありがとうございました😊』と、幕が降りた。拍手をもらった。もう一度、カーテンコールで、『ありがとうございました!!(。>﹏<。)』と、私は、お礼を言った。👏👏👏👏👏終わり
『元気かよ』
ポツリとひとり、奴がよく訪れていた公園の丘から星々が煌めく夜空を眺めて、心の中で奴へと語りかける。
――数年前。自称宇宙人だった男は、突然、故郷の星とやらに帰っていった。
“地球人を幸せにする”
それが自分の贖罪なんだと嫌になるほど聞かされては、適当に受け流していたが、いざそれが叶ったとき。あいつはようやく罪が許されたというのに、嬉しそうな顔をせず、ただ寂しそうに眉を下げて笑っていた。
数年も前の事なのに、今でもはっきりとあの時の奴の顔が思い出される。
あんな顔をするならば、故郷の星とやらに帰らなければ良かっただろ。
夢の中に時々出てくるあいつは、かつての日々と同じように、宇宙の話や星座の話、どうでもいい話を続けては、ふとした瞬間にこちらに微笑みかけ、キスをする。
俺と奴は、常にひとりで、それなのに、気がつけば傍に居た。
周りからはよく恋人なのかと勘違いされていたが、俺と奴の間にあったのは、ただの情だ。
愛情、とはまた違う。近いものもあったような気がするが、今となってはもう分からない。
――そっと、目を閉じる。
瞼の裏に、過ぎ去った日々が次々と過ぎっていく。
今も、この世のどこかで生きているだろうあいつに、時々こうして想いを馳せる。
あいつが居る空間は、居心地が良かった。出来れば、手離したくないと思っていた。
だが、奴の意思で俺の傍から離れると決めたのなら。俺はもうそれを止めやしない。
奴が居なくなっても、俺は何も変わらない。
今も昔も、ただ歌うだけだ。
※二次創作
過ぎ去った日々が遺した
あなたとの思い出は
どれもが
夢のように美しい
わたしの心の奥で
永遠(とわ)に煌めく
かけがえのない宝物
# 過ぎ去った日々
過ぎ去った日々を思い返す
隣にいた貴方の、頬の赤み
隣にいた貴方の、深いため息
過ぎ去った日々を思い返す
隣にいた貴方の、石鹸の匂い
隣にいた貴方の、確かな体温
過ぎ去った日々を思い返す
隣にいた貴方の、立ち上がる瞬間
扉の向こうの、貴方の気配
そしてまた、過ぎ去った日々を思い返す
思いの外広い、一つの部屋
一人では冷たい、部屋の中
過ぎ去った日々を思い返す
過ぎ去った日々を思い返した、あの日
過ぎ去った日々を思い返した、その日
過ぎ去った日々を思い返す
大好きな貴方が、確かにここにいた日々を。
そして、来るのであろう未来に思いを馳せる
大好きな貴方が、確かにここにいる日々を。
「過ぎ去った日々」
【過ぎ去った日々】
自分が過去に書いた話を、時々読み返す。特に2~3年前に書いたものを。
私は文章を組み立てるのが本当に苦手だから、私がたまにしか書いていなかった2~3年前の文章は今以上に拙い。
日本語ネイティブだと言うのに、海外の日本人に擬態した詐欺師だったら優秀といった程度の言語力だ。
その時に比べれば、今は幾分かマシにはなったと思う。物書きではない一般人の平均レベルには何とか収まれていると、そう思っている。
それなのに、近頃私はいつも自分の古い作品を追いかけている。悔しいことに、過去の私の話の方が、私が書きたくて目指してきたそれに近いのだ。
世界観、発想、着眼点、全て今の私を遥かに上回っている。
当時の私は毎日のようにストレスの源へと出向いて、フラッシュバックと戦って、脚を割いて、よく分からない薬をザラザラ食べて、それを全部隠して生きていた。
日常を機械的に過ごしていたから、考える時間は沢山あった。叫び散らかしたくて仕方が無い呪いも、腐るほどあった。
だから、だろう。
私が書きたいのは、呪いだ。呪い、私を全て消化して、呪いとして残してやりたい。そう思って書いている。
その素となる重い感情は、あの日々と殆ど共に過ぎ去ってしまった。だから、中身の無い話ばかり書くようになってしまったのだ。
あの地獄をまた見にいけば、きっと、もっといいものが書けるようになると思う。
あの頃足りなかった文章力、インプット、経験値、いっぱいになったら、また会いに行こう。
だから待っててね、過去の私。
『過ぎ去った日々』
友が死んだ。十年来の友人であった。まだ、二十五歳という若さであった。あれだけ元気で、何なら私よりも健康であった友人が、だ。交通事故であっけなく死んでしまったのだ。友人と飲み屋で語り合って、次の約束をして別れた後の事だったらしい。一週間一切音沙汰なかったので、心配して連絡したら、親族が出てきて教えてくれた。
葬儀はとっくに終わっていた。それもそうだ。私は彼女と友人でこそあったが、彼女の親族とは話したことも、関わったこともなかったから。親族は彼女のスマホを開くことができず、連絡もできなかった。結果的に、親族のみで葬儀は済ませたとのことだった。
私は、線香だけでもあげさせてもらった。仏壇に置いてある友人の写真は、私の見たことのない写真であった。彼女の母から話を聞いたが、どうやら遺影は二十代のものを使いたかったそうで、既に準備を済ませていたそうだ。そんなこと、私は知らなかった。少なくとも私の知る彼女は、一切死をにおわせるようなことは言ってこなかった。しんどいことがあっても、いつでも明るい未来を信じて進んでいたから。
……私は、彼女のことを、何も知らなかったのか。確かに私だって彼女に言っていなかったこともあったろうし、彼女もそうだったろう。それでも、彼女のことは最低限は知っているものと思っていた。
できる限り平常心を保つように心がけながら友人の母親にお礼を告げ帰ろうとすると、友人の母親は涙を浮かべながら一礼を返してくれた。
帰り道、スマホが鳴ったので開いてみると、何故か亡くなった友人からメールがきていた。普段SNSを使ってやり取りをしていた友人が、だ。おかしいと思ってすぐに開くと、どうやら予約メールをしていたようだった。私は近くの公園のベンチに座り、メールを読み始めた。
多分私はそろそろ死ぬので、早めに手紙を送っておくね!もしこのメールが届いた時点で私がまだ生きてたら、その時は笑いとばしてやってよ。
私は、そろそろ死ぬって知ってた。そんなわけないって思ってる?それが、本当に知っていたの。今まで、私はちょっと先の未来が予測できた。本当にちょっと先だけどね。どこかとある重要地点が訪れそうになると発生してた。だから、私はいつも大事なところでは失敗したことないでしょ?きっとあなたなら理解してくれるはず。
さて、もし本当に未来が見えていたとして、何故死を回避しないのかって疑問に思うよね。もしあなたからこんなメールが届いたら、私だって気になるもの。…確かに、私が事故にあわない未来を選択することもできた。でも、その未来を選択すると、別の人が死んでしまう。どちらかしか選択できないみたい。悩んだ。悩んで悩んで……私が死ぬことにした。実は、このメールを打っているのもその決意をしてすぐに書いてる。これを書かないと、勇気が出せないから。
ごめんね。あなたを私の決意のためのだしにして。怒ってくれて構わないよ。一方的に絶交してくれても構わない。それでも、そうしたくなるくらいあなたは私にとって大事な存在だった。
今までありがとう。これからはどうか、私のことは忘れて生きて。あなたはあなたが私に語ってくれた未来を信じて生きて。
メールはここで終わっていた。彼女らしい内容であった。彼女らしすぎて一周回って笑ってしまった。公園で遊んでいた子供たちがこちらを不思議そうに見ているが、知ったことではない。
彼女は、彼女らしく生きた。それが知ることができただけでも、私は満足であった。彼女は、自分のことは忘れてくれと言ってきたが、そんなことできるわけがない。私は、私だけは彼女の生き様を覚え続けていく必要があるのだ。
これからは彼女のいない未来を進んでいかなくてはならないが、彼女との日々は決して色あせない、変わらないものとなるだろう。
最後の再会は電車の中だった
だから私は勝算のない期待をして乗客の顔を見る
あの人はいないだろうか
そして今日も傷つかないまま期待を裏切られる
あの人は今の私を見たらきっと美人だと驚く
それほどの月日が流れた
同じ制服を着てとてつもなく狭い世界の話をしながら
今の私よりも拙く醜く恥晒しな自分が
今の私よりもたくさん笑っていた
【過ぎ去った日々】
多くのものを置いてきた。
辛かったこと
逃げ出したかったこと
自分が嫌いになったこと
素直になれなかったこと
口には出せなかった自分の気持ちを、
過ぎ去った日々に葬ってきた。
いろいろなことがあった。
不器用すぎる自分が嫌いで、
それなのに見栄を張ってばかりで、
ずっと周りの目を気にしていた。
歳を重ねて、
少しだけ生きるのが上手になった。
恋をして、
心が踊って、
世界が鮮やかになった。
そして、たくさん泣いた。
彩り豊かな世界と新しい気持ちを、
過ぎ去った日々から貰った。
どれが欠けても今の私はいないでしょう。
時々振り返って
忘れ物を拾って集めて
また前を向いて歩いていくよ。
「過ぎ去った日々」
過ぎ去った日々
最初に言っておくが、自分でも何が言いたいのか分からない仕上がりとなっている。
がらんどうとしたラムネの空き瓶
黄色の帽子
色とりどりのランドセル
セーラー服
学ラン
運動会
何年何組という名のレッテル
それらが過ぎ去った証の卒業証書を握る
「今日は皆さんの卒業式です」
校長の声が体育館に響く
卒業式と言われても何を卒業するのだろう
学の洗脳からだろうか
同調圧力からだろうか
いや社会に出ても同調圧力も健在であるし
学の洗脳もまた健在だ
勝手に産まれて遊んでいたら学ぶ年だと言われる
それで学んでいたらすぐ卒業だと言われる
大人という人たちも皆、そうだったのだ
先生も皆、そうである。
この人類の仕組みに嫌気がさすが
さしたところでの話だ
それを変えるなど無理難題であるし
じゃあお前がやってみろと言われるだけだ
結婚して子供を産んでそれが連鎖されるのが人生だ
誰もそれに対して疑いもしない
けれど自分もその行為をへて産まれてきたのだ
皆、そうである。
「皆」という字に僕は圧を感じる
前ならえ皆にならえと言われている様な気がするのだ
そう思うと僕は“義務“教育の呪いに掛かっているような気がしてくる
義務義務義務。五月蝿いものだ。
だんだんとgiveと言っている様に聞こえてくるが
giveは与えるという意味であり義務とは程遠い言葉だ
give教育にでもなればいいのだが。
物を買い与えるなどの勘違いをする人が出てきそうだ
形のない物を与えるという教育という意味でgive教育にでもしてくれ。
“形のないものを与える“など聞こえのいい言葉で飾っているだけだ
聞こえのいい言葉で着飾れば人は騙されるのだろう?
give教育と言いながら何も与えない詐欺師が出てきそうだ
give &take教育にでもしてしまおうか。
そうしてまた人類の仕組みや子供と大人や色々なことをぐるぐると考えていく
そうすると無の地点に行く
無の地点に行って考える
がらんどうとしたお頭でまた考えようとする
当たり前と言われることについて考えても
当たり前とはとまた一つ疑い探る
がらんどうにまた戻る
そんな自分の名前は伽藍堂である
自分のがらんどう具合を伽藍度とでも言おうか
考えの終点地点はがらんどうである。
白紙に戻してまた考え、考え、考え、考え、、
考えの終電もこれまたがらんどうである。
伽藍堂
ふと思ったことがある。
まだ肌寒く、マフラー、手袋を完璧に装備して私は自動車学校の扉をくぐった。
卒業したというのに学校の制服を見にまとい、机で勉強をする人もいれば友達とのお喋りに花を咲かせる人もいる。
私は後者だった。
「紹介しよう3年間同じクラスだったーーちゃん」
中学からの腐れ縁の親友は、ドヤ顔で私にその子を紹介して
きた。
当時の私は少々人見知りもあり、彼女の顔をよく見れなかったことをよく覚えている。
「よろしく」
「あ、よろしく....」
差し出された手をぎこちなく繋ぐ。
その手は体温が高い私からすればひんやりと冷たく心地がいいものだった。
「次の授業ってさ実技?」
「あ..。私はこの間来てないから筆記かも...」
「私はこの間、高速走らされた!怖ったし震えたよ」
私よりもひと足早く筆記が終わっている2人は、もう実技を教えてもらっているようだ。
「そろそろ先生と集合だからもう行くね」
親友は、そそくさと荷物をまとめると私と彼女をおいて走っていく。
この空間。
気まずい空気が右から左へ流れていく。
人見知りに今日、知り合ったばかりの人といる空間は難易度が高い。
「「あの…」」
一瞬で空気が凍る。
どちらともなく発した声は次の言葉を紡ぐことはない。
彼女も私と同じ気持ちで言葉を発したのだとしたら…今、内心焦ってるに違いない。
はやく何か言わなければと思えば思うほど言葉が出ない。
喉が重くなる気さえしている。
長いと思っていた時間もそんな長くなかったようで彼女は「じ、じゃ…行くね」と言葉残して階段を降りて行った。
こうして私と彼女の出会いは最悪な形で幕を閉じた。
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ふと思い出したことがある。
叶わない夢が夢のままで終わりを告げようとしていた時のことだ。
生きながら死んでいる。
この言葉が似合う100年ある時間の中のほんの一瞬の出来事。
4年勤めていた美容販売を辞めて、重い足取りで登録した派遣会社。その紹介で入ったパチ屋。
思ったより騒がしくない店内。
毎日見るおばあちゃんも居れば開店から閉店まで、入り浸っている人も居る。
毎日決まった時間。
決まった仕事内容。
何も変わらない。
時間がくれば電車に揺られて帰る毎日だ。
「生きながら死んでいる」
この言葉はこんな時に使うんだろうな。
「これ」
「少々お待ち下さい」
いつも通り会員カードを受け取り機械に挿入する。
「あれ?ねぇ…!」
お客さんの焦った声で私は画面から目を離した。
「んっ?えっ!」
目の前にいるお客さんと目が合う。
彼女だ。
4年前の車校の時とわからない。
何ひとつ変わっていない。
彼女がそこにいた。
機械から次の入力を促す音が出ていたが、そんなものも私と彼女の前では雑音やBGMにすぎない。
「「あの…!」」
あの日の最悪な出会いを思い出した。
気まずい雰囲気の中、一瞬で終わった出会い。
人生の中で出会って接点を持つ人が3万人だとしたら、彼女はその中の一瞬話しただけの人にしかすぎない。
でもあの時とは何かが違う。
彼女も私と同じ気持ちで言葉を発したのだとしたら…
「もうすぐ仕事が終わるんだけど…」
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ふと思い出したことがある。
叶わないと思っていた夢が人生の目標になった時のことだ。
お互い一生フリーターで過ごすかもしれない。
お金をドブに捨てるかもしれない。
そんな覚悟をかけた夢を目標にした時のことだ。
どちらからともなく漠然とした夢を語った。
「親に反対されてさ…正社員で働いているけど…やっぱりなりたいと…思っちゃったんだ」
「その気持ちわかる。私も働いているけど…ふと思うんだ。なんで私は今、この場にいるんだろうって。生きるために働いているの?だとしたらこれは生きながら死んでいるのと同じだって…」
「もう遅いかもしれない。でも後に後悔するくらいならやり切って後悔したいんだ」
彼女の言葉は私にとっては本と同じだった。
知らない世界を…気持ちを教えてくれる。
彼女は私の人生の本の1ページをまた開けてくれた。
ぼろぼろの栞が挟まれていた…止まっていた日々の1ページを。
「じゃ、一緒に叶えよう」
「えっ!」
彼女は分かりやすく驚いた声をあげた。
それはそうだろう。
4年前に1回だけ喋って気まずいまま別れた人に、そんな事を言われてもびっくりしてしまうだけだ。
「ご、ごめんね。急にこんなこと言われても…こ、困るよね〜」
「ううん。叶えよう」
彼女から差し出された手を私はあの日と同じように見つめた。
「「よろしく」」
その手は、いつの間にか過ぎ去っていったあの日と同じようにひんやりと冷たく心地よかった。
枯れ果てても
抜け落ちても
きっと何処かに
栞が挟まっていて
そんな居なくなったみたいな
存在にならないでくれ
過ぎ去った日々にまた酒をいっぱい彼に。また彼に今日は、ブランデークラスタを。過ぎ去った日々に戻りブランデークラスタを飲みたい。
また彼に今日は、ギムレットを。なんで彼は過ぎ去ってしまったの。
「過ぎ去った日々にまた酒をあげる新たな日々。」
お題『過ぎ去った日々』
もうずっと昔。子供の頃の話。
大切な人と旅をした記憶は今でも鮮明に思い出せる。
私を助けてくれた時も、雪山で出会ったあなたを旅に誘った時も、路銀がない時も、あなたの正体に気付いていたことを話した時も、お互いの誕生日に送りあった物も、煙草の銘柄も、お酒を飲んだ時も、魔法を生み出した時も、本名を知りたがっていたあなたも、寝ぼけてあなたの服を着た日も、魔皇を討った時も、私の「おやすみ」が好きだと言ってくれたことも、あなたが指輪をくれた時も、あなたを殺した時も、あなたへの気持ちを知った時も。
あの度の中であなたがくれた言葉も意味も理由も優しさも嘘も悲しみも喜びも、その全てが今の私を形作っている。
いつか、なんて生温い言葉がないことは知っている。
ずっと、なんて幻想が続かないこともわかっている。
もう二度と会えなくとも、隣に立てなくとも、それでも、私は過ぎ去った日々が愛おしい。
どうしようもないほどに忘れることなどはなくて、一生涯たった50年の記憶を大切に大切に侵されないように、抱えて生きていく。
私の人生が有り余って埋まらなくて空白ばかりになってしまうのに、そのどこにもあなたはいないから。
だからどうか。
この世界が崩壊して、どこかの果てでなんでもなくなったあなたと出逢えたのなら。
お題「過ぎ去った日々」/2024.3.10
後悔なんてしても仕方がない
あの時はあれが最良だった
その時の思いのままに
やりたいようにやっただけだ
その結果うまれたものは
今でもボクの側にある
それだけで充分だと
思えないのが人間らしくて
嫌になるネェ
2024/03/10_過ぎ去った日々
過ぎ去った日々
過ぎ去った日々は私の宝物なんだろうか、
だいぶ意味の無い時間を過ごしてしまったように私は感じてしまうんだ。
どうしたってもう取り返せない、時間は戻らない。
時間じゃない次元にいきたい。
どうして意味のない時間と言えるのかって?
それは、
上っ面な日々を過ごしてきたからだ。
どうして上っ面な日々って言えるのかって?
それは、
深い日々を過ごしている人に出会ったからだ。
ここでふと思う、
上っ面な日々を過ごしてきたからこそ
深い日々の素晴らしさに気づけたのだろう、と。
じゃぁ、意味のない時間はきっと、意味のある時間だったんだね。
でも、意味のない時間が意味を手にするためには、それに気づいてあげなきゃダメなんだ。
過ぎ去った日々を宝物と言えるようにするには、自分が意味のある時間にしなきゃいけない。
それは、意味のある時間の意味を見つけることに起因する。