『過ぎた日を想う』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
中間テストが終わった。
そう、終わったのだ。
クラスのみんなは、
「あの英語の大門4、難しね?解けた?」
とか、
「社会はイケた。自分の中で一番高得点かも」
とか言っている。
そんな中、私は、
「終わった…なにもかも……死んだ…」
テストの"時間が"全て終わったのではなく
テストの"得点が"全て終わったのだ。
あーあ、あの時こうしてたら…
_2023.10.7「過ぎた日を想う」
【過ぎた日を想う】
金木犀の香が鼻腔をくすぐる。柔らかい甘さに満ちた秋の香り。そうするといつも、君のことを思い出す。
別れたのはもう、十年以上も昔のことだ。君の声も、顔も、随分と記憶から薄れてしまった。だけど君と初めて会った秋の日、どこからか漂ってきた金木犀の香りだけは、何故だか忘れられずにいる。
お互いのことはお互いに好きだった。それは自信を持って断言できる。なのに君はある日突然、私の前から姿を消した。まるで死に際の猫みたいに、何の痕跡も残すことなく。
君が今どこにいて何をしているのか、生きているのか死んでいるのか、私にはわからない。それでも君と過ごした日々は私の人生で最も幸福な時間で、君と出会えたことは私の人生で最も僥倖な奇跡だった。
胸を締めつける溢れんばかりの多幸感と、ほんの小さな執着めいた痛み。金木犀の香りに過ぎた日を想うたびに、私はいまだに変わらぬ君への愛を再認識するのだ。
月の光が
わたしの影を
独りの影を
浮かび上がらせて
心の奥底まで
射し込んでくるから
過ぎた日の
あのひとへの想いを
ひとつひとつ
辿り始めてみたりして
甘く柔らかな想い出だけを
ぎゅっと抱きしめ
独りきりの淋しさを
慰める
# 過ぎた日を想う (297)
《過ぎた日を思う》
また去年に戻りたい
先生が居ないと授業中寝そうなの
でもね、去年は先生が色々な雑談してくれてたから全然眠くなかったの
先生が今も担任だったら良かったのに…
#No.1
「過ぎた日を想う」
私の隣の席では、今年度入社してきた新卒の女の子が働いている。
どのような若者がくるのか不安だったが、とても素直で要領もよく、一生懸命仕事に励んでいる。
近頃年を取ったせいか、自分が彼女と同じ年の頃何をしていたのかを思い出してしまう。
私は大学生時代、バイトとバンド活動に力を入れすぎたため、辛うじて卒業できたものの就職活動は全くしなかった。
そして、地元に残ってもしょうがないと思い、バンド仲間に誘われ上京。
テレアポのバイトを始めたが、あまりの過酷さに退職し、ちょうど10月頃は無職状態だったと記憶している。
やることもお金もないため、Youtubeにアップされている『クレヨンしんちゃん』を見て、自分にも将来こんな家族が持てるのだろうか、と色々と見つめ直すきっかけになった。
いつの時代も「最近の若い奴は…」と愚痴る大人はいるが、新卒できちんと就職している子たちを見ると、私にはただただ尊敬の念しか湧かない。
過ぎた日を想う事は、今に始まった事じゃない。けれど、今私は、とても幸せで、恵まれて自分で選んだ事なのに、物悲しく思うのは、何故なのだろう?
「明(めい)様。如何なされました?」
「えっ?」
「何処か遠くを見つめていらしたので、如何されたのかなと思い……」
「ごめんなさい。大丈夫よ。
………凛、お願いがあるの」
「はい。何でしょう。明様」
「この花瓶の花が、何時もより早く弱かっているの。水を変えてきてくれる?」
「はい。かしこまりました。」
「………一人だわ……」
私は明。この国の王様の側室だ。
元々は宮中の女官だった私は、王様に見初められ、側室になった。
王様の奥様、王妃様はとてもお優しく、側室である私にも優しく接してくれて、気を使って下さる方。
まさに、国の母、として相応しい人。
「…それに比べ……私は……」
私は王様の事を慕っている。心を完全に許してはいけない。そう、思っていたのに、私は王様を思ってしまった。
いらっしゃらないと、心悲しくなる。
側室は、ただ待っているだけ……。
なんだか、悲しく思うことがある。
「私……、今の立場で、何かを成す事が出来るのかしら……」
私の顔に、一粒の涙がながれた………その時
「明。息災か?」
声のした方に顔を向けると、そこには王様がいた。まだいらっしゃる時間ではないのに。
「お、王様……、はい。息災です」
私は自分の座っていた場所を王様にお譲りしようとしたが、
「あ!席は移動しなくて良い。そのままで」
そう言うと、王様は静かに私の所へやってきて、私の前に腰を降ろした。
「明の使いの者に、たまたま会ってな、何をしているのか聞いたのだ…。そしたら、明が少し一人になる時間を設けているのだと聞いてな、少し顔を伺いに参ったのだ…」
凛は、気付いていた。気付いて、花の花瓶の水を変えに行ってくれたのだ。
「私は大丈夫です。王様……」
「…強がっているのは、私にも分かる。……私を、恨んでいるか?」
「えっ……?」
「私は明から、女官という仕事を奪い、自由も………奪った。こうして待つ事しか出来ないと思うような立場にさせた。
……………すまない。
……それでも、私は、明の事を好いているのだ。これは私の我儘。恨むなら、恨んでくれて良い」
「う、恨むだなんて、そんな事はありません。」
少しの沈黙が流れる。
まだ明るい部屋の中が、静寂に包まれる。
王様と過ごす、貴重な時間なのに………
私は、言葉を浮かべる事が、出来なかった。
昔、君に怪我をさせた
小学生の頃、いつも優しくしてくれた兄
中学生になりいじめを受けるようになってしまった
だが、クラスの陽キャが助けてくれた。
ありがとうを最後迄伝えられなかった
過ぎたことを思ってても意味ないか!
# 144
#過ぎた日を想う
君との別れから早くも5年の月日が過ぎた。
この5年、君に会いたいと思わない日は無かった。
だけど、君の最後の言葉を思い出すと君に会いに行くことも出来なかった。
だけど、遂に君に会いに行けるんだ!
君と同じ病気に罹ったと分かった時、周りからは気を落とすなと言われたけど、むしろ僕の心中は歓喜の一言に尽きる。
約束通り寿命まで生きたんだ。
君もまた会えたねと笑ってくれるよね?
仕事の帰りにふと金木犀がの香りが香っていることに気づいた。今年の夏は暑過ぎて季節の感覚がよくわからなくなっていた私でも、秋がきたのだなあと想う。
もちろん急な朝と夜の寒さだったり、田が黄金色に輝いていたり、そういうものでも季節を感じているのだけど。
そういう新しい季節を感じる度に、過ぎた日を少しずつ忘れてしまう。ノウゼンカズラの鮮やかさとか、水族館の魚の群れとか、プールの水がとんでもなく冷たかったこととか、おばあちゃんがまだボケてなかったこととか。
ふとした幸せやときめきも忘れてしまうのは、よりよく生きていくために必要だし、全部の事象を覚えているととても辛いと思う。
だけどたまには思い出したい。ちゃんと幸せな時間があったということ。
#過ぎた日を想う
あの日の林檎を取り出して
甘い思い出と煮詰めてみるの
ジャムはいかがかしら
嫌になるほど甘いのよ
あの日の少女は甘さ至上主義
瑞々しい林檎に心惹かれて
誰かの囁きに背中押されて
甘い果実を片手に誰かと外へ
楽園はいつかの日
林檎の赤さを覚えているわ
ねぇ聞いてあの日の貴方?今はアップルパイも作れるの
甘いものは好きだけど
いつの間にかベリーのジャムがお気に入り
甘酸っぱさに心躍るわ
ふと目覚めた。そして眠っていたと気付いた。
上がってきた部下からの報告書に目を通したのは覚えている。取り纏めて明朝一番に上司へ届けるつもりだった。
『こんな所で寝て、お前。仕事熱心も大概だよ。』
その上司が背後に居るものだから、思わずびくりと体が跳ねる。文机に肘をぶつけた。
自分相手に気配を殺しきれる者はそう居ないが、その一人が直属の上司なのだからタチが悪い。
まあ、そうでなくては、別の意味で頭が痛いに違いないが。
『いいよいいよ。仕事は終えてくれたんだし。』
お疲れさま。貰っていくね、と件の報告書を揺らして立ち上がり、出て行きながら言葉を次いだ。
『あ、そうそう。先刻お前の家に使いを遣ってね。』
久方ぶりに父と会えると、子供たちが喜んでいる頃だよ。
告げられた突然の休暇に再度驚き、慌ててその背中を呼び止める。振り向いた上司の目は、緩く弧を描いていた。
『頑張ったらね、その分ご褒美が有るものらしい。』
私も欲しいから、邪魔をするんじゃないよ。
そう言って今度こそ、彼は去っていった。
今まですっかり忘れていた、うたた寝の夢の断片が蘇る。
大切な御方。もう会えない人。
あの上司が甘えることを許されたであろう、最後の人。
幼かったあの頃のように、あの子に口添えしご褒美を呉れる女(ひと)が居るのです、と彼の人へ伝えたい。
…いや、次は必ず伝えよう。きっと死ぬまで繰り返し、夢で会うだろうから。
ごゆっくり!と、見送ってくれた部下の笑顔を背に家路につく。上司がその恋人へするように、早く帰って妻の髪の香を吸いたい。
【過ぎた日を想う】
#過ぎた日を想う……
懐かしい想い
切ない想い
やり切れない想い
甘酸っぱい想い
色々な想いの季節を
くぐり抜けての今の私…
いつも一生懸命
自分に素直に
思いやりを持って
駆け抜けてきた
嬉しかったこと
悔しかったこと
辛かったこと
楽しかったこと
あなたと育んできた時間です
最期まで大切な時間にしたいね
あれもこれも過ぎたこと
過去のこと
一分一秒前も過去と言えるが、どこまでを今と言うかはあなた次第であって
だから
あなたを縛るくらいなら一旦過去に置いてみて
忘れたくない、忘れられない、忘れたい
どんな感情も今あるものから目を逸らさないために
過去があるから今があるのは当然
でも今があるから過去があるってことも、覚えておいてね
傷も不名誉も過去にしたら多少は食べやすくなるからね
なんでも食べて一緒に強くなりましょう
ね。
『追憶』
思い出があり余る 幸福は立ち尽くす 足元を下世話が通る それはもうだらだらと 脳は働くこんな時ほどよく働く 過去は過去と言えないほど鮮明 あざやかだけど嫌な思い出 黄ばんだ衣装ケースに大事にしまう 嫌なことでも捨てないようにと 大人の人に言われた気がする 紙飛行機は弧を描く 飛んでいく先は僕の思い出
過ぎた日を想う。
あなたが初めて声を掛けてくれた、学校での帰り道。
同じ趣味を持っているのだと分かって、ぐっと距離が縮まった。
何度か季節が移り変わったある日、教室で想いを告げてくれた。
夕日のせいなのか、それとも、あなたの顔が熱を持っていたのか。今となっては思い出せないけど、“かわいい”と思った。
何回目かのお家デートで、どちらからともなく唇を寄せた。
ファーストキスはレモンの味、なんてどこかで聞いたような気がするけれど。チョコレートのように甘かったのを覚えてる。
些細なことで喧嘩をしてしまった、あなたが出て行ったドアを呆然と見詰めた。
どんどんヒートアップして、本当は思ってもいないことまで口走ってしまった。明日、たくさん謝ろう。そして、仲直りのデートをしよう。
額縁の平たい面から、こちらへ笑いかけるあなたの頬を撫でた。
あれからもう、何年も経ったというのに、自分の心はあなたから離れられないでいる。
あの時、遠慮なんてしないで、すぐに謝りに行っていれば。こんな気持ちはしないで済んだだろう。もうどうしようもないことなのに、懲りないわたしは、何度も考え、何度も違う未来を思い描いていた。
今日もわたしは、わたしの大好きな、あなたの笑顔を探している。
お題:過ぎた日を想う
置土産 在りし日の自分へ。
忘れてきた。置いてきた。殴打され粉になるか踏みつけられた地面のガムになるかだったから。間違ってなかったはずだ。そうでなければ今の僕はここにいない。すべては覚えていられない。もう二度と思い出せない。思い出したところで手遅れだ。良心が傷つくなら過去のことは粉々ぺしゃんこでいいよ。
3/4
好きにしてください。出来れば。
過ぎた日を想う。
ここのところ上手く文章を紡げない。あのどす黒い私は美しかった。人間らしい営みをするほど創作から遠ざかるのは私が一般人だからだ。私は私を凡人だと思う。或いは最高だと思う。そして私は素敵な文章を書くだろう。己の文才に酔いしれ引き千切り破り捨てる。ゴミはゴミ箱へ。だから食す。私は私の言葉を食べて生きている。腹の中に飼っている。今も、これからも、そして過去も。言葉は消耗品だ。ならば。
在りし日の私へ。
僕はおとなに成りました。未成年のままではいられないなら、こどものままでもいられないのです。当たり前のことですが、意外と抜け落ちがちです。僕はおとなに成ったので、責任は自分でとりますし、多分、いろいろ頑張るんだと思います。頑張ってください。あなたは今でも僕のことが好きですか。僕はあなたが大好きでありたいです。
過去を想う。
長く悪夢の中にいたように思う。私に寄り添ってくれたのは私の文章だった。次第に薄れゆく感性を書き留めておいてくれたことを心から感謝する。首の調子はどうですか。貴方の涙は何味ですか。死ぬ前に何を思いましたか。なんと書きたかったのですか。瞬きのうちに消えてしまうことも知らぬまま消えた。貴方の視界は何色でしたか。きっと無彩色だったんでしょう。世界は灰色、無味無臭の食べ物を胃に流し込み、味気ない日々。悪夢から覚めたら。
10/7
好きにしてください。できれば。
【過ぎた日を思う】
卒業式後の教室。
私は机に体をこすりつけて感傷に浸っていた。
「アッアッアッヒィー」
これで最後かと思うと名残惜しい。
私は机の上に立つと服を引っ張りながら踊りだした。
「カオナシのまねーアヒィィィー」
だんだん楽しくなってきた。
しかし、
「何をしている!」
警備員が来た。大声ではしゃぎすぎたか。
私は弁解した。
「実は卒業したばかりで浮かれてしまって、すみません」
すると警備員はニヤッと笑った。
「つまり、卒業したお前は学校とは関係がないということだな。建造物侵入罪で貴様を処刑する」
「あへ?」
私は間抜けな声を出してしまった。
コイツは何を言っているのだ。
「待って下さい。薄汚い下民風情が適当なこと言わないで下さい。地獄に落ちますよ」
「しね!!」
警備員は火炎放射器で教室を燃やし尽くした。
「あひょひょー」
私は間抜けな声を出しながら息絶えた。
─時刻は深夜2時を回ったところだった。
今日も残業だった。最近余裕がない。
ただ目の前のことを淡々とこなすだけの毎日。
私がなりたかった看護師はこんな者だったのか。
学生時代、何を夢みて、どんな希望を抱いていたのか。
思い出しては今の自分に失望する。
日々浴びせられる罵詈雑言。暴力。理不尽な要求。
心に穴が空いていく。
あの頃の純粋な気持ち、キラキラ輝いて見えた未来。
仲間たちと励まし合った毎日。
戻ることができない日々に思いを馳せる。
少しだけ、穴が埋まった気がする。
過ぎ去りし日々の思い出を盾にして、また前に進む。
【過ぎた日を想う】
同窓会で、あの子たちと再会した。
仲違いして別れたきりの、あの子たちと再会した。
一人は、あの頃よりも随分と大人びて、けど笑った顔はそのまま。
一人は、結構雰囲気が変わって、仕事だったのかスーツ姿でかっこよくて。
一人は、簡単に会うことのできないくらい遠い存在になって。
わたしは、声をかけられないまま、そんな資格もないまま、今日を迎えてしまった。
不意に彼女たちと目が合う。
怖くてすぐに逸らした。
いつからわたしたちの歯車は狂ってしまったんだろう。
あの日、伸ばされた手を素直に取ることができたなら、そんな勇気があったら何か変わっていたんだろうか。
……いいや、きっと変わらなかった。
だってわたしはあの日から何も変わらない、臆病なままだから。
それでもまだ遅くないと思う自分もどこかにいて、気持ちが溢れてしまわぬように鍵をかける。
大丈夫だよ。あの子たちはわたしがいなくても進めるんだから、わたしだってあの子たちがいなくても進めるよ。
そうやって強がっても意味がないとはわかっているけど、そうしないとわたしはわたしですらいられないから。
幼きあの日を思い出す。
いつだって一緒にいて、楽しいことを探して笑っていた。
あの頃に戻れたのなら、せめてもう一度やり直せるのなら、わたしはキミたちに謝りたい。
ただそれだけなんだよ。
過ぎた日を想う
風が冷たくなるのは急で、私は君を覚えているけど、君は私を忘れてしまった。青空は青く、枯葉は地面に落ち、時は経ち、秋が訪れ、私は死ぬ。参る墓は無ければいい。海に遺骨を撒いて、水を飲む度に私を思い出せばいい。
幸福だけを着飾ってくれ。もう過ぎた日々を思い出さないで済むように。