三五月悠希

Open App

【過ぎた日を想う】

同窓会で、あの子たちと再会した。
仲違いして別れたきりの、あの子たちと再会した。

一人は、あの頃よりも随分と大人びて、けど笑った顔はそのまま。
一人は、結構雰囲気が変わって、仕事だったのかスーツ姿でかっこよくて。
一人は、簡単に会うことのできないくらい遠い存在になって。
わたしは、声をかけられないまま、そんな資格もないまま、今日を迎えてしまった。

不意に彼女たちと目が合う。
怖くてすぐに逸らした。

いつからわたしたちの歯車は狂ってしまったんだろう。
あの日、伸ばされた手を素直に取ることができたなら、そんな勇気があったら何か変わっていたんだろうか。
……いいや、きっと変わらなかった。
だってわたしはあの日から何も変わらない、臆病なままだから。

それでもまだ遅くないと思う自分もどこかにいて、気持ちが溢れてしまわぬように鍵をかける。

大丈夫だよ。あの子たちはわたしがいなくても進めるんだから、わたしだってあの子たちがいなくても進めるよ。
そうやって強がっても意味がないとはわかっているけど、そうしないとわたしはわたしですらいられないから。

幼きあの日を思い出す。
いつだって一緒にいて、楽しいことを探して笑っていた。
あの頃に戻れたのなら、せめてもう一度やり直せるのなら、わたしはキミたちに謝りたい。
ただそれだけなんだよ。

10/6/2023, 4:01:59 PM