お題:過ぎた日を想う
置土産 在りし日の自分へ。
忘れてきた。置いてきた。殴打され粉になるか踏みつけられた地面のガムになるかだったから。間違ってなかったはずだ。そうでなければ今の僕はここにいない。すべては覚えていられない。もう二度と思い出せない。思い出したところで手遅れだ。良心が傷つくなら過去のことは粉々ぺしゃんこでいいよ。
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好きにしてください。出来れば。
過ぎた日を想う。
ここのところ上手く文章を紡げない。あのどす黒い私は美しかった。人間らしい営みをするほど創作から遠ざかるのは私が一般人だからだ。私は私を凡人だと思う。或いは最高だと思う。そして私は素敵な文章を書くだろう。己の文才に酔いしれ引き千切り破り捨てる。ゴミはゴミ箱へ。だから食す。私は私の言葉を食べて生きている。腹の中に飼っている。今も、これからも、そして過去も。言葉は消耗品だ。ならば。
在りし日の私へ。
僕はおとなに成りました。未成年のままではいられないなら、こどものままでもいられないのです。当たり前のことですが、意外と抜け落ちがちです。僕はおとなに成ったので、責任は自分でとりますし、多分、いろいろ頑張るんだと思います。頑張ってください。あなたは今でも僕のことが好きですか。僕はあなたが大好きでありたいです。
過去を想う。
長く悪夢の中にいたように思う。私に寄り添ってくれたのは私の文章だった。次第に薄れゆく感性を書き留めておいてくれたことを心から感謝する。首の調子はどうですか。貴方の涙は何味ですか。死ぬ前に何を思いましたか。なんと書きたかったのですか。瞬きのうちに消えてしまうことも知らぬまま消えた。貴方の視界は何色でしたか。きっと無彩色だったんでしょう。世界は灰色、無味無臭の食べ物を胃に流し込み、味気ない日々。悪夢から覚めたら。
10/7
好きにしてください。できれば。
10/6/2023, 4:47:05 PM