『過ぎた日を想う』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
過ぎた日を想う。
あなたが初めて声を掛けてくれた、学校での帰り道。
同じ趣味を持っているのだと分かって、ぐっと距離が縮まった。
何度か季節が移り変わったある日、教室で想いを告げてくれた。
夕日のせいなのか、それとも、あなたの顔が熱を持っていたのか。今となっては思い出せないけど、“かわいい”と思った。
何回目かのお家デートで、どちらからともなく唇を寄せた。
ファーストキスはレモンの味、なんてどこかで聞いたような気がするけれど。チョコレートのように甘かったのを覚えてる。
些細なことで喧嘩をしてしまった、あなたが出て行ったドアを呆然と見詰めた。
どんどんヒートアップして、本当は思ってもいないことまで口走ってしまった。明日、たくさん謝ろう。そして、仲直りのデートをしよう。
額縁の平たい面から、こちらへ笑いかけるあなたの頬を撫でた。
あれからもう、何年も経ったというのに、自分の心はあなたから離れられないでいる。
あの時、遠慮なんてしないで、すぐに謝りに行っていれば。こんな気持ちはしないで済んだだろう。もうどうしようもないことなのに、懲りないわたしは、何度も考え、何度も違う未来を思い描いていた。
今日もわたしは、わたしの大好きな、あなたの笑顔を探している。
お題:過ぎた日を想う
置土産 在りし日の自分へ。
忘れてきた。置いてきた。殴打され粉になるか踏みつけられた地面のガムになるかだったから。間違ってなかったはずだ。そうでなければ今の僕はここにいない。すべては覚えていられない。もう二度と思い出せない。思い出したところで手遅れだ。良心が傷つくなら過去のことは粉々ぺしゃんこでいいよ。
3/4
好きにしてください。出来れば。
過ぎた日を想う。
ここのところ上手く文章を紡げない。あのどす黒い私は美しかった。人間らしい営みをするほど創作から遠ざかるのは私が一般人だからだ。私は私を凡人だと思う。或いは最高だと思う。そして私は素敵な文章を書くだろう。己の文才に酔いしれ引き千切り破り捨てる。ゴミはゴミ箱へ。だから食す。私は私の言葉を食べて生きている。腹の中に飼っている。今も、これからも、そして過去も。言葉は消耗品だ。ならば。
在りし日の私へ。
僕はおとなに成りました。未成年のままではいられないなら、こどものままでもいられないのです。当たり前のことですが、意外と抜け落ちがちです。僕はおとなに成ったので、責任は自分でとりますし、多分、いろいろ頑張るんだと思います。頑張ってください。あなたは今でも僕のことが好きですか。僕はあなたが大好きでありたいです。
過去を想う。
長く悪夢の中にいたように思う。私に寄り添ってくれたのは私の文章だった。次第に薄れゆく感性を書き留めておいてくれたことを心から感謝する。首の調子はどうですか。貴方の涙は何味ですか。死ぬ前に何を思いましたか。なんと書きたかったのですか。瞬きのうちに消えてしまうことも知らぬまま消えた。貴方の視界は何色でしたか。きっと無彩色だったんでしょう。世界は灰色、無味無臭の食べ物を胃に流し込み、味気ない日々。悪夢から覚めたら。
10/7
好きにしてください。できれば。
【過ぎた日を思う】
卒業式後の教室。
私は机に体をこすりつけて感傷に浸っていた。
「アッアッアッヒィー」
これで最後かと思うと名残惜しい。
私は机の上に立つと服を引っ張りながら踊りだした。
「カオナシのまねーアヒィィィー」
だんだん楽しくなってきた。
しかし、
「何をしている!」
警備員が来た。大声ではしゃぎすぎたか。
私は弁解した。
「実は卒業したばかりで浮かれてしまって、すみません」
すると警備員はニヤッと笑った。
「つまり、卒業したお前は学校とは関係がないということだな。建造物侵入罪で貴様を処刑する」
「あへ?」
私は間抜けな声を出してしまった。
コイツは何を言っているのだ。
「待って下さい。薄汚い下民風情が適当なこと言わないで下さい。地獄に落ちますよ」
「しね!!」
警備員は火炎放射器で教室を燃やし尽くした。
「あひょひょー」
私は間抜けな声を出しながら息絶えた。
─時刻は深夜2時を回ったところだった。
今日も残業だった。最近余裕がない。
ただ目の前のことを淡々とこなすだけの毎日。
私がなりたかった看護師はこんな者だったのか。
学生時代、何を夢みて、どんな希望を抱いていたのか。
思い出しては今の自分に失望する。
日々浴びせられる罵詈雑言。暴力。理不尽な要求。
心に穴が空いていく。
あの頃の純粋な気持ち、キラキラ輝いて見えた未来。
仲間たちと励まし合った毎日。
戻ることができない日々に思いを馳せる。
少しだけ、穴が埋まった気がする。
過ぎ去りし日々の思い出を盾にして、また前に進む。
【過ぎた日を想う】
同窓会で、あの子たちと再会した。
仲違いして別れたきりの、あの子たちと再会した。
一人は、あの頃よりも随分と大人びて、けど笑った顔はそのまま。
一人は、結構雰囲気が変わって、仕事だったのかスーツ姿でかっこよくて。
一人は、簡単に会うことのできないくらい遠い存在になって。
わたしは、声をかけられないまま、そんな資格もないまま、今日を迎えてしまった。
不意に彼女たちと目が合う。
怖くてすぐに逸らした。
いつからわたしたちの歯車は狂ってしまったんだろう。
あの日、伸ばされた手を素直に取ることができたなら、そんな勇気があったら何か変わっていたんだろうか。
……いいや、きっと変わらなかった。
だってわたしはあの日から何も変わらない、臆病なままだから。
それでもまだ遅くないと思う自分もどこかにいて、気持ちが溢れてしまわぬように鍵をかける。
大丈夫だよ。あの子たちはわたしがいなくても進めるんだから、わたしだってあの子たちがいなくても進めるよ。
そうやって強がっても意味がないとはわかっているけど、そうしないとわたしはわたしですらいられないから。
幼きあの日を思い出す。
いつだって一緒にいて、楽しいことを探して笑っていた。
あの頃に戻れたのなら、せめてもう一度やり直せるのなら、わたしはキミたちに謝りたい。
ただそれだけなんだよ。
過ぎた日を想う
風が冷たくなるのは急で、私は君を覚えているけど、君は私を忘れてしまった。青空は青く、枯葉は地面に落ち、時は経ち、秋が訪れ、私は死ぬ。参る墓は無ければいい。海に遺骨を撒いて、水を飲む度に私を思い出せばいい。
幸福だけを着飾ってくれ。もう過ぎた日々を思い出さないで済むように。
昨日、君が「月見ハンバーガー食べたい」と言ったのを、僕は覚えている。
先月、君が「何もしてないのにパソコン壊れた!」とわめいていたのも覚えている。
半年前、「今年も暑いのかなあ、今から嫌になるねぇ」とごちていたのも覚えている。
一年前、缶コーヒーを差し出した僕に「給料日前の先輩の奢り助かるぅ」と笑っていたのも覚えている。
二年前、「新人だからなぁんもわかんないっすよぉ」と突然泣き出したのも覚えている。
明日、君が何を言おうと。
明日以降の僕は、それを覚えている。
部屋を掃除していたら、懐かしい物を見つけた。
手に取ったのは、高校の卒業アルバム。
ふと、寄せ書きのページが気になった。
ゆっくりとページをめくる。
真っ白いツルツルした紙の中心に
ペンで、たった一文だけ書かれていた。
[これからもずっとよろしくね]
「………」
『何ニヤニヤしてるの?』
「いや、何でも」
「昔の君は、預言者だなーって」
ー過ぎた日を思うー
過ぎた日々 ーーーあっさり終わった六年生桜さらさら舞い降りてあっという間中学生 ーーーあっさり終わった六年生 青春いっぱい舞い降りて青春はない中学生 わたしはわたしは中学生 心は子供な中学生
『過ぎた日を思う』
たくさん笑って
たくさん泣いて
ただ純粋に真っ直ぐに
毎日を全力に生きていたあの日
戻りたいななんて思うのは
今に満足できてないからなのか
これからの未来が怖いからなのか
忙しい日々に追われながら自分のなりたいものと向き合い続け余裕のない日々を過ごしている。
そんな日常の中で自分の過去を想う日が来るのだろうか。
過ぎた日がそこらに溶けて
殺したはずの思い出の屍が
じゅんぐりじゅんぐり舞う
追いつかないね反省と後悔
停止装置もどこにもないし
夜は前頭葉が消えたらいい
消えたらいい……
色々あって
今はなんにも浮かばず
ため息しか出ない
良い時は初めだけ
本当に疲れた
#過ぎた日を思う
懐かしい匂い
懐かしい風
温度や光
全てが記憶
思い出が蘇る
過ぎた日を思う
かすれた記憶
切なくなる
悲しい記憶
嬉しい記憶
懐かしい匂い
思い出が蘇る
過ぎた日を思う
色褪せた記憶
ざわつかせる
「過ぎた日を想うと」
10代の人生の選択
当時は、必死に悩んだひとつひとつが
今となってはなんてことはなくて、
笑ってしまうようなことでもあったりする。
恋愛にしても学業にしてもひとつひとつが初めての経験でとても刺激的なものであった。
20代になって、あの頃は青春ってどんなものかわからなかったけど、過ぎた日を想うと全てが青春であって、
今も「それ」は続いている。
「やばいやばい、早く帰らないとドラマ間に合わない!」
「終わった!行こ行こ!」
バタバタとフロアをでる同僚を視界の端で見送って、息を吐き出す。
彼女達が推しているアイドルと昔同じダンススクールにいたと言ったら、彼女達はどんな反応をするだろうか。
当時仲の良かった友達に誘われて入ったダンススクール。そこに彼はいた。
同じ時期に入ったはずなのに、圧倒的な才能と努力で気づけば彼はスクールの発表会でセンターに立っていた。俺はといえば可もなく不可もなくで、立ち位置は後ろの方。
誰が見たって差は明らかなのに、100人に聞いたら100人が彼の方が上手だと言うのに、彼は俺の踊りを「しなやかで綺麗だから好き」と真っ直ぐに俺の目を見て言うのだ。
だから、辞められなかった。気づけば彼と共に10年も踊っていた。それなりのルックスも幸いして、立ち位置も彼の隣になっていた。
それでも彼との差は明確だった。
どこまでも俺と共に羽ばたこうとする彼が嫌になって、彼の足枷になっている自分が嫌になって、俺はダンスをやめた。
思っていた以上にあっさりとした終わりだったと、自分でも思う。
そもそも敵ばかりだったから10年続けた割に別れを惜しむ仲間も少なかったし、隣にいた彼も去るもの追わずのスタンスだったから。
それ以来、かつての仲間とは会っていない。
時折1人で踊る事もあるが不完全燃焼感が否めず、ずっと自分の中で何かが燻っている。
それだけ、あの日々は俺にとって大切だった。
それだけ、あいつへの憧れは強烈だった。
「──。」
ため息に混ぜてあいつの名前を吐き出して、過去への想いを振り払う。
俺は文字が並ぶ画面へと向き直った。
(5 過ぎた日を想う)
『過ぎた日を想う』
私は病気だ
明日が来れば奇跡
その奇跡を毎日手にする
また明日
奇跡に手は届くかな
彼は帰宅し、過ぎた日を想う。
何でこうなってしまったのか。
噂の老人。
考えても考えても答えは見つからない。
そんな中、今日見たペルセウス座。
何故か無性に気になってしまう。
彼はペルセウスについて調べてみる事にした。
そうして気づいたのである。
なんでこうなってしまったのか‥
もう感傷に浸るのはあきあきした
いつまで大して身に覚えもない悲劇を
自分の物語にして言い訳にしているんだろう
もうあきあきした
未来は明るいと信じてすすむ
#過ぎた日を想う
それは、賞味期限をとうに過ぎていた。
まだまだ先の話だったでしょう?
「心配しすぎ、ほら大丈夫だよ」って言ってくれたじゃない。
(過ぎた日を想う)