通り雨』の作文集

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通り雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

9/27/2022, 12:51:05 PM

急に降り出した雨に
慌てて近くのお店の軒下をお借りする

同じように走って来た君




どうにかなるなんて事はなかった

つまんなーーーꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)あはは

《 通り雨 》

9/27/2022, 12:49:41 PM

”通り雨”

今日雨が降った。
私は傘を持ってくるのを忘れていた。
振ったのは夕方で私が帰宅しようと
思っていた時だった。私は雨が嫌いだ。
ジメジメしているし頭も痛くなってしまうからだ。
雨で濡れたけど別にどうでもよかった。
なんなら今日は冷たい雨が気持ちいいとさえ感じた。
いつもなら嫌で仕方が無いのに。。。
私は雨に濡れながら泣いていた。
気づいたら頬を涙が伝っていた。
雨が降ってくれたおかげで涙は周りにバレない。
明けない朝はないというようにやまない雨はない。
そう思っていた時雨が止んだ。
そして空には虹がかかっていた。
生きていれば辛いこともあるけど
前を向いて頑張ろうと思った。

9/27/2022, 12:45:38 PM

山の天気は変わりやすいとはよく言うが、まさかここまで悪天候に見舞われるとは予想外であった。

ぽつりぽつりと雨が降ってきたと思えば、バケツをひっくり返したような豪雨へと変貌した。

容赦なく全身に叩きつけられる雨粒の威力は思いの外凄まじく、痛みすら感じるほどだ。

また間断なく降る雨粒が目隠しとなって視界が非常に悪くなったのは、何より大きな痛手であった。

山頂を目指すよりも脇道に逸れた方が賢明だろうと判断し、目についた藪道を突き進んでいく。

藪道は思ったよりも浅く簡単に通り抜けてしまった。それと同時に豪雨はその勢いを急速に失い、やがて何事もなかったように止んだ。

通り雨で助かった、と安堵するのも束の間、目の前に現れたのは豪奢だが不気味な雰囲気を放つ洋館の姿。

トンネルを抜けると雪国であった──という書き出しが有名な小説のタイトルはなんだったろうか。

もしも、通り雨が抜けると怪しい洋館が聳えていた──という一節で始まる小説があったならば、どんなタイトルが相応しいだろうか──?

あまりにも異様な光景を前にしたせいなのか、そんな取り留めのない思考が浮かんだ。


テーマ【通り雨】

9/27/2022, 12:45:05 PM

「なっちゃ〜ん!遊びに行こう!」
 私が宿題とにらめっこしていたら、友達のりむが遊びに来た。最近ここら辺に引っ越してきたばっかり、あんまり人と話すのは得意じゃない方だけど、なぜかりむとはすぐに仲良くなれた。
「えー、今から?」
「うん!」
「でもどこ行くの?こんな田舎じゃ遊びに行くとこなんて
 ないでしょ」
「む!?田舎とは聞き捨てならないな!」
「でも田舎じゃん」
「うーん、まあそうなんだけどさぁ、じゃなくて!隣町
 に新しくカフェができたんだって。行ってみようよ」
「へー カフェか…でもバスある?」
「うーん、わかんない まあなくても歩きっていう手
 もあるけどね。」
「えーやだよ。歩きとか、疲れるじゃん」
「もう!なっちゃんは運動しなさすぎ!」
「いいの、別に死ぬわけじゃあるまいし笑」
「お主、運動をなめておるな」
「なめてない。なめてない。 とりあえずバス停まで
 行ってみようよカフェは私も興味あるし」
「お!行こ行こ」
 いつもと同じようにくだらない会話をして私達は家を出た。隣町までは歩いて30分ぐらい。決していけないような時間じゃないけどめんどくさがり屋の私には歩き何て正直考えられない。りむは歩いて行くのも楽しそうだけど。
 少し歩いてバス停に着く。
「えぇと今は4時45分だから…あ!」
「どうだった?」
「ついさっき行ったとこみたい 4時半だって」
「あらら…じゃあ今日は諦めるしかないね」
「えー、久しぶりの両方部活休みの日なのに。あっ!」
 …なんだか嫌な予感がする。まさか歩いていこうとk…
「歩いて行こうよ!」
「やっぱり…」
「まあまあ久しぶりの運動だと思って」
「はぁ〜…」
 断ったところでどうせ無理やり連れて行かれるのだから
どうせなら自分から行くことにした。全く何で休日からこんな歩かなきゃいけないのかなぁ…
「ほら、なっちゃん、早く!」
「はいはい…」
 しぶしぶりむの後ろに着いて歩く。何気ない雑談をしながら、疲れたなーとか、そんなことを思っていたとき、遠くの方からサァァァと音が聞こえた。
「ん…?何の音」
「音……?うわっ冷たっ え雨?!」
「通り雨かな? とにかく雨宿りできる場所」
「え、雨宿り 公園!」
 運良く公園の近くを通りかかっていた私たちは慌てて公園に駆け込んで、ドーム状の滑り台?のような遊具の中に入り込んだ。
「はぁ…びっくりしたー なんで雨?
  さっきまで晴れてたのに!」
「多分通り雨じゃないかな」
「あー、通り雨、聞いたことある」
「そっ か、
 はい、これタオル濡れちゃったでしょ?拭いて」
「ありがと!」
 それから少し沈黙が流れた。遊具にたたきつけられた雨の音が響いてくる。なぜかだけど、とても懐かしい気持ちになった。昔もこんなことあったような気がする。
「……ちゃん、なっちゃん!」
「わっ あ、もう拭いた?」
「うん、ありがとう どうしたの?ぼーっとして」
「ん………いや、なんでもないよ」
「えー!絶対嘘じゃん 教えてよ〜」
「……!     やだよ、バーカ」
「え、なっちゃんがバカって言った!どうしたのバカなん
 か普段言わないじゃん」
「いや、ちょっと懐かしかったなーって 似てるね」
「えーどういうこと!?」
「秘密、教えなーい ほら、雨止んだよ早く行こう」
「…?うん!!」

♯通り雨

9/27/2022, 12:38:54 PM

通り雨

 鼻頭に水滴の気配を感じ、それを拭っていると一気に雨が降ってきた。それほど強くは無いが、弱くもない。向こうの方は明るいから、きっと通り雨だろう。急いで折りたたみの傘を広げる。
 昔、通り雨は魔法だと信じて疑わなかった時期がある。どこかの魔法使いがほうきに乗るのを嫌がって、代わりに雨雲に乗って移動している。だから誰も知らない雨は魔法で、その魔法にあやかれる偶然を傘で遮るのはもったいないと、たとえ傘を持っていても差さなかった。結局、風邪を引いたら困るからと何度も諭され、私は傘を差すようなった。そのうち、魔法のことなど忘れてしまった。
 思い出したのは、信号待ちをしている少年が傘を差していなかったからだ。雨粒を払う素振りもなければ、視界が滲む雨に顔をしかめる様子もない。彼こそきっと、雨の魔法とそれを操る魔法使いに祝福されているのだろう。幼い私と同じだ。
 雨足はだんだん弱まってきた。そろそろ上がる頃だ。

9/27/2022, 12:34:56 PM

ーーーーー


青い世界にいた。

これが比喩とかなら美しいのかもしれないけれど、デッサンや白黒写真を全部青に置き換えたような、そんな感じ。
とりあえず、想像できるほど美しくないってこと。

視界に広がるのは小さめの部屋。
6畳間ほどの部屋だ。子供が使うような木の丸椅子と、それより二回りほど大きいスクエアテーブルと…カーテン側に立つ1人。
少し前まではよく私をなんとも言えない顔でみていて、少し気味が悪く思っていたが、最近は他のことで忙しそうだ。

人はやたら難しそうな顔で、手に薄っぺらい板をもち、目の前のこれまた薄く四角い板に向き合い、何かを乗っけては塗って、時々鋭利なものに持ち替えてを繰り返していた。

私の目には全てが青色でその差が押し測れないのが惜しいなと思う。でもその人の表情はだんだん柔らかくなっていくあたり、思い通りの状態になってきているんだと思う。


突然その人の動きが止まった。どうらや目の前の板が完成したようだ。何かはわからないけど、嬉しそうな表情を見る限り、私も嬉しいよ。

不意にこちらをみて、来た。
私を抱えた人は明るい場所に私を持って行って



思い切り分断した



ばきん!と大きな音を立てて、私は綺麗に真っ二つになった。
そうか、さっきこの人が見つめていた板が、この人が本当に求めていたものだったのか。
私は無意識に、この人に私が必要だと勘違いしていた。

仕方のないことだと思う。本当に必要なものが現れたのなら、それを大切にしてあげないと。じゃあ、私は失敗だったのかぁ。
この人は多分私を作った人だ。あんまり覚えてないのは、同じ色の絵の具を沢山塗りすぎて、視界がおんなじ色、青色になってしまったからだ。よく見えなくてごめんね。

燃やされていることに気がついた。
この時初めて、自分に描かれたものを知った。



思い出した。
そうか、この人は……



炎で燃やされている時、青い絵の具が溶けて、私に駆け巡った。
そういえば、私が物置から引っ張り出された時、この人はずぶ濡れで、外から帰ってきたままでも構わず、私を描いてたっけ。

初めてみた世界は、私の青い世界にそれはふさわしいものだった。それ以外を見つめたことがあまりないから断言するのはおかしいのかもしれないけれど、一粒一粒がプリズムの様に光っては消失する様が、この世で1番美しいと思った。

でも青い視界の、私の青の下には、当時のこの人の心を表すかのような、淡い淡い桃色が塗られていた。

多分そのプリズムはこの人がこの桃色の人と過ごした時間や思い出で、枷になってようやく今、さよならできるんだね。
大丈夫、あの雨と一緒に、ちゃあんと桃色も持っていくよ。



ようやく前に進めるんだね。
私はあなたを支えられたんだね。
おめでとう。
私を作ってくれて、ありがとう。
愛してるよ。



次々に溶け出すさまざまな青は、あの日の雨を彷彿とさせた。

どうかあなたの中の私が、いつまでも美しいままで。




「通り雨」より

9/27/2022, 12:31:30 PM

降り出したのは雨という名前だ
通り過ぎていくまでの短い時間の名前は知らない
静かな雨はいつも色々と連れてきて
こうやって僕の前に映しだす
僕は遠い過去の夢を見る
大抵は君のことだ

9/27/2022, 12:29:40 PM

秋の通り雨

冷たい雨に打たれて

どこまでも歩く

もう髪の芯まで

冷えきってしまった

それでもいっしょに

笑顔でいた

あなたを思い出して

9/27/2022, 12:17:08 PM

雨の日の思い出は、入籍日だったね。
あのときは、大雨で、滝のように、降ってたね。
挙式日と、入籍日は、大雨と、大雪で、なんか、ドラマのような?じゃないけど、最近、こっちでは、あんまりない天気。異例の記念日?だったはず。
どしゃ降りの中、役所に、婚姻届出して、帰ったね。あなたと、雨の日の思い出は、一緒に、傘差して歩いた、・・・・でも、なぜか雨の日に、遭遇する人が、またいつもと違うのは、笑っちゃうくらい。雨の日に、歩いて、歩いて、服が濡れるくらいだと、素敵な出来事があるはず。この間、雨の日に、住宅展示場の見学に行って、素敵な家に、遭遇した。絶対、雨の日じゃないと、素敵に、演出できないなと、モデルルームの見学も、また、2人が上手くいってるときに、最高だと思いました。
雨の日は、ロマンチック?

9/27/2022, 12:11:19 PM

それは、一瞬で全てを濡らしあっという間に去っていく。僕の前に通っていった雨は一体どこへいったのだろうか。どうして、このまま濡らしてはくれないのだろうか。いっその事ずっと降り続ければいい。








































そうして僕の弱さを埋めてくれ

9/27/2022, 12:03:01 PM

♯通り雨

「今日は通り雨が結構降るらしいよ。」
眠たかった私は友達の話に、ふーんそうなんだ、って適当に返事をした。

帰ろうとしていたとき、急にザアっと雨が降り出した。
友達が言ったように通り雨なのなら、と私は雨のシャワーに体を濡らした。

9/27/2022, 11:57:07 AM

通り雨。

急にくる君は

まるで僕の感情のようだ

頑張っても頑張っても

報われなくて

限界が来て

その感情が爆発した時

通り雨みたいに

涙がこぼれるの

9/27/2022, 11:56:52 AM

私いま

生きてきた中で

1番自分に
正直に生きている


人の評価を求めず
ありのまま出している


大きな決断の時
必ず降る雨


9月の雨


これから先の道が
大きく変わっていく



通り雨は
「進め」のサイン

9/27/2022, 11:50:30 AM

「通り雨」 9月27日

人生にも通り雨がある。
小糠雨のときも驟雨のときも。
災難は通り雨のよう。

9/27/2022, 11:48:30 AM

「私とあなたじゃ住む世界が違う 第二十九話」

スモークとスプライトは、食堂にいました。
「ドリームレースみたいな敵って、僕一人でも倒せるかな?」
「そりゃあ、強くなったら倒せるさ!」
「…ソレ、いつの話になるのかな?」
スモークは、スプライトにツッコミました。
「少年!諦めない事が肝心だ!日々の積み重ねで人間は強くなれる!」
「ノアールさん、感動したッス!」
ノアールとスプライトの周りには、キラキラとしたオーラが輝いていました。
「…二人共、同キャラなんだ」
「それはそうと、二人に頼みたい事があるから、よく聞いておいてくれよ?」
「なんスか?!ノアール師匠!」
スプライトは、目を輝かせていました。
「夕食の食材で足りないのがあってな、森まで行って取って来て欲しいのさ!」
「森?」
スモークは、目が点になっていました。
「師匠の頼みなら、いくらでも取って来ますよ!!」
「じゃあ、メモを渡すから、取って来てくれ!」
ノアールは、スプライトにメモを渡しました。
「行くぞ!スモーク!」
「も、森で取れる食材?スーパーとかじゃないの?」
スモークは、不安でした。
「準備OKだな?!さぁ、行っくぞー!」
二人は、冒険服に着替えていました。
「そう言えば、女の子達って一般人だから、ずっと私服のままだよね?」
「こう言った衣装みたいな服は、歌い手の特権てヤツか?」
二人は、会話しながら森に向かっていました。

「着いたねー」
「さぁ、ノアールさんの為にも、食材探すぞー!!」
スプライトは、張り切っていました。
「スプライト、メモには何て書いてあるの?」
「えーと、ワサワサ草と唐墨木の根っことクスクス草と…」
スプライトは、メモを読んで行きました。
「…どんな料理、作るつもりなんだろうね?」
スモークは、青ざめていました。
「きっと、旨い料理に決まってんだろ…って、アレ、饅頭じゃね?」
スプライトは、遠くの方に居る饅頭を発見しました。
「饅頭だ。何してるんだろ?」
「スモーク、追ってみよーぜ!」
「食材探し、どうすんの?」
「同時進行だ!」
「出来るかな?キミに…」
饅頭達は、死んだ目で何かを探している様子でした。
「我らはケブバガミの職員。ボスの為にもアレを探さなくてはならない」
「一刻も早く探さないと…」

「ケブバガミ?」
「何かの会社名かな?」
二人は、遠くの方で饅頭達を見ていました。
「……あ!ひょっとしたら、ナイトメアがCEOか何かの会社のことじゃない?」
「つまり、饅頭達はナイトメアの手下って事か!」
「スプライト、饅頭達を追ってみよう。この森、マンションから近いし、襲撃して来る可能性もあるかもよ?」
「そうと決まれば、追跡だ!」
スモークとスプライトは、隠れて饅頭達の後を追いました。

9/27/2022, 11:41:07 AM

今日は晴れの…はず
なんで雨が…………
あ〜、濡れちゃった
明日は風邪だな〜
待って明日の時間割…むっちゃ嫌な時間しかなくね?
……神か

翌日風邪は引かなかった





好きな人が付き合ったらしい、
まぁ、もう好きかすら分からなかったけど
そして、今日も迷惑かけたなって思いながら
あ〜、そういえばリスカだっけ興味があるんだよね
カッター買いに行こ
家に帰って少ししてから近くのスーパーに
カッターとアイス、飴を買って
家に帰って手首を切った
外からは雨の音が聞こえる
「ハハッ私の心みたい」



お題 通り雨
こちら2本立てでございます

9/27/2022, 11:36:17 AM

少し離れたところの友達との長電話
雨だねって言ったら
ふってないよって
でも、話してるうちに雲行きが怪しくなって
とうとう電話の先でも雨が降りだした。・・・やっぱり。
しばらくたって晴れてきたと思ったら、
こっちはすんごいふってるよ!って。
あはは。

もうすぐ晴れるから。

9/27/2022, 11:32:58 AM

透けた制服を、洗濯機に放り投げた
止んだ雨の代わりに、洗濯機が水を打ちつける
腹が立つ

9/27/2022, 11:26:43 AM

「今日雨降るから、アンタ傘持っていきなさいよ〜」

俺が朝食を食べている横で、食器を洗いながら母が言う。
外はカンカン照りで朝からセミが鳴いている。

テレビの天気予報では気象予報士が
「今日は1日すっきり晴れるでしょう!」
と自信満々に言っていた。

「天気予報、今日晴れだって言ってるよ」

俺は無駄だと思いつつも母に反論する。

「そんなこと言ったって、降るの!」
まったく、と呟きエプロンで手を拭く、そして洗面所へ向かっていった。

母のこういう勘は当たる。


―――昔っからそうだった。

起きた時はどんよりと雲がかかっていて今にも雨が振りそうなのに、小学校へ行こうとすると母が
「今日晴れるよ」
と言った。けれど俺は傘を持っていった。
すると学校へ着いた時にはめちゃくちゃ晴れたのだ――。




荷物が増えるのは嫌だが、濡れるのも嫌なので俺は結局傘を持っていくことにした。
玄関に行くと「持っていけ」とばかりに分かりやすく折りたたみ傘が俺の靴の上に置いてあった。

『言われなくても持ってくよ…』
と諦めの気持ちも含め、母に「いってきます」と言った。


だが外れた。下校の時間になっても雨は降らない。
『外れるなんて初めてだな。』
結局折りたたみ傘は荷物になった。

だが最寄り駅に着いた途端、土砂降りだ。
『当たった』
帰ったら文句を言ってからかう予定だった俺は何だかガッカリした。


「うわー、雨、最悪…」

駅の喧騒の中でもはっきり聞こえた声。
幼馴染のカナだ。俺の心臓はドクンと跳ねた。

「カナ、久しぶり。今帰り?」
「久しぶり!!うん、そうなんだけど…最悪」

そう言ってカナは空を見上げる。

俺はここぞとばかりに折りたたみ傘を差し出した。
「これ使ってよ」
カナは一瞬考えたあと、クスッと笑った。
「もしかして、おばちゃん予報?」
「そう」と言って俺もつられて笑う。

「でも、そしたらあんた濡れちゃうじゃん、だから―」
「いいから!」
俺は半ば無理やり傘を持たせる。
「もう、最後まで聞いてよ、だから!一緒に帰ろうって!」

―――あぁ、母よ、いや、、母神様…!

天にも登るとはこのことか、俺は断る理由など無い。
もちろん快諾した。


駅と俺の家の中間にカナの家がある。俺はドキドキしながら他愛ない話をし、カナと別れた。
ちょうどその時、雨が止んで日が差してきた。



家に帰ると玄関に母がいた。

右肩だけ濡れてる俺を見て、ニヤッと笑ってこういった。


「私の勘、当たりそう!」


【通り雨】~完~




相合傘、、お互い相手を濡らさないように
傘の傾け合戦が始まりますよね。

私だけ?笑


いつも♡︎ありがとうございますm(_ _)m感謝感謝〜!

9/27/2022, 11:25:43 AM

.通り雨

「何読んでるの?」
声をかけると、彼女がこちらを見上げた。
眼鏡越しの鋭い視線とかち合う。

読書の邪魔をして悪いと思ったけど、こんな風に二人きりになれるチャンスは二度と巡ってこないだろうから、俺はその場に居座った。

「──文化祭、始まったばっかだけど」
へらりとした笑顔を浮かべ、ちょっと肩をすくめてみせる。

頭上には灰色の雲が迫ってきて、今にも降り出しそうな気配がしていたが、校内は浮かれた雰囲気で満たされていた。
がやがやとした人の息遣いを遠くに感じる。
廊下に貼り付けられた、催し物を宣伝するポスター。色とりどりの紙の花と風船で飾り付けられた教室。
体育館では、軽音部が爆音で音楽を奏でている。

「なんていうか、その、こんなとこで、一人で本読んでるの、見つけちゃったから……何読んでんのかなって、気になってさ……。思わず、声かけちゃった。ごめん」

あ、どうしよう。
俺、すげぇ、から回ってる気がする。
うざいって思われてそう。

「あー……まぁ、その、別に文化祭だからって、関係ないよな。何しようと、個人の自由っちゃあ、自由っていうか」
背中に冷たい汗が流れ、顔に浮かべた笑みが強ばる。

「──はあ」
彼女がため息をついて、俺から視線を外した。
このまま睨んでいても、埒が明かないと思ったのか、読んでいたページに指を挟んで、表紙を見せてくれた。
『十月はたそがれの国』……作者は、レイ•ブラッドベリだ。

「あ、タイトルだけ、知ってるかも。有名な作家だよね。他にも、なんか、映画になった本とかあるんだっけ」
急いで、口からついて出た言葉を並べた。
海外の作家の本なんて、『ハリー・ポッター』くらいしか読んだことがないのに。

「なんか、あのぉ、なんだっけ。温度みたいなやつ」
必死になって、彼女が図書室で読んでいた本のタイトルを思い出そうとする。
少し前かがみになって本を読んでいる姿。ページをめくる手つき。静かな彼女の横顔……。

「“華氏四五一度──この温度で書物の紙は引火し、そして燃える”」
「えっ?」
ふと、目の前が暗くなった。
制服のスカートが衣擦れする音。
ほのかに甘いような匂いがして、それが彼女の髪の匂いなのだと気付いたときには、もう遅かった。

「ねぇ、モンターグ君。あなたは、本が好きなの? それとも、読書好きな女の子が好きなだけ?」
耳に吹きかけるように囁かれた言葉が、まるで呪文のように俺をその場に縛り付け、呼吸を奪う。

「──あ、雨だ」
彼女はそう言うと、くるりと踵を返した。
手に持った本が濡れないよう、かばうように。
灰色の雲から滴り落ち始めた雨が、ゆっくりと地面の色を変えていく。

立ち尽くす俺を置いて、颯爽と去っていく彼女の背中を、俺は苦しいほど鳴る心臓の音とともに見送った。
火照った頬を濡らす雨の冷たさに、これは通り雨のようなものなのだろうかと考えながら……。


2022.09.27

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