『透明な水』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
透明な水は、暴言を塞いで美しい物だけを映し出すから綺麗。
透明な水とは、普通の水のこと。
例えば、水道水とか綺麗で飲める水のことを言います。
透明な水とは下水道処理場とかの、仕事を務めている人達が、
下水道などの送られてきた汚い状態から、ろ過をし、地球にも優しいことボランティア的なことをしている。
ろ過をしていると言っても一回では終わらない。
何回もして人々のもとへ行く。
広大な湖の水を、小さなスプーン一杯ほど掬う。それを特別な機械に入れてセットし、ボタンを押す。すると、何分後かにその小さな量の水が、見た目でもわかるほどに澄み切った透明な水となって出てくる。
僕はその結果に確信を持って頷き、再びスプーン一杯ほどの水を湖から掬い上げる。
何回も何回も。それこそ百回でも千回でも同じ作業を繰り返す。
そんなことは無理だと。できるわけないと。
他の人から何度も言われたが、それでもやめない。やめる理由にはならない。
ここにある湖がこんなにも濁ってしまったのは、僕たち人間のせいだ。
自らの利権を主張して、相手と話し合いをすることも放棄して、安易に銃を取り、傲慢にも引き金を引いた。そのせいでたくさんの死体がこの湖にも捨てられた。
昔はとても綺麗な水面が漂い、美しい風景の中にあったはずの場所なのに。
僕が苦心して開発したこの濾過装置は、一度で全ての不純物を取り除ける優れものだけれど、一回に濾過できる水の量はごく少量だ。
だから、こうやって何回も繰り返さなければならない。途方もないことであることはわかっている。
けれど、やらなければいけない。
そうしなければこの場所は、いつまでたっても死に絶えたままだ。
そうして僕は繰り返す。この地道な作業を。
かれこれ千回近くは軽く越えたかもしれない。まだ終わりは見えない。
だけど、やめない。
いつかの透明な澄んだ水面が。
あの日と同じ光景が。
この手に取り戻せるその日まで。
【透明な水】
息のできる大きな大きなプールに
青空とそこに浮かぶ雲が映るプールに
ひとり飛び込んで仰向けになって
ただただ聴こえる音に心をすませて
時が過ぎていくのを感じたい
傷ついた心も溢れ出した涙も
きっと癒される
「透明な水」
夜汽杏奈
優しく風に靡いた髪
薄紫色の小花達は揺れながら歌う
遠くに見える白い山々は青空と広がり
君の笑顔の先に
透き通る川と草原が続いていた
永遠に忘れないであろう、
僕の記憶の欠片
全てが満たされていた、未来
透明な水の中にいた二人
君の笑顔は宝石のごとく反射する光
愛と呼ばれるもの以外
そこに何も無くていい
昨日も今日も明日も
喜怒哀楽もエントロピーもない、
永遠に穏やかな幸福の中で
暇という言葉が世界で一番怖いのよ、
沢山の新たな詩が生まれる星があるのよ、
なぜなら、その星には
悲しみも苦しみもあるからよ、と言う、
唇を塞いだ、未来
この青い星では
君は僕を思い出せず
生まれ変わっても
詩を書き、他の誰かに恋をし、
地球に存在した今は、すでに、過去
君が灼熱のコンクリートの隙間で
添加物だらけのコンビニ弁当を嫌がっても
音を立てず動物実験の動画を見て
どれだけ涙を流しても
一人静かに路地裏で雨に打たれた夜
君は助けてと叫んだから
きっとそれは僕だったから
きっとどんな時も
あの頃の透明な水だけは
いつも君の中に流れている
美しい緑と透き通る川のある、
想像界の未来
無機質な物質だらけのこの世は過ぎ去り
どれだけ詩に引力があろうとも
象徴界と
コントロールされた時のループは
僕が断ち切ろう
変わらないよ、僕がそばにいること
透明な水はいつも君の中に流れていること
穏やかな幸福の未来は、永遠だということ
了
22世紀になる現代において、珍しく我が家の水道は透明な水を垂れ流す。
このことを誰かに自慢したことはなく、私だけの秘密として心のどこかに閉まっている。前提として、自慢する相手がいないなんてオチはない。友人はいる。二名。
今まさに、そのうちのひとりに透明な水を自慢しようと蛇口に手をかけたところだった。
「早く見せてくれよ。どうせ嘘だろうけどさ」
「ああ、今からひねるよ」
私は蛇口を捻った。
すると、どろどろと濁りきった水が流れ出す。
何故だ?
「おかしいな。いつもは透明な水が出るのに」
「ははは。やっぱりな。期待して損したよ」
そう言って、友達は私の肩に馴れ馴れしく手を置いてくる。友達ごときが私の肩に触れるな。
「でもさ。久しぶりにお前に会えて嬉しかったよ。飯でも食おうぜ」
「てめぇの奢りなら考えるよ」
「ははは。お前ってそんな感じだったけ。そういうところも嫌いじゃないけどな」
この友達とは10年以上の付き合いだが。
こんな性格のいいやつだったか?
ふと、垂れ流しだった水を見ると、黒く染まるほどに濁りきっていた。
透明な水が安全なんて保証は、22世紀には存在しないのかもしれない。
〜透明な水〜
[透明な水]
水は無色透明で一見全てを見透かしているようにも見える。
だが、溶けてしまえばそこに何が入っているのかを隠すものでもある。
「はい、どうぞ」
ありがとう、と君は僕の手からカップを受け取り、薬を流し込む。日常的に向精神薬を服用する彼女を、僕は見詰める。この現代社会でストレスフリーに生きることの難しさはよく知っている。生きるのが辛いと、生きていたくないと、君はよく口にする。僕は彼女を愛している。だからこそ、この地獄から彼女を解放させてあげたいと常々考えている。いくら彼女を愛する僕がいたとしても彼女にとってここは生き地獄でしかない。愛は全てを解決する訳ではないと君と出会って知った。一度植え付けられた絶望は簡単には消し去れないと僕は知った。上書きして、騙し騙し生きていくしかない。傷が深ければ深いほど愛にすら目を背けてしまう。
君からコップを受け取り流しで軽く洗い、食洗機の中に置いておく。
君は料理をしないから食器棚の奥に隠してある粉薬の存在を知らない。
君を愛してる。その弱さすら愛おしくてたまらない。
君の傷を癒やしてあげられたら良かったけど、君の傷は僕の想像の何十倍も深くて、傷付き苦しんでる君を本当の意味で癒やしてあげることが出来ない。
ただ側にいて、苦痛が終わる日が訪れるまで愛してあげることしか出来ない。
端から見たら僕の行動は間違っていると言われるのかもしれない。この行為は犯罪で、本当に助けてあげたいなら別の道を探すべきだと、言われるかもしれない。
精神科に行ったり、自己啓発セミナーに行ったり、薬に頼ったり、変わろうと努力したり、やれることを全部やれるだけが人間じゃない。
自己肯定感や存在理由を意味もなく叩き壊され、スタートに立てずに終わる人だっている。そんな人の背中を無理やり押すことが助けだとは思えない。
ただ寄り添い合い、歩幅を合わせて一歩ずつ一緒に歩くのが正しいと考えている。
一度壊れてしまった心は、時が経ってもふとした拍子でまた壊れてしまうものだから。
だから僕は君を失ってしまうとしても、君がこの世界から逃げ出したいというのならそれを手伝ってあげたい。苦痛に満ちたこの世界から君が助けてほしいと言うなら、手伝わせてほしい。一緒に逃げてと言ってくれるなら何の未練もなく君と一緒に歩いていける。
だから僕は
無色透明な水に、君への愛を隠(とか)す
器を巡る
澱みを飲み込んで
吐き出した清流
──透明な水
#透明な水
見渡す限り砂漠の中だ
奴隷馬車から逃げ出し
かれこれ2日はここをさまよってる
…水が飲みたい
キンキンに冷えた透明な水が
もうだめだと思った時、巨大な何かが砂の中から引きずり込んで来た、砂の中に飲み込まれ
私は意識を失った。
“この、透明な水は…
どんなに病気でも…治せるんだって”
っと誰かが云っていた。
僕にだって…欲しい物は欲しい。
けれど、そんな物に頼ってなんになるんだ!って
自力で、僕にだって…治せるんだって思わなきゃいけないから…僕は、前に進む。
未来へ向かって…
喉が渇いた…
持っていた水を飲む…
透明で…太陽の光に反射して眩しい…
この国では常識の透明な水…
この国に来るまで知らなかった綺麗な水…
嬉しかった…この国に来れたことが…
あ〜だるくなってきた…
ダメだなやっぱり…国の濁った水は…
濁ってたら毒にも気づかない…
あ〜透明な水が飲める国に生まれ変わって住みたい…
朝イチで蛇口を捻ると赤錆色の水が出る。赤錆色の水は下水に流れ、川に流れ、集められ、浄水場からまた、透明な水として送り出される。
白い画用紙に透明な水の絵を描いてみる。
自然の中だったり
生活の中だったり
器の中だったり どんな風景にも染まり変化する。
でも、透明の水だけの絵って描けるかなぁ
自分らしさの表現は未知の世界
私の想像力が動き出す。
「先月は『無色』、今月最初は『カラフル』。で、今回は『透明』か」
さすがにもう色系のお題は来ねぇよな。某所在住物書きは、透明な水を湯に変えて、カップ麺に注いだ。
「色彩学じゃ無色と透明は別。それは覚えた」
無色のお題の方、バチクソ悩んだな。物書きは回想し、濁りを伴う透明スープから麺をつまむ。
「英語では『湯』が『茹でた水』程度の熟語表記で、単体定義としての単語は無いんだったっけ?」
湯→英語では湯も水も「Water」→酒は般若「湯」。
酒の話とか書けねぇのかな。物書きは麺をすすり、突発的な熱の痛みに悶絶した。
――――――
今日5月22日は抹茶新茶の日らしい。
インスタ不具合で一部界隈ほか大多数がメッチャ大変そうだけど、その大混乱のトレンドに隠れて、チラッとだけ、呟きにその話が流れてきた。
東京都内は本日最高気温28℃予想。お茶なんて、ホットは飲んでられなそうな暑さ。ただ明日はバチクソ冷え込んで、20℃未満まで急降下するらしい。
「明日は仕事がはかどる」って、雪国の田舎出身な先輩が言ってた。東京育ちの私としては今の時期の17℃前後は肌寒いくらいだ。
令和ちゃんそろそろ温度管理資格取って(切実)
で、そんな5月22の職場の、いち場面の話。
「やぶきた品種。川根の新茶だ」
耐熱のカップに、休憩室の冷蔵庫から氷を失敬して2個4個。それと自前の、おひとり用耐熱ガラス急須。
「一般的な緑茶より渋みがあって、鼻に抜ける余韻がとても甘い。好きなやつは好きな味だな」
昼休憩、休憩室のテーブルに一式並べて、お弁当と一緒に私と先輩での突発的お茶会が開催された。
「個人的に濃い甘さの菓子、生菓子とか生クリーム系とかと、相性が良い気がする」
蒸らし終わって濃い緑から薄緑に変わった茶葉に、少しだけ温度の下がった熱湯を、ひたり、ひたり。
ガラスの急須の中で、熱い水の無色透明が、明るい黄色味の差す黄緑な有色透明に変わる。
「いつも淹れてくれるお茶の色と違う」
私がぽつり言うと、
「産地と品種が違う」
先輩は、お茶成分のよくよく染み出した急須の中を少しの水でちょっとだけ冷ましてから、
「私の部屋でお前に出しているのは、埼玉県の狭山茶とか、あさつゆ品種の知覧茶。それと静岡の本山」
その、明るい黄々緑色の透明を、氷入りのカップに、静かに注ぎ入れた。
「あちらの方が、味として甘いし、優しい気がする」
カラリ、カラリ、カラン。カップの中の氷がお茶の熱で溶けて、踊って、少しだけ小さくなった。
「なんで今日に限って?」
「お前が朝に『今日抹茶新茶の日だって』なんて送ってきたからだろう」
「そうじゃなくて。なんで今日に限ってカワネ?」
「突然だったからな。いつものを切らしていた。それで少々渋いが、新茶だし、自分用を」
「自分用。……へー……」
先輩、いつもはこういうの飲んでるんだ。
差し出されたカップをクンカクンカしてから、私はおそるおそる「渋い」というお茶を舌にのせて、
「あっ……想像以上に渋……あれ……甘……?」
キリッとした渋さの後に来た味に、鼻から抜ける確実な甘さに、そこそこ混乱してた。
「悪い。嫌いだったか」
「違う違う。不思議なだけ。大丈夫」
「弁当の前に食うか?生クリームどら焼き?」
「たべる。好き」
―透明な水―
園芸用ホースのノズルを少し上へ持ち上げる。
ホースから出た水は、日の光を浴びて小さな虹を作った。
庭の水やりをする時の密かな楽しみ。
【透明な水】
ちょろちょろと音を立てる水流へと、手を差し伸べた。冷ややかな温度が心地良い。水面の向こうに僕の手の肌色が透けていて、思わず感嘆の息が漏れた。
「すごい、本当に透明だ……」
「だから言っただろ、世界には未知のものが溢れてるって」
自慢げに笑った君が、僕の肩に腕を回す。夢想家の穀潰しなんて評される君の語る『未知の世界』。僕ですらずっと面白半分のおとぎ話だと思っていたのに、まさか本当に透明な水がこの世にあるなんて。
僕たちの村で手に入る水は、泥で濁ったものばかり。飲用水にするためには面倒な浄化作業を繰り返さなければならないし、それをしたところでこんなに純度の高い透き通るような水にはならない。目の前で流れていく水のあまりの清らかさに、言葉が上手く出てこなかった。
「村の近くでも知らないものがあったんだ。世界中を探せば、見たことがないものはもっともっとある!」
君の声が鼓膜を揺らした。晴れた日の空の色のような鳥、砂漠に咲く赤い花、人間の言葉を理解する動物……君が語ってくれた物語が僕の中でキラキラと色づいていく。
日の出と共に起きて、泥水を汲みに行って、浄化作業をして。それが終われば畑を耕して日が沈めば眠る。物心ついた頃から変わることのない僕たちのルーティン。だけどああ、本当はずっと僕は思ってたんだ。こんな毎日、退屈で仕方がないって!
「……良いよ、君の計画に乗るよ」
月明かりの薄く照らす夜、君がひそやかに教えてくれた計画。この村から逃げ出して、二人きりで世界中を旅して回る……そんな胸踊る夢物語。聞かされた計画はまだまだ粗があったけど、僕ならそれを埋められるはずだ。羅針盤は君で細かなルート決めは僕、その役割分担がきっと一番適している。
「一緒に行こう、知らない世界を知るために」
僕の誘いに、君の顔がパッと輝いた。君の笑顔はまるで空に浮かんだ太陽みたいだ。明るく、力強く、いつだって僕を導いてくれる。
これが僕たちの旅の始まり。荒廃した世界を巡る、二人ぼっちの冒険譚の幕開けだった。
水面に
景色が映る。
鏡みたいで
すごく
綺麗。
風が吹く。
景色が揺れる。
あ。
消えちゃう―――
残ったのは
いつもと同じ
青くて
濁った
川。
#透明な水
透明な水。純水ってやつかな。水って意外と不純物が多いって聞いたことがある。
水が電気を通すのは水の中に含まれている不純物が原因で、不純物を含まない純水は電気を通さない絶縁体だとか。どうでもいいか。
水の話を広げるより今日はジャンプの発売日だったからその感想を書きたいお年頃。なのでジャンプの感想だ。
やっぱりまずはワンピース。最終章と宣伝するだけあって最近のワンピースはがんがん話をまとめていっている。来週にはイム様の正体すら明かされそうでわくわくするわ。
個人的にはヒグマが気になっている。おだっちは後付けの天才だからヒグマをどうするか気になる。
初期で話や設定が固まってなかったとはいえけむりだま一つでルフィを拐ってシャンクスから逃げおおすという離れ業を成したキャラだからな。神の騎士団説はほんと笑えるからすき。
呪術も今熱い。こっちもそろそろ終わるって話だから出し惜しみなしで全力投球だ。最強vs最強はやっぱりいいね。
それにどちらも主人公じゃないしラスボスでもないからどっちが勝つかまるでわからないのがすごいわ。この対戦を作れるのは流石プロと感嘆する。
アンデラは今微妙ね。この作品の感想で作者だけが盛り上がっているというのがあるとどっかで見たけど今正にそんな感じ。
展開そのものは王道で熱い展開なのかもしれないけどキャラもなにもかもが唐突で正直雑だと感じちゃっている。とはいえ面白い作品だとは思うから期待はしている。
先週の新連載は結構いい感じかもしれない。前は興味なくて見なかったんだけどなんかネットでこの新連載が話題になってたから読んでみたら割りと面白かった。
話の内容はテンプレな感じだけどヒロインがかわいいから読める作品になっている。あまり誉めるところはないけどマイナスがない、そんな作品。
一つ気になるのがいじめっ子をどうするかだな。先週で退場かと思ったら普通にいるし。こいつヒロアカの爆豪的なポジションなのかもしかして。こいつだけはちょっとマイナスなキャラだからこのキャラをどう扱うかが気になる。
他にもろぼことかウィッチのやつとか時々見る作品もあるけど感想を書くほどじゃないしこれで終わりにしよう。毎回思うけど日記の終わりをどうするか地味に悩む。
炎天下の路地裏
息を殺した水たまり
右足で踏み潰す
(透明な水)
#25 透明な水
◇ #18と同じ人な気がする
水は透明だが、無色ではない。
現に多量の水や氷山は青く見える。
それは水が僅かに青緑色をしているためである。
水の色は赤い光を吸収してできるもので、空の青色とは異なる原理による。
ただし、海水面の色には空の色が影響している。
水は冷却されて固体である氷になると、体積が増えて液体の水に浮くようになる。実は、物質としては珍しい性質である。
水は生物にとって重要なもので、水素分子と酸素分子でできた化合物である。
「ふぅ、疲れた」
「レポート終わった?」
「うーん、半分くらいかな」
「あと何書くつもりなの?」
「水が化合物って分かるまで、長い間元素のひとつとして考えられていたーとか」
「うん」
「温度とか重さとか色々な単位を決めるのに使われてたけど、今は違うものに置き換わってるんだーとか、書こうと思ってる」
「なるほど」
「水って使われては捨てられて、悲しい奴だよな」
「分かる気がしたけど、やっぱり分からん」
「ところでさ」
「はい」
「空気みたいな奴、って良い意味でも悪い意味でも言うけど、水みたいな奴とは言わないよね」
「空気と違って水は目に見えるからかな」
「あ、でも湯水のように使うとかは言うね」
「そうだね、使い捨てる前提だけど」
「やっぱり不憫…」
「レポート終わったら、ゆっくり風呂入りなよ」
「…そうする」
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水は巡る
雲となり雨となり
川となり海となり
姿は変えても
水の根幹たる絆は変わらぬまま
地球という檻の中で
たとえ離れがたき絆が分たれても
火の中で再び結びつくだろう
どんなに澄んだ水も
深い水底には光届かず
青と暗闇に染まりゆく
水は熱を奪われ
ゆっくり眠りにつく
手足を伸ばして繋がり合い
今まで溶け合っていた異なるものを
内に押しやり閉じ込めて
ぽこん、ぽこんと
気泡が昇っていくのを見ていた
ああ、ひとつになった