『逃れられない呪縛』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
今もずっと…逃れられない呪縛。
消しても消しても溢れる記憶…
ミュートもブロックも関係ない。
どこにもそこにも目に入るのは
思い出したくない呪縛。
笑いながら人を傷つけ
人を羨むしか出来ない
正義を翳して蝕むあの人は
今日も楽しそうだ。
テーマ「逃れられない呪縛」
好きで好きでしかたなくて
だいじにしまっておいたら
見る影もなく腐れ果ててた
大切なものほど駄目になる
************
逃れられない呪縛
************
所感:
これはもう、そういうものなのだと。
テーマ「逃れられない呪縛」
小学生の頃に同じクラスだった男の子から「お前なんて居ても居なくても変わらない」と言われたことがずっと忘れられないでいる。
イジメのターゲットにされていた私は毎日学校に行きたくないと毎日思っていたが行かないで怒られるのも面倒で頑張って行っていた。
それは中学まで続き、高校になってからはピタリと止んだ。
やっと平穏な日々が始まると思ったが学校行事では誰かと居なくてはいけないのでとても面倒で憂鬱だった。
そんなコミュ障の私でも何とか高校を卒業し就職をした。
部活をしていた為、バイト禁止で働いた経験が無かった私は毎日覚えることが沢山あって大変だった。
それでも時間に追われる生活だったから何とかこなし、毎日代わり映えの無い日々を過ごした。
勤務時間が終わり、帰る準備をしようと更衣室に入ろうとしたところベテランの先輩達が私の事を話していた。
「ねぇ〜新しく入ったあの子…一生懸命やってるのは分かるけど覚えるの遅いわよね…?
こっちの仕事が増えて嫌になるわ」
「ほんとよね…あの子が居ない日の方が仕事早く終わるし」
「若いから上も入れたんだと思うけどあんな子居ても居なくても変わらないわよね」
クスクスと笑う先輩達の声を聴いてしまい、中に入る事が出来なかった。
しばらくして部屋から出てきた先輩達が居なくなるのを待って更衣室に入った。
「昔、あいつに言われた言葉…もう聞かなくて済むと思ったのにここでも言われるなんて…最悪」
どこに行っても言葉の呪縛からは逃れられない。
誰か私を必要としてくれる人は現れるのだろうか?
あなたが私にした事は、
今もなお私を呪い、縛り付け、
私の胸を締めているのです。
あなたが無視した過去の私は、
あなたが、好きという嘘をついたばかりに、
何も信じられなくなってしまったのです。
しかしながら時というのは素晴らしいもので、
私はもう忘れたように振る舞うことができるのです。
幸い、あなたと私のことを知っている人は少なく、
あなたの呪いは解けたように思われましたが、
不意に私を苦しめ、縛り付け、
私の胸は締められているのです。
「忘れられない呪縛」
実話じゃないお!
雨の日は、泊まりに来た友人を放っておいてリビングでくつろぐのが僕の最近の日課になっていた。
天気の悪い前日、確実と言っていいほど彼は僕の家を訪れる。理由としては過去の嫌な記憶を思い出すというものらしいが、実際彼の口から聞いたことは無い。
ただ、毎回毎回ベットで魘されている彼はどう考えても悪夢を見ているとしか思えない。少し表情を歪ませてる日ならまだしも、胸を掻き抱くように魘されている日などは流石の僕も心配になるものだ。
ゲストルームに通したままの友人はだいたい昼過ぎに起きてくる。いつも焦ったような怯えるような表情で扉を開ける彼に、おはようと声をかけるのはもう慣れてしまった。
「でも、今日は起きるの遅いな。」
ソファに座りながら横に丸くなる僕の自慢の愛犬を撫でて呟く。お昼一時を過ぎても開く様子の無い扉に、遅すぎやしないかと眉間に皺を寄せた。愛犬は僕の言葉を理解しているのか頭を上げると耳を動かし始める。ピョコリと動く耳を愛おしさ倍増させながら見つめていると、突然愛犬はソファから降りてゲストルームの方へ歩いていった。
何か感じたのだろうか。気になって愛犬について行くと、愛犬は器用にドアノブを捻って扉を開けている。
「さすが僕の犬……。」
思わず感心していると、中の方から低い唸り声が聞こえてきた。例えば何かに潰されたような、そんな声だ。
恐る恐る中の様子を伺うと、愛犬が友人の上に乗り足の踏み場を探しながら丸くなったところであった。
おもい…と呟く彼に起きてるのか。と少し安堵する。
彼には悪いが、少しそのままでいてもらうことにして、僕はキッチンの方にホットミルクを作りに行くことにした。パッと見た感じだが、今日の友人は他の日よりも体調が優れなさそうだ。
「おはよ。」
「ん、はよ。」
戻った部屋には起き上がった友人と位置を彼の膝の上に変えて丸くなる愛犬の姿があった。先程作ったホットミルクを渡すと、大人しく受け取る。張り付いた彼の前髪や後ろ髪、血色のない顔から今日も魘されていた事がわかり、思わずため息をついてしまった。
聞く気は無いが、何をそこまで思い詰めることがあったのかは気になるものだ。
「今日はいつもより調子悪いね。それ飲み終わったらシャワーでも浴びてきたら?」
「うん。」
珍しく素直に頷く友人に目を瞬き、あぁ今日は本当にダメな日なのだと理解する。彼の調子の悪い日は何パターンかに分かれており、良い日は普通に起きてきて僕の顔を見てからバイクですぐに帰って行く。普通の日は昼に起きてきて映画を見たり雑談をした後、夜くらいに帰路に着く。悪い日は、僕の言うことに何も反論せず続けて泊まっていく。
悪い日は1年に片手で数える程しかないのだが、今日はその日のようだった。ホットミルク片手に愛犬を撫でる彼は表情を見るに昔より少しはマシらしい。
道端に捨てられていた犬だったが、拾って育ててよかったなとこういう時改めて実感する。僕の癒しにも友人の癒しにもなってくれる愛犬はこの世界で一番賢く可愛いのではないだろうか。
「じゃあ、シャワー用意してくる。」
「わかった。」
僕は友人が何に囚われているのかは知らない。学生の頃にその片鱗を見た気はしたけど、それは本当かと言われると素直に首を縦に振ることはできない。
彼もたまにしか僕に何か言うことがないからあまり聞いて欲しくないものなのだろう。
僕の顔を見た時の彼の安心したような緩んだ顔は僕に少しの痛みを寄せる。彼の呪縛は、僕も関係しているものなのかもしれない。学生の頃からずっと抱えている彼の痛みは僕の一生をかけても逃れられないものかもしれない。全ては推測にすぎないが、それでも僕は毎回思ってしまうのだ。
どうか友人の呪縛が解けますようにと。
【逃れられない呪縛】
恋は、逃れられない呪縛かもしれない。
逃れられないなら、
良い感情や経験を得られるように、
頑張るしかないな。
#逃れられない呪縛
「逃れられない呪縛」
鳥籠の扉はいつでも開いている。
それに気づくこともなく、
「逃げる」なんて考えることもできない。
それが籠の鳥の真の呪縛
開いている扉から、
まずは外を覗いてみてはどうかしら?
【逃れられない呪縛】
「人のことを悪く言ってはいけない」
自分にはそんなことを言う資格はないし、その悪口がそっくり自分に返ってくることだってある。だから、できるだけ周りの人に感謝の敬意を持って、誰かを責めるようなことは言わないようにしてきた。
でも、悪口を「言わない」のではなく「言えない」のならば、それは「呪縛」なのではないか。
世の中、理不尽なことも不条理なことも当たり前に存在する。それに対して、不平不満を抱くのもまた当然のことだ。でも「人のことを悪く言ってはいけない」と教えられてきた身としては、できるだけ相手のことを責めずに済む考え方を探す。物事に複数の視点を持つことは必要なことだが、怒りや悲しみなど抱いてしかるべき感情を「呪縛」によって無理に抑えつけてはいないだろうか。
別に「嫌い」でいい。「許せない」で構わない。時が経ち、嫌いじゃなくなるかもしれないし、許せる気持ちになるかもしれない。だがら、嫌いで許せない気持ちも自分の中で認めることも必要なのかもしれない。
「人のことを悪く言ってはいけない」
たしかにそうだが、人のことを悪く思う気持ちは持つことがある。それは自分の中で許そうよ、と「呪縛」からちょっぴり逃れられた私は思うのだ。
この社会には、様々な役割をもった人間という構成要素がたくさん存在している。
各要素はそれぞれの持ち場で、
処理すべきタスクをこなしていく。
それは主に情報、モノ、サービスの
受け渡しであると言える。
例えば情報は、まず言葉という変数に
詰め込む。
詰め込まれた情報は、世界中のあらゆる
「言葉」に置き換えて伝達され、
それを必要とするユーザーに渡される。
タスクをこなす中で、例外が発生した場合、
エラーとして報告するよう求められる。
しかし、それができない者には、
改善させるための指導が行われる。
定期的なメンテナンス時には、
各要素がもつ機能の働きをテストする。
不調が見つかる、もしくは平均から
著しく逸脱する場合は
リスクがあるとみなされ、
対策を講じる必要が出てくる。
マクロでもミクロでもなんだ、やってることは同じようだ。この世界は、ひたすらなループ処理の中で止まないスレッドが動いているらしい。
#逃れられない呪縛
【逃れられない呪縛】
覚えちまった、アンタの甘ったるい香水の匂い。
ふとそんな事をアンタの髪を撫でながら呟いてしまった自分が、女々しく思えて嫌になる。
これが最後と思いつつも未だ離れ難いのは、あくまでもこの何処か懐かしい匂いのせいであって、決して愛しているからではない。そう思い込もうと無理矢理打ち消した。
「嬉しい。会えなくなっても、この香りがある限り……何処かでこの香りが漂う度、私を思い出してくれるんでしょう?」
嬉しいと言いながら泣き笑いのような、諦めにも似た表情だった。
『思い出す』とは、一度は忘れる事の証の言葉だからだろうか。
「さあな。そんな高価な香水身に着けてる奴に、そうそう行き合う事も無いだろうよ」
「成る程……きっとそうして、私は貴方に忘れ去られてゆくのかも知れない」
馬鹿な女だ。忘れず思い続けるなら『思い出す』必要など何処にある、という単純な話なのだが。
アンタの香りが、俺を縛る。
自分から離れておきながら、今でも呪いのようにアンタの気配をずっと探している。
No.48『彼女がいる日常』
散文/掌編小説/恋愛
出逢わなければよかった。そう思っても、後の祭りだ。わたしは彼女に出逢ってしまった。それは、今から三年前にまで遡る。
あれは暑い夏の日のことだった。暑さの割に、蝉の声も聞こえず、何故だか静かだったことを思い出す。彼女と出逢った瞬間、まるで時間が止まったかのように辺りの音も消えてしまって、振り返る彼女がスローモーションのように見えた。
「あれから三年になるのね」
目の前の彼女はそう言って、紙ストローを細い指先で弄んだ。この時間がつまらないと言うよりは、何を言おうか考えている素振りを見せているけど、彼女の口から出る言葉はいつも、わたしを彼女に縛りつける。
「今年も一緒にいましょうね」
そう言って微笑む彼女はとても綺麗で。わたしは彼女の赤いルージュが引かれた唇が、次の言葉を紡ごうと動くのから目が離せなかった。
お題:逃れられない呪縛
私は特別なんだって、お兄ちゃんが言ってた。
私は可愛すぎてさらわれちゃうかもしれないから、家から出たらダメなんだってお母さんが言ってた。
私は宝物なんだってお父さんが言ってた。
私の家族はとっても優しくて、あったかくて、幸せ。
そして、私たち家族は、けして解けない絆で結ばれていると
誰かが言ってた。
でも、その幸せは終わった。
私は、食べ物を探すため、外に出た。
それで、全てがわかった。
私の家族はみんな、この人たちに殺されちゃったってことが。
だから、私は、集まってきた黒い影たちの手を借りて、私の家族を誹謗中傷していた人たちをみーんな…って話してるうちにそのみんなが動かなくなっちゃった。笑
あれは、わたしがまだ小学生の頃でした。
父に連れられて、親戚の所有する山へ遊びに出たのでした。
父と親戚の伯父さんとは、山の中腹ほどに位置する山小屋まで来ると、そのままガチャガチャと山菜採りの支度をし始めました。
わたしは父に言われて渋々来た次第でしたから、山菜採りには何の興味もありませんでした。
ですから、わたしは父や伯父が散策している辺りからは離れて――目立つように赤い服を着せられてはいましたが、山はわりあい開けていて、砂利の敷かれた道もあり、迷うことはなさそうでした――少し奥の方に行ってみることにしました。
歩いて行くと、いよいよ新緑の葉の色がまばやかに見えてきます。わたしは、砂利道から逸れて、藪の中へと踏み入りました。
なんだかとてもいい匂いがしたのです。焼けた肉のような、それへ醤油か何かを絡めたような、大雑把に言って家庭料理にありがちな匂い、昔どこかで食べたことのあるような匂いが、藪の向こうの方から漂って来たのです。
わたしは、匂いの筋――もちろん、実際には見えませんが、この時は見えるような気がしたのです――を辿って行きました。
藪を踏み分けて進んで行くと、小さな小屋が建っていました。今にも崩れそうで、窓は完全に外れてしまっています。しばらく身を屈めて、様子をみたのですが、人の気配はありませんでした。
しかし、確かにあの匂いは、その小屋から漂って来ています。わたしは、慎重に慎重を重ねて、窓だった穴から小屋の中を覗き込みました。中は雑然としています。中央にはダイニングテーブルがあり、卓上には――やっぱり!――美味しそうなステーキが置かれているではありませんか。
わたしは小屋の中へと駆け込んで、皿の前に立ちました。逡巡しながら、何度も唾を飲みました。どうせ今日の晩御飯は山菜料理でしょうから。
わたしは意を決して、その肉を食べました。食べてしまったのです。それはそれは美味しい肉でした。意地汚いことですが、もっと食べたいと思いました。
小屋の棚など漁ってもみましたが、目ぼしいものは何もありません。思えば、手入れのほとんどされていないながらも、猟師小屋か何かだったのかもしれません。
せめて、もう一切れでも。諦め悪く小屋を漁っていると、遠くの方から足音が聞こえました。わたしは慌てて小屋を飛び出すと、一目散に、元来た道を戻りました。遠くの方から、諫めるような、怒鳴るような恐ろしいがしていました。
こうした出来事は、誰にも言いませんでした。怖くもあり、後ろめたくもあり、それに独り占めしたいという下心もまたありましたから。
あれから二十年も経ったでしょうか。
あの肉の味が忘れられず、それはわたしの人生全てに降りかかった一種の呪いのようになっていました。どんな肉を食べても、ゴム切れを食べたような虚しさしか感じられません。――あぁ!!
何の冥助でしょう。伯父の不幸の報せを聞いて、一つの閃きを得たのです。
わたしは、果たして意味があるのかは判りませんでしたが、ともかくも手掛かりを求めて、とうとうあの小屋へ再び行くことに決めました。
間もなく、車を走らせ、あの山へと向かいました。それから、薄ぼんやりとした記憶を頼りに小径を歩きます。
――ありました!
あの小屋です。かつての姿を留めて――つまりは今にも崩れそうなままの姿で建っていました。
しかし、当たり前かもしれませんが、どこにも匂いは漂っていません。わたしには小屋へ行けば、あの匂いがしているはずだという不思議な予感があったのですが、見当違いでしょうか。
わたしは、不安と苛立ちが混じった、非常に昂った神経に促されるまま、足許に落ちた枝葉を強く踏みしめて、早足に歩きました。枝の折れる音とわたしの怒声が静けさを打ち破っていきます。
小屋の入口に着くと、驚くべきことに人の気配がありました。しかし、わたしは興奮した手を扉に掛けました。
勢いよく扉を開けると、そこにはよく見知った幼い顔が――余りにも見知った、赤い服を着た子供の姿がありました。驚いたような、怯えたような表情でわたしを見つめています。
一方で、手にはフォークを持って、顎は何かを咀嚼しているではありませんか。よく見れば、ナイフで切られたのでしょう。テーブルには食べかけの肉が数片残っています。
何とも旨そうじゃありませんか。
それから、わたしは――食べました。
食べてしまったのです。
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逃れられない呪縛
逃れられない呪縛
世界はキタナイ色に染まっている。
人は助け合い、喜びを分かち合う時もあれば、
他の者を貶め憎しみ合う。
まるでいろんな色で塗りつぶされた紙屑のように。
どうしたって人間というやつはそういった呪縛から逃れられそうにない。
唯一、逃れられるとしたらお綺麗な聖人だの、
莫迦みたいに品行方正でいようとする役人、
死んだように任務を遂行する奴らくらいだろうか。
酒を飲みながらオレは思う。
こんな絶望的な状況でどうにかこうにかしようとすることが間違いなのだ。
唯一残った人類の希望の国。
表面上では明るく過ごしている者も皮の下ではどろどろとした汚いナニカで詰まっている。
上のやつらの大半は金や自分のヨクボウが大事なナニカだ。
そんな国を救って何になる?任務なんてクソ喰らえ。
飲みながら意識が暗闇のナカに飲み込まれていった。
逃げられない呪縛
「宿題したの!?」
「部屋片付けなさい!」
いつもいつもうるさい家族
もうイヤ、うんざりする…
私がつらいとき、不安なとき、そばにいてくれる人は
いつもうるさい家族
私が間違った選択をしたとき、しっかり叱ってくれるのは
いつもうるさい家族
私は今日も家族という呪縛から逃れられずに取り憑かれてる
【逃れられない呪縛】
サボってる時、休んでる時、やる気が出ない時などに、
「勉強しないと」
「はやく寝ないと」
「節約しないと」
そんな考えが脳裏をよぎることがあるのはなぜだろう。
モンブラコン*
番外編~~~~~~~『逃れられない呪縛』
目が覚めたら、小さなオナゴが、体にしがみついていた。
両手、両足、尻尾で、それはそれはガッチリと。
少しでも動かそうものなら、力が入り、体のなかで木の枝でも折れた様な音がした。
重い重い鈍痛。息も…おや?呼吸せんでもええらしい、この身体。
オラの頭は空っぽだった、自分が誰だか解らない。
こんな状況にも、妙に焦りがなくて。
オナゴを振り払う気になれんくて。振り払えば解放されるが、オナゴを傷つけてまう、それだけは絶対に有り得んくて。
このオナゴが異様にかわええ、のもあるんでが、オナゴはずっと怯えて震えてて、なぜかオラと離れることが嫌な様で。
そうだ、オナゴを安心させねば。
「……っ…」
息に、音が、乗らない。
発声の仕方は知っているんに、喉が鳴らない。
これには参った。
何せ、手足を動かせない状態で…尻尾!オラの尻尾……も、動かせん。撫でてやることも出来ん…参った。
安心させてやりたいんに。
微かに動かせる指で、オナゴを僅かに擦る。
何日も…何ヵ月も…おそらく山ん中、岩穴ん中で。
いつしか腕だけ動かせる様になって、オナゴの頭を撫でることが出来た。
その次は両手、オナゴを抱き締めることが出来た。
やっと全身解放された。
オラがどこにも行かないかと、オナゴはジィと見つめているもんで、オナゴを抱き上げてみた。
「ふへへっ」
初めてオナゴの声を聴いた。
それを、ずっと聴きたかった気がすた。
私たち人間は「死」という呪縛から
決して逃れることができない。
故に誰もが「死」を認識し、恐怖する
「だったら死神は【死】を恐れるのか?」
「さぁ、どうだろうね」
隣の死神はニヤリと笑った
好きな人の言葉ってのはある意味呪いをかけられたように、ずっと残り心を揺さぶる。
「良いんだが悪いんだか、、、」
でもこんなことを思うのは君だけ。
もういっそのこと守護霊とかにでもしてくれよ。
いやダメだろって笑
今日も全然私の方が好きで、
君が好きだと言うポニーテールで。
いつか振り向いてもらえるように
視線を送って、、、いやこれじゃ本当にオバケみたい笑
頑張って話しかけよっ
眠そうに、怠そうに、そして無気力そうに眠る君の横顔をじっと見詰めていた。
嗚呼 駄目だ。御弁当を置いたら直ぐにサヨナラをしないといけないのに、ついつい君の美しい寝顔に見惚れてしまうのだから困ったものだ。
「まだ眠っているのね 、寝坊助さん。早く起きないからこうなっちゃうんじゃない 」
少し不細工なぬいぐるみを抱き締め乍眠る貴方に上記を述べた私は、御弁当と御手紙を置いて●●回目のさよならを再び告げた。
私は彼女のストーカー。
彼女に迷惑をかけているのは分かってる!でも、いっつも、毎日、⋯忘れられないの。
あの日、微笑みかけてくれた貴方を。
 ̄ ̄
刺咲 絞憂 です。
読み方は「ササキ シボウ」 。
意味は御座いません。
不穏なストーカーの物語を
書いていきたいです。