彼岸花

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テーマ「逃れられない呪縛」

小学生の頃に同じクラスだった男の子から「お前なんて居ても居なくても変わらない」と言われたことがずっと忘れられないでいる。

イジメのターゲットにされていた私は毎日学校に行きたくないと毎日思っていたが行かないで怒られるのも面倒で頑張って行っていた。
それは中学まで続き、高校になってからはピタリと止んだ。
やっと平穏な日々が始まると思ったが学校行事では誰かと居なくてはいけないのでとても面倒で憂鬱だった。

そんなコミュ障の私でも何とか高校を卒業し就職をした。

部活をしていた為、バイト禁止で働いた経験が無かった私は毎日覚えることが沢山あって大変だった。
それでも時間に追われる生活だったから何とかこなし、毎日代わり映えの無い日々を過ごした。

勤務時間が終わり、帰る準備をしようと更衣室に入ろうとしたところベテランの先輩達が私の事を話していた。

「ねぇ〜新しく入ったあの子…一生懸命やってるのは分かるけど覚えるの遅いわよね…?
こっちの仕事が増えて嫌になるわ」

「ほんとよね…あの子が居ない日の方が仕事早く終わるし」

「若いから上も入れたんだと思うけどあんな子居ても居なくても変わらないわよね」

クスクスと笑う先輩達の声を聴いてしまい、中に入る事が出来なかった。

しばらくして部屋から出てきた先輩達が居なくなるのを待って更衣室に入った。

「昔、あいつに言われた言葉…もう聞かなくて済むと思ったのにここでも言われるなんて…最悪」


どこに行っても言葉の呪縛からは逃れられない。
誰か私を必要としてくれる人は現れるのだろうか?

5/24/2023, 11:13:09 AM