『視線の先には』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
視線の先には
真夏の蒸し暑いきょうしつで、黒板の音だけが聞こえる5時間目の憂鬱。
人見知りの僕はクラスでも一際目を引く、黒髪の綺麗な斎藤あすみさんとまだ一度も話せないでいる。
こんな僕だから、何きっかけで話しかけて良いかも、全く想像できない。
時々自分がなさけなくなる。
先日席替えをしたばかりで、斜め右端の席には憧れの斎藤さんが座っている。
授業もそっちのけで、僕の視線の先には後ろ姿の斎藤さんが今日もきちんとノートを取っていた。
休み時間クラスでも目立つ、イケてる男子の蓮見蓮が、「お前授業中斎藤の方ばっか見てるよな!」
僕は恥ずかしくなって、顔を赤らめ下を俯いた。
聞こえている…絶対に斎藤さんに聞こえている。
恐る恐る顔を上げた視線の先には、にっこりほほえむ彼女がいた。
「別にいいよ。ガン見してくる訳じゃないし。」
優しい。彼女はそれからずっと僕の中で神となった。
相変わらず、何も話しかけられない僕だけど。
汗ばんだシャツの中を爽やかな風が通った気がした、17の夏。
「暑いね〜」
そう言って団扇の代わりにハンディファンの風を受ける君。白地に青や水色の大きな花柄が散りばめられた浴衣に、藍色の帯を締めていた。
熱って赤みが差した丸い頬。汗でしっとり濡れている前髪。風でゆらゆら揺れる後毛。汗の粒が伝う白いうなじ。
ゴクリ、と僕の喉がなった。
『視線の先には』
視線の先にはずぶ濡れ猫
道路の端に踞り
毛並みは不揃い目は開けぬ
「息を止めて見つめる先には
長いまつげが揺れてる」
aikoのカブトムシ、2番の歌詞より
視線の先には、から
頭に浮かんだフレーズ
心には、その先の歌詞が浮かぶ
先日、「チ。」という漫画の第1巻を読んだ。
少年の瞳が捉えていた宇宙、
その瞳は宇宙に見えた。
彼ひとりではない。
これまでの彼のように
疑っては信じたいを繰り返す
感動するもの、
その先が映す世界
段違いになっているから
二階の窓からは裏の家の屋根が見える。
方形屋根のてっぺんに
鮮やかなイソヒヨドリが姿勢よくいる。
「視線の先には」
『視線の先には』
「あら、これは何かしら」
倉庫の片付けをしていた悪役令嬢は、
埃にまみれた箱の中から一枚のDVDを見つけた。
黒塗りされたパッケージには
『死霊の盆踊り』と赤い文字で書かれている。
気になった悪役令嬢は
魔術師に相談してみる事にした。
「ふむ、これは興味深い代物ですね。面白そう
じゃありませんか。ぜひ皆で見ましょう!」
魔術師の一声によって、
悪役令嬢の屋敷で鑑賞会が始まった。
カーテンを閉めきった涼しい室内には、
バターの香りが漂うポップコーンとコーラ
ふかふかのクッションとソファが用意され、
オシャレなシアタールームの完成だ。
悪役令嬢、魔術師、執事のセバスチャン、
メイドのベッキーの四人は期待と不安が
入り交じった表情でゴクリと息を飲む。
イービルアイのプロジェクターにより
壁に映像が映し出された。
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(何ですのこれは、クソつまんねーですわ!)
映画の内容は、死霊と名乗る女性たちが
延々と踊り続ける意味不明なものだった。
ちらりと他の者たちの様子を伺う悪役令嬢。
セバスチャンは礼儀正しく座っているものの、
明らかに寝ている。
ベッキーは目を擦りながら睡魔と戦っている。
魔術師は目を爛々と輝かせながら、
映画に魅入っていた。
ようやく映画は終わり、エンドロールに突入。
「私、人生の中でこれほどまでに
くだらないものを見たのは初めてですわ」
どっと疲れた悪役令嬢。
「いやあ、なかなか見応えがありましたね!
特に二番目に登場した女優さんが良かったです」
面白そうに感想を語る魔術師。
「ですね!女優さんたちが皆お綺麗で
ダンスが上手でした!」
頑張って褒めようとするベッキー。
「すみません、途中から寝てました」
ようやく起きたセバスチャン。
こうして映画鑑賞会は幕を閉じた。
「お嬢様!あれを見てください!」
突然、窓の外を指差すベッキー。
視線の先に広がっていた光景────
空には暗雲が立ち込め、なんと地面からは
朽ちた手が飛び出してきたではないか。
「な、な、な、一体全体
どうしたというのですか!」
「もしかするとあのDVDには、死霊を復活
させる呪いがかけられていたのかもしれません」
「なんですって!?」
魔術師の言葉に唖然とする悪役令嬢。
眠りから蘇った死霊たちが、呻き声を
上げながら悪役令嬢の屋敷に近づいてくる。
「主、戦闘準備を!」
悪役令嬢は扇子、セバスチャンはナイフ、
魔術師は杖、ベッキーはフライパンを手に持つ。
こうして死霊たちとの激しい攻防戦が
幕を開けたのである。
果たして彼らは無事に
この危機を乗り越えられるのか?
それとも────。
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ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙
🧟♂️🧟♀️🧟♂️🧟♀️🧟♂️🧟♀️🧟♂️🧟♀️🧟♂️🧟♀️🧟♂️🧟♀️🧟♂️
🏠👸🏻🐺🧙♂️👧⁉️
悪役令嬢の屋敷に死霊の大群が
襲いかかってきた!
腐敗した肉の臭気が風に乗って漂う中、
悪役令嬢たちはすぐさまバリケードを作り
魔術師が魔法の城壁を張り巡らさせる。
「一時的な防壁です。長くは持ちません」
「主、ベッキー。噛み付かれたり、
引っかかれないよう気をつけてください」
「もちのろんですわ!」
「了解です!」
悪役令嬢が扇子を持って舞うと、宙に木の杭が
幾重にも現れ、死霊たちの頭蓋骨を貫く。
「お嬢様、すごいです!」
「奴らには頭への攻撃が有効なようですね」
ベッキーが感嘆の声を上げ、セバスチャンが
鋭い眼光で死霊共を見据えた。
セバスチャンの放ったナイフが空気を
裂いて、次々と死霊の脳天に突き刺さる。
近づいてきた死霊相手には背後に回り込み、
首の骨をこきりと折る。
魔術師が杖を構えて呪文を唱えると、
死霊たちの周りに炎の壁が築き上げられた。
刃と化した火炎が屍たちを焼き尽くす光景は、
まるで地獄の業火のようだ。
「えいやっ!これでもくらえ!」
ベッキーがバリケードのすぐ側まで来ていた
死霊の頭をフライパンの底で力いっぱい叩き潰す。
「くっ、数が多すぎる」
次から次へ湧いてくる死霊たち。
倒しても倒してもキリがない。
「最後の手段ですわ。皆さん、私に続いて
この呪文を唱えてくださいまし」
悪役令嬢が呪文を唱え初め、
他の三人も声を合わせた。
「イワコデジマイワコデジマ、
ホンコワ・ゴジキリ!」
「カイ」「トウ」「ホウ」「ブ」
「ジャッキ・タイサン」
「「「「カーーーーッ!!!!」」」」
しゅわわわわああああ✨️✨️✨️✨️
眩い光が闇を払い、
死霊たちが天へ召されていく。
「死霊たちよ、安らかに眠りなさい」
夜が明け、四人は疲れた表情で朝日を眺めた。
「全く、なんて一日だったのかしら」
「予想外の展開でしたが、結果オーライという
ところでしょうか。皆さんお疲れ様でした」
「ともかく全員無事でよかった」
「ほっとしてまだ手の震えが……」
朝日に照らされた庭で、
淹れたてのコーヒーを飲む四人。
コーヒーの芳醇な香りが彼らを包み込む。
こうして死霊たちとの激しい闘いは
幕を閉じたのであった。
視線の先には
そんなに見つめちゃいけないって、
分かってるけど。
俺の視線の先にはいつも、
ある先輩がいる。
つい、目で追ってしまう、憧れの人。
ずっとずっと、先輩に憧れてた。
後輩として、偶に声を掛けて貰える。
それだけで、良かった。
叶わぬ恋だってことは、
初めから分かり切ってるし。
俺がずっと見つめてるなんて、
きっと、先輩は気が付いてないだろう。
皆が憧れる、素敵な人だから。
けど、先輩にとって俺は、
単なる後輩の一人だから。
そして。
俺は気が付いちゃったんだ。
先輩が切なげな笑みを浮かべたとき、
その視線の先には、
ある人がいるってことに。
俺の視線の先には、先輩がいて。
先輩の視線の先には、あの人がいて。
でも、俺には。
想い人の横顔を、静かに眺める先輩を、
遠くから見つめる事しか出来ないんだ。
『視線の先には』
スマホとモニタ。途中から保存されたトーク履歴。ナポレオンケーキに、解くのがダルい氷のパズル。
悪魔が落とした鏡の欠片が瞳に刺さって、私には見えないものばかりになってた。そんなことは言ってないし、そんなことは考えてない。私も相手も足りない何かを勝手に見つけて補完して、作り上げたのはその人の瞳にしか映らないその人だけの鏡面世界。同じ世界に立てなくなってて言葉も違って通じない。お互い相手に合わせてるつもりで、そんな相手はどこにもいない。思い込みの中の相手を見つめて全員カラカラ空回ってた。
届いたサムネ、はじめは一つも開かなかった。きっと揶揄うんだと嫌で怖くて嫌だった。歌に作品以上の意味なんかない。そう、意味なんかなかったから、流して見てたら欠片が融けた。正直どうかと思うやり方だけどね、あなたがしたならこうかは ばつぐんだ!だって、私たちはずっとそうやって遊んで過ごしてきたんだから。
君の視線はスマホに釘付け。
僕を構ってくれないで、株ばかりずっと見てる。
不貞腐れて、買ったばかりのネコちゃんのぬいぐるみを抱き寄せれば今度は君が不機嫌。
株を見るのをやめて、ぬいぐるみをどかして僕の膝に乗ってきた君は、満足したような笑みを浮かべて、僕の髪を撫でた。
やっと、君の視線を僕が独り占めできるらしい。
視線の先にはいつも、君がいる。
気がつけば目で追っている。
これが恋だと気づくのはまだ先の話。
私の視線の先にはいつもあなたがいる
高く笑う声,真っ直ぐと先を見つめる目,私と変わらない身長
何よりも全てが愛おしかった
でも貴方の視線は傾く。私じゃなく他の誰かに
貴方の視線を独り占めしたい。
そう思う事は貴方にとって重りになるのでしょうか
視線の先には、誰かのアパート、明るいコンビニ、曇った空。
隣に座ってたけど、見たのは2、3回だけだった。
小説に出てくるような、独り言のような、ぎこちない会話をして、アイスを食べて帰った。
アイスが溶けたらさようならをした。
またね、と言われた。
私の旅路:2
私の視線の先には、いつも傷付いた誰かがいる。
私は、小さい頃から誰かの為になりたいと日々精進していた、しかし、私が、直接助けを求めている人に手を差し伸べたら、いつも逆に不幸せな感情を抱かせてしまう。なぜなら、生れつき私は、脳に疾患があり、会話力や人の気持ちが理解出来ないからである。
まず、会話力である。今は、完治しているが疾患があった期間、皆が、友達や同僚と話せるよう。気軽な会話力を身に着けている間私は、疾患があるせいで身につけようとしても身につかないのである。そして、私が、完治した中学生の時に、仕事や責任を感じるようになり、接客や上司との会話を学ぶ。これは、私にも出来る。
そう、私は、気軽な会話ができないのである。おそらく、コミュ障と同じ現状と思うかもしれないが、全く違う。コミュ障は、緊張して人と話さない。つまり、話し方を知らないという訳ではない。
私の場合は、初心者が、英語で話す時に英語の構成が分からない。という状態と同じなのである。
次に、人の気持が理解出来ないから。というのは、幼い頃から疾患のせいで、人と接しても会話が噛み合わなかったり話が飛んだりするせいで、人とのコミュニケーションを躊躇っていたからである。 人は、人と接して初めてその人の性格や気持ちなどを理解できる。そして、お互いに、信頼をしたり恋をしたりする。反対に、嫌いになったり、犬猿の仲になったりする。こういう経験を積んで、一般的には、「こういう話し方をすると嫌われるんだな」と反省する。そして、大人への階段を一歩一歩歩んでいくのである。しかし、私には、そんな経験がない。
以上の2つの理由の結果私は、人に触れてしまえばその人は、絶対に傷ついてしまう。だから、私は、魔女なのだ。勘違いしないで頂きたいのだが、私は、このままでいいとは努努思っていない。いつの日か、人と気軽に話せるように常々精進しているつもりである。
視線の先には
君の長くて綺麗な髪
そよ風に誘われて
泳ぐように動いている
その光景が
なぜだかとても愛おしい
はしゃぐ枝毛が
私の心をくすぐっているようだ
「視線の先には」
あなたの視線の先にいられることがどれだけ幸せか
きっとあなたにはわからないよね
お願いその綺麗な瞳に 私以外をうつさないで
視線の先には
目の前のもの
或いは
そのずっと先にある未来か
いったい何を見つめているのだろう
視線の先には
その先に浮かぶのは
すべてのみ込んでくれそうな深い青緑
周りには自分以外それしかない
生きている
光を浴びて風を受けて温度を感じて
深呼吸をする
よし。またこの世界に没入するんだ!
視線の先には
遠い未来が見える。
なりたい自分
その途中の自分
その時々にいる周囲の人たち
大切な人たち
自分と周りの人を大切にしたい
視線の先にはいつもあなたがいた。
ずっと見てたから、周りの人にもバレバレで…。
今も脳裏に焼き付いている。
もう5年も会ってないけど、成人式で会えるのかな?
私の記憶のままのあなただったらきっとまた好きになってしまう。
甘くて苦い記憶として閉じ込めておくべき…?
今日は良い天気ですね、なんて汗一つかいていない爽やかな笑顔で言う君。
こちらは照りつける太陽に焼かれてミイラになってしまいそうだというのに、この暑さのなか悠然とした君が何だか恨めしく思えて。
私は柄にもなく往来で、此方ではごく一般的な挨拶をしてやった。
ギュウギュウと抱きしめれば流石に暑いのだろう、腕の中でモゾモゾと動く君の、日に焼けた肌に薄っすらと汗が滲んでくる。
心配そうに私の顔を見上げてくる君に「すみません、立ちくらみがして……」と白々しく囁けば、君がすぐ側の喫茶店を指差した。
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