「暑いね〜」 そう言って団扇の代わりにハンディファンの風を受ける君。白地に青や水色の大きな花柄が散りばめられた浴衣に、藍色の帯を締めていた。 熱って赤みが差した丸い頬。汗でしっとり濡れている前髪。風でゆらゆら揺れる後毛。汗の粒が伝う白いうなじ。 ゴクリ、と僕の喉がなった。『視線の先には』
7/19/2024, 8:36:58 PM