『視線の先には』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
視線の先には、いつもの君がいた。
居るのが当たり前で、楽しそうに笑っている姿に自然と笑顔になれた。
君と居るのことが幸せで、代え難い時間だった。
そんな君の穏やかな微笑みを浮かべている姿に、初めて涙がこぼれた。
あの頃よりも増えた目尻のシワは幸せの証
そう話した優しい声も、笑う時に手を口元に持っていく仕草ももう見れない。
「君はズルいな、そんな幸せそうに微笑まれたら怒れないじゃないか…」
君の微笑みから伝わってくる様々言葉…
そのすべてを受け取った今だからこそ、約束していた言葉を君に紡ぐよ
「ありがとう。また、迎えに行くからね。」
【視線の先には】
お題「視線の先には」(雑記)(途中投稿)
昔バラエティ番組で、各地にある銅像が見ている先には何があるのか、を調べていたのを思い出した。
(番組名失念)
出て来た銅像は北海道だかのクラーク博士ぐらいしか覚えていないし、そんなにびっくりするような内容もなかったけども。(ビルの屋上にある広告看板とかそんなの)
たまには特定の方向を見るように、と企画する人がいても良いと思う。
まあ歴史に残る偉人たちが見ているのは、未来とか海の向こうに広がる世界とかなのかもしれないけど。
とか書いてみてから、青山剛昌の出身地にある(はず。設置の時に取り上げられていたのを見ただけ)工藤新一の銅像は蘭を待っている設定なのか、柱に背中を預けて腕時計を見ているなと思い出した。
みんな携帯ばかり見ている、とうるさい人がいるけど、携帯を空に向けている人がいるから、とそちらを見たら虹が出ていたり日食だったりという事もあるからたまには良い事もある、と言いたくなる。
……某百貨店の近くから出ていた、細い緑色の光の筋は何だったんだろう……。
空を映した瞳の色。
見上げたきみは、ほほ笑みながらもどこか寂しそう。
その視線の先で、ひとすじの雲が流れていく。
その視線の先に誰がいるのか、そしてその視線にどんな意味があるのか、誰もが気付いていたと思います。
いえ、そういった心の機微が分からない者もいたかも知れません。けれどそれはまだ年若い、自分の栄達と野心に燃えている者特有の視野狭窄によるものでしょう。いずれ彼等も気付いたのではないかと思います。
その視線の意味に気付いた者達はみな一様に苦悩しました。男も、女も。
彼に憧れ、彼に恋をし、彼に心を奪われた者すべてが、その日自分の一部が欠けてしまったことを思い知らされたのです。彼を憎むことが出来たらどんなに良かったか。憎むことも、恨むことも、忘れることも出来ないからこそ、彼自身だけでなく全てのものが苦しんだのでした。
結末は、ご存知の通りです。
残ったのは、焦土と化した王国でした。
END
「視線の先には」
ポツ… 何かが頬で弾けた
?
道ゆく人が空を見上げる
視線の先に黒い雲
アスファルトに
たちまち広がる水玉もよう
雨のにおい
ヒュッと吹きぬける強い風
駅まであとちょっと
開きはじめる傘の間を抜け 走る
「視線の先には」
#467
「視線の先には、果てしない虚無が広がり、希望の光が見えないこともある。どれだけ努力しても報われず、絶望だけが心に残る日もあるのだ。だがしかし、その絶望の中でさえ、一筋の光が現れる瞬間がある。その光を信じ続けることで、暗闇を乗り越え、新たな未来への道が開かれるのだ。」
「君は決してこちらを見ない」
君が誰を見ているのかなんて、初めからわかっていた。
そんなヤツやめとけ。
そう言えたらいいのに。
悔しいことに、そんなこと言えないほど、あいつはいいヤツなのだ。
しかも、あいつも君のことをいつも見ている。
入り込める隙間など無いし、入り込もうとも思わない。
いい加減もう諦めてしまいたいのに、なぜ君から目を離せないのだろう。
そして、君が振られることを願ってしまう。
こんな人の不幸を願うようなヤツが、君の視界に入るわけないのに。
────視線の先には
『ようこそ。生者の未来を記す図書館、生人図書館へ。何をお求めかい?』
「いつも僕を虐めてくるあいつの、未来が知りたい。」
『知ってどうする?より惨めになるかもよ。』
「どうするかは、知った後に考えるよ。」
『喰えないね〜。先に言っとくが、未来はコロコロ変わる。見た内容が、本当かは分からない。』
「分かったよ。」
『お前を虐めてる奴は、結果から言えば成功者となる。』
「…世界って、不公平だね。」
『そうだな。でも、俺はこの世が好きだな。不公平だからこそ、自分の欲を解消できるってもんよ。』
「そうかな。そうかもね。」
『おい、どこに行く気だ?』
「どこって、帰るんだけど。」
『何言ってるんだ?ここからが本題だろ。』
「何だよ?」
『復讐だよ。とりあえず、今までの借りを返そうか。』
「そんな事しても意味がない。それに、そんな事して僕が捕まったらどうすんだよ。」
『じゃあこのまま、惨めな姿で生きるか?それも面白いかもな。』
「何が言いたい?」
『どっちに転ぼうが、お前の未来は暗闇だ。それならば、この世の不公平さを叫びながらが良いだろ?』
『視線の先に暗闇しか見えなくても、お前は前に進めるか?お前の復讐という喜劇の物語を読みながら、本日もお待ちしてます。』
君しか見えない僕は
君の視線の先を知らない_
【視線の先には】
この前…
後ろから声が…
振り向くこともなく…
みーちゃん♪
俺はトレーニング後で…
ヘロヘロ😵🌀
カッコ悪いかもと…
あんまり眼を合わさなかった…
みーちゃんは出社へ
俺は家事たくさん…(笑)
けっこう気持ちやられてて…
みーちゃん♪って…
気持ちの中で
ビージーズの
愛はきらめきの中に
を歌ったよ
朝から声にしてたら…
ゴミ出しお婆ちゃん衆に囲まれて…
近所中の噂にされて…
ハイカラだとか?
仏壇の前でもとか言われそうで…(笑)
余計な言葉は浮かぶんだ…
笑顔が見たいから…
でも肝心な言葉が浮かんでも…
その一言が…
どうしても…どうしても…
声にならないんだよ…
目の前にみーちゃん居るのに…
言葉にならないんだよ…
わかってるのに…
今もこんなに切ないのに…
たった一言言えばいいのに…
明日は…
明日こそは…
きっと…
世間知らずだった少年時代から
自分だけを信じてきたけど
心ある人の支えの中で…
何とか生きてる今の僕で…
弱音晒したり愚痴を溢したり
人の痛みを
見て見ない降りをしたり
幸せすぎて大切な事が
わかりづらい現代だから
ウソや矛盾を両手に抱え
それも人だよと笑えるの
愛すべき人よ!君に会いたい!
何を犠牲にしても守るべきものは1つ
君なんだよ!
いつでも君なんだよ!
気がついたら、知らない場所にいた。
ここどこだろ?まさか最近話題の漫画みたいな異世界転移というやつか?
そんな事を考えながら、知ってる道がないかとふらふらとさまよい歩く
数時間ほど歩き続け、人が住んでいそうな小屋を見つけた。
俺は帰り道を知らないか尋ねるためにその小屋に向かった。
「誰かいませんか?」
「おや?こんな所に客人とは珍しい、どうかしたのかい?」
小屋の扉が開き、声の主が現れる
「えっ?」
視線の先には、俺と同じ顔をした男が立っていた
(現パロ、モブ視点)
俺の友達の名前は『フォルテ』という。もちろん本名じゃない、そういうあだ名だ。
そんな俺の友人フォルテは、いつも四限が終わって三学年だから帰れるはずなのに、わざわざ弁当もってまで残って勉強をしている。
いつもは付き合わない。勉強するのもめんどくさいし、そもそも残るために昼飯買うのもめんどい。
でもその日は、どうしても明日頑張らなきゃいけない小テストと課題があって、家ではどうも集中力できないからと、仕方なく残ることにした。
「ってことで、一緒に勉強していいか」
下の学年なら昼休みと呼べる時間帯も残り十分となった頃、俺はフォルテに声をかけた。
「……一緒にいてもいいけど、僕は次の時間は勉強しないよ」
「しないのかよ。じゃあなんでいつも残ってんだ?
「いや、いつもはしてる。ただ、今日の曜日はしないだけ。一週間のご褒美って感じかな」
そう言って笑った。
チャイムが鳴って五限が始まる。フォルテは窓の外を見つめ始めた。
俺らの教室の窓からは校庭が見える。どうやら二年のクラスが体育のようで外で集まってラジオ体操をしている。
そのうちの一人に向かって、まるで愛おしいものでも見るかのような視線をフォルテは送っていた。
「……好きなやつでもいんの?」
「いるよ。とても好きな子」
俺の方なんか目もくれずに彼はそう言った。
一時間、彼は見続けたあと、チャイムがなって五限が終わったと同時に流れるような速度でテキストとノートを取り出して勉強を始めた。
俺は、クールなフォルテがあんな優しい笑顔をすることに驚いて全く勉強に手がつかなかった。
視線の先には
つい、君の姿を探してしまう…もう、ストーカーと云われても、仕方無い位に…あの日、偶々鍵を落として探していたところに、通り掛かったあなたは、直に一緒に探してくれたね…随時遅く迄、探してくれて、漸く見つけてくれて…何かお礼したくて、でも、君は、お互い様だからと云って、帰って行ったね…優しくて、さり気なくて…そんな君に、あっと言う間に、恋に落ちて…
視線の先に映るのはいつも私じゃなかった。
「あのね、今日学校のリレーでね。」
「ふーん。よかったわねー。」
私の母は言葉は返してくれるが目線はスマホにあった。お気に入りのアイドルとか、コスメとか、好きな人のことで忙しかった。
「あのね、給食のピーマン食べられたよ。」
「おー。」
私の父は褒めてはくれなかった。反応をするだけ。目線はパソコンにあった。仕事で忙しい人だった。
私は、とにかく誰かの視線の先に居たかった。誰かの瞳に映りたかった。だから、とにかく頑張って勉強をして有名な学校に入ったり、賞状を取ったりとしたが、だんだんとそれが当たり前になっていき、逆に落ちてしまったときに怒られるようになった。
私は一人で頑張れる。そういう風に先生たちも思ったらしい。「貴方は一人でも大丈夫よね。」そんな風に言われて、学校の中の問題を抱える子たちを見ることがほとんどだった。
誰も見てくれない。誰も褒めてくれない。私は誰かの視線の先に居ることが出来ない。
だから、死んだんだ。死んだら見てもらえると思ったから。私の抜け殻を。私の仏壇を。私のお墓を。
最初の頃は皆見てくれていた。泣いて、生きていた頃の私をたくさん褒めてくれた。「頑張ったね。」とか「気づいてあげられなくてごめんね。」とか。
けど、だんだんと皆私のことを見なくなっていった。悲しみも涙と一緒に流れてしまうらしい。
唯一見てくれたのは親友だけ。親友は常に私を見てくれていた。賞状を受け取るときも、成績を公開されたときも、私が飛び降りたときも。
そして、私が地縛霊になった今でも。
No.23 _視線の先には_
視線の先には
怯えるように虚空を見つめる君
その視線の先には僕には何も見えなかった
あの時君は何を見ていたの?
何を感じていたの?
今となっては何もわからない
だけど今、もういないはずの君に導かれて
僕はここへ来たんだ
姿は見えないのに、確かに感じる君のこと
僕はあの時の答えを求めて
気配だけで呼ぶ君に着いてきた
かくして
僕の視線の先には
あの時の答えがはっきりと見えていた
視線の先には、カレンダーがある。
土曜日、日曜日、月曜日。
楽しい三連休はあっという間に通り過ぎ、またやってくる土曜日、日曜日…月曜日。
私が先程から穴が空くほど見ているのは、日曜日だ。
ここのところずっと行くか行くまいか決めかねている、飲食系のイベントが日曜日に某所である。
参加したい気持ちがあるのだから、心の赴くままに参加すれば良い。
気持ちを優先するならば、その通りである。
しかし、事はそう単純ではなく──心軽く参加を決められないのには、2つほど理由がある。
まず、小麦を接種すると肌に吹き出物ができてしまうという体質の問題だ。
今回、私が食べたいと思っているものは、小麦が使われている。
食べたいという気持ちを叶えることは可能だが、食べたら薬を飲まなくてはいけない。
そこまでして、食べたいという気持ちを満たすべきか否か。これが1つ目の問題だ。
第2の問題は、日付だ。
日曜日の次の日、月曜日は普通に朝から仕事がある。
出かけた次の日は、休まないと疲労が抜けない私にとって、日曜日のイベントはなかなかにハードルが高い。
普通に考えれば「見送る」が妥当なのだろう。
しかし、食べてみたいという感情の発露を潰してよいものだろうか。
一度きりの人生、好奇心があるものは体験すべきなのではないだろうか。
吹き出物の問題は、一時の我慢でなんとかなるだろう。薬を飲んで、以後小麦の摂取をしないようにすればなんとかなる。
やはり問題は、曜日だ。
…土曜日だったなら良いのに…或いは、月曜日も休みだったなら何の問題もないのに…。
視線の先にあるカレンダーは黙したまま、通常の休みを掲示している。
…仕事で疲れた今日は、決断出来そうにもない。
疲れていると、まともな判断は出来ないものだ。
仕方ない、仕方ない。
明日の自分に託すとしよう。
明日の自分、決断よろしく。
…何処からか「疲労を言い訳に決断を先延ばしにするなっ!!!!」という怒声が聞こえてきた気がするが、多分気の所為だろう。
(視線の先には。)🦜
あのね。
先日に
余りの
暑さに、耐えかねて、
(娘雀しゃんと
水辺に
水浴びしたんだね。)
・そしたら
青サギしゃんが
羽根を合わせて
(念仏修行)
して居るみたい
なんだよ。🦜
《感心して
仏様の名前を、
そっと
聴いてみたら、》
[ ・鰯。・鰤。・鯉。。]
皆、魚なんだよ。🦜
「つまり、🦜 お腹が空いて
魚を、食べたい
一身だけだったんだね。」🦜
【断食修行、は
大変な事なんだね。】
→クリィムソーダ
あの日の思い出。
視線の先に、
クリィムソーダふたつ、そして彼。
美味しいねって飲んだよね。
いつか一緒にこんな色の海に行こうよ、なんて盛り上がって。
スマホをグラスに近づけて海っぽく見える写真撮ったよね。楽しかったな。
私ね、あれから何度も夢に見たよ。
碧色ソーダの海とアイスクリームの大きな雲に囲まれて、あなたと豪華なホテルに泊まる夢。
結局、大シケで辿り着けなかったけど。
嵐の後は晴天とか言うけど、ホントかな?
あなたを思い出してまだ泣いちゃうよ。
あの日とおんなじ席に座って、
視線の先には、
クリィムソーダがひとつだけ。
飲んでも美味しいと思わなかった。
炭酸が喉でプチプチ
お店はザワザワ
みんな楽しそうだね。
私だけ、テーブルにひとり。
テーマ; 視線の先には
【視線の先には】*42*
いつもあなたが…
こんな気持ちは高校生の時が1番あったかなぁ
正直今は気になる、くらいはあっても
いつも視線の先にって感覚はなくなってる
ときめき度薄れてきてるのかな
なんかちょっと寂しい気も笑
姿を見たら目が離せなくなっちゃう
気づいたら目で追ってる
こんな気持ちにさせてくれる人、あらわれないかな♪
ちょっと角度を変えるとストーカーっぽくもあるけど笑
俺がサボりから戻ると、教室に行くと誰もいなかった。
移動教室?とも思ったが、今は昼休憩の時間で教室。
皆は弁当を食べているはずだ。
けれど教室にいるはずの皆は、どこにもいなかった
俺がサボっている間、何が起こったのだろうか。
まさか俺みたいに、『面倒くさくなったから帰る』と言った不良ばかりでもあるまい。
ふとあることに気づく。
他の教室も、人の気配がしないのだ。
隣のクラスを恐る恐る覗いてみるが、誰もいない……
念のためにさらに隣の教室を覗いてみるが、やはり誰もいない……
この調子で行けば、他の学年も教室には誰もいないだろう……
誰もいない学校というのは、まるで異世界のようだ。
まるで世界に自分だけが取り残されたような錯覚を覚える……
俺に起こっている異常事態に、気が狂いそうだ!
なんとか『ここは現実世界だ』と自分に言い聞かせて、正気を保つ。
そうでもしなければ、俺はどうにかなってしまいそうだった。
俺は一度深呼吸し、何をすべきかを考える。
学校で何かが起こったのは間違いない。
けれど自分のちっぽけな頭では、何をすべきか何も分からなかった……
大人を頼る?
でも大人を頼るのは、
こういう時はどうすれば……
その時後ろから誰かの足音が聞こえてきた。
「桐野か?」
俺の名前を嫌そうに呼ぶ声の主、それは生活指導のコバセンだった。
不良の俺を目の敵にする、頼りたくない大人の筆頭だ……
けれど、背に腹は抱えられない。
俺は皆に何が起こったかは知る必要がある。
恥を忍んでコバセンに聞く。
「コバセン、皆いないんだけど何か知ってる?」
「小林先生と呼べ!
まったくおまえと来たら……
他の生徒は帰ったぞ」
「帰った!?
何で?」
「何でって、今日は終業式だからな」
終業式?
俺は唖然とする。
事件が起こったと思ったら、下校しただけだったとは……
俺は恥ずかしさのあまり、火を吹きそうなほど顔が熱くなる。
「大方朝からサボって気づかなかったな?
どうせ、HRでも話聞いてないんだろ?
いつもサボっているからこうなる」
コバセンの、俺を馬鹿にするような言動に腹が立つも、まったくの事実なので言い返せない。
畜生、よりにもよってコバセンの前で恥をかくとは。
俺もついてない。
「コバセン、じゃあな」
授業がないのなら、ここにいる必要はない。
俺は踵を返して、げた箱に向かう。
こういうのは寝て忘れるに限る
「待て、桐野」
だが、なぜかコバセンに呼び止められる。
そんなにコバセンって呼ばれるのが嫌いなのか?
「おまえは居残りだ」
「はあ、居残り?
なんで自分だけ?
皆帰ったんなら、俺も帰るよ」
なんだよ、居残りって。
説教はゴメンだ。
「お前、サボりすぎなんだよ。
すでに出席日数は足りてない。
補習を受けないと進級できん」
「……マジ?」
「大マジだ」
ギリギリ進級できるよう出席日数を計算したのだが、計算をミスったらしい。
やってしまった。
「というわけで補習を受けてもらう。
拒否権はない」
コバセンはジリジリと、俺に近づいてくる。
いつものムカつく仏頂面も、今日だけは恐怖を覚えてしまう。
「桐野、じつは俺はお前を探していてな。
げた箱に靴があるから、まだ学内にいると思って教師陣総出で捜索していたんだ」
「そ、そうなんだ。
でも俺、今日用事あっから」
「逃げても無駄だぞ」
俺がコバセンから逃げようと振り向くと、そこには数学のサトーと英語のスズキが、逃げ道を塞ぐように廊下に立っていた。
「桐野、もう一度言うぞ。
お前に拒否権はない。
親御さんからも了解は取っている」
コバセンの方に振り向くと、コバセンの後ろにはさらに教師が増えていた。
完全に囲まれ、蒙逃げられないことを悟る。
「待ってくれ。
他にも出席日数ヤバイヤツいるだろ?
なんで自分だけ……」
「安心しろ、他のやつらはすでに捕獲済みだ。
大人しく補習を受けろ。
力ずくでも受けさせてやる。
自分だけは逃げられるとは思わないことだな」