『蝶よ花よ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
蝶よ花よと育てた我が子は、気付いたら大人になってた。
抱っこして公園を散歩していた日々は、もう戻らない。
切ないけど、成長してるってことだもんな。
無事にここまで育ってくれたことに感謝してるし、これからも思うように生きていって欲しい。
蝶のように、花のように、外見の美しさとともに、心のうちまで美しく…いられない時もあるだろう。
人には心があるから、その翳りはきっと外見にも現れる。
だけど、それはお互い様。
そこを認め合って、支え合って、ともに前に進んでゆくパートナーを見つけて欲しい。
…いや、まだいい。
でも、いずれは…いや、まだ当分はいいか。
…ん?もういたりする?
嘘でしょ?…いや、知らんけど。
蝶が花に吸い寄せられた
花が蝶を吸い寄せた?
蝶と花は笑うのだ
「きみはまったくきれいだ」と蝶はいう
「ありがとう、あなたが止まってくれるほど綺麗であれてよかったわ」と笑う花
蝶よ花よ
互いを呼び合う為にいう
蝶よ花よ
※蝶よ花よ
育ちが違う、そう思った。
美しい所作。目を引くかんばせ。器量も良い。
私のような小商いの娘とは存在感が違った。
「あの様なお方こそ、蝶よ花よと育てられたのかな」
御用聞きを終え、隣を歩く父にそう聞く。
父はくくっ、と喉を鳴らした。
「花魁の出てあるあの嫁子が、蝶よ花よと育てられているわけがないだろう。むしろ毒を含む花の中で、一番に強かな毒蝶であろうがな」
【書く練習】
本日は動悸が止まらないので、書く練習はお休みします
テレビ見てたら何だが落ち着かなくて、動悸がしてきた
すぐ収まるだろうと思っていたら、あれこれ不安なことが思い浮かんできて、考えが止められなくなった
理由がわからないのが不安だ
薬飲んで休もうと思う
蝶よ花よ
舞い踊れ
短き生を
我がままに
踊り狂えば
朽ちてゆく
影の底へ
落ちてゆく
#蝶よ花よ
美しい君には、花よ蝶よと都合のいい言葉を並べる意地汚い芋虫が集まる。
君は純粋の権化みたいな人だから、
芋虫を疑おうともしない。
太陽のように笑って、海と空よりも広い大きな器でそんな奴らも包み込む。
でもね、僕知ってるんだよ
君が本当は地面を這いつくばる芋虫にすらも
嫌われたくないから、あんな態度をしてるって。
世界中の誰からも愛される、なんてことは出来ない事を君は重々理解しているのに。
二人が討たれた、と聞かされた時は動揺した
悟られないよう
硬く唇を縛り、目をつり上げ、大したこと無いよ、と憮然とした表情で少し顎を引く
本当は胸の奥まで動悸し血の気が引いて
返事の仕草を返すのがやっとであった
でも最期まで諦めない
私は幼い頃からぶっきらぼうで
何かにつけて喧嘩をふっかけ制圧する
何でも一番になりたくて
弱い者は朽ちて知るべし、と強がっていた
いつか私が天下を取る、と高らかに主張する
周りには誰もいなくなっていた
でも、二人はいつも笑っていた
二人だけがわかってくれた
全くの脳天気が心地良かった
未来の将軍様
お前が天下を取ったら俺達を大臣にしてくれよな、右大臣と左大臣で
私達は野戦で名を挙げ
刃向かう敵をなぎ倒し
死線を越えて
名を挙げ
名を挙げ
死線を越えて
名を挙げ
名を挙げ
今夜、天下はもうこれ間近
手の内側まで転がってきた
だけど、最後で溢れ落ちた
城が焼ける
悲鳴が聞こえる
バチバチと音を立て赤く染まる部屋で
二人が討たれた、と聞かされた時は動揺した
本当の名前もまだ教えて貰ってないのに
喉が焦げる
刀を手に取る
黒煙が舞う
視界が燃える
蝶よ、花よ
視界が燃える
まだ諦めない
『蝶よ花よ』
私を蝶よ花よと育ててくれてありがとう。
でも、私は蝶にも花にもなりたくなかった。
カブトムシがよかった。名前のない雑草がよかった。
もっと言えば、そんなもので例えられない唯一無二の「私」になりたかった。
蝶にも花にもなれなくて、ごめん。
【お題:蝶よ花よ】
私の目に映るもの
私に手に触れるもの
私の耳に流れてくるもの
全て綺麗なものだけが渡される
私は唯一無二の宝物のとして囲われていた
だから今
私の目の前に立っているものは
私の世界にはあるまじき存在だった
燻んだ金糸に
褪せた服
鈍い色をした装飾品
私に差し出された手は荒れていて
発する言葉は気怠気な空気を纏っていた
「お嬢さん、俺と一緒に来てくんない?」
私の綺麗な世界にそぐわない存在なのに
覗き込んできた瞳はどこまでも蒼く美しく透き通っていて
その瞳に惹き込まれるように
私は気づいたら彼の手を取ってしまっていた
そして私の世界は綺麗なものと
知らないもので溢れた世界になった
【蝶よ花よ】8/8
蝶よ花よ、と愛でられるのは、いつだって、愛想のいい妹の方。
分かってる。自分にはないものだってことくらい。
妹に嫉妬なんて、姉失格、なんて思ってる?
でもね、好きな人が私じゃなくて、彼女に好意を持っていたら、したくもない嫉妬をしてしまうのは仕方ないじゃない?
なんで、いつも妹ばかり、って…。
こんな風に、思いたくもないことをつい頭を過ってしまうの。
その度に、私と妹は、姉妹としてではなく、全くの赤の他人同士としてだったらもう少し、この気持ちも、違うものになっていたのかな、なんてことも考える。
それでも、やっぱり彼女は、私の可愛い妹で。
結局、私は、妹を完全に突き放すことが出来なくて、甘やかしてしまうのだから、このぐちゃぐちゃな感情に振り回されるのは、自業自得なのよね…。
『蝶よ花よと育ててきた大切な君へ』
初めて会った時、君は警戒しながらもこっちに来てくれたね笑 幼い体でよく頑張った
そんな君を見て、
「やべぇ、自分はもう天使と出会っちまったのか!?」
と思うぐらいには、心をうたれたよ笑
毎日目が離せなくて、大変だったな。
もうほんとに、悪い子ねぇうふん♡と思うくらいには笑笑(冗談)
だからこそ生涯かけて
君を大切にするよ
『大切な、大切な家族の柴犬のまるちゃん』
『蝶よ花よ』
「私、蝶よ花よと育てられたの。」
緊張のあまり、手のひらに人を書いては飲むを繰り返していた俺。そんな俺を見て、彼女は唐突にそんなことを言った。…このまま数分も歩けば予定通りの時間に彼女の実家に到着するだろう。
「パパはね、仕事が終わった後、いつも急いで家に帰ってきた。その後、めいいっぱい私と遊んでくれるの。今思えば、パパだって仕事終わりで疲れてたのにね。私にはそういう所、全然見せてくれなかった。」
全然見せてくれなかった。なんて不満げなはずの彼女は、しかしうっすらと口角を上げて楽しげに続ける。
「ママはね、いつでも私の話を聞いてくれて。洗濯物を畳んでるときでも、お掃除をしてるときでも。私が話しかけると絶対に一度は手を止めて、私の目をまっすぐにみつめて話を聞いてくれた。だからかな?ママにみつめられると、すっごく安心する。」
隣で歩いていた彼女が足を止めたから、自然と俺の足も止まった。目の前には、綺麗に整えられた一軒家。
「貴方はこれから、そんな私を貰い受けに行くんだから、気合い入れて頑張ってよね!」
得意げになって笑う彼女は、まさしく彼女のご両親が手塩にかけて育て上げた美しい華だ。
緊張はまだしている。それでも、俺もこの先ずっとこの美しい華の隣にいたいから。
俺はこの震える指を、インターホンへと伸ばすのだ。
【蝶よ花よ】
蝶が花の蜜を吸うように
私も初めての彼氏と甘いキスもした
でも、そんな生活がずっと続くことはなかった
魔法のような日々が続いていたのに
別れる時は一瞬だ
悲しいと言う感情も現れなかった
なぜだろう、
まだ好きなのかもしれない
早く忘れたい
そう思う日が多々ある
でも、春になり、花が咲き、その蜜を吸う蝶を見ると
不意に思い出してしまう
蝶よ、花よ、早く忘れさせてくれませんか
蝶よ花よ
まだ暑いです。
ものすっごい暑いです。
夕べ、いつものジムへ歩いて行く時、涼しかったんです。
「やっと秋がやってきた」なんて、浮かれていたらこれです。
こんな時に、地震。
被災された方々は大丈夫でしょうか。
こんな暑い最中にインフラが止まってしまったら、確実に生きていけない。
地震への備えを、って言われてもどこまで備えればいいのか。
あれやこれやと想像するたびに、リュック10個分くらいは必要になりそう。絶対持ち運べないうえに、逃げ遅れそう。
こんなに文明に頼りきった生活をしてる私は一番に倒れそうです。
ジム通いして鍛えていても、結局暑さ寒さには敵わない。弱いものです。
えっと、お題なんでしたっけ。あ、思い出しました。
んー
あ、常備食のチェックを忘れていました。行ってきます。
ではまた。
お題から逃げるのは慣れたものend
飛び上がれ 高く高く
駆け巡れ 遠く遠く
どこまでも高く遥か遠く
華々しく艶やかに
益々煌めきを強め
変わりゆく自分に
心躍る
#26『蝶よ花よ』
青空の下、黄色いひまわりが広がるこの畑に今年もやってきた。このひまわり畑の真ん中、そこにはかつての戦友が眠る石碑がある。二十年前のあの戦争で、私と彼は同じ飛行隊に所属していた仲だった。彼とは幾多もの戦場を飛び、そして多くの敵を地上へと撃ち落としてきた。彼とは良き戦友でもあり、ライバルでもあった。私と彼はそのうち軍でエースパイロットとして名を馳せるようになった。それと同時に敵から恐れられる存在でもあった。彼と私が乗っていた二機のF15の垂直尾翼にはひまわりの花とその上を飛ぶ紫色の蝶がマーキングされていた。敵はそのマークをみるたび、「ひまわりの蝶が現れたぞ」と戦意を自然と削ぐような存在となっていた。戦況は優勢に進み、いよいよ決戦の地である敵首都での戦闘中、彼は残党の敵機から放たれた機関砲に被弾してしまう。コックピットの彼は血が吹き出す右腕の大きな穴を必死で掴み、押さえながら操縦桿を握りしめていた。彼は最期まで家に帰ることだけを考えていた。しかし、悲しいかな。彼は力尽き、このひまわり畑に堕ちた。私は彼の機体が爆発し、燃え上がるところを見ていた。そして、私は自然と敬礼していた。炎はひまわり畑に広がっていく。その姿は、彼の命の最期が如く、激しく燃え上がっていた。戦勝パレードに彼の姿は無く、仲間が心配して彼の行方はどこかと私に聞いてきた。私はその時初めて、彼が死んだということを実感し涙を流してその場に泣き崩れた。その後、私と仲間たちは、彼の最期の地であるあのひまわり畑に向かった。着くとそこは黒く焦げて、焼け野原になっていた。その畑の真ん中に一つの瓦礫の山を見つける。彼の機体の残骸だった。私はその残骸を一つ一つトラックに運んでいく。その作業の中で、仲間があるものを見つけた。ひまわりの花と紫色の蝶がマーキングされたボロボロの垂直尾翼と彼のヘルメット、そして彼の亡骸まで。私と仲間たちは彼の亡骸をその地に埋めると垂直尾翼を石碑として建て、彼のヘルメットと彼が好きだったひまわりの花と種、そして酒を置いた。彼の命が蝶のようにあの大空へ上がっていくのが感じた。その後、私と仲間たちは戦争経験者として語り部となる。そして、結婚し子供が生まれ、家庭を持つようになってから。毎年のように家族とあのひまわり畑に行っては彼の遺影の前に立った。それから数十年後、白髪生えシワまみれとなった私は、今年もこのひまわり畑の彼の遺影の前に立つ。かつて焼け野原だったこの地は今は黄色一色に染まり、ひまわり達は西の空に沈もうとしていた太陽の方を向いていた。私は遺影の前にひまわりの花と種と酒を置き、そして彼のヘルメットに触れた。その瞬間、ひまわり畑に優しい風が吹き抜け、一匹の蝶が大空に舞い上がった。紫色の蝶、それはまるで彼が大空を飛ぶことを楽しんでいたときのように。彼はこの空の上で生きている。そして、今も私を見ているのだろう。私は彼の遺影に向けて敬礼すると、一匹の蝶は遺影の上で止まり、私の方をじっと見ているのだった。
「蝶よ花よ」と大切にしてきた彼女は、いつのまにかつけ上がってしまった。
自分なりに大切に愛してきたつもりだったが、どうやら正しく伝わらなかったようだ。
良かれと思ってした言動には文句をつけられ、思う通りにならないとすぐ不機嫌になり黙り込む。欲しがるばかりで、自分は何も与えようとしない。
いつのまにか、そんな人になってしまった。愛するというのは、どうやら一方的ではダメらしい。一方的に与えるにしても、相手は選んだ方がよさそうだ。
自分も、相手を付け上がらせてしまった。本当に相手を思うならば、どこかで指摘しなければならなかったのだろう。今になってそう思ってももう遅い。
優しさや愛は有限ではない。相手が時間やリソースを割いてしてくれる訳だから、そこには感謝しなければならない。愛の与え方は人それぞれだろうから、結果よりもその根底の気持ちを受け取るべきだろう。
優しさや愛を向けてくれる相手に対して不義理を働き続けると、その人は目の前から居なくなってしまう。気づいた時にはもう遅い。
そうならないように、自分も相手に与えられているかを気にしてみるのも良いのかもしれない。気持ちを形にするのも大事だが、それについて考えを巡らせるだけでも大違いだ。
「もう…あの人絶対鬼だよ〜!!」
ブリーフィングルームのデスクに突っ伏して、ブーブーと文句を垂れる同僚は13歳も年下の女の子。
「こないだオアシスの指揮やったばっかりで…今度は要塞……」
「…“家出”の代償かもしれませんね」
と揶揄うように言うと、机に押し付けたままの額をこちらに向けて、あからさまに嫌な顔をする。
重力に従って、むに、と押し付けられたほっぺが拗ねた顔にマッチして可愛らしいだなんて(セクハラだ、と言われそうで)死んでも言えないけど。
「……これが私なりの『蝶よ花よ』、なんですけどね」
「へっ、あっ、ご、GONさん?!」
ほろ苦い珈琲豆の匂いをさせながら背後から現れた長髪の盟主の声に、飛び上がるくらいの勢いで彼女が起き上がった。
かと思えば髪を整えてみたり、顔を真っ赤にして不自然な咳払いをしてみたり。忙しいな。
「期待してますよ」
と、切れ長のダークグレーの目を細めて彼女に笑いかければ、ほら単純。
「…が、がんばり、ます」
って、合わせられない視線のままはにかむから。
(だからほっとけないんだろうなぁ…)
蝶よ花よ。
蝶よ花よ。
全てを
捨て去って。
蝶よ花よ。
君を見つけよう。
君は縁に立ち、ふらふらと揺らめいていたんだ。
そして誘惑されたように踏み出した。
その時、美しい蝶や花が散るのが見えたんだ。
君も見たのかな。
最期の景色が美しかったことを願う。
あぁ蝶よ、花よ。
私は君が憎い。
【蝶よ、花よ】