『色とりどり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『コーヒーカラー』
鳥たちのメヌエット ブーツについた土を拭う
木漏れ日の下 コーヒーカラー 穏やかな日々が霞まないかと 少しの鬱屈 愛猫を撫でよう 音楽を聴こう 曇りガラスの汚れをとって 明後日の私になってみたい
色とりどり
この世界にやってきて、彼女と出会ってからは
人生は鮮やかに色づいていった
私の目に映る全てが美しくみえた
白さと桃色が合わさった桜
爽やかな芝生の緑
紫の藤の花のカーテン
どこまでも青い海
柔らかな黄色い光が包み込む夜
夕闇に染まる朱い空
白銀の雪
ありふれた季節も、色とりどりで美しいのは
彼女が隣で花の名前を笑顔で教えてくれたり、暑さや寒さを共有できたりと一緒に幸せを感じられるからなのかもしれない。
魔法の修行に負けないくらいの宝物を、私は見つけていた
自分を責めて責めて責めて責めて責めて責めて責めて
雪のように自分への責めを降り積もらせて生きてきた
風呂に長いこと入りすぎたと自分を責め
風呂からなかなか出ようとしない自分を責め
スマホを見過ぎたと自分を責め
スマホを置いて他の行動ができない自分を責めていた
風呂に入ってのんびりしたかった自分を認めず
スマホでYouTubeや漫画を見たかった自分がそこにいたのに、いないことにしていた
すべての物事に正しいも間違いもない
頭ではそう思っていても、そう思い込もうとしていても
自分のすることはすべて間違っていると思っていた
私はすべて間違っていると思っていれば、自分で決断しない言い訳をしていられた。
人の言いなりで生きていられた。
人のせいにできた。人を責めて安心できた。
そんなわたしを認めて許し、受け入れ責任をとって愛しています
あなたはあなた
わたしはわたし
あなたはわたし
わたしはあなた
自分を許せず責めるならば
他人のことも許せずに責めることになる
あなたはわたしなのだから
どれだけあなたたち、そしてわたしに失礼なことをしてきたのか
認めずに責めていた
あなたたちのことも、わたしのことも
そして、「問題回避系」という問題をつくって回避しようとしていた
「問題回避系の思考パターンは回避する」という思考が問題回避系じゃないか
もう責めなくていいし
回避しなくていいんだよ
どう生きたっていいし
どう死んだっていい
今日から、今から許しの芽を育てている
わたし、そしてあなた
無味無臭な毎日が貴方によって
ほんのりと香り付き、世界に色が
付いたような気がしてなりません。
テレビをつけると、赤青緑……色とりどりの振袖姿の若者たち。
毎年「はたちのつどい」の様子を見るたびに、自分も、と志を新たにするけれど、一晩経てば何事もなかったみたいに、もとの自分に逆戻り。
「イベントを見たからって、気負うからいけないんじゃ?」
……全くもってその通り。
白いトレーにカランカランと乾いた音と共に色とりどりの小さな星が転がり出てくる。
いつかの遠い日、近所のお姉さんに「星を捕まえたからあげるね」と内緒話のように言われて渡されたことをふと思い出した。
横から伸びた手が黄色の星を摘んで口へと放り込むのをみて、ピンクの星を1つ手に取る。
「それ何味だった?」
「……砂糖味」
急な問いに一瞬彼女は咀嚼していた口を止めて考え込むと、多分、と付け加えながら答える。
「これも砂糖味。緑は?」
「砂糖味かなぁ」
トレーに散らばる星々を指先で探って、探し当てたお目当ての星を彼女の口元へ差し出すと、遠慮がちに咥えてカリッと小さな音を立てて咀嚼する。
今度は考える間もなく返事が返ってきた。
「水色も砂糖味だわ」
「どれも同じでしょ?」
そういう彼女の指がトレーをなぞると、カランと音を立てて色が散らばる。指の動きと金平糖の散らばる様子がやけに綺麗に見えた。
「わかんねぇだろ?どれかアタリがあるかもしれねぇじゃん?」
「アタリって言ってる時点でほとんど同じ味ってことじゃない」
「違いねぇ」
ド正論の言葉に笑って今度は白の粒を口に放り込む。舌の上で転がして金平糖特有の棘を感じたあと奥歯で齧ると、また一気に甘さが口いっぱいに広がった。
「なんか、どっかにあったよな。味も値段もド派手な金平糖の店」
「金平糖の……京都じゃ無かった?」
パッと出てくるあたり流石だと思う。
確かこの辺で、と説明されるが俺は全く分からずへぇ、と相槌を打つしかできない。
詳しい場所を知っている辺り、いつか行こうと計画を立てたことがあるのかもしれない。
「なぁ、行こうぜ今度。京都だと甘味も色々あるし、甘味巡りも出来んだろ?気になる店とかねぇの?」
一瞬の沈黙と反らされた視線が「あるけど」と言葉なく語る。
「貴方が得意じゃないでしょ、甘いもの」
「食えないわけじゃねぇし、甘いもん食ってるときの幸せそーな顔みたいから何件でも付き合うぜ?」
「言質取った!」
ニヤリと笑う顔にしまったと思わなくもないが、珍しく乗り気なのだから後悔はない。
「休み確保出来そうなとこ見つけたら、早めに宿も押さえたいね」
そう言いながらまた1つ金平糖が薄い唇へと吸い込まれていく。それを見ながら軽く身を乗り出し、その唇をそっと塞ぐ
「……甘ぇ」
唇から伝わる甘さにそう呟くと、笑いの籠った「当たり前でしょ」の声が響く。
「甘さに慣れたら、一緒に甘味食い倒れも出来るかも?」
笑いながら彼女が言うと、散らばる星を1つ拾い上げて口へと放り込む。
「もう1回、どう?」
「イタダキマス」
誘われるがままに、もう一度唇を重ねる。
唇からまたジワリと甘美な甘みが広がった。
色とりどり
みんなどんな恋をしたっていいんじゃないかな
初めてネットの人を好きになっちゃった
どうしたらいいかな
もうわかんないし
恋愛って難しいね
突然の出会いと
突然の別れと
色とりどりの想い出と
モノクロの世界と
幸せの
その先に
何があるのか
色とりどりの世界に
モノクロの私
世界は色とりどりの鮮やかな色で溢れている。
そして僕の世界は、とても賑やかだ。
黄色はとても明るく、眩しい光で辺りを照らす。
青は果てしなく雄大で、それでいてとても深い。
緑は思慮深く、そして新緑の芽吹きを優しく掬う。
紫は一見とっつきにくいが、以外と拙さを見せる。
そして、赤は――…。赤は…。
がらりと教室の扉が開く。
「なんだ、こんなところにいたのか?」
教室の片隅に座るボクにさして驚きもせず、そしていつものようにボクを見つける君は、君がボクの世界をいかに色づけたのか知っているのだろうか。
「みんなが待っている。早く来い」
「…はい」
そして赤は、何よりも強烈なファーストインプレッションを植え付け、ボクに滾る炎の熱さを知らしめた。
「黒はすべての色を飲み込み、包み込み、調和する」
みんなと合流する道すがら、唇に指をあてて微笑みながら君が言った。
…どうでもいいけど、勝手に心の声を聞かないでください。
【色とりどり】
#色とりどり
3つ並んだホールを会場とするそこへ足を踏み入れると、薄暗がりの中にたくさんの人間がいた。
綺麗に編み込んだ髪にリボンを飾る子、誰かをイメージするような色でコーディネートした子、両手いっぱいにカバンをぶら下げて歩く子のそれには、同じ顔の少年の缶バッチで一面が埋めつくされている。
会場を占める大勢の女の子たち――彼女たちは、まるで戦いに行くかようだった。見た目はとても可愛く、たくさんの荷物を引き下げて歩く姿は凛々しく、彼女たちが「好き」を全面に出して堂々と立つ姿は、なによりも美しかった。
これから何が起こるのか、ソワソワとしながら、私も彼女たちに紛れて、じっとその時を待った。
BGMが止み、さらに大きな音響でイントロの曲が流れる。
暗転から、私たちが待ち望んでいた彼らがステージに現れた。
「きゃー!」
割れんばかりの黄色い歓声が、大きな箱に響く。
瞬間、私たちは手に持ったペンライトのスイッチを押す。
多色が輝く色とりどりの光の海が、きっと彼らの目に映っているのだろう。
その中で私は懸命に腕を振る。
私はその一部。それでもいい。
「応援してくれて、ありがとう!」
彼らが光輝く力になるなら、私はいつまでだって振りつづける。
小さなエールを私から、彼らへ。
色とりどり
色とりどりの個性を持っている。
自分の個性はわからない。
教えてほしい
君と過ごすようになってから
色とりどりの美しいものがこの世に溢れていると知った
あれも、これも、君がの愛するもの達だから
今日も一つ、明日も一つと
守りたいものが増えていく
(色とりどり)
昨日からの寒波で
すっかり雪化粧した街に
まっこと艶やかな
『色とりどり』の晴れ着て
若人が集う
今日は成人を祝う日だ
おめでとう!
若者たちは
それぞれに今日の日の
意義を考えるだろう
そして、
これからの人生を
切り拓いてもらいたい
わたしは、こっそり
これまで育ててこられた
保護者の皆様に敬意を表す
まー
「先生には水色が似合うと思う」
「えー、そうかなぁ。私的にはあの先生、黄色だと思うなぁ」
元カノがゆったりと話す。ピンクのグロスと派手なネイル。今考えれば、俺には合わない派手な人。
どちらから告白して、どちらからフッたのかはもう忘れてしまったけど、お互い他に好きな人ができたということだけは事実だった。たまたま街中で会って、たまたま好きな人へのプレゼントをお互い探していたものだから、今は流れで一緒にいるけども。
「ていうかさぁ、あの先生ってブレスレット付けてくれんの?」
ピンクと赤のブレスレットを手に取る元カノ。俺のプレゼント探しには興味がなくなったらしい。
「付けさせるから問題ない」
「うっわ、おも。私そーゆーの無理ー」
「嘘つき。知ってるんだからな、バイト先の後輩とクリスマスデートしたこと」
色とりどりのブレスレットをいじっていた手が、ピタリと止まる。
「なんで知ってんの」
「企業秘密」
「プレゼント、これにしたら」
ム、と口を結ぶ。差し出されたのは、黒のブレスレットだった。
「数珠じゃないんだから」
「それよりさぁ、私のプレゼント探し手伝ってよ。アンクレットにするから」
「重いのはどっちなんだか」
うっさい。ふん、と俺に背を向けて、店の奥にある色とりどりのアンクレット売場へ向かう元カノ。
別れて正解だったな、と黄色のブレスレットを手に取って背中を追いかけた。
お題 色とりどり
人って色とりどりだよな。十人十色っていう言葉もあるほどだし。同じ意見もあれば違う意見もある。それだから争いが絶えないし、人間関係も難しい。1つのことで共感しても他のことで縁が切れるほどなんだから
「十人十色という言葉があるでしょう」
私は教卓を離れて子供たちの席に歩み寄る。
「人は、みーんな違う色を持っているのです。そして、みんな違って、みんないいのです。それを忘れてはなりません」
机と机の間をまるでファッションショーのように美しく歩く。今、とても美しいフォームだ。カツカツと鳴る靴の音が心地よい。
ねぇ、先生。
1人の女子生徒が口を挟む。この子、確か文化部所属で運動ひとつもしてないから標準体重だった。もう少し体重を落としたら美しくなるわとこの前アドバイスしたばかりだった。
「じゃあ、どうして先生は美白とか除毛とか体型とかばっかり気にしてるんですか。多様性を説く割に、自分がしてることって画一化じゃないですか。ひとつを美だと決めつけてその尺度で物事を測ってる、おかしくないですか?」
彼女の鋭い目つきから目を逸らすと、みんな、私を睨んでいた。化粧っ気のない子、腕の産毛の処理をしない子、痩せ型でない子、そんなのイマドキ可愛くないじゃない。いくら多様性だからと言って、笑われたり貶されたりする立場になりたくないじゃない。あなたたちのためを思って言ってあげてるのに。何よ、何よ、その態度は。
みんな、私と同じ色になってしまえばいいのに。
私の本心を包む美しい思想がべらりと剥がれた。
晴天を映した青。夕焼けを映した朱。
春になれば薄桃色の桜を映し、夏には青葉若葉、秋には紅葉の帳、冬には降り積もる雪と吐息の白さを映すのでしょう。貴方のその黒真珠のように美しい瞳に。
叶うのならば、貴方が見ているその美しい世界に私も存在していたいのです。貴方が見る色のひとつに、私もなりたいのです。
『色とりどり』
【色とりどり】
綺麗な色がたくさんで、見ているだけで心が躍る
小さな頃のお祭りの思い出だ
りんご飴は赤くて、射的の的になってるおもちゃはカラフル
金魚すくいの金魚が入ってるプールは水色
チョコバナナにかかるカラースプレーまでいろんな色だ
きらきらしたスーパーボールも色とりどりで楽しい
目に映るもの全てが美しく
今も色褪せない思い出だ
『色とりどり』
裏庭に蒔いた
たくさんの種は
いつの日にか
いろんな花が咲き乱れるのかな
幾千幾億の花は
千紫万紅のように美しい
季節を問わず
君といつまでも
永遠に見ていたいよ
END-名も無き小説家-
色とりどり
世界には沢山の色がある。
同じ色でも、その時の気分とか環境によって、
全然違う感じ方にもなる気がする。
色があって、色を感じられるって、素晴らしいね。