『脳裏』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「…っ…ごめんなさい…お母様……」
ほかの執事たちが貴族のパーティーで出払ってる時に
何かに打ち付ける音がしてそっと音のする方へ向かう。
部屋の扉をそっと開けて中を覗くと、自らの手で鞭を持ち、自身の身体に打ち付けているアモンの姿があった。
脳裏に焼き付いて離れないとはこの事だろうか。
あれからアモンを見るとあの光景がフラッシュバックして、涙が出るようになり、アモンを自然と避けるようになった。
アモンのことは嫌いじゃない。寧ろ大好きだ。けど、なんて声を掛ければいいか分からない。
アモンはそんな私を見て「俺のこと、怖いんすかね~」
なんて、おちゃらけたように言っていたが悲しそうに笑っているのがわかる。
怖い訳では無い、でも、貴方がどうすれば救われるのか私にはまだ答えが出ないのだ。
imagination
頭の中の映写機が頭蓋骨に投影する
そのタイミングはきっと今
外側の有限をシャットアウトして
内側の無限にアクセスした時
夢じゃない
※脳裏
300字小説
見覚えのない懐かしい景色
手術が成功し、退院してから、私の脳裏にある景色が流れるようになった。
穏やかな田園風景。緑の丘が地平線まで広がり、牧畜と思われる動物がのんびりと草を食んでいる。青い空に浮かぶ白い雲。緑の中の小道を子供達が笑いながら駆けて行く。
ドーム都市で生まれ、ドーム都市以外、ほとんど出たことの無い私には全く見覚えの無い景色。だが、懐かしさを感じる景色を描いてSNSに流すのがいつしか日課になっていた。そして……。
フォロワーのフォロワーを辿って教えて貰った場所に行く。農業区域の小さな町。脳裏と全く同じ景色が広がる。この町の誰かが脳死状態になり、その心臓が私に。
「帰って来れたね」
私は胸に手をおいて、そう語り掛けた。
お題「脳裏」
イメージする時って
おでこの辺りでしないかな?
例えば
しあわせな映像を思い浮かべる時に
おでこの辺りに見えたりしないかな?
おでこの裏とでもいう場所に
それ大切なんだよね
ふとした時にみえるもの
なんのことか
わからなかったりもするけれど
それは
映像でのメッセージ
君が感じたままが答え
君ならわかると思うから
その映像を送ってきてくれてるよ
〜脳裏〜
[脳裏]
ちゃんと横断歩道渡ってるだろうか
ちゃんと信号守ってるんだろうか
ちゃんと挨拶してるだろうか
友達と仲良くしてるだろうか
ふと脳裏に浮かぶ我が子の一日
実際、どうなっているんだろうなぁ。
天才も、奇才も、鬼才も、おんなじなんだろうか?
凡人が違うのは解るけど、きっと同じなんだろうな、見た目は。
”脳裏”に掠めるものなんて、たかが知れてるけれど。
どこまでいっても変わらないことが、すごく悔しかったりするんだよね。
脳裏
立冬の翌日、
ストーブで
暖を取りながら
記憶を思い返す
すると
たわいのないことばかり
脳裏をよぎった
断片的にだ
もう少し、ガツーンと
鮮明な1つの光景が
浮かんでくると
思っていたのに…
当てが外れた…ショック
きっとこの事も
わたしの脳裏には
焼き付かない
まー
『脳裏』
あぁ、なんでだろう。同じ部屋に居るというのに、見せるのは背中だけ。必要最低限の会話さえ、最後にしたのはいつかも思い出せない。
今日と言う日がまた終わる。
夢の中で出会ったのは、何年も前のあの頃。五分で読み飛ばせそうな冊子薄いを、熱心に読んでいた。あそこに行きたい。これが見たい。あれが食べたい。どうせ行かないんだろなんて思う僕をよそに、子どものような眼差しで見つめる君。無邪気な顔で微笑む君。
あぁ、この時間が続いていたら―――
不愉快なアラームの音で目を覚ます。
毎日が鏡に写ったように同じに感じる。あの、何の変哲もない日々が続いていたら...
脳裏に浮かんだのは、かけがえのない小さな小さな幸せだった。
『脳裏』
頭の奥の方に何かがあった。
表面からの認識では、目立ったものはない。
表ではなく頭の中の方、そう脳の裏ともいえるであろうところに若干の白い違和があった。
新しいものではない。少なくとも2・3年は経っているだろう。
脳の裏面に平たくこびりついているようだった。頭を回すと中から金属音が響いているのがわかった。
湿気はなく、乾燥している。決して柔くはないが、石のように硬いわけでもない。澱粉のりが裏面に乗せられ乾いたような、そんな感覚だった。
しかしこれだけの時間が経っているというのに何故今更になって意識の縁に触れたのだろう。
思考すればする程、比例するように白濁した違和は私の脳に根を張った。そのうち痒くなってきた。掻きむしる程のものではなく、喉の奥に皺のよる痒みに近かった。
頭の中に違和感を覚えて一月が経つ頃には、遂にその存在に安心感を感じるようになっていた。肥大化する違和感に蝕まれていくことに心地よさを覚えた。
違和感が取れた。
次に「私は泣いている」と認識した。
瞳から白く滲んだ線が堰を切って溢れ、粉を吹いた私の掌を潤す。
涙の海に腰まで浸かった私は、寂しさを感じた。わんわんと声をあげて泣く度に大切な何かが昇華される感じを覚える。寂寞の裏に懐旧が覗いていた。
頬を最後の感情が伝った時、ちりちりと目の奥が痛んだと思うと、手の内に母から継いだ銀白色の首飾りが握りしめられていた。
脳裏
靴を脱ぎ、コンクリートの冷えた廊下をぺたぺた音を立てながら、階段を勢いよく登る。忘れ物を取りに来た君と鉢合わせて教室で2人きり。緑の木々から夕日が差し込み、胸の鼓動が速くなった。
ドアのチャイムが鳴る。
怖くて、でも会いたくて、恥ずかしくて。
ドクンドクンとどうしようもないほど胸が鳴り、震える手を必死に抑え込んでドアを開けた。頬から耳へ、ジリジリと鉄板のような熱を感じる。君の足元と君の声。それだけ。本音と自信と弱さと怖さと、君への気持ちが強すぎて、頭がおかしくなったんだと思う。
外は、豪雨で、少し湿った封筒と、鉛筆で不器用に描かれて不安な君の文字。呆気なくて、でもこれで最後だと思った。
見慣れないスーツを着ている君が表れて、運命だと本気で思って、目が合って、分かった。
君が好きだ。
【無題】
密やかに秘めやかに、誰にも見られないように。
この気持ちをしまって鍵をかけて。
代わりはいくらでもいるのだと嘯いて笑う。
そんな日々はあっけなく崩れ去った。
「ごめん、」
ぽつりと落とされた言葉にふと我にかえる。
見られたくなかった、と思った。
きみの代わりに他人に欲を向ける自分を。
バタンと閉ざされた扉の音が反響して消える。
追いかけることもできないまま
伸ばした手を握りしめた。
腕の中で声を振るわすきみじゃない誰かは
くすくすと共犯者の顔で笑う。
(怒って欲しかった、なんて馬鹿みたいだ)
ーーーーーーーーー
2人きりの部屋で聞こえるのは息を吐く音だけ。
ふたりぼっちには慣れていたはずなのに。
今日は呼吸するのすら躊躇うようで。
「なにあれ」
「、え」
「昨日の」
ぽつりと落とされた声に、
その目に射抜かれて、
嘘をつくには時間が足りなかった。
「好きなんじゃなかったの、」
いつもより早口に告げられた言葉と合わない視線。
ずるい人だ、と
頭の片隅で誰かが乾いた笑いを漏らした。
「そんなこと、言ったっけ」
好きじゃない、好きじゃない。
そんな軽い言葉でこの気持ちを表せるなら
とうの昔にふたりは幸せになれたはずなのだから。
「違うならいいけど。でも、」
ああいうことしてほしくないな、
なんてきみが言うから。
どうして、なんで、教えてよってねだれたらいいのに。
わかった、と。いい子のふりをする。
この関係はいつまで経っても平行線。
脳裏に映るのはいつまでも、あの日のまま。
【脳裏】
目を瞑ると浮かぶのは、真紅に染まったあの光景。
どこにでもあるマンションの一室での出来事。
床に広がる紅と、手の中で鈍く光る銀。
ドクドクと心臓が早鐘を打ち、耳は小さな呻き声を敏感に拾う。
俺はもう戻れない。
向日葵の様な笑顔に覆われていた黒が露わになる。
このまま堕ちるところまで堕ちてしまおうか。
「ばいばい。」
俺の大好きだった人。
お前は、お前だけは明るい場所で生きてくれ。
(8 脳裏)
脳裏
ふと脳裏に浮かんだあなたの笑顔
よく笑って、ひまわりみたいな笑顔
やがて心に降りて、俺の心を侵食する。
今、どこにいるのかな
あなたが落とした欠片を拾い集めて
今日も、あなたのもとへ。
「……また、戻った…のか……」
白い天井。いつもと違ったのは、俺が
拘束されていること
何回近付いても、また遠くなる
あなたとの距離
……だって、
彼女は、もう死んでいるから。
脳裏にはいつもあなたがいました。
もう会えないけど
"次会ったらさ何しよっか''
そんな事が叶わないと思ってなかった。
たったこれっぽっち
未来を考えただけで
終わってしまったのだ、
【脳裏】
✂ーーーー⚠ーーーーー✂
母さんありがとう。
僕に
"恋愛対象が同性でもいいよ''
って言ってくれて
ガチガチに固められた紐。
少しまた少しと
僕の結び目が解けていく。
いつか、死ぬ時にはさ
全て解けて1本になればいいな、
【固結び】
脳裏
私の脳裏にはいつでも貴方の顔が浮かんでいる。私の前だけに見せる顔。泣いた顔、笑った顔、寂しそうな顔。
私が今死ぬその時にさえ普段崩れることの無い貴方の顔が初めて崩れた。親を探す迷子の子供みたいに。死なないでと叫ぶその顔でさえ私は美しいと思えてしまったそんな顔をさせるつもりなんてなかったのに。
それが私の脳裏に焼き付いた最後の光景だった。
百合
脳裏
脳裏ーのうり。頭の中。心の中。
なるほど。
脳裏に焼き付くとは、
相当な出来事なのだな。
あるな。そういうの。
いくつかある。
頭の中とか心の中って、
見えないからね。
外見だけでは分からないよね。
見えないと人間知りたくなったりするけど、
何となく探らない方が良い気がするよ。
他人の脳裏はね。
paki
燻っていた気持ちが
脳裏を霞める
ひとりの女を愛し続けるなんて…
まるで古い映画のお決まりのストーリー
悲劇のヒロインはいつだって
美しい涙を流して…悲恋を語る
誰も信じてはくれないかもしれない
今でも…お前を愛し続けていることを
手に入らない物は…永遠に
心の中で生き続けるこの悲劇
思い出を越えて
何処までも澄んだ青空が広がる夏のこと。
あの時の私たちは、同じ夢を見ていた。
「私たちならこの国を守ることができる」
「うん。そうしたら、僕たちはいつまでも一緒にいられるよ!」
青空を背に笑う君は誰よりも高潔で気品溢れ、そして無邪気だった。
この国の騎士団で揃えば最強な私たち。志を共に、いつまでも共にいられるとそう信じていた。けれど。
それももう、偶に脳裏に過ぎる思い出の話。
目を開き、眼前に立つ敵を見据える。
「……自分の信念の為なら、国を裏切れるんだね。君にそういう一面があるなんて意外だったなぁ」
隣国との戦争の最中。騎士団の布陣が敵に筒抜けだった。間者がいると思ってはいたけど、まさかこんな身近にいると思わなかった。
誰よりも純粋な君が、誰よりも一番憎悪に満ちた目で私を見ている。
「前々からお前のことが気に食わなかった。俺のいた国がどんな状況であったかも知らずに、のうのうと穏やかに生きていたお前も、この国も!!」
無茶苦茶に剣を振り回して君は私を殺そうとする。けれど、そんな無茶苦茶な剣技に片割れだった私に敵うわけがない。
「残念だよ。この手で君を殺さないといけないことが」
容易く懐に潜り込んで、腹部に剣を深く突き立てる。君の口からごぽり、と血の塊が吐き出され、その手から剣が落ちた。
ずるりと崩れ落ちる身体を抱きとめる。
「………気づいてやれなくてごめん。私は君の片割れであるはずなのに、誰よりも君のことを理解してやれなかった」
「っ、はは……今更、だろ……」
乾いた笑みを浮かべ、光を失った虚な目がが私を映す。
「でも……あの時の夢は……叶えてよね……」
「この国を守ること?」
「あいつらは……お前のことを、殺すつもりだ。お前は、騎士なんだろ……騎士なら……国を……」
そこまでだった。ずるりと彼の頭が私に凭れ掛かる。その目はすでに閉じていた。私は亡骸を抱きしめた。
その目にはもう何も映らない。あの青い空も、私の顔も、何もかも。
「おやすみ。また会えるといいね」
亡骸を横たえて、その場を立ち去る。
荒れ果てた戦場で見上げた空は、あの時に見上げた空によく似ていた。
脳裏に過ぎるのは、あの時の君の笑顔と先の乾いた笑顔。
どちらも君で、私にとって大事なもの。
君の亡骸を越えて、私は前に進むよ。
脳裏
脳裏とは頭の中を意味する言葉。
自分の脳裏とは...。
いつも必ず頭の中にある言葉がある。
それは「消えたい」と「幸せ」だ。
なぜその言葉なのかと言うと、常にこの世界から消えたい自分と、この世界で幸せになりたい自分がいるからだと自分は思う。
その考えだけは昔から変わらない。
他人に貴方はどうなりたいの?と聞かれると毎回自分は「幸せになりたい」
と答えるようにしている。
自分はうつ病という病気になってからは、毎日のように消えたい、死にたいが脳裏に浮かぶ。
それだけ、辛いのだと思う。そして決して勇気もないから叶わないから余計に脳裏にやきつくのだろう。
だから、今回の脳裏というお題を出されて、まず浮かんだ言葉は、「消えたい」「幸せ」の二つの言葉です。
いつも脳裏に浮かぶ景色
深い緑の木々の中
高い場所から遠くまで見渡している
ここが好きなんだなあ
遠い昔にいた場所か,
これから先に訪れる場所か
心のよりどころ