突然の別れ』の作文集

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突然の別れ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

5/20/2023, 5:50:21 AM

お題 「突然の別れ」
 ある家に一つの鳩時計がありました。
長いこと働いていた鳩時計は数十年後に壊れてしまいました。
それを可愛そうに思った誰かが鳩時計の白い鳩を本物に変えてしまいました。

何も知らぬまま鳩は早速仲間達に会いに行きました。
鳩の仲間達はその鳩を、もともとは物だった鳩を、素直に受け入れてくれました。
鳩は家族にも恵まれ、幸せな家庭を築きました。

しかし、悲劇はすぐに起きました。
巣の中の卵はヘビに食べられ、妻は猫に狩られてしまいました。
しかし、鳩は物に命を吹き込まれたモノ。
だから、悲しいという感情は無かったのでした。

その後も周りの鳩が死のうが、卵を食べられようが、涙すら流しませんでした。
そんな鳩は狩りをしていたニンゲンに、鉄砲で撃ち抜かれてしまいました。
その鳩は何も理解出来ぬまま、紅の鳩ととなり、天に昇って行ったのです。

5/20/2023, 5:48:01 AM

《突然の別れ》

いつも通り見慣れた道を真っ直ぐに進む
隣にいてくれていた君はもう居ない。

ついさっき一通のメールが届いた。

視界がどんどん悪くなる
ぼやけていってそのうちカラダが震えてくる。

それでも進まなきゃ
力が段々と抜けていく足に力を込めて地を踏みしめる。

貴方が居なくても貴方が見えなくても胸の中にはいつもの景色。

5/20/2023, 5:45:50 AM

別れはいつだって突然。

心の準備に時間をかけられたとしても、

時間までは約束されない。

その時はやっぱり突然やってくる。

巻き戻したくても巻き戻せない。

別れを経験した直後、人は時間を大切にしようと思う。

それなのに、人はいつしか突然別れがやってくることを人は忘れてしまう。

5/20/2023, 5:30:13 AM

あれは確か、わたしが小学五年の頃だった。
もうすっかり暑くなっていて、わたしは額の辺りに垂れてきた汗の粒を拭い拭い下校していた。
玄関の前に立つと――家は社宅らしかったのだが、町外れの狭小な一軒家だった――いや、或いは遥か昔から、それはわたしの胸の奥の方に、誰にも気づかれない染みのようなものとしてあったのかもしれない――気持ちの悪い違和感がわたしの背の辺りにじんわりと広がってくるのだった。
わたしは、咄嗟に振り返った。が、そこには何もいない。四囲は閑寂として、ただ遠方に蝉の声がひとつ聴こえていた。
首を傾げながらもわたしが玄関を開け、ランドセルを下ろした時、違和感は、はっきりとした輪郭をもって現れた――が、そこにはあるべき中身がなかったのだ。
何かが居ない、という確かな不在の感覚だけがそこに佇んでいる。わたしは、何とも言い難い気の重さに苛まれながら三和土を上がると、台所の方へ回って麦茶でも飲もうと思った。何より、台所からは夕食の準備をする音がしていたから。
台所に行くと、いつも通り、そこには母が立っていた。わたしは母に泣き言を言うのも厭な気がして――そういう年頃というのもあった――「今日、何か変だね」とだけ言った。
麦茶を注ぐわたしに向かって、母は些か口ごもりながらも――やっぱり、そんな気がする?と言う。その時、わたしは空恐ろしくなって、手に持ったグラスを一気にもちろん飲み干すと、家の中を見て回ることにした。自室でじっとしているのも、何か落ち着かない気がしたからだ。
風呂場も、手洗いも、居間も、客間も、納戸も、両親の寝室も、そしてわたしの部屋も、すべて見たが、何かあるというのでもなく、ただこの家には何かが居ないような、狂わしい不在が、得も言われぬ別離のような錯覚だけが、わたしに付きまとって已まない。
わたしは、きっと暑気中りというやつだと独り合点して、ベッドに我が身を横たえた。結局、夕飯時に父が帰って来ると、あの違和感は消え失せていて、わたしも母もそんな話は一口とて話題にはしなかった。
だが、あの不安は直ぐに甦った。食事を済ませた父が誰に言うでもなく呟いたのだ――今日、何か変な感じがするな。わたしは驚き母の方を見た。母もわたしの方を見ていた。それでも、わたしたちは何も言わなかった。

わたしたち一家は父の転勤という事情もあり、数年して、あの家を引っ越した。
もう何年も前のことだ。だが、ようやくにして、わたしはあの不在の正体を掴むに至った。
父も母ももう亡い。今、わたしは未だ借家として残っていたあの家の前に立っている。
そして、あの小さな二階家を懐かしむような目でじっと見据える。薄い硝子窓には夕焼けが映って赤々と燃えている。

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突然の別れ

5/20/2023, 5:11:39 AM

別れとは、人と人とを繋ぐ記憶たちが消えてしまうことである。

5/20/2023, 4:59:53 AM

#突然の別れ

「ごめんね。最初はふわっとした話が提案されたから、それについてある程度決まったらちゃんと相談しようと思ってた矢先に決まっちゃったんだ」
「もっときっちりと意思確認してからじゃないんですかね……こういうのって」
「僕もそう思うよ。だから抗議はしたんだ。でも、決まったことだから、って」
 肩を落として呟くように言葉を吐く。その様子を見れば、本人の納得は得られていないのだろう。だが確かにこの話自体は悪いものではない。むしろ大半の人が両手を挙げて歓迎するのではないか。結果的にそれを選んだとしても、オレは多分納得できると思う。
「だからごめん。しばらくニューヨークに滞在することになるんだ」
「……で。……荷物、纏める必要はあったんですか?」
 オレは遊木さんの足元に置いてある箱へと視線を落とす。その話を請けて、オレが帰って来るまでに纏めたのであろうその箱。改めて部屋を見渡せば、不自然に思える空間がいくつも。
「そんな長期間の話じゃないですよね? ……なんで置いていかないんです? ……なんで……っ、全部、持っていくんですか?!」
 徐々に自分の感情が抑えられなくなって来る。いや、そうじゃない。言われたこと、これからのこと。ようやく頭が理解していっているのだ。
「残して行ってくださいよ! ここに、オレのところに戻って来るんだって、約束してくださいよ! ねぇ!」
「……だって」
 抑えられないままに声を張り上げるオレとは対照的に、呟くような、囁くような声が落ちる。
「置いていったら……僕が戻れると思ってた場所にもしも他の人がいたら……。僕がいない間に僕の残したものが漣くんの邪魔になっちゃうかもしれないから。……だから僕の荷物はない方がいいでしょ」
「勝手にそんな想像しないでくださいよ! 何でなんです? オレの気持ちはそんなに信用して貰えないんすかねぇ……?」
 幾ら伝えても、きっと遊木さんの心には届いていない。埋めることの出来ない穴があって、そこからすり抜けてこぼれ落ちていくのだろう。
 伝えて伝えて、ようやく埋まったのだと思っていた。でも多分そんなことは一生やってこないのかもしれない。
「漣くんを信用してないわけじゃないんだよ」
「じゃあなんで……」
 返事はなかった。ただ、寂しそうな笑みを浮かべてオレの手を握る。握り返すと、変わらぬ笑顔でそっと手が離れていった。
「待ってて、なんて僕には言えないよ」
 じゃあオレが追いかけるだけですよね。オレが黙って待ってる性格じゃねぇのはあんたも知ってるでしょ? 別れなんて受け入れてやんねぇ。それが少しの間だろうと関係ない。腕の中に取り戻す、それまであんたはニューヨークで待っていれば良いんだよ。
 内心で呟いてその背中を見送った。

5/20/2023, 4:52:13 AM

長い間ご愛好いただき誠にありがとうございました


近所の洋菓子屋さんが閉店した。
おじいちゃんおばあちゃんの2人でやっているお店だった。

初めて行ったのは幼稚園の頃。祖父に手を引かれて、ベビーシューを買いに行った。ベビーシューは小さな私にはぴったりな大きさだった。

次に思い出すのは小学生の頃。そのお店は同級生のおうちで、お店のおじいちゃんおばあちゃんは、同級生のおじいちゃんとおばあちゃんだったのだ。近所だから一緒に遊ぶことが多くて、そのお店から同級生が出てきたときはとてもびっくりした。

歯が抜けて永久歯が生えてくるようになると、私は歯医者を嫌がった。今考えれば虫歯じゃなくて定期検診なんだから、全然痛くないんだけど、音が嫌だった。行きたくないと駄々をこねる私に、お母さんはその洋菓子屋さんに連れて行ってくれた。ご褒美には歯が変な感じでも食べられるプリン。昔ながらの、ほろ苦いカラメルと固いプリンは、とても大好きだった。プリンのためなら歯医者もちょっと頑張れた。

中学生になると、部活が忙しくなってあまり行かなくなった。それでもたまに家族が買ってきてくれたベビーシューが冷蔵庫に入っていることがあった。部活で疲れた私には1口サイズがちょうど良すぎて、たくさん食べすぎてよく怒られた。

社会人。
一旦地元を出たものの、祖父母の介護のために地元に帰ってきた。思い出すのはあのベビーシューとプリン。食が細くなってしまった祖父母に、私はベビーシューならいいのではと思い、数年ぶりに洋菓子屋さんへ足を運ぶ。私には固いプリン。どこもかしこもなめらかで口溶けの良いプリンだけど、私は卵たまごした固いプリンが食べたかった。

変わらないお店の場所。ショーケースに並んだ商品も同じ。店員さんもおじいちゃんとおばあちゃんだけ。何も変わらないんだけど。
「プリン1つと、ベビーシュー1つでいくらだ?」
あぁ、同級生のおじいちゃんとおばあちゃんだから、私の祖父母とそんなに変わらない年齢なんだ。客である私に値段の計算を求める姿を見て、当たり前の事実に気がつく。

それからの私は足しげく通った。値札と違う金額を言う2人とそれを訂正する私、お店の隅に置かれるようになったシルバーカー、どれも自分の祖父母を見ているようで辛かった。でもベビーシューもプリンも味は変わらなかった。とても美味しかった。

そして今日。
閉店の貼り紙を見て、呆然と立ちつくす私。
最後にプリン、もう1回食べたかったな。


#突然の別れ

5/20/2023, 4:51:46 AM

泣かないで、と。
 そう言うべきなのだろうか。
 けれど、どんな言葉を掛けたとしても、いまは虚ろな目をした彼女の耳を、素通りしていくだけだろう。だって彼女は突然、何の心の準備もなく、大好きな家族を全員亡くしてしまったのだから。

 その喪失感と悲しみは、僕なんかが推し量れるものではない。確かに今の僕にも家族と呼べるものはいないけれど、家族とのあたたかな想い出がある彼女と違って、僕の場合はこの生きてきた人生のなかで家族という存在がいたことすらない。
 だからそれを失う悲しみなど、最初から想像することもできやしなかった。

 だから僕は言葉を掛ける代わりに、家族が眠る棺のひとつに縋り付くように座り込む、彼女の背後にそっと近づき、その震える細い背中をポンッと柔らかに叩く。
 彼女はゆっくりとこちらを振り返り、触れる相手が僕だと気付いたら、泣き濡れた視線を再び戻して俯いた。苦しげに漏れる嗚咽を、僕はただ黙って聞いている。
 これは彼女には言えないことだけれど、残念ながら僕の胸に悲しみは去来していない。彼女の母親と妹さんには、何度か顔を合わせて言葉を交わしたことがあったはずなのだけれど、生まれた時からすでに感情というものが他の人より欠落している僕は、どうしても彼らを思い浮かべて悼むことができなかった。

 こんな僕が彼女の隣にいていいものかとも考えるが、こんな僕しか今は彼女の隣に寄り添ってあげられる人間がいなかった。

 彼女は僕と違って感情も豊かで、人を思い遣れる心も持った素晴らしい人なのに、人よりも少しその感情を表現することが苦手で、内気な性格でもあったから、彼女にとっての学校の友達は僕ひとりだけだ。彼女の親戚らしい人達は葬儀に参列しているが、彼女とは二言三言話しただけで、すぐにどこかへと行ってしまった。

 別に文句があるわけではないし、誰かにこの場所を代わってもらいたいと思っているわけでもない。ただ少し戸惑ってはいる。僕は物理的に彼女に寄り添うことはできても、きっとその心までもを包んであげることはできないのだから。

 そんなことをぐるぐる思考していると、行き場をなくしていた僕の手に、いつの間にか彼女の手が絡まった。彼女は僕を振り返らずに未だ俯いたままだったけれど、僕の手の指先をきゅっと握り込む。

 僕はただ無言でそれを受け入れる。

 もしも彼女が突然いなくなったら、僕はこんなふうに泣けるかなと、泣いてあげられるかなと、そんな一抹の不安を抱えながら。



【突然の別れ】

5/20/2023, 4:33:58 AM

別れのときは、突然訪れる。

私の家族が、今日、死んだ────

あの子は、ご近所の方にも好かれていて、この村のアイドルのような存在だった。
そして、幸福を招く女神のような存在でもあった。

葬式には大勢の人が参列しており、手ぬぐいで目元を隠している人、声をあげて泣いている人。全員が悲しんでいた。

あの子が亡くなってから、時計の針が止まってしまったように、私の時間も止まってしまった。

ある日突然、奇妙な夢を見た。
そこでは、さわり心地の良い毛布のような地面がずっと、ずっと地平線まで続いていた。
そして、それが揺れだした。
逃げ場などない私は、とにかく前に、前に走った。
そして、いつの間にか大きな黒い宝石のようなものが足元にあった。
生き物の目だ。
特徴的なその目は、私の家族によく似ていた。
私がしゃがみ込み、撫でようとした。
しかし、ここで私は夢から追放されてしまった。

突然訪れた、最初で最後の再開だった。

この記憶はベッドから降りると同時に忘れ去ってしまった。
このぬくもりだけが私の体に残った。

5/20/2023, 4:15:24 AM

『突然の別れ』

離別にしろ死別にしろ「突然」って、あまりない気がする。
感覚は個人差ありそうだけど。

突然はじまった戦争で、平穏な日常とお別れせざるを得なかった人たちが世界にはいる。
平和との突然の別れ。

やるせない。

5/20/2023, 4:14:45 AM

「2人分」

突然に別れを告げられたら
なんと言うべきなのだろう。
そんなことを考えていたら朝になっていた。
「おはよー」
しんと静まる部屋に話しかける私。
そうだ、もういないんだった。
忘れてた。
そうか、それなら
2人分作ったご飯も日用品も
1人分になるんだ。
でも、あの人がいたこの空間
あの人が過ごしたこの部屋だけは
どうも使いにくくて。

5/20/2023, 4:07:28 AM

それはあまりにも突然の別れで。

“事故でっ、、子どもが飛び出して助けようとっ、、、”


、、、優しい君だから、、
うん、優しいんだよ君は。
助けたかったんだよね、
わかるんだ、、
でもさ、

僕はひどいかな。ひどいこと思っちゃう。
君でなくても、君が出ていかなくても、、、
あぁ、、ごめんなさい。
子どもは助かってほしいし
車の方だって、できれば無事で、


もっといえばみんな大丈夫だったらよかったんだ。

でもこうなってしまえば、
僕は、、どうすれば。
だって、今日映画行く約束だったじゃないか。
これから、


今日じゃなければ。
今日じゃなければよかったのか?
最終的に自分が悪いんじゃないかと。

吐きそうなくらい、何かが込み上げて、
息が、、苦しい。
悲しい。
寂しい、、、目の前に君がいるのに、
もう目を開けることはなくて。

痛かった、、だろうな。
悲しいことに傷だらけで。

泣いてるのは僕だけではなくて。

君の笑顔がもう、、、

見れないなんて。

5/20/2023, 4:07:10 AM

人の人生はわからないものだ

昨日仕事で一緒だった人との突然の別れ

昨日笑って話してた

車から見えた大きな富士山に感動し

これからの事を話してたばかりなのに

回想してみると 私があの時聞いた話は

きっと意味があったのかもしれない

私はそれを家族に伝えるために

一緒にいたのかもしれない

人にはそれぞれ意味がある

ただ悲しい出来事は起きてほしくない

5/20/2023, 3:52:37 AM

突然の別れ

それはとても苦しいけれど
そうでなければ
私たちはいつまでも
"手放す"ということを
学べない

5/20/2023, 3:52:14 AM

別れは突然やってきた。

いつかはと心の準備を
先延ばしにしていたけれど

言いたいことが沢山あって
まとまらなかった

繋がっていたい気持ちを
押さえ込む

好きという気持ちを
堪える

跡形もなく目の前から
貴方が消える

愛しい気持ちだけが
あなたがいる存在証明

5/20/2023, 3:42:43 AM

それは突然の別れだった。

黒い額縁。にこやかにピースした写真。

僕は未だにその現実を受け止められず、

泣きもしない。怒りもしない。

ただ…まだ、日常の中にいた。

学校に行っても、家に帰っても、布団に入っても。

何か、足りない。

まるで、僕だけが世界に、時間に、

取り残されてしまったみたいだ。

そんなある日。

学校にももう行かなくなったある日。

霊感のある友人が家を訪ねてきた。

その友人はただ一言。

「お前…いい加減、成仏しろよ。見てて気の毒だ」

あぁ…そうか。そうだったな。

いなくなったのは、僕の方だったのか。

本当に、それは突然の別れだった。

5/20/2023, 3:23:54 AM

旧友と飲み交わした金曜日の夜、他愛のないことに笑顔を輝かせだらしなく頬を緩めて笑う姿も肴になる。翌日が休みであることが、こと更に酒を美味くする。終始笑顔ではしゃぐ姿が眩しい。
仕事場で知り合い、意気投合した職人と毎朝のように出勤前にカフェを楽しむ。私よりも一回り以上も年上の彼とは、先月まで応援で入っていた現場で知り合った。現場に入ってすぐの頃は挨拶をする程度だったが、思い切って話しかけてみて世間話をしたのが仲良くなるきっかけだった。GW明けに異動になり、現在の現場を担当することになった。私は人に情が湧きやすいため、彼以外にも多くの職人と親しくなっていたことから寂しさを感じずにはいられなかった。しかし、彼とだけは連絡先を交換していたことが縁を繋いだのだろう。
私は毎朝四時に起床する。身支度を済ませて六時前には片道三十分の事務所へ向かう。途中、事務所近くの駐車場で車を乗換える。事務所に到着すると、朝の準備を済ませてのんびりするのだが、そんな時に彼から電話が鳴った。「おはよう。今どこ?コーヒーする?」とカフェのお誘いだった。事務所近くのコンビニは彼の通勤経路の途中にあり、そこが私たちのモーニングカフェの決まり場所となった。以来、毎日のようにそのコンビニで彼と落ち合って三十分ほど会話を楽しんでいる。ときに、相談をしてアドバイスを頂いたりしている。
工区では二十歳の職員と二人で現場を見ているが、その職員は六月に異動が決まっている。私は彼の業務を引き継いで、今後はひとりで管理していくようになる。若い彼にはまだまだ常識的なことや社会通念上のことなどが足りていないように思うが、素直で真面目だ。そして、私に適度に気を使いつつ心を開いてくれ、何でも話をしてくれる。また、私も分からないことは彼に確認を取るが、嫌な顔をせず丁寧に教えてくれる。さらに、元請け職員のなかにも若い方がいる。二十五歳の元請け職員の彼は、院卒ということもありしっかりしている。今まで学んできたことは現場では通用しない、みぎもひだりも分からないと不安になっていたが、職人さんと仲良くなること、分からないことは上司に聞く前に自分で調べてみて、分からなければ職人に聞くのが一番早い。その上で気になることを簡潔にまとめて上司や先輩に確認をとるようにすれば、吸収速度は何倍にもなるのだと、アドバイスをすると笑顔で返事を返してくれた。その後、それを実践している姿を見ると本当にいい子なんだと感心する。そして、尊敬する。
きっと、様々な考えや目標があってこの仕事を選んで専攻してきたのだろう。期待や不安に胸をふくらませて入社したのだろう。楽しみやドキドキに踵を弾ませて現場に配属されてきたのだろう。しかし、彼の周囲には優しい上司が揃っている。三年後には立派な現場監督になっているだろう。驕らず、恥じず、悖らず、努力を惜しまず探求し続ける姿勢さえあればどんな姿にもなることが出来る。決して自惚れず、どんなにゆっくりでも真っ直ぐに歩んでいってくれることを願っている。

さて、なぜこのようなことを語ったのかと言えば、人というものは、生き物というものはいつこの命に終わりを迎えるか分からない為である。一度きりの人生を無駄にすることなく、少しでも有意義に過ごすためには怠惰であってはならない。子供の頃に人生の長さを考えたことがある人は少なくは無いだろうが、人生の折り返しは実を言えば体感的には18歳頃になる。これは研究結果も出ている。高校を卒業する頃、または中卒で働き始めればひとつの区切りである歳でしかないが、この頃になると人はあらゆることの経験を積んできている。人生の様々なアトラクションの大部分を体験していることになることから、新鮮味を感じる機会や時間が極端に減る。人の体感時間は、如何に新しい環境や新鮮な環境に身を置くかで変わることが分かっている。つまるところ、余程の新鮮な体験を自ら得ていかない限りは人生の体感速度は歳を追うごとに、益々加速していく。これは本人が無自覚無意識であればあるほどに如実に現れる結果となるため、今を生きることがどれだけ尊いことであるのか分かる。
私が親しくなった人達との別れを惜しみ、若い職員の将来を楽しみにしてアドバイスを与える背景にはこのような考えがあるからだ。1度きりしかなく、しかもその人生は歳を追うごとに速度を増していくのだから貪欲でなければ、ただただ無駄にしてしまうのだ。言わば時間をドブに捨てているも同然であると言える。時間は、財産そのものだ。そのドブに捨てた時間で、金を得られたやも知れないし、リスキリングに注力して自身の付加価値を高めたかもしれない。全てが等しく与えられた財産であるにもかかわらず、むざむざと無駄に生きて咲くはずの花を種のまま腐らしてしまい兼ねない。故に、願わずにはいられない。人との別れを惜しむことも同じことだ。良い知己は財産である。


私がここまで熱弁してきたことの根底にある考えは、生き物である以上は様々な要因や因果があって突然に命を終えることがある。昨日笑顔で会話を交わした人が、翌日の朝に息を引き取ったことがある。急性心不全だったそうだ。病気もなく、趣味が運動などで適度に楽しみながら生きていた人がなんの前触れもなく急逝したのだ。突然の別れというのは誰にでも、訪れるものだ。だからこそ、人の背景に目を向けてしまうだ。そして情が湧いてしまうのだ。


私もまた、明日、今日、もしかすればこの後に命尽きるかもしれないのだ。

5/20/2023, 3:23:51 AM

突然の別れではなかったが
今日はわたしの失恋物語を語ろう
長くなっても ゆるしてくれ
読みたくなかったら 読まないでおけ
では、素敵な土曜日を



私は、恋愛ってやつにめっぽう弱い
好きなタイプは 分からない
どんな外見の人が好みかも 分からない
男は175cm以上ないとダメ
とかいう女の事も理解できないし
リア充が羨ましいとも思わないから

しかし、
そんな私も一目惚れを犯してしまった
それは去年の選抜大会
隣でアップをとっていたのが
世に言うイケメンの集団で
その中に見つけてしまったんだ
集団の中には必ずリーダー格が居る
そしてそれに隠れるサブ的な存在も在る
私が惚れたのはその後者
自分らしく戦ってる感じが格好良く見えて
その人の何が好きかも分からないけど、惚れちゃってた

それから 昨日の大会までずっと
叶いもしない片想いを続けていた
あの人は 去年と変わらず格好良くて
案の定 二度目の罪を犯したさ
勿論、二目惚れをね
でも話しかける勇気はなくて
私の恋は表に立てなかった
それを失恋と呼ぶのかは私にもわからないけど
この恋らしき心のモヤは あの場所に置いてきた

もし彼が運命の人なら
またどこかで逢えるかなと
淡く期待してしまうけど
一目惚れなんてロクな恋にもならない
そう思ってしまえば この終わりで良かったとも思う

楽しい時間をありがとう
またいつか、私の好きな人
ばいばい 私のカタオモイ。

_ ₅₇

5/20/2023, 3:03:10 AM

突然の別れ

「じゃあな」
本当に突然だった。
夕闇の中、理由も告げずたった一言を残して背を向けて歩き去る。
いくら口下手だと言ってもこれは納得できない。
でも、追い縋って肩を掴んで問い正したい気持ちを拳を握り込む事でなんとか抑え込む。
そんな重い気持ちを表に出す訳にいかないのだから。
まだ、宵の口なのにと叫びたい気持ちを抑えて返事を返す。
「明日も今日と同じ時間に迎えに行く」
登校時間までのお別れだ。


              ティブロン

5/20/2023, 3:00:41 AM

雨は予報された通りに降るわけではない。だから、私が気まぐれに外に出た今この瞬間降り始めることだってごく自然なのだ。
こうして雨を惹きつける自分を恨んだことはない。雨は私のことがきっと好きでたまらなくて、ついついやってきてしまうのだろう。それはとても愛おしく、同時になんて身勝手なのだと怒りすら湧いてくる。だって──ほら。
帰宅した瞬間、愛しの「彼」はどこかへ行った。散々好きだと囁くくせに、私が愛を返そうとすると恥ずかしがっていなくなるのだ。
我慢の限界に達したある時、シャイなあの人を振り向かせる術をひとつ思いついた。私は次の日海へ身体を沈めた。そこは私を出迎えるように輝いているようにも、追い出そうと嘶いているようにも感じた。でも、どう思われようとも構わない。私だってあなたが好きなのだ。

──彼女がいなくなったその日、世界中が突然の豪雨にみまわれたという。

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