別れのときは、突然訪れる。
私の家族が、今日、死んだ────
あの子は、ご近所の方にも好かれていて、この村のアイドルのような存在だった。
そして、幸福を招く女神のような存在でもあった。
葬式には大勢の人が参列しており、手ぬぐいで目元を隠している人、声をあげて泣いている人。全員が悲しんでいた。
あの子が亡くなってから、時計の針が止まってしまったように、私の時間も止まってしまった。
ある日突然、奇妙な夢を見た。
そこでは、さわり心地の良い毛布のような地面がずっと、ずっと地平線まで続いていた。
そして、それが揺れだした。
逃げ場などない私は、とにかく前に、前に走った。
そして、いつの間にか大きな黒い宝石のようなものが足元にあった。
生き物の目だ。
特徴的なその目は、私の家族によく似ていた。
私がしゃがみ込み、撫でようとした。
しかし、ここで私は夢から追放されてしまった。
突然訪れた、最初で最後の再開だった。
この記憶はベッドから降りると同時に忘れ去ってしまった。
このぬくもりだけが私の体に残った。
5/20/2023, 4:33:58 AM