『私だけ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私だけ。
貴方のことが好きなのは。
うんん。
そんなことない。
クラスの子にも好かれている。
最悪で最低な事実。
いいよ。
-
だって本当に好きなのは私だもんね?
って、そんな訳ないか。
てんで駄目な私の事なんか誰も好きになんてなりはしない。
私自身も否定するような、そんなダメ人間。
ただ、そこら辺にいる普通の脇役。
知ってくれてる人なんているはずが無い。
自信が無いの。
知ってくれてる人がいないだもん。
んん?そっか、それって。
がんばって日々を生きている私に失礼だよね。
………私、頑張ってんのかな。
怠惰な日々を過ごすだけの私が、私に向かって失礼なんて。
失礼なんて、言っていいのかな?それこそ、日々がんばって働いている人に失礼じゃない?
のこのこ仕事場にやってきて「頑張ってますね」って言うくらい失礼じゃない?
……今年こそ、自分を責めないって決めたのに。
とっとと消えてしまいたいくらい自分を責めってるっておかしくない?
だけど、仕方ないよね。
今までやって来たことを今更。
直ぐに変えることなんてできない。
昨日だってこうやって反省したはずなのに。
なんで、私ってこう、すぐに反省出来ないんだろう。
飲み込んできた言葉。
憎らしくて憎らしくて仕方が無い。
-
あそこで飲み込んでいなければ、私は変われた?
私だけ。
特別って思ってない?
ー私だけー
私だけではないと思うが
「変わってる」とか「変な人」って言われるの
嫌いじゃない、ってかなんか嬉しい。
隣の芝生は青いらしいので
多分私は平凡でつまらないから
そんな言葉が嬉しいんだろうな。
逆に「常識的」とか「多数派」って言われて
嬉しいとかホッとしたりする人は
私の羨む変わった人なんだろうな。
…え、違う?変わってない?そいつは失礼。
(私だけ)
『私だけ』
暑い。
葉書を投函して汗を拭う。
ちょっと首を傾けて投函口を覗くと、もういっぱいになっているのが見える。
そろそろ、このポストも溢れるかぁ。
次のポストは小学校の向こう側だ。
「かもめ~る」懐かしい響き。
暑中見舞いの葉書、夏らしいデザインのものが毎年出ていて、良い風物詩だったんだけどなぁ。
この国のみならず、世界中が高温期に入ってどれくらい経っただろう。
もう数えるのもやめてしまった。
あまりの暑さにいろんなものが溶けた。
樹脂で出来たもの
石油から精製したもの
それから――生き物
こんなことになる前は、「暑い〜溶ける〜」なんて軽口で言ってたな。
まさか本当に溶けるとは思ってもみなかった。
目の当たりにした時は、びっくりした。
しかし、さすがに鉄製の郵便ポストは溶けてない。
強い。頑丈。
今のところ。
さて、明日は小学校の向こう側に足を伸ばさなくては。
暑中見舞いは風物詩ですから。
使命感に燃えるよね。
だって、溶けてないのは――私だけ。
なぜこんなことになっているのか
持つことが出来なくなったペンを見下げて、涙が出たのです。
浅い息を自覚しながら
何も出来なくなったのです。
喉の奥がぎゅると
古びた機械音みたいに錆びました。
眼前の人は灰色のようにその日を生きていましたが、
派手色の私は明滅し、グレアじみて揺れていました。
私だけこんな、動け、私以外は大丈夫なのに。
体中異音がしました。
関節を勢いよく叩きつけました。
幸い動き出し、マネだけは出来るようになりました。
私は味を占めました。
騙し騙しまだいけるのだ。
何度も叩きつけ、動き。叩きつけ、動き。叩きつけ、動き。叩きつけ、動き。
ある日に陶器のように白く滑らかな腕を横目に、
小さな傷でボコボコになった自分の腕を見つめて、
まだ動くなぁとゆらゆらしていました。
〜私だけ〜
悩みというのは厄介だ
自分だけではどうしようもないから
人に相談するけど深刻な悩みほど解決出来ない
それは私だけにしか理解できないからだ
それを伝えようともがけばもがくほど
逆に傷が増えることもある
傷つくことを恐れて話せない人も多いだろう
こういう時私はこれを自分救済の試練と捉えている
解決は私だけが出来ること
世間は意地悪なもので
これでもかと言わんばかりに
押し潰そうとしてくる
悩みを持つということはそれだけ真面目な証拠
世間的に「ダメ人間」というレッテルを
貼られてしまっても所詮世間の目は重要ではない
道徳心があり法を犯すようなことをしてないのなら
批判なんかクソ喰らえ
たった一度の私だけの人生
守れるのも私だけ
世間の悪意に負けないで
特別になりたいのは嘘つけないわ
でも私は自信が無いから
貴方にずっと見てもらえるとは思っていない
それなのに
離れた所からそっと見てるだけで良かったのに
人間って欲が出てしまうのね
貴方に気付いて欲しいの
私という存在がいるって事を
・・・今はそれだけでいい
「私だけ」
見ている景色も、頭で考えていることも、なんならこの世界自体も私だけのもの。私から見える世界はみんなとは違う。あなたの世界も私は知り得ない。
私だけのものなのに私の思い通りにはならない。
予想しようとしたり、一緒のものを見ようとしたりする。それでも無理なものは無理だった。
私だけ
じゃなく
みんな
暑い!
私だけ(真後ろの特等席)
梅雨が明けました、と朝の天気予報で、アナウンサーが声高に宣言してたっていうのに………。
―――通学途中、電車に揺られて降りた駅の向こうでは傘を広げる人の群れで混雑していた。
………。傘、持ってない。置き傘も重くて邪魔だからバッグに入れてこなかった。
あれ、今日って雨予報だったっけ………?
ああ。家を出る時は確か曇っていて、まあ学校に着くまでもつだろうと楽観視してしまったんだった。
………今、完全に裏目に出てるけど。
―――わたしは軒下から掌を差し出してみる。
傘がなくても何とか小走りで行けなくもない、か。
学校まで距離があるけど、そこまで強く降ってるわけじゃない。ここは根性で乗り切って………、
「あれ」
「え?」
駅のすぐ傍に止まった自転車。
雨凌ぎがてら軒下にそれを止めて、脇に降り立った彼が自分に視線を送る。
あ。確か隣のクラスの、
「何してんのこんなとこで」
「え。あの………雨宿り」
「ふーん。でもあんま時間なくない? 始業あと10分もないけど」
「うん、だから走ろうかなって思って」
止みそうもない雨を見上げて、わたしは再度決心をする。
「………。乗んなよ」
「えっ!? いや、でもそれはさすがに」
悪いし、と戸惑っていると、彼はちらりと腕時計に目をやって「あと8分」と急かした。
「遅刻したいの? ウチの学校厳しいの知ってんでしょ」
「そ、それはそうだけど」
「乗って。濡れるのは覚悟して、プラス遅刻よりはマシだと思って」
………。
わたしは逡巡するものの、彼をこれ以上引き留めるのも申し訳ないと思い、思いきってその荷台に跨った。
「しっかり掴まって、落ちたら諸共ってね」
―――どこか楽しそうに聞こえるのは罪悪感からくる思い上がりだろうか。
風を受けながらその背にひしと寄り縋っていると。
漕ぎ出した彼が雨の中、裏道を駆使して最短で学校へ到着したのには舌を巻いてしまった。
「ありがとう、助かりました」
ぺこりと頭を下げるわたしに、何で敬語?と彼が笑う。
今まで意識してなかったのに格好良く映って、わたしは内心調子が狂う、と反射的に顔を背けた。
「………俺さ、自転車の後ろに人乗せたの初めてなんだよね」
ハンドルとサドルについた雨粒を払い、彼は自転車置き場へ向かおうと背を向ける。
「よかったら指定席にするからさ、懲りずにまた乗ってよ」
―――え。
振り向きもせず後ろ手に手を振られ、わたしは思わずその場に固まる。
え、それってどういう………?
その意味と意図に半ば混乱しつつ思いを巡らせ始めた途端、校舎内にチャイムが鳴り響く。
わたしは頬が熱くなるのを感じながら、慌てて教室へと続く階段を駆け上がった。
END.
『私だけ』
私だけ何も無い、とか
私だけ一人ぼっち、とか
ネガティブなことばかり考えてしまう
でも、ポジティブなことを言えば
私だけが私をよく知っている
私だけが私を一番幸せにできる
ってことかな
スカイラークパスワード
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簡保パスワード
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e革新パスワード
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ナナコ会員パスワード
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7イレブンパスワード
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スタバのパスワード
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ゆめかーどのIDぱすわーど
CWE5827428
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合言葉元気
忠雪ネット暗証番号
1829
道代ネット暗証番号
2207
私だけ?
ポジティブになれないのは?
私だけ?
飽きっぽく趣味が続かないのは?
私だけ?
根気が無いのは?
私だけ?
何か秀でた才能が無いのは?
私だけ?
調子の乗ると失敗するのは?
私だけ?
将来やりたい事が無く、惰性的になってしまっているのは?
私だけ?
モテ期が無かったのは?
私だけ?
飼い猫に懐かれないのは?
私だけ?
40.過ぎても子供っぽく、大人に成り切れていないのは?
私だけ?
周囲の人と距離を詰めるのが苦手なのは?
私だけ...わたしだけ...ワタシだけ...わたスだけ...わダスだけ...?
もっともっとネガティブオンリーワンは出てくるけど、そんなガラクタだらけの自分はWATASHIだけであり、なんとか続けて今日まで無事に辿りつけたのは、あたすだけなのかもしれない。
あなたの目も、鼻も、口も、顎も、眉毛も、髪型も、体型も、四角い爪も、横顔も、まつげも全部全部私だけのもの。
『私だけ』
たくさんいたきょうだいのうち、私だけがお父さんに連れられてお山へ向かった。出掛けに見たお母さんは私を見るとわっと泣き出したけれど、その理由をお父さんは教えてくれなかった。
お山には神様がいて里を守ってくれているのだと聞かされていた。神様には毎年お祭りを開いてお供えをしているけれど、何年かおきに特別なお供えをする。今年はその何年かおきの年で、特別なお供えはたぶん私なのだろう。前を行くお父さんからなにか堪えるような声と鼻をすする音が聞こえてくるのを私は何も言わずに聞きながらお山を登った。
お山のお社には誰もいない。ここでお別れだと言ってお父さんがお母さんのようにわっと泣き出して、抱きしめられすぎて体が痛くなって、そして一人きりのお社に夜がやってきた。一人きりと思っていたお社に声が響く。
「こっちへおいで」
お社の暗がりだと思っていた一角から明るい光が見えている。あそこへ行ってしまうともう二度と戻れない。そんな確信が起こったから、一度里のあるほうを振り返ってお父さんのことやお母さんのこと、きょうだいたちのことを想った。どうして私だけが、とも、私だけで済むのなら、とも思えて、先に進むしかないことを嫌だなとも思ったし、仕方ないとも思った。前を向き直したらその光が消えていたらいいのに。思いながらその通りにはなっていないことに観念させられて、私はひとり引き寄せられるように歩き始めた。
私だけ?何が?貴方の方が特別じゃない。
なのにいつも何時も、惨めな様な、底知れない怪物を見る様な目をしてさ、
ほんっとに最低。
「…そういえば、最近あの子見かけなくなったのよね。」
カフェで二人お茶をしていた時、ふと目の前のおねえさまがそう零した。
「あの子って?」
「ほら、ちょっと前に知り合ったって言ってた他寮の…」
「あぁ、おねえさまが怪我の手当てしてあげたって言ってたブロンドヘアの人?」
「そうそう、あの子話してみると気さくで良い子だったから今度貴方にも紹介してあげようと思ってたんだけど、この頃あんまり会わないのよね…。」
まぁあの子も怪我なく元気にしてたら良いんだけど、と言って紅茶を飲むおねえさまは優雅で美しくて今日も世界一可愛い。
「ふーん……?」
変なの、と小首を傾げて目の前のケーキを1口頬張る。
甘酸っぱいラズベリーの酸味と滑らかなクリームの程よい甘みが口に広がり、思わず美味しい…!と頬を緩めた。
「ふふ…ほっぺにもついてるわよ。」
「んむ、」
そう言っておねえさまが私の頬についたケーキのクリームをそっと指で拭うとそのまま自らの口へと運ぶ。小さなリップ音と共にクリームはおねえさまの口に消えていった。
「〜〜お、おねえさまったら…!!」
「あらほんと、甘くて美味しいわね。」
ご馳走様♪と少し悪戯っぽく微笑んだおねえさまに思わず赤くなった頬を抑える。
その後「もう、おねえさま大好き…っ!」と私が零すと、ちょっぴり照れてはにかんでいたおねえさまが可愛すぎたという事もここへ記しておこうと思う。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「〜♪〜〜♪〜♪〜」
鼻歌を歌いながら階段を下っていく。
おねえさまと私は寮が違うから、先程おやすみのキスをして別れたところだ。
そういえば、おねえさま気にしてたな…と“ブロンドヘアのあの人”の事を思い出す。
“キャッ…!な、何するの……!?”
“…やだなぁ分かるでしょ?次、おねえさまに近づいたらどうなるか……。気をつけてね?”
…ちょっとご挨拶しただけだもん。
物分りの良い人で良かった。
部屋に戻っておねえさまとのデートの為におめかししてたオシャレな服を脱ぐ。
そして寮カラーである緑の制服に着替え、うっすらと狡猾な笑みを浮かべた。
「大好きなおねえさまがずっと私だけを見ていてくれますように。」
#私だけ HPMA side.C
「私だけ」
"いい人ぶって"
"人気とろうとして"
"あなたは一人でいた方がいい"
"お互いのためにも、早く出てって"
"あんたは一人で暮らした方が絶対いい"
"全部お前が悪い"
全てが私のせいだけじゃない
なのに何故、全て裏目に出てしまうの?
何故私の努力や思いだけ、一人二人の他人に邪魔されて
継続する精神を壊してくるの?
自身の家でも性格や思いの違いで
合わしあいが大変なのに、いくら社会の世界でも
他人がその一人の人を、不快感や妬みで意地悪をしていいはずがない。
捉え方や発言は自由だけど、
悪気や悪意があるかないかは、当人同士しかわからないのに何故「そんな人じゃないから」「皆んな大人だから」と第三者が言い切れるの?
きっと…ううん、決して、私だけのせいじゃない
人間関係 一人のせいだけなんて無い
私だけじゃない
あなただけじゃない
「1年半このアプリで投稿し続けてさ、ガチでいっぺん呟きのアンケートみたいに、皆どんなネタを好んで求めてるか聞いてみてぇとは思ったりしてるわ」
俺だけ、なのか、俺だけじゃない、なのかは、それこそ集計取れねぇから分からんけど。
某所在住物書きはカキリ小首を鳴らし、呟く。
なんとなく、ニーズを知りたいのだ。
「あとアレよ。『完全に書けねぇお題が来たとき、お題ガン無視でハナシ書いちまっても良いかな』とか。絶対俺だけじゃないよな。……だよな?」
ところで俺はエモ系ネタ不得意だけど、他の皆様は、どういうお題が苦手なんだろ。物書きはふと疑問に思ったが、知る方法も無く、結局深追いをやめた。
――――――
猛暑と熱帯夜ばかり続く都内某所の某支店、客がほぼ常連ばかりの過疎店であるところのそこ、昼。
菓子作りが趣味の付烏月、ツウキという男が、給湯室で休憩用のスイーツを準備している。
支店の従業員と支店長と、それから上客なマダム1名分。アイスクリームとソルベである。
ティーカップのソーサーを器代わりに、低糖質バニラアイスをひと盛り、ふた盛り。上にルビーレッドのクリアなシロップをかけ、ミントをひとつ。
アイスの周囲を一回転、エメラルドグリーンのシロップで色付け。口直しとしてバニラの隣にはレモンソルベが小さく添えられた。
ルビーとエメラルドは付烏月の友人からの提供物。
某マゼンタ色に白いロゴ文字のプチプライスショップで見つけたスイカアイスの素とメロンアイスの素を、それぞれ軽く煮詰めた。
店員の口車に乗せられて双方3本ずつ購入してしまったものの、使い道が思い浮かばず、菓子作りを趣味とする付烏月に1缶ずつ提供した次第。
詳しくは前回投稿分参照だが気にしてはいけない。
「お待たせしました。マダム」
アイスをトレーにのせ、給湯室を出た付烏月。
まず常連の女性が座るテーブルへ。
スマホのスピーカーからは、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第14番、第1楽章が穏やかに。
「スイカを主題にしたバニラアイスと、口直しのレモンソルベです」
「頂くわ」
はやる気持ちを澄ました視線と声で隠す上客。
この状況の言い出しっぺである。
『せっかくアイス頂くなら、私、ちょっと体験してみたいアクティビティがあるんだけれど』
そのアクティビティとはつまり、いわゆる執事カフェであった。それっぽい雰囲気をやってみてほしいと。
仲の悪い彼女の友人が、先日彼女だけをこっそり除いて、その手のカフェの数軒に行ってきて、長々堂々、強火マウントよろしく自慢されたそうなのだ。
『私だけ放ったらかされたの』
その日この店で20万の契約を結ぶ予定のマダムは、口をとがらせ、軽くスネて見せた。
付烏月は「え?」であったが、
彼の3月からの同僚と今年度からの新卒者の目が、
それはそれは、もう、それは。
金剛石のように、キラリ、輝いたのであった。
『やってみてよ付烏月さん。減るもんじゃなし』
「お茶を用意してちょうだい。冷たいものを」
「大麦のアイスティーと、冷水で抽出したゆず入りのグリーンがございます。マダム」
「グリーンが良いわ。出してちょうだい」
「はいマダム。ただいま」
大麦のアイスティーって。大麦ティーって。
それただの麦茶だよ付烏月さん。
遠くからエモめの光景をパシャパシャ撮影している例の同僚は爆笑をこらえて吹き出し寸前。
良さげに綺麗に撮ってほしいと頼まれたのだ。
絵面が良いのだ。なによりマダムが美しく付烏月がそこそこサマになっているのだ。
弦楽器のクラシックが流れ、老淑女と若執事が語らう尊き構図で、つまり、付烏月は「麦茶ありますよ」と言ったのだ――それが同僚にツボったのである。
だが良い。すべてエモい。すべて尊い。
なお絵面と構図だけ。会話内容がギャグ。
「バニラが美味しいわ。どこのものかしら」
「コンビニエンスのブルーから取り寄せました」
「この懐かしい味のシロップは」
「マゼンタのプティ・プリィ・マガザンから」
「レモンソルベは何を使ったの?」
「はい、マダム。ポッカーを少々」
「トレビァンよ。下がってよろしい。ありがとう」
「光栄です。マダム」
ごめんなさいね、ごっこ遊びに付き合わせて。
至極幸福そうな老淑女は、最終的ににっこり笑って、少し詫びて一瞬目をつぶる。
マダムの次は支店側の従業員と支店長への給仕。
付烏月が振り返れば例の同僚が、「青いコンビニ」と「マゼンタのプチ・プライス・ショップ」と「レモン果汁少々」の言い方に敗北している。
抱えた腹は相当に痛そうに見えた。
最終的に気を良くした上客は、当初20万の予定であった契約を30万に増額してサインし、
付烏月は付烏月で、自分だけ、ピンポイントに自分の分だけ、昼休憩用のアイスを作り忘れましたとさ。
私だけ
私の視線の先に、あなたを映す。
そんなあなたの視線の先はいつも違う女の子で、どうして、その中に私は入らないのだろうかと日々考える。
顔?身体?あなたは何を考えてその子たちを見ているの?モヤモヤする心を抱えて、またあなたを見た。
ねぇ、私だけを見てほしい。なんて、行動もしていない私が言えたものじゃないけれど、欲望はふくれあがってしまうの。
いつか私だけを望む人になってくれますか?
実習中、私だけがここにいて、ここにいない気がしてた
自分のことを本当にわかってくれる人がいない環境は、自分を闇に落とすことになると知ってしまった
でもだからこそ、自分を大事にしてくれる人のありがたみも一緒に知れたんだ