『眠れないほど』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
眠れないほど
眠れないほど貴方のことが忘れられない。
貴方は私の前から突然に姿を消した。なぜなのかわからないけど突然居なくなってしまった。
そして貴方が亡くなった事を私はあとから知った。どうして何も言ってくれなかったの?
ねぇずっとずっと大好きだよ。
今日も貴方が空の上で幸せなことを願ってるよ。
眠れないほど、あの子のことが気になっている。
あの子は今、泣いていないだろうか。
『眠れないほど』 -終わらせないで&泣かないで 関連作品-
俺が外科医として勤務する外科病棟に今年も2名の新人看護師が配属された。
古川さんと、宮島さん。何をするにも始めから器用な古川さんと、不器用な宮島さん。ただ宮島さんなりに成長しようと、毎日もがいていた。そんな彼女も1年を過ぎる頃、同期の古川さんと遜色なく働けるようになり、いつしか古川さんを追い越していた。
ある日、久しぶりに宮島さんにドレーン挿入の介助に入ってもらった。前回の介助よりも処置がしやすい。患者の様子に気を配るだけでなく、俺が動きやすいように気を配って動いてくれる。彼女の看護に感嘆し、部屋の片付けを終えて廊下を歩く彼女を呼び止めた。「やりやすかったよ」頭をポンッと軽く叩く。感謝と労い。彼女の努力を認めたいだけだった。だけど、彼女の俯いて上から見える耳が紅く染まっているのを見て知った。宮島さんは俺に好意を持っている。その場を離れ、廊下を歩きながら俺は口元を押さえる。動悸がする。女の子から好意を持たれていることを知って自分が意識しだすなんて、10代でもあるまいし。だけど、宮島さんのことを思い出す自分がいる。宮島さんは、俺の介助に着くとき、いつだって患者の様子に気を配り、俺がやりやすいように介助してくれていた。献身的と言って良い。
いつしか彼女のことを目で追い、彼女のどんどん成長する看護を褒めて頭に触れる。看護師に医師が優しく触れる必要なんて全くない。だけど、愛しくて触れたくなるのを抑えきれなくて。笑みが溢れないように我慢する彼女が愛おしくて笑ってしまう日々。
俺は結婚している。
妻を幸せにすると本気で誓ったあの想いは今も続いている。それなのに。
俺は来年開業する自分のクリニックへ宮島さんを連れて行かないことに決めた。彼女から離れた方が良い。宮島さんは落ち込むだろうけれど、でも彼女は患者にも慕われて感謝されることが多い。きっと友人、仕事仲間や患者が彼女を癒してくれる。…代わりに古川さんを連れて行くことに決めた。
その頃、小児科病棟の改装工事に伴い、患児に外科病棟50床のうち25床が与えられた。外科ナースは外科看護と小児看護の掛け持ちとなり、2週間ごとのローテーションが組まれた。
宮島さんは、小児科に向いていた。患児が懐き、宮島さん本人も自然な笑顔が増えてイキイキしている。小児科スタッフや家族の信頼も獲得して、彼女はローテーションから抜けて小児科を担当することが多くなった。外科では一緒に働けなくなったけれど、同じ病棟、同じナースステーションのために彼女の姿は目にすることができる。
……小児科の佐々木先生が彼女に笑いかけて、小児看護に不慣れな宮島さんを優しくサポートする姿をよく目にした。佐々木先生は宮島さんが好きなのか。未婚で優しい佐々木先生は、俺よりもよっぽど宮島さんに似合う。
俺はますます彼女を自分のクリニックで働かせないことを決めた。佐々木先生も来年小児科を開業する。そこが宮島さんに相応しい場所だ。俺は、古川さんをクリニックに勧誘して良い返事をもらった。
後日、元気のない宮島さんを目にする。俺が宮島さんの看護の力量を認めていないと思ったからだろう。違う、と強く否定して自分の気持ちを告げたくなる。俺も好きなんだと言って聴かせたくなる。そんなことできないのに。
冬が終わる頃、小児科病棟の改装工事が終了して小児患者やスタッフは元の病棟へ戻り、外科の軽症患者や外科ナースとして応援に行っていたスタッフも戻ってきた。すっかり外科小児科混合病棟だった名残りは無くなった。
俺は3月でこの病院を退職する。宮島さんとの仕事も残りわずかだ。宮島さんは一時の元気のなさから回復して相変わらず俺がやりやすい処置の介助をしてくれていた。
想うのは、いつも宮島さんのことばかり。
気持ちを振り切るように医師が出払っている医局の自分の席で文献に目を凝らす。思いの外治療の効果が出た抗癌剤に、同じようなケースは過去になかったかと文字を辿っていく。
医局のドアが開き、佐々木先生が部屋に入ってきたのを見て、パソコン作業に戻る。正直、逢いたくない相手だ。宮島さんのみならず、誰にでもおおらかで優しく面倒見があって、彼を悪く言う人はいなかった。既婚者の俺が宮島さんを好きで職場で頭に触れてなお、俺の気持ちにも理解を示した男。
以前、彼女を自分のクリニックへ連れて行き、小児科ナースとして育てると宣言された。もう伝えたのだろうか。
「宮島さん、外科看護の経験を積んでいくそうですよ」
俺のいない病院へ残って外科を続ける?佐々木先生のところに行くかどうかはともかく、あんなに小児と毎日楽しそうに過ごしていたのに?不思議に思ったその先で、佐々木先生が俺の心の中の問いに答えを告げる。
「彼女は優しい人ですね。僕を傷つけない方法を選んだ。益々好きになってしまいました」
ああ、佐々木先生は彼女に告白して、彼女はその想いを受け取らなかったのだ。佐々木先生に期待させることも避けて…小児看護が向いていると自分でもわかっていただろうに。彼女の優しさを感じて、俺も益々好きになる。いつだって彼女は一生懸命で、献身的で、自分の気持ちに応えてほしいと欲張ることもせずに。
「わかりますよ、俺も同じですから」
何もかも投げ出して、好きだと伝えられたら良いのに。俺は佐々木先生から逃げ出すようにパソコンの電源を落として部屋を出た。
数日後、俺は宮島さんが日勤を終えるのをコーヒーを飲みながら休憩室で待っていた。日勤終わりの宮島さんにコーヒーを勧めて、しばらく雑談する。本当に言いたいのはそれではないのに。
飲んでいたコーヒーが空になり、ようやく本題に入る。
佐々木先生のクリニックの誘いを断ったことを宮島さん本人から確認して、俺は告げた。宮島さんは頑張れる人だということ、知り合いのいない土地で絶対に辛いことがある医療の仕事でも乗り越える力があること、それを俺が3年間も見てきたこと。
宮島さんが佐々木先生の誘いを断ったのは、引越しをしなきゃいけないからじゃない。絶対に辛いことが起きる看護を一人で続けられるか不安だからというのは、大きな理由じゃない。
本当は、自分のことが好きな人の元へ着いて行く、だからいずれ---そんな期待を宮島さんは彼女の優しさで持たせたくないからだと知っている。そこを避けて小児看護を勧めていく俺は、なんて臆病者なのだろう。
彼女は、俺との時間の終わりを感じ取った。終わらせたくないのは一緒だとその柔らかそうな白い手を取って告げられたらどんなに幸せだろう。
だけど。
「佐々木チルドレンクリニックを考えてみなよ」
外科よりも小児科が合っているかと問われて、それに答える。
宮島さんが外科で努力している姿を1番見てきた俺が。
「そうだね。子どもの接し方が上手だから」
彼女から「考えてみます」と返事をもらって、宮島さんだけが片想いだと思っていた、この幸せで切ない時間はもう終わりだよ、と暗に告げる。自分にも言い聞かせるように。
「何があっても佐々木先生が助けてくれるよ。宮島さんは、佐々木先生のお気に入りだから」
最後に宮島さんの頭に触れる。もう、こんなふうに俺が頭に触れることはない。少し冷たいサラッとした手触りの心地良い頭皮に。いつも笑みが溢れないように幸せそうに唇を閉じていた宮島さん。今日も俯いているけれど、その表情を確認できない。確認してしまって、涙を溜めていたら俺は、宮島さんをきっと強く抱きしめてしまう。俺がどんな顔をしているのか、自分でもわからない。
呼び出し音が鳴る。外科医として部屋を出て、急ぎ階段へ向かう。自分が泣きたくなっているのがわかったから。傷つけたのは俺で、俺が泣く資格なんてどこにもないのに。
咳払いをしてからコールバックをしてナースから情報をもらい、患者の様子を見に行く。看護師の言うとおり、ドレーンからの出血が多い。バイタルは今のところ安定している。バイタルの変化に注意してほしいことと、採血とレントゲンの指示を口頭で出してナースステーションに向かう。ナースステーションの奥にある休憩室には宮島さんの姿はなかった。今は、目の前の患者に集中するべきだ。俺は電子カルテにログインした。
患者の経過を見て大丈夫だろうと判断して帰宅したのは深夜だった。部屋の電気は既に消えて、キッチンカウンターには俺の夕食が皿に盛り付けられていた。妻には遅くなるから寝ているように伝えていたから眠っているのだろうか。俺は妻の料理を温めて食卓へ置く。
宮島さんは、泣いていないだろうか。食事は食べられたのだろうか。
彩よく盛り付けられた料理を見ても箸が進まない。先にシャワーを浴びることに決めて、また宮島さんを思い出す。彼女は自宅へ帰って…どんなふうに過ごしているのだろう。
今夜の俺は何をしても宮島さんを思い出して、泣いていないか心配している。彼女の心を支えてくれる人がいるのか、友人でも家族でも誰でも良い。
誰でもなんて……そんなはずはなかった。佐々木先生が彼女の哀しみに寄り添ってくれる。そう信じられたからこそ、俺は、この時間の終わりを告げられた。
自分で宮島さんとの時間に終止符を打って、佐々木先生との恋を応援するようなことを言って、彼女を傷つけて自分を守った。
そうして漸く気づく。
眠れないほど、彼女を愛していることに。
眠れないほど -終わらせないで 2024/11/28-29
泣かないで 2024/12/01-02 関連作品-
午前1時の緊張。
やっと隣で規則正しい寝息を立て始めた彼女を起こさないように、そっとベッドを抜け出した。
ワンルーム。
音を立てずに暗闇の中、机の引き出しを開ける。
あらかじめ用意しておいた糸とペンを手にして、彼女のブランケットを少しだけめくる。
その細い薬指に糸を巻き、ペン先を糸にあてた。
すぐブランケットを戻し、糸とペンを引き出しにしまう。
「……ん? どうかした?」
――やばっ。
後ろから彼女の声がした。
「あ、トイレ行ってた」
ごめん、ごめんと言いながらベッドに入る。
「寒くない?」
寝ぼけた声で彼女が言う。
「大丈夫だよ、おやすみ……」
「ん」
――びっくりした。
彼女が再び規則正しい寝息を立て始めるまで、オレに寄せてきたその体を抱きしめた。
気づかれただろうか?
まだ心臓がドキドキしている。
お題:眠れないほど
そうですね 眠れない つらい でも 私にも ありました ご近所さんとの トラブルでした 眠れない日々 精神科にも 足を 運ぶ日々でした 娘達の 力をかり やっとの思いで 立ち直る事が できました
今日はうまく喋れた。
愛に溢れてる人と言われた。
愛の表現の仕方が十人十色なんだよ。
あなたや私の表現の仕方がオーバーなんだよ。
眠れない程…
悩みが一杯
心配が一杯
不安が一杯
娘が心配
猫も心配
自分は、どうでも良い
この子らを、守る事が出来るのか…
何故、娘にばかり💧
変わってあげれたら
何の力にもなれず老いて行くばかりなのか
私が死んだら娘は、1人になってしまう
色々、考えてしまうと
眠れない程、心配
娘の病気は、悪化するばかり
側に居てあげれたら💧
胸が苦しくなる
夜も眠れないほど、今日もあなたを想っている。叶わない恋だとわかっているのに、一度でいいから振り向いてほしいと考えてしまうのはどうしてだろうか。もう、やれることは全部やった。諦められるって、そう思ってたのに、違った。大人になったら、違う人を好きになってるのかな。そんな未来、想像できないよ。
〝眠れないほど〟夜がすごく長く感じるんだ。
長い夜が居心地が良い日もあれば、早く終われと願う日もある。そんな夜に共通するのはどちらも、朝が来ないように願っているということだけ。居心地のいい夜は静かで時間を忘れられるからこの世界に一人に感じるんだ。朝が来ると世界が動き出しちゃうから一人の世界は終わっちゃうんだ。早く終われと願う夜は色々考えていっぱいいっぱいになって泣いちゃって胸が苦しくて寝たくて全部忘れたくて、でも寝ると朝がきちゃうんだそしたらまたいっぱい考えて思い出さなきゃいけなくなるでしょ?それなら寝たくないし、だからどうしようもなくなっちゃってさ。夜が好きだ。でも嫌いなんだ。ああ今日も夜が来る。
「明日が来ませんように」
眠れないほど
眠ることを忘れ
いつも間にか
夜明けを明けてしまう
夢や恋愛♡を語り合えた
時間が愛おしく懐かしい
今思えば思うほど
幸せな時間が訪れ
さまざまにひとにも
出会ってきた
運命の巡り合い
だったかもしれない
携帯もメールもなかったあの頃
たくさんの人と
手紙だけでやり取りしながら
手紙の会話として
何通も返事を書き
相手からの手紙を読んで楽しんだ
まるで
恋愛小説を
書いているかのような気分になる
いっそうのこと
恋愛小説を
出版してしまおうかと気分になる
手紙だけではなく
実際に会って
会話を交わし
食事して
お買い物に行き
映画を観て
すごく楽しむことができた
恋愛には発展することはあるけど
わたしにとっては
恋愛にこだわるあまり
うまくいかないことがあった
たくさんのひとと触れ合う中で
恋愛よりもお友達の感覚で
気楽に自由に楽しんでいたかもしれない
本命の恋愛とは・・・
難しい数式を解くみたいに
あまりのも難関すぎて敵わない
自信を失うこともあったが
この空の向こうには
恋愛はたくさんある
希望溢れた恋愛は
まだまだ見つけられる
そんなふうに
自分自身に言い聞かせながら
今夜も眠れないほど
わたしは赤ワインを飲みながら
雨に映された過去の恋愛を
一晩中思い出に更けてゆく
そして泣いた
眠れないほど
気になって眠れないくらいあの人のことが、みたいなお題なんだろうな。でも俺にそういうあれこれはない。
しかし昨日眠りに関するグッズを買ったからちょうどいい。そのアイテムについて書こう。
ところでどうでもいいけどグッズとアイテムってなにが違うんだろ。個人的にグッズはファンアイテムでアイテムは単純に道具ってイメージだけど。
まぁどうでもいいから言葉の違いは調べないけど。それで昨日買ったアイテムは、いや、なんかアイテムは肌触りが違うな。グッズのほうがなめらかな感じがする。
なんだかすごく気になって違いを調べたけどよくわからんな。一応ほとんど同じ意味でグッズが一般的でアイテムが特別な一品らしい。
ただほかにもグッズが特定の目的で使われるものでアイテムは生活必需品みたいなことを書いてるのもあってよくわかんないな。
とにかくほとんど同じ意味ならこれからはグッズで統一するか。なんかアイテムはゲーム感あって違和感あるし。
それで昨日買った睡眠に関するグッズは耳栓なんだけど、なんか長くなっちゃったし耳栓の感想はまたいつか書くことにしよう。
これはやばい。もう真夜中なのに。ずっと見ちゃう。終わらない。眠れないほど面白い!
深夜のリビングで、私はノートPCを開けていた。サブスクで配信されてるタイのドラマ、次の展開が気になってどんどん見ちゃう。1話終わったらノータイムで次のが始まるから止められない。
ルームシェアしてるナオは自分の部屋に入ってたぶんもう寝ている。さすがに夜中まで音出してたら迷惑だよね。部屋にテレビはなくて、ナオはあんまりドラマに興味ないみたい。どっちかっていうとバラエティ? お笑いが好きって言ってたかな。
あと1話、と思ってマグカップに口を付けたら、コーヒーが冷めてる。その冷たさでふと我に帰ると空気がひんやりしているのに気づいた。やだ、寒いかも。
「まだ起きてたの?」
声に驚いて振り返ると部屋の入り口にナオがいた。
「ナオ!? なんで?」
隠し事がバレた子どものような反応をしてしまう。
「この部屋寒くないか?」
私の態度も気にせずナオはエアコンを調整してタオルケットを掛けてくれた。
「あ、ありがと…。怒らないの?」
「何に?」
何にって…、何にだろう。
「夜中まで起きてて…、隠れて配信ドラマ見てて…」
「お互い大人なんだから、そんなこと気にしないよ。一緒に暮らしている分、一人の時間は大切にしないと」
そっか。そこはルームシェアを始めたときに話し合ったルールだ。
「見られたくない趣味だってあるだろうし。お互いね」
そうだよね。ナオにもそういう趣味があるのかな。
「あー、でも見られちゃったなー。タイの配信ドラマ見てるの」
「そんなに変な趣味かな?」
「変じゃない?」
ナオが顔を背けて言葉に詰まる。やっぱり変だと思ってるじゃ…。
「実は、私も、部屋で同じドラマ見てた…」
ナオが照れくさそうな顔を隠している。
「えーうそ! だったら隠すことなかったじゃん! 一緒に見ようよ!」
「いやいや、こういうドラマは一人で見るもんかなって」
逃げようとするナオを放さない。
「もう遅いです〜。ねえ、キエトとアスニ、どっち派? せーので言おう!」
「キエト派」
「アスニ派」
「そこは違うんだ〜、あははっ」
またひとつ、ナオと同じところと違うところが見つかった。二人だけの眠れない夜は続いていく。
眠れないほど 寒い日は
布団をこたつにくっつけて
足先を少しだけ入れている
外は雪がなく
でも キーンと寒い
ストーブを消すと
内も外も変わらない
電気のない昔は
きっと今より寒かったろう
そう思うと
こたつに足先を
ちょっぴり入れるのは
ずいぶん贅沢な使い方
眠れないほど
おかしくなっていきそうだ……
ここ何日も眠れてない。
よく眠れたって思ったのはいつだっただろう。
眠れないからふらふらと夜に繰り出す。
部屋着にコートやマフラー着けて。
夜の真っ黒な町を歩いていたらいつか疲れて眠くなるだろう。
布団の中で眠れない自分と格闘するのは嫌なんだ。
そんなに遠出はしない。
夜の冷たい空気。
知ってる近場をうろうろと。
夜ってだけで不安なんだ。
あんまり不安になる事はしない。
とりあえずこの道を歩こう。
その次はここまで。
時にはコンビニに寄ってみたり。
夜の世界のコンビニほっとする。
明かりがついてて、ふつうにこの世界に人がいるのを確認できる。
ふかふかの肉まんとホットココアを買ったりして。
帰り道には星が出てるのを眺めながら。
夜の中をふわふわ歩いて、お腹の中があったかくなって、いい感じになった気がして家に帰ったりして。
でも布団に入るとなかなか寝れない。
横になってるだけでも違うの知ってるし、もう打つ手もないからそのままでいる。
とりあえず、目を瞑って、さっき纏った夜の空気を思い出す。
「眠れないほど」
眠れないほど
楽しみすぎて眠れないってことはないけど
不安すぎて眠れないことはある
幼い頃からそう
いつも不安がある
これはもう稟性と呼ばれる部分なのだろうなぁ
眠れないほど
「 ...... 。 」
「 ...... 、 」( ( 欠 伸 、
「 こ ら 。 喜 八 郎 。 」
「 お や ま ぁ 。 立 花 先 輩 。 」
「 欠 伸 を す る 時 は 手 で 覆 い な さ い 。 」
と 教 え た だ ろ う ? と 先 輩 は 僕 に 笑 い か け る 。
好 き だ な ぁ 、 と 思 う 。
「 喜 八 郎 。 お 前 が 寝 不 足 な ん て 珍 し い な 。 」
そ う な の か と 思 い つ つ 、 返 事 を す る 。
「 あ る 人 の 事 を 考 え て し ま っ て 寝 れ な い ん で す よ 。 」
と 。
そ う し た ら 先 輩 は 驚 い た あ と 笑 っ た 。
「 珍 し い な 、 笑 も し か し て 私 か ? 」
な ん て な 。 と 付 け た し て い た 。
け ど 僕 は 言 っ た 。
「 そ う で す 。 と 言 っ た ら ど う し ま す ? 」
「 は 、 ? 」
そ の 顔 、 声 全 て が 堪 ら な く 好 き だ 、
眠 れ な い 程 に 貴 方 の 事 が 、
初 忍 た ま 。 口 調 違 い は 許 し て 。
綾 仙 綾 。
「――21グラム」
一緒に酒飲んでたら、ダチが急に変なこと言い出した。
まだビール一缶も空けてないのに、もう酔ったのか。
「21グラムらしいぞ小僧」
「なにがだよジジイ」
こいつは呑んだくれのホームレス。
俺は適当にその日必要な分だけ稼いでるフリーター。
気ままに毎日生きてる感じが、妙にウマが合った。
「魂の重さだと。死んだら21グラム抜けるんだと」
ダチは遠い目をして、少し身震いしていた。
どこか悪いのかとは聞けなかった。聞きたくなかった。
ばぁか、と俺はダチの肩を軽く小突く。
「体重ごとき、抜けた分は俺が酒でも注いでやるよ」
そう言ってドヤ顔で酒をあおる俺に、馬鹿はお前じゃとダチが俺の頭をぶん殴った。痛がる俺を見て、缶ビールを零しながらゲラゲラ笑うダチ。
なんだよ、元気じゃねえか。
安心どころか、なんなら腹立たしいまである。
その日の晩は、朝日が昇るまで飲み明かした。
――それから数日後、仕事終わりにふらりと立ち寄ると、ダチのダンボールハウスが畳まれていた。
役人に撤去されたのか、酒の空き缶もプラの弁当容器も汚い毛布も、全て綺麗さっぱり無くなっている。
ふと、崩れたレンガの隙間に茶封筒がねじ込まれているのを見つけた。引っ越したのか。そうに決まっている。
そうだ、この間も役人と揉めたってボヤいてたし、ちょっと別の場所に住処を変えただけだ――
『おれの21グラム』
レシートの裏に、太字のペンで書かれていた。
封筒の中には、21枚の万札。
すぐに、魂の話だと思った。
死んだのか。本当に、死んだのか。
俺は馬鹿だから、抜けた魂の戻し方を知らない。
そもそも体が無いのなら、どうしようもない。
哀しみ、後悔。他の感情は、表し方がわからないけど。――それらはすべて、眠れないほどに。
【眠れないほど】2024/12/05
何だかアルコールを浴びるほど飲みたい。
そう思っていたのに気付けば床に散りばめられた色とりどりの宝石たち。
大理石の床には私が描いた模様が広がる。
そこに眠る私はさしずめお姫様といったところかしら。
姫はやたらと煌びやかな服を着ている。
どこにも売っていない私が作った私だけのドレス。
宝石を一つ飲み込んでみる。
世界が一気に輝いて、灰色からショッキングカラーに彩られてゆく。
まだまだ私は世界を堪能する。
嗚呼今夜もまた眠れない。
暖かい布団の中で、目だけが冴えている。
四方は真っ暗闇が支配している。
当たり前だ。深夜なんだから。
そろそろ空が白んでくる頃合いだ。
布団の中で寝返りを打ち、スマホのブルーライトで表現された時間を見る。
青白い光が、午前3時を示している。
眠れない。
眠れない。
なぜ眠れないかはよく分からない。
眠れないほど心配があるわけじゃなし。
眠れないほど辛いわけじゃなし。
なにしろ、私は苦しみたくないので、無我の境地に行こうと思った人間なのだ。
足るを知ろうと思った人間なのだ。
愛読書は『高瀬舟』だし、法華経とか四諦とかがマイバイブル。
向上心は仕事などのプライドを持つべきところで発揮して、プライベートではかなぐり捨てろ。これが私のポリシーだ。
何事も思い通りに行かなくたって仕方ないと諦めているし、それが悟りだと知っている。
だから、別に困り事は、その時々に「ちょっと困るなあ」と思うくらいで、私の人生にとっては重大な困り事ではない。
しかし、眠れない。
眠れないほどのことがないから、眠れないのだ。
どうやら私は、眠れないほど気楽らしい。
気楽すぎて眠れないことがあるだろうか。あるのだ。
現に私は眠れない。
深夜に、形だけは眠りながら、夜闇を見つめて夜を明かす。
それが、私の1日だ。
どうせ眠れないなら、何かしようか、と思うこともある。
思うことがあるだけで、しない。
だって、それほど切羽詰まってやろうと思うことも、ほとんどないのだから。
だから私は、夜は夜の闇をぼんやり楽しみながら、考え込むことに使っている。
瞑想、的な。
これがどうして、結構楽しいのだ。
眠れないほどの気楽さで、眠れない夜を明かす。
気がついたら、もう一時間が経とうとしている。
窓の外の空の端が、微かに白む。
朝がやってくる。
眠れないほど頭を悩ませるのは君のこと。
文面でのやり取りしかしていない私達は
来週初めて会うことになった。
文面だけだから可愛い相手を想像してるかもだけど
残念ながら
可愛さの欠けらも持ち合わせていない。
だから理想は低ければ低いほど
私が助かるけど
努力はしないといけないよね。
もう早く寝て明日に備えよう。
─────『眠れないほど』
それほど熱中することをもとめているのだが。
家、夜、経済的、楽しく、飽きが来ず長続きして、人にもおすすめでき、迷惑をかけない
なんかないかなぁ〜