『狭い部屋』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「狭い部屋」
広すぎるより狭い部屋の方が好き。
孤立していると感じちゃうから。
彼氏のことが好きすぎちゃうんだよね。
狭い部屋だといつも一緒にいられるって感じちゃうんだよね。
でも、そう思うのは自由だと思う。
今までずっと悲しかった。ずっと寂しかった。
だからそう感じる。
けどそれが飽きられて浮気されて最終的に振られるんだなって感じちゃうんだよね。
一番愛されたい。私だけをずっと愛してほしい。
それがわがままなのかな。
期待しすぎてるんだよね。
でも広い部屋ほど心がなんだか寂しく感じる。
狭い部屋
子供の頃から、一人部屋が憧れだった。いつも、妹弟達と同じ部屋で、中学生になっても、弟と一緒の儘…友人が、自分の部屋で、趣味のプラモ作りや、音楽の試聴だの、堪能している話が羨ましくて…
大人になっても、実家暮らしの後、結婚しても、一人部屋なんて持つことも出来なくて…それでも、小さくても、自分だけの部屋が欲しい…ささやかな夢のまた夢…
お題:狭い部屋
(とても強い地震の描写があります。緊急地震速報も鳴るような地震です。また、後味が非常に悪い作品です。
こうしたことが苦手な方は、どうか閲覧はお控えください)
それはちょっとした出来心のつもりだった。
「あれ、浩史(ひろし)いなくね?」
がら、と俺の側の引き戸が開く音がした。
多分この声は航大(こうた)だな。忘れ物を取りに戻る、と言って下駄箱から引き返した俺がいつまでも帰ってこないから、心配してくれたのだろう。根が優しいやつなのだ。
いい奴を騙すのは気が引けるけれど、軽く脅かしてネタばらしして、謝ったらアイスの一つでも買って許してもらおう。たまにはこういう趣向もありだろ、あり。
俺は教室の廊下側の隅にある、掃除用具入れの中にこっそり隠れていた。埃っぽくてカビ臭い、小さな密室だ。
正直、どれだけ金を積まれても、こんな場所に長居はしたくない。
狭い場所なので、自分のバッグはさすがに自分の机の上に置いてきていた。窓際の一番後ろの席だ。その荷物に気づいたのか、航大がぶつぶつ呟いている。
「やっぱ此処に来たんだよな。でも荷物だけここにある。なんでだ……?」
それは、お前を驚かすためだよ、バーカ。
最近流行りの『モニタリング』ってやつだ。別の言い方をするなら『ドッキリ番組』みたいな。
別に俺はテレビ局の人間でもなければユーチューバーでもティックトッカーでもない、ただの一般人だ。なので、これは普通に友人をびっくりさせてげらげら笑いたいだけだった。
「トイレか? スマホ鳴らしてみるか」
残念ながら、スマホはバッグに「敢えて」入れっぱなしである。
「えっ、まじかよ。スマホまで置いてくなよな」
暗闇の中、ほんの少しある隙間から、困り顔の航大がちらりと見えた。
やっべー、めっちゃくちゃ声に出して笑いてぇ。
ふすー、ふすー、と、呼吸音がつい大きくなりそうになって、慌てて口元を手で覆った。まだ正体を現すには早い気がするし、相手に先に気づかれたら負けな気がする。
「はー、どうしたもんかな。あともうちょい待っても現れなかったら、メールでも入れて先に帰るか」
軽く天を仰いだ航大が、俺の席の所へ歩み寄っていく。
そのまま通り過ぎて、窓の側まで近づいた航大が外を眺めだした瞬間。
耳障りで不穏な音が重なり合うように鳴り響き出した。人工的な音声が「地震です」と告げている。
やばい、逃げなきゃ。
その瞬間、床からぐわりと持ち上がるような、突き上げられような、強烈な揺れを感じた。今までに経験したことの無い、異様な揺れ。
がしゃ、がしゃ、バリン、ぐわん、様々な音が木霊するように外から聞こえてくると共に、床がぬるぬると横滑りしている。
不幸中の幸いなのか、この学校の掃除用具入れはしっかり壁に固定されているらしく、急に倒れたりするようなことは無かった。
ややあって揺れが少しだけ弱まってきた。今がチャンスだ、早く出ないと、と手で押しても、掃除用具入れの扉はびくともしなかった。
おい、まじかよ。
茫然としながらも、ああそうか、そういうことか、と得心がいった。
これ、丸っきり、うちのトイレと一緒だわ。
我が家の二階のトイレは完全には閉められない仕様だ。元々そうだった訳では無い。東日本大震災の時の激しい揺れにより、トイレの扉の枠が歪んでしまい、うまく開け閉めできなくなってしまったのだ。母が昔そう教えてくれた。その時トイレの中にいた母はあわや閉じ込められそうになったらしい。なんとか頑張って押したり蹴ったりして、ようやく出られたという。
この辺は震源地からだいぶ遠かったのに、それでもそんなに影響があったのか、と幼い子どもながらにビビったものである。
でもそうだ、ここには航大がいる。俺が出られなくても、声を出せば航大が気づいてくれるはずだ。
「おい、航大! 聞こえるか、浩史だ!」
どん、と掃除用具入れを内側から叩きながら大声を出した。ぐわんぐわんと横揺れは続いていて、身動きも取れず臭い密室の中にいる俺にはかなりきつい状況だったが、航大が側にいてくれることだけが救いだった。
すぐに返事があると思った。だが、返る声は無い。家具やら何かが擦れて揺れる音と、この狭い部屋の中のモップやバケツなどが立てる音だけがやけにうるさかった。
ああそうか、こんなところに俺がいることに、驚いているか、納得がいっていないかなのだろう。
「悪かった。ちょっとお前を驚かそうと思って、俺、掃除用具入れに入っちまってさ。そっちにスマホも置きっぱなしだし、扉は固くなっちまって開かないし、お前だけが頼りなんだよ」
今度はさっきより大声を張り上げ、強い音を立てて俺を取り囲む壁を叩いた。しかしそれでも、何の応答も無い。
まさか。
はっとした。
大きな揺れの直前、あいつはどこにいた?
そして、さっきまでは隙間から覗いていたあいつが、なぜ今は見えない?
視線を暗闇の中に空いた隙間から左へとずらしていく。
窓ガラスは粉々に割れていた。俺の席の辺りまで飛散している。
少しずつ隙間の下の方へと視線を移していく。
一部しか見えなかったが、うつ伏せになった身体が見えた。その背中には、ガラスの破片、が、大量に突き刺さって、いて。
多分、あいつ、動いて、ない。
気づいた瞬間、絶叫していた。
俺がこんな馬鹿なことを考えなきゃ、少なくともあいつは背中にモロにガラスを浴びずに済んだのではないか。
玄関からそのまま外に出て、階段を下りて、校門のあたりまでは出られていたのではないか。そうしたら、怪我をするにしても、こんな、酷いことには、ならなかったのではないか……。
自分が助からないかもしれないこと以上に、友人の命を奪う原因になってしまったことの方があまりに耐えがたく、許しがたかった。
嘘だろ、夢だって誰か言ってくれよ、なぁ、おい。
***
執筆時間…1時間
【余談】
隠れた後、殺人鬼に友人が襲われ、臭くて一刻も早く出たかったはずの密室から、とても怖くて出られない…というのを初めは考えたのですが、昨日の緊急地震速報に一月のことや東日本大震災のことを思い起こしたため、こちらの内容にしました。
どちらの内容にしても、後味が悪いことには変わりありませんね……。お目汚し失礼しました。
「鍵を返す前日」
角部屋。西向き。六畳一部屋とダイニングキッチン。
五年前、初めてこの部屋で過ごした夜。
実家とは違う街の音がうるさくて寝付けなかった。
理不尽なことを言われ、何も手につかなかった日。
初めてこの部屋に友人を招いた夜。
一歩踏み出そうと決めた日。
色々なことが起きたけど、その度に立ち上がることが出来た。
新しくはないし、夏は暑くて冬は寒い。
それでも、ここが一番落ち着く場所だった。
この鍵を返してしまったら、もう二度とこの部屋には入ることが出来ない。
そんなこと、当たり前のことなのに。
初めてひとりで暮らしたここは、心の実家だ。
帰ることが出来ない実家。
きっといつかこの近くを通る時、この部屋の窓を見つめるのだろう。
────狭い部屋
「ねぇ、狭いのって嫌じゃない?」
上京したての僕のワンルームにあがりこんだ君が言う。
「案外、広すぎるより落ち着くものだよ」
強がって言ってみたけれど、やっぱり手狭に感じてしまうのは事実で。もっと広い部屋なら、君に「一緒に住まない?」と勇気もだせただろうにって思うよ。いや、広くても言わないか……うん。
「極端な話さ……、棺桶より全然広いじゃん?」
「えーー?よりにもよってそれと比べるのー?湿っぽくてやぁーよ」
冗談っぽく聞こえてくれたみたいで良かった。
僕は別方向に勇気の舵を切って、これから…何日後だろう。君と些細な言い争いをたくさん、わざと繰り返して嫌われようと思うよ。
心配しないで、僕は君を心から酷く言うことは無いよ。
全部僕自身に浴びせたい言葉ばかりを、君に言ってしまうと思うから。君は真に受けないで。
「キッチンも狭すぎて、正直ご飯作る気になれないからさ、外食しよう?」
「んー、どこ行く?」
スマホで周辺の飲食店を調べ出す君の横顔を、あと何度見られるんだろう。もう緩和ケアぐらいしか残されていない僕の病状は、君には伝えない。君にはちゃんと僕を嫌いになってもらって、別の人と付き合って、幸せになって欲しい。僕と付き合っていた時間が抜け落ちるように忘れて欲しいんだ。
妥協の虫が頭の中を飛ぶ
無音だけどうるさい
閉じ込められた虫たちは
出口を知らずに狭い部屋を這う
今日も五匹増えた
小さいものから大きなものまで
まぁ、いいか
入口のドアが開いたままでも
いつだって自分が見ているものは世界だと信じてきた
例え人に嫌われても
例え上手くいかないことがあっても
例え誰も自分を愛していないと分かっても
自分はこの世界で生きなければいけないんだと信じていた
でもその信じてきたものから目を背ける瞬間はあっけなく訪れた
自分が生きてきたのはただの「狭い部屋」
「世界」とは比べものにならないくらい狭い狭い隠密な部屋
そしたら少しは心が楽になるでしょう?
【狭い部屋】
息苦しさもあるが、それでいて秘密基地のような
独占欲を満たしてくれるもの。
自分の好きな物、レコード、古本、映画観賞用の
プロジェクター、全てが手の中に収まっているような
感覚に浸れる。狭い部屋、同じ広さでも、少年時代の
子供部屋とはまるで意味合いが違っている。自由の象徴、
独立の象徴として、今24歳の自分には感じられる。
億万長者の住む大豪邸、都内6畳のアパート、
価格という物差しで見れば差は一目瞭然。
でも、
心の中に潜む豊かさにはそう差異はないのではなかろうか。
広がろうと、狭かろうと、1番大切な豊かさの物差しは
私たちの心の中にあるのではなかろうか。
初めて部屋を与えられたのは10歳…
納戸を改装して作った3畳程の部屋は
何だか薄暗くてとても恵まれた環境とは言えなかったけれど「狭い部屋」は十分に満足な空間だった…
ベッドが欲しかったが到底置ける筈もなく
考えたのは、大きな段ボールの中に布団を
敷き詰めて10歳の浅知恵が考えた寝床だ。
「ベッドが無理なら中に寝てみよう!」
ただでさえ狭い空間をさらに狭くして
閉所恐怖症の人には耐えられない空間で
3日頑張ったが狭すぎて諦めた…
当たり前だ一歩間違えは棺桶サイズだ💦
寝返りも出来ず夜が明けると体中が痛かった…バカな事を考えるもんだ(笑)
それから3畳の部屋では飼い猫の出産も
手伝った…初産で心配で連れてきたのだ
結局2階に新しい部屋が出来その部屋に長く居る事はなかったが、何だか今だに狭い空間は落ち着く…
個室が好きだし、店に入り奥の端が空いて
いるとそこに座る…
今はちゃんとベットが置ける自分の部屋で
1人自由に過ごす事が出来る
手足を伸ばしてくつろげる…
もうそれだけで人生幸せだと感じている。
取り越し苦労だよ。これに怯えるのは建設的じゃない。
梅雨と初夏の狭間、湿った大気を鬱陶しく思う
疲弊した身体と精神に余分負担をかけてくるこの時期は
とても嫌いだ
寝て起きれば雨の中労働へ向かうそれの繰り返しだ
労働で日々磨耗する自分を毎日変わらない形で待つのは
この7畳の狭い部屋だ
唯一私を受け入れてくれる私だけの場所
大抵は部屋が多く広い家を望む人が多いが
孤独と空虚で命を消費する私にはこの狭さが丁度良い
物理的にも心的にも近い距離感を感じるからだ
何も無い私だからこの狭い部屋に想いを詰め込み
私と対等な狭さ重い情に染め上げる
そうする事で孤独な私は孤独では無くなる。
沢山のぬいぐるみなどあまり実用的で無いものが多いせいで
窮屈だがそれで良い、
狭いだけで温もりを感じるから。
今日もそんな無機質な心の暖かみを感じるように
狭い寝床で就寝する
この部屋で明日も変わる事ない日常を迎えるのだ。
そして、この帰る場所で1人温もりを感じる
この狭い部屋で
ご、ごめんね!…家はちょっと…
うわあああ!やっちゃったよおおお!!
初めてのお家デート逃したあああああ!
…え?なんでかって?
こんな狭い部屋に入れられるわけないだろ!!
恥ずかしいよおお!!
はあ、、豪邸に住みたい、、、
『悩み中のCさん』
#狭い部屋
後悔することは無いとは言えないけれど
心はとても穏やかで、私は今日を迎えた
もうすぐ身体は消えてしまうけど
心はずっと愛する人の元で生き続け
また新しい光となって星のように瞬く日まで
暫しのお別れ
美しい花が私の身体に降り注ぐ もう泣かないで
またいつか会えるのだから
そして扉は閉ざされた
待たせてしまったあの人が、優しく私の手をひいた
【狭い部屋】
広い部屋に住んだことがないから、
狭い部屋がどうだとか、よく分からない。
比較対象がないのは良いことだ。
狭い部屋だなって嘆いたり悲しくなったりしなくて済むからね。
何と比べるのか。
比べなければ幸せ。
【狭い部屋】
目の前にドアがある。ここは狭い部屋の一室だった。
まるで箱の中にいる。小さい箱の中に。
一つ一つ開けて外に出る。そこにはまたドアがある。
また箱を開ける。繰り返し開ける。
その度に部屋は少し大きくなっていく。
外に出たいと自由が欲しいと、何回開けたかはわからないが諦めずに開けていく。
気づけばそこは途方もなく広い部屋の中だった。
どれだけあけても箱からは出ることはできなかった。
狭い部屋
狭い部屋が好きだ
ずっとここに閉じこもって過ごせたら
なんてことを考える
ヨーグルトとジャムパンだけを食べて
お気に入りの漫画だけを読んで
将来の不安も漠然とした孤独も失くなったら
どれだけいいだろうか
それはきっと素敵で理想のようだけど
理想は叶わないから理想なのだろう
心の中に留めて今日もまた夢を見よう
〖狭い部屋〗2
物を置くには物足りないけど
広いよりも居心地がいい
狭い部屋
好きな人、とは、なぜだか、全てが完璧であると仮想してしまう。もし理想と少しくらい違ったとしても、それすらも愛おしいと思う。少なくとも、私は。
君と晩御飯を一緒に食べようと約束して、家に着き、ハンバーガーをデリバリーして、一緒にゲームをして、一緒にピアノ、ギターを弾いた。文章に起こすと、とても長いようで、けれど私にとっては一瞬だったんだ。君と過ごした日々はいつだってあっという間だった。お世辞にも広いとは言えない君の部屋で過ごす、この時間こそ永遠に続けば良いのに、、。そんなことを想っているのは私の方だけで、君はなんとも思ってない。けれど、君とのこの儚い時間がすごく愛おしくて、半年経った今でも時折思い出してしまう。
あの二人だけの部屋は、これから先も私を、いや、私達を励まし続ける。それは君がいない時、雲間から一筋の光が差すように私の心を照らしてくれる。私はここで何が言いたかったのかっていうと、たった1日の出来事を、こんなに幸せに語らせてくれる君のことが、好きで好きでしょうがないって、知って欲しかったんだ。
「狭い部屋」
狭い私の部屋にはね、
一枚の写真があるの。
その写真の奥には果てしなく広い海が広がってるの。
見るたびに私をそっちの世界に連れて行ってくれるんだよ。
でもね写真の中でで笑ってるあなたの声は私には聞こえない。あなたの声が聞こえないの。聞こえないの…
私と思い出をこの狭い部屋に残して。
広い部屋に住みたい人
狭い部屋に住みたい人
人それぞれあると思う
どんな部屋にも窓がある。
たまには部屋の窓から空を眺めてもいいかもね
マリン